2020年5月7日
※新型コロナウイルス感染症予防対策により臨時休館となります。
詳細はHPを御覧ください。
世界的に注目される作家の日本での大規模初個展
国立国際美術館 企画室長 植松由佳
国立国際美術館は,世界で最も注目を集めているアーティスト,ヤン・ヴォーの日本の美術館では初となる個展を開催いたします。
ヤン・ヴォーは1975年,ベトナムのバリアに生まれ,現在はベルリンとメキシコ・シティを拠点に世界各地で活躍しています。ヴォーは4才の時に,父親の手製のボートに乗って家族とともにベトナムから逃れます。海上でデンマークの船に救助され難民キャンプを経てデンマークに移住。コペンハーゲン王立美術学校,フランクフルト(ドイツ)のシュテーデル美術学校で学びました。
ヤン・ヴォー《All work》2019年
展示風景画像(第58回ヴェネチア・ビエンナーレ,2019年)
Courtesy the artist Photo by Nick Ash
ヴォーは,彼自身の経験,家族の歴史,社会的あるいは政治的な歴史に彩られたレディ・メイドの物,写真や手紙などの蒐集品,また彼の周辺の大切な人たちの手によるものを取り込みながら作品化します。それらの作品を通じ,アイデンティ,権力,歴史,覇権主義,エロティシズムといったテーマが直接的にあるいは比喩的にあらわれ,鑑賞者にも一つの事物に対して異なる角度からの視線を持つことを誘います。
例えば,昨年からヴォーが取り組んでいる彼の教師,父親,恋人,ミューズである甥にまつわる作品。ヴォーに絵画を学ぶことを止めるようアドバイスしたピーター・ボンデによるミラー・フォイル上に描かれた抽象絵画。近年はコラボレーターでもある父親が記したカリグラフィー作品。恋人のハインツ・ピーター・クネスがヴォーのミューズであり甥のグスタフを撮影した写真。ヴォーにとって極めて重要な人々による作品を取り上げ,これらを再構成することにより,この作品群を通じてヴォーの姿が浮かび上がることに気づかされます。
[参考図版]Studio Danh Vo Güldenhof
Courtesy the artist Photo by Nick Ash
本展覧会は,世界的に最も注目されるアーティストの一人,ヤン・ヴォーの全貌を明らかにする日本の美術館では待望の初個展で,当館のみの開催となります。前述の作品に加え,ベトナム戦争を押し進めた米国防長官R.マクナマラの遺族との協働による新しい試みなど,新作・近作を含め約40点余の作品を展示。ヴォーの卓越した選択眼,組合せの妙を存分に堪能いただけます。またヴォーにより丹念に考え抜かれた展示室空間への作品配置も見所です。
国立国際美術館
(住所)〒530-0005 大阪市北区中之島4-2-55
- 問合せ
- 06-6447-4680
- 交通
-
京阪電車中之島線「渡辺橋駅」(2番出口)から南西へ徒歩約5分
Osaka Metro四つ橋線「肥後橋駅」(3番出口)から西へ徒歩約10分
JR「大阪駅」,阪急電車「大阪梅田駅」から南西へ徒歩約20分
JR大阪環状線「福島駅」,東西線「新福島駅」(2番出口)から南へ徒歩約10分
阪神電車「福島駅」(3番出口)から南へ徒歩約10分
Osaka Metro御堂筋線「淀屋橋駅」,京阪電車「淀屋橋駅」(7番出口)から西へ徒歩約15分
大阪シティバス「大阪駅前」から,53号・75号系統で,「田蓑橋」下車,南西へ徒歩約3分 - 開館時間
10:00~17:00 毎週金・土曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで- 休館日
- 月曜日(ただし祝休日は開館し,翌日休館)
- 観覧料
-
一般1200円(900円),大学生700円(500円),( )内は20名以上の団体料金
夜間割引料金(対象時間:金・土曜日の17:00以降):一般1000円,大学生600円
高校生以下,18歳未満無料(要証明)
心身に障がいのある方とその付添い者1名無料(要証明) - ホームページ
- http://www.nmao.go.jp/