2024年7月25日
特集展示「さわって体験!本物のひみつ2024」
~お手をふれてください~
九州国立博物館 展示課 課長 齋部 麻矢
博物館の展示室には、様々な文化財が展示されています。これらは長い歴史の中で育まれ、今日まで守り伝えられてきた貴重な宝です。この宝を長く後世に伝えるため、通常はさわっていただくことができません。とはいえ、見ているだけでは「どうやって作ったんだろう?」「どんな音で鳴るのかな?」「さわったらどんな感じだろう?」など、様々な疑問がわいてくるのではないでしょうか。
六区袈裟襷文銅鐸(右が本物、左がレプリカ)
本展では、そんな疑問をみなさん自身で解き明かしていただきます。
ケースに入った文化財の横に再現品やレプリカを並べ、それらをさわったり、使ったりする体験を通して、文化財の謎やひみつに迫ります。例えば、弥生時代の「銅鐸」は、ベルの様に吊るして音を鳴らす“マツリ”の道具ですが、約2000年もの永い間、土の中に埋まっていたため、錆びてくすんだ青緑色になっています。しかし、素材や当時の制作方法を検証して再現すると、その姿は美しい金色に輝き、表面はつやつやと滑らかで、鳴らすと少し高くて澄んだ音がします。この再現品をさわって、細かい文様を間近で見て、鳴らして音を聞くことで、はるか2000年前の人々の感覚を体感できるでしょう。再現品制作時の記録映像や使用した鋳型もあるので、その工程も知ることもできます。
海獣葡萄鏡
また、遣唐使などによって日本に伝わった中国・唐の「海獣葡萄鏡」は、とても肉厚なのが特徴で、背面には獣や鳥・昆虫などが描かれています。その鏡に実際にさわって、描かれた昆虫を探したり、レプリカをもって顔を映してみることで、今の鏡とは重さや使い方が違うことがわかります。その他、現代の刀工が制作した「刃がない脇差」や室町~江戸時代の鍔、馬型埴輪のレプリカなど、さわることで「なるほど!」と納得できるひみつを見つけてください。
再現品・レプリカ体験の様子
そして、体験後にもう一度ケースの中の文化財を見てみてください。体験から本物のひみつを知り、昔の人々のくらしや思いを想像することで、また少し違った文化財の魅力を発見できるでしょう。
なお本展では、子どもから大人まで、また車いす利用の方など多様な方に楽しく体験いただけるように、室内を明るく広々とした配置にし、点字解説や手話動画、音声解説を設置しています。もちろんすべて写真撮影はOK、記念撮影も大歓迎です。
体験で楽しく本物のひみつを解き明かす「歴史の旅」を、是非お楽しみください。
九州国立博物館
(住所)〒818-0118
福岡県太宰府市石坂4-7-2
- 問合せ
- 050-5542-8600
(ハローダイヤル 受付時間 午前9時~午後8時/年中無休) - 交通
- 最寄り駅:西鉄太宰府駅から徒歩約10分
- ■最寄り駅へのアクセス
- 【西鉄電車】西鉄福岡(天神)駅から西鉄天神大牟田線で西鉄二日市駅乗り換え、西鉄太宰府線で西鉄太宰府駅下車
- 【J R】JR二日市駅から西鉄二日市駅(徒歩約12分、バス約6分)、西鉄二日市駅から西鉄太宰府線利用
- 【西鉄バス】博多バスターミナルから西鉄太宰府駅下車(約40分)
- ■車
- 【九州自動車道】太宰府ICから約15分・筑紫野ICから約20分
- 【タクシー利用】JR二日市駅から約15分・福岡空港から約30分
- 開館時間
- 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
※状況により開館時間を変更することがありますので、最新の開館時間は九州国立博物館公式ホームページでご確認ください。 - 休館日
- 月曜日(ただし月曜日が祝日・休日の場合は開館、翌日休館)、年末
- 開催期間
- 7月17日(水)~10月14日(月・祝)
- 開催場所
- 九州国立博物館 4階 文化交流展示室 第9室
- 観覧料
- 一般700円、大学生350円、高校生以下・18歳未満および満70歳以上の方は無料
※障害者手帳等をご持参の方とその介護者1名は無料です。展示室入口にて障害者手帳・ミライロID等(詳細についてはHP等をご確認ください)をご提示ください。
※高校生以下・18歳未満および満70歳以上の方は、展示室入口にて生年月日がわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証等)をご提示ください。
※キャンパスメンバーズの方は無料でご観覧いただけます。展示室入口にて学生証、教職員証等をご提示ください。 - ホームページ
特集展示「さわって体験!本物のひみつ2024」