2020年4月30日
コロナ禍に直面する、文化・芸術を愛する皆様へ
皆様も不安な日々を過ごされていることかと存じます。
私の関わる能・狂言公演でも中止・延期が相次ぎ、2か月以上、舞台の仕事がない状況となってしまいました。こうした情勢の中、先行きの不安は持ちつつも必要以上には落ち込まないことを心掛け、できる範囲での稽古を重ねる毎日を過ごしております。
また、一刻も早く事態を終息させるため「うちで」過ごされている方たちへ、わずかながらでも狂言のエッセンスや楽しさをご提供できればと、SNSで「♯うちで笑おう」という動画の投稿をはじめました。狂言の「笑い」や「泣く」型などを通して、少しでも籠りがちな日々の感情の発散のお手伝いができたらと思います。文化・芸術がウイルスを直接打ち倒すことはできませんが、いまこの困難に直面しているすべての人を力づけることはできると信じています。
狂言の登場人物たちのように、どんな目にあっても決してへこたれず、今は土中に眠る種子のように力を蓄えて芽吹きの時を待ちましょう。また陽を浴びて大輪の花を咲かせる時は必ず来ます。 能・狂言はおよそ650年の間、多くの戦争や疫病を乗り越えて今があります。今回も必ず乗り越え、また皆様とよろこびと笑いを分かち合える日々が来ることを信じています。共に頑張りましょう。
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