2025年4月25日
西洋絵画、どこから見るか ― ルネサンスから印象派まで
サンディエゴ美術館vs国立西洋美術館
国立西洋美術館主任研究員/本展共同監修者 川瀬佑介

フアン・サンチェス・コターン《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》
1602年頃、油彩/カンヴァス、サンディエゴ美術館 © The San Diego Museum of Art
本展は、米国のサンディエゴ美術館との共同企画により、同館と国立西洋美術館の所蔵する作品計88点を組み合わせ、それらの対話を通じてルネサンスから19世紀に至る幅広い西洋美術の魅力とその流れを紹介する展覧会です。
サンディエゴ美術館は、主に1930年代を通じ、当時のアメリカ合衆国西部では随一の質と規模を誇るヨーロッパ古典絵画のコレクションを築きました。カリフォルニア州サンディエゴという土地の歴史・文化性や、篤志家たちの趣味を色濃く反映したユニークな内容を誇り、初期ルネサンス絵画やスペイン17世紀絵画などに多くの傑作を有しています。特に、フアン・サンチェス・コターン作《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》は、ボデゴンと呼ばれるスペインの静物画の最高傑作として広く知られるもので、本展のハイライトを成します。
一方国立西洋美術館は、松方幸次郎の収集した印象派を中心とするコレクションに基づいて1959年に設立され、1960年代末から古典絵画の体系的な収集を開始しました。以降、歴代の館長や研究員の調査研究に基づいて、西洋美術史の主要な流派やジャンルを網羅にカバーする総合的なコレクションの形成を目指して収集活動を続けています。
本展は、両館の所蔵する作品をペアや小グループからなる36の小テーマに分けて展示、比較に基づく作品の対話を通じ、ルネサンスから印象派に至る西洋美術史の力を分かりやすく紹介することを目指します。また両館は非ヨーロッパ圏においてヨーロッパ美術を収集した点においても共通します。その点に着目し、両館の持つ傑作を比較対照させながら、それぞれ西洋絵画がどのような目的や理想に基づいて収集されていったのかについても、紹介する予定です。
なお本展開催中、サンディエゴ美術館所蔵作品よりさらに5点の絵画を西洋美術館常設展で展示し、さらなるコレクションの対話を試みます。これらを含むサンディエゴ美術館からの出品作44点は、すべて日本初公開となります。
西洋絵画、どこから見るか? ― ルネサンスから印象派まで
サンディエゴ美術館VS国立西洋美術館
- 会期
- 2025年3月11日[火]-2025年6月8日[日]
- 会場
- 国立西洋美術館[東京・上野公園]
〒110-0007 東京都台東区上野公園7-7 - 開館時間
- 9:30〜17:30(毎週金・土曜日は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで - 休館日
- 月曜日、5月7日[水]
(ただし、5月5日[月・祝]、5月6日[火・休]は開館) - 観覧料
- 一般2,300円、大学生1,400円、高校生1,000円
- ※中学生以下、心身に障害のある方及び付添者1名は無料(学生証または年齢の確認できるもの、障害者手帳をご提示ください)。
- ※大学生及び高校生の方は、入館の際に学生証をご提示ください。
- ※国立美術館キャンパスメンバーズ加盟校の学生・教職員は、本展を学生1,200円、教職員2,100円でご覧いただけます(学生証または教職員証をご提示のうえ会期中、ご来場当日に国立西洋美術館の券売窓口にてお求めください)。
- ※観覧当日に限り本展観覧券で常設展もご覧いただけます。
- 交通
- JR上野駅下車(公園口)徒歩1分
京成電鉄京成上野駅下車 徒歩7分
東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅下車 徒歩8分 - 公式サイト
- お問い合わせ
- 050-5541-8600(ハローダイヤル)