2014年7月8日
「橋本コレクション 指輪」展と
Fun with Collection2014について
2012年,国立西洋美術館は橋本貫志氏が収集した800点を超える指輪コレクションを寄贈いただきました。古代エジプトから現代まで,4,000年に亘る指輪の歴史を一望できるユニークなコレクションです。当館では本年7月に,本コレクションから約300点の作品を厳選してお披露目となる展覧会を開催します。

指輪展ポスター
指輪は身につけていた人の思いやぬくもりを感じさせるだけでなく,その人を取り巻く生活,文化,歴史を映し出しています。回転させることができる古代エジプトのスカラベを象った指輪は,底に印が彫られていて,商談や契約のときに持ち主の記しとして使われるなど,今日の印鑑と同じ役割を果たしていました(写真1)。

(写真1)《スカラベ》新王国時代,紀元前1539–1069年頃
ステアタイト
国立西洋美術館 橋本コレクション Photo :上野則宏
男女が愛を誓うために指輪を贈り合う習慣は古代から現代まで続いています。相手の名を刻んだものや,ギメル(双子)と呼ばれる二重の輪を合わせてひとつとすることで二人の人生を象徴する凝った意匠のもの(写真2)。


(写真2)《ギメル・リング》17世紀
ルビー,ダイヤモンド,金
国立西洋美術館 橋本コレクション Photo :上野則宏
永遠に変わらぬ愛を象徴するダイヤモンドがついたものなど,そのスタイルは時代とともに変化しています。一方,人生のはかなさや故人への哀悼を表すために,亡き人の遺髪を指輪に納めることもありました(写真3)。

(写真3)《エドワード4世の遺髪が納められた指輪》1789年
ガラス,毛髪,金
国立西洋美術館 橋本コレクション Photo :上野則宏
このように,長い歴史のなかで人々はその小さな装身具に多様な意味を込めると同時に,時代の美を表現してきました。
そうした指輪の魅力を紹介するために,本展に関連して子どもから大人までを対象に,おしゃれ,素材とデザイン,象徴性など様々な視点から指輪を楽しむプログラムFun with Collection2014を行います。見る,作る,知る,考えるなど,いろいろな活動を通して,指輪に凝縮された西洋の文化を紐解き,そこに新たな発見をしていただければ幸いです。皆さまのご参加をお待ちしています。
国立西洋美術館
〒110-0007 東京都台東区上野公園7番7号
- 問合せ
- 03-5777-8600(ハローダイヤル)
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- 午前9時30分~午後5時30分
毎週金曜日:午前9時30分~午後8時
※入館は閉館の30分前まで - 休館日
- 毎週月曜日(ただし,7月21日,8月11日,9月15日は開館),7月22日(火)
- 観覧料
- 橋本コレクション 指輪 神々の時代から現代まで ― 時を超える輝き
当日:一般1,400円,大学生1,200円,高校生700円
前売/団体:一般1,200円,大学生1,000円,高校生600円 - ホームページ
- 国立西洋美術館ホームページ
http://www.nmwa.go.jp/