2022年7月26日
郷土資料館de!思い出づくり!
板橋区立郷土資料館 学芸員 細樅 雄貴
■展示のリニューアル
板橋区立郷土資料館は、昭和47年(1972)に開館し、地域博物館として、板橋区の歴史・考古・民俗の資料を中心に展示してきました。令和2年(2020)1月18日には老朽化した常設展示を改装し、社会科見学に対応したメモをとるための台を展示ケース前に新設、タッチパネルで区内の文化財を調べられる「いたばしナビ」の設置など常設展示室を一部リニューアルしました。令和4年7月に開館50周年を迎えます。
■毎年恒例の「夏休み子ども教室」
当館では、夏休みに「夏休み子ども教室」と銘打ったイベントを開催しています。対象は、小学生・中学生とその保護者で、学芸員がそれぞれ企画し、夏休み期間中である7月下旬から8月下旬までの間に様々なプログラムを開催します。令和3年(2021)は、「火おこし体験」、「さわって学ぼう!本物の鎧・刀」、「桜で染める桜色の手ぬぐい」、「勾玉づくり」、「牛乳パックで作るピンホールカメラ」、「夏休み自由研究相談」など、学芸員の専門や館のコレクションに関わるプログラムを企画しました。
コロナ禍でも当館は、「本物に触れる」、「郷土資料館で体験」を大事にしていました。もちろん、ネット配信やweb会議システムなどを利用したイベントの構築も必要ですが、過去のイベントで参加者から「コロナ禍で外に出づらい中、郷土資料館がイベントを開催してくれるので助かる。」と言われたことがあり、現在の社会状況で郷土資料館(博物館)だからこそ本物の体験を大事にしたかったのです。
親子で作った桜色の手ぬぐい
■ちょっとした工夫
イベントを告知する際は、単にプログラム内容をお知らせするのではなく、誰が見るのかを想像して告知ポスターを作っています。夏休みの自由研究に役立つイベントの告知となると、子ども以上にその親たちが関心を持ってくれるのはないかと思い、電車の中で見かける某広告に寄せてみました。最初に作ったポスターと比較するとなかなかインパクトのあるデザインになったのではないかと思います。
当初の夏休みイベントの告知ポスター
改良された夏休みイベントの告知ポスター
■夏休みの宿題も兼ねている
「夏休み自由研究相談」とあるように、単なる夏休みの体験プログラムではなく、夏休みの宿題の手助けにもなっているのがポイントでもあります。例えば、区内の歴史を調べている子どもに、展示室で関連する資料を見てもらったり、関連する図書を紹介するなどのアドバイスを行います。
■本物の体験と思い出をお持ち帰り
宿題のため、という目的がはっきりしている参加者もいますが、それ以上に郷土資料館での体験を通して、家族で楽しそうに取り組んでいる姿や、夢中で勾玉を磨いている姿を見ることが出来、参加者にとってもよい夏休みの思い出になったのではないでしょうか。これからも地域で愛される博物館として、工夫を凝らしながら色々な体験を提供していきます。
本物の甲冑をさわって、記念写真!
板橋区立郷土資料館
〒175-0092
東京都板橋区赤塚5-35-25
- 問合せ
- TEL 03-5998-0081 FAX 03-5998-0083
- 交通
- 都営三田線「西高島平駅」下車 徒歩13分
- 東武東上線「成増駅」・東京メトロ「地下鉄成増駅」下車 徒歩23分
- 都営三田線「高島平駅」下車 西口2番バス乗場
- (区立美術館経由成増駅北口行)にて区立美術館下車 徒歩2分
- 東武東上線「成増駅」・東京メトロ「地下鉄成増駅」下車 北口2番バス乗場
- (区立美術館経由高島平操車場行)にて区立美術館下車 徒歩2分
- 開館時間
- 火曜日~日曜日 9:30~17:00(入館は16:30まで)
- 休館日
- 毎週月曜日(祝祭日の場合は翌日)・年末年始
- 観覧料
- 入館無料
- ホームページ
- https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kyodoshiryokan/index.html