2026年10月27日
いま、新たな扉が開かれる―皇居三の丸尚蔵館のグランドオープンを迎えて
皇居三の丸尚蔵館主任研究員・田中純一朗
皇居三の丸尚蔵館がいよいよグランドオープンしました。本年11月3日から始まる特別展「皇室の至宝―美いづるところ」の見どころをご紹介します。
本展覧会では、これまで当館が調査研究を重ねてきた美術工芸品をはじめ、皇室で今なお大切に継承されている御物、保護に努められてきた正倉院宝物、明治時代に皇室へ献納され現在は東京国立博物館が所蔵する法隆寺献納宝物などが一堂に会します。国宝、重要文化財を多数含む展示作品は、日本美術史を彩る名品、傑作というだけに留まらず、皇室がそれら文化財とともに歩んでこられた歴史を物語ります。
展覧会は、「日本美術の精華」「正倉院宝物―古代の輝き」「聖徳太子と法隆寺献納宝物」「ボンボニエール―皇室の御慶事を彩る小箱」「明治―帝室技芸員の誕生」「大正―モダンと古典の融合」「昭和―100年の軌跡」という7つのセクションに分かれ、総数190件に及ぶ多彩な絵画、書跡、工芸品が皆さまをお迎えします。
ここでは本展覧会の代表的な出品作をご紹介しましょう。
八角鏡 平螺鈿背 北倉42-7 正倉院 中国・唐時代(8世紀)(前期展示)
聖武天皇遺愛の品を、東大寺盧舎那仏(大仏)に納めた際の目録である『国家珍宝帳』にも記載された由緒ある鏡の一つです。鏡背は美しい螺鈿や琥珀、トルコ石などで装飾されており、古代の工芸技術の粋を凝らしています。鎌倉時代に盗難に遭った際に大きく破損しましたが、明治時代に修理が行われました。
国宝 竜首水瓶 東京国立博物館蔵 飛鳥時代(7世紀) Image:TNM Image Archives(中期展示)
水瓶は仏前の水を入れる容器として、または供養具として用いられるものです。この竜首水瓶は、法隆寺献納宝物のなかでも逸品と称すべき作品です。ササン朝ペルシアに起源をもつ器形で、胡瓶とも呼ばれます。注ぎ口は竜の頭部をかたどり、胴部には翼のある四頭の馬が線刻されています。古代に製作された工芸品ですが、はるか西方の異国情緒を感じさせる作品です。
重要文化財 藤原為信、豪信 天子摂関御影 天子巻・大臣巻 皇居三の丸尚蔵館収蔵 鎌倉~南北朝時代(14世紀)(中期展示)
平安時代後期の鳥羽天皇から鎌倉・南北朝時代までの天皇・上皇(院)21人、関白藤原忠通以下の摂政・関白30人、藤原秀忠以下の大臣80人、計131人の肖像を集めたユニークな絵巻物です。モデルの容姿を特徴的に表した「似絵」の手法が用いられています。明治時代に京都の曼殊院から皇室へ献上されました。
※「皇居三の丸尚蔵館収蔵」と記載の文化財は、館の所蔵品または収蔵の国有品を指します。
皇居三の丸尚蔵館グランドオープン記念特別展「皇室の至宝―美いづるところ」
令和8年(2026)11月3日(火・祝)~令和9年(2027)1月24日(日)
前期:令和8年(2026)11月3日(火・祝)~23日(月・祝)
中期:令和8年(2026)11月26日(木)~12月20日(日)
後期:令和8年(2026)12月23日(水)~令和9年(2027)1月24日(日)
https://shozokan.nich.go.jp/feature/grand-opening/beauty/![]()
皇居三の丸尚蔵館
〒100-0001東京都千代田区千代田1-8 皇居東御苑内
- ホームページ
- お問合せ先
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)
- 交通
- 地下鉄各線の大手町駅(C13a出口)から徒歩約5分
JR東京駅(丸の内北口)から徒歩約15分 - 開館日・時間
- 午前9時30分~午後5時(入館は午後4時30分まで)
毎週金曜・土曜は午後8時まで開館(入館は午後7時30分まで) - 休館日
- 毎週月曜日
(ただし、令和8年(2026)11月23日、令和9年(2027)1月11日を除く)、および、令和8年(2026)11月24日、11月25日、12月22日、12月28日~12月31日、令和9年(2027)1月1日~1月3日、1月12日
※その他諸事情により臨時に休館する場合があります。 - 観覧料
- 一般2,500円
本展は日時指定制です。会場での当日券販売はございません。
無料入場対象の方(一部の方を除く)も事前予約が必要です。
※小中高大生および満23歳未満の方は無料。
※障がい者手帳をお持ちの方およびその介護者1名は無料。
※無料入場の方は、学生証・障がい者手帳等の証明書を当日ご提示ください(小学生以下を除く)。
※当日の混雑状況により、ご入場までお待ちいただく場合がございます。
