2022年6月24日
夏期企画展第13回写真コンテスト「高松塚古墳」
奈良文化財研究所 飛鳥資料館 アソシエイトフェロー 濵村美緖
昭和47年(1972)3月、奈良県明日香村の高松塚古墳で、色鮮やかな壁画が発見されてから今年で50年。この記念すべき年に、飛鳥資料館では、第13回写真コンテストのテーマをズバリ「高松塚古墳」としました。
平成23年(2011)に「奥飛鳥の文化的景観」が重要文化的景観に選定されたことをきっかけに始まった飛鳥資料館の写真コンテストでは、コンテストへの応募や作品展示をとおして飛鳥地域の魅力を再発見してもらおうと、毎年「飛鳥」にちなんだテーマで作品を募集しています。
13回目を迎える今回は「高松塚古墳」をテーマに、古墳周辺の風景に限らず、高松塚古墳や壁画にまつわる物や事柄など、自由な発想の作品を募集・展示します。
整備後の高松塚古墳
高松塚古墳は、7世紀末~8世紀初頭にかけてつくられた直径23mほどの円墳です。埋葬施設である石室内には漆喰が塗られ、天井には星宿図、側壁には四神や男子群像、「飛鳥美人」で有名な女子群像が描かれています。鎌倉時代の盗掘により、南壁に描かれていたと考えられている朱雀は失われてしまいましたが、壁画のほかにも盗掘を免れた海獣葡萄鏡やガラス玉類、棺や大刀の飾金具などの優れた副葬品も見つかっています。
重要文化財 高松塚古墳出土品
高松塚古墳壁画の発見は、日本中に驚きと感動をあたえ、日本全国で飛鳥ブーム・考古学ブームが巻き起こりました。また、壁画発見を契機に、明日香村をはじめとする飛鳥地域の貴重な景観・風土を保護する動きも一層高まりました。
高松塚古墳 解体実験用石室 飛鳥資料館屋外展示
築造されてから1300年あまりの間、飛鳥の歴史や人々の暮らしと深くかかわりながら今に残る高松塚古墳。現在、高松塚古墳やその周辺は公園として整備され、人々の憩いの場となっています。そんな高松塚古墳の過去・現在・未来に思いを馳せた様々な作品をとおして、高松塚古墳や飛鳥地域の魅力を再発見していただければ幸いです。
奈良文化財研究所 飛鳥資料館
(住所)〒634-0102
奈良県高市郡明日香村奥山601
- 問合せ
- 0744-54-3561
- 交通
- 近鉄橿原神宮前駅・飛鳥駅から 明日香周遊バス(赤かめ)「明日香奥山・飛鳥資料館西」下車
- 又は近鉄・JR桜井駅から 奈良交通(明日香奥山・飛鳥資料館西行)バスで「飛鳥資料館」下車
- 開館時間
- 9:00~16:30(入場は閉館30分前まで)
- 休館日
- 毎週月曜日(7月18日(月)・8月15日(月)は開館、7月19日(火)・8月16日(火)は休館)
- 観覧料
- 一般350円、大学生200円、高校生および18歳未満、70歳以上は無料(年齢のわかるものが必要です)。
- 障がい者の方とその介護者1名は無料。手帳のご提示が必要です。
- ※8月15日(月)は無料入館日
- ホームページ
- https://www.nabunken.go.jp/asuka/contest/13.html