2024年12月26日
特集 博物館に初もうで―ヘビ~なパワ~を巳たいの蛇!―
東京国立博物館 広報室 宮尾美奈子
平成15年(2003)からスタートした東京国立博物館の恒例企画「博物館に初もうで」は、令和7年(2025)で22年目を迎えます。巳年となる今回は、特集「博物館に初もうで―ヘビ~なパワ~を巳たいの蛇!―」と題して、東博に棲む古今東西のヘビたちを展示します。

皆さんはヘビにどんなイメージを持っていますか? 脱皮を繰り返す生態や、時に毒をもつ特性もあいまって、私たちは古くからヘビに不思議なパワーを見出してきました。本特集では、絵画や彫刻、工芸品を通して、美しさ、迫力、面白さ、可愛らしさなど、私たちがヘビに重ねてきたさまざまな魅力を紹介します。
まずは、ポスターにも登場している「自在蛇置物」。頭部を除き、大小合わせて222個の部材からなる「自在置物」です。本物のヘビのようにとぐろを巻いたり、這いずり回ったり、自然な動きができます。展示室では原品とあわせて複製品を自動で動かし、にょろにょろと動く様子を目の前でご覧いただきます。

自在蛇置物
宗義作 昭和時代・20世紀 東京国立博物館蔵
ヘビの造形には、人々の祈りや願いが込められているものが少なくありません。
「胆松に白蛇」は、朝日を浴びて、弁天様の使いとされるめでたい白蛇が松の木に絡む、元旦にふさわしい浮世絵です。ヘビの輪郭線は豪華にも銀で摺られていて、間近で見ると鱗の一枚一枚がキラキラと輝くように見えます。

胆松に白蛇
渓斎英泉筆 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵
一方で、大きな口で人や動物を呑みこんだり、身体に巻きついたり、あるいは毒牙で噛みついたり、人間を圧倒する大蛇のイメージは伝説や物語にもしばしば登場し、人びとの前に立ちはだかります。
「摺箔 白地鱗模様」は、正三角形を繋げた鱗模様の能装束。『道成寺』の演目では、恋する山伏への執念のあまりに大蛇と化した娘の怨霊が鬼女の姿となって着用します。

摺箔 白地鱗模様
江戸時代・18世紀 東京国立博物館蔵
ほかにも、瞑想するブッダを守るヘビの神ナーガを表わした「ナーガ上のブッダ坐像」や、ヘビのように鋭いにらみをきかせる重要文化財「 十二神将立像(巳神)」など、変化自在の活躍を見せるヘビ尽くしの特集です。
本館では、長谷川等伯筆の国宝「松林図屛風」(1月2日~1月13日)といったお正月らしい名品の数々も展示します。1月2日・3日は新春イベントも行います。
東博の名品とヘビたちのパワーを浴びながら、新しい年の訪れを感じてください。
東京国立博物館
(住所)〒110-8712
東京都台東区上野公園13-9
- 問合せ
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)
- 交通
- JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車 徒歩10分
東京メトロ 銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車 徒歩15分
京成電鉄 京成上野駅下車 徒歩15分 - 開館時間
- 9時30分~17時。毎週金・土曜日および2025年1月12日(日)は20時まで
(入館は閉館の30分前まで) - 休館日
- 月曜日、1月1日(水・祝)、1月14日(火) ※1月13日(月・祝)は開館
- 観覧料
- 一般1,000円、大学生500円
※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるもの(生徒手帳、健康保険証、運転免許証など)をご提示ください。 ※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳等をご提示ください。
※特別展、有料イベント等は別途料金が必要です。 - ホームページ