2025年5月26日
文学の感動を伝える
キャッチフレーズは、“心にたっぷり、栄養補給!”
高志の国文学館事業部長 生田美秋
富山県立の「高志の国(こしのくに)文学館」は2012年に開館し、2025年で13年目を迎えました。2024年度の年間利用者数は96,968人でした。
2023年4月から俳優でエッセイスト、絵本作家でもある室井滋が館長に就任し、文学館の敷居を低くして文学の裾野を拡げたい、次代を担う若い世代が気軽に足を運び文学にふれる場にしたい、県内外の観光客が文学の魅力にふれる場であってほしいとの思いを、“心にたっぷり、栄養補給!というキャッチコピーに込めました。
エデュケーション=教育普及活動ではなく、文学館活動のすべてがエデュケーション=生き延びる力(OECD教育2030)を育むという立場から活動を紹介します。

外観

定期的におはなし会も開催される親子スペース
文学の拠点施設として
延床面積3070㎡の敷地に、展示の蔵、広々とした万葉の庭、庭を眺めながら本を手に取ることのできるライブラリーコーナー、絵本の充実した親子スペース、ミュージアムショップ、貸出している研修室・和室を備えるほか、レストラン「シェ・ヨシ」を併設しています。
ふるさと文学の蔵では、大伴家持、宮本輝、木崎さと子、堀田善衞、柏原兵三、源氏鶏太、辺見じゅん、久世光彦など富山県ゆかりの作家の展示、漫画コーナーでは藤子・F・不二雄、藤子不二雄Ⓐなどを紹介しています。クローズアップコーナー、特別コレクション室ではゆかりの文学を掘り下げて紹介しています。新たにデジタルサイネージによる富山県の「ふるさと文学史年表」「ゆかりの映画作品」「ゆかりの映画監督」の紹介を開始しました。
収蔵資料約16,000点をデータベースで公開しています。

企画展「アニメ監督×万博プロデューサー
河森正治 展」

ふるさと文学の蔵 大書架
ジャンルの枠にとらわれない企画展の開催
企画展示の蔵では、年間4つの企画展(ホームページ参照)のほかに、公募作品を紹介する「しあわせを伝えよう!絵てがみ展」を開催しています。地域の文化の拠点として、施設を社会に開き共有・共創する試みです。作品の感動が次の本を手に取らせ、人の成長の原動力となることから、当館では文学の感動を伝えることを大切にしています。

創作ワークショツプ「絵てがみ教室」

「第1回しあわせを伝えよう!絵てがみ展」
学び、創作し、発表する場の提供とウェルビーイングの推進
室井滋の館長就任と共に開始した「室井滋の文学サロン きときとの仲間たち」「室井滋の夜噺」のほか、「大学連携」などの文学講座、季節を愛でる「観桜の集い・観月の集い」、「夏のこどもフェスティバル」、県内アナウンサーによる「朗読と音楽の夕べ」、高校生による「書道パフォーマンス」、絵てがみなどの創作教室のほかに、研究助成事業「高志プロジェクト」、学校連携事業「移動文学館」などを行っています。
公立博物館の存在意義は市民の幸福の実現に寄与することにあります。富山県では、成長戦略の中心に「ウェルビーイング」(1人ひとりが自分らしくいきいきと生きる~幸せの実感)を掲げています。当館でも、ウェルビーイングをテーマに絵てがみ作品の募集と展示を行うなど、「ウェルビーイング先進地域 富山」を推進する文学館をめざしています。
高志の国文学館
(住所)〒930-0095
富山県富山市舟橋南町2番22号
- 問い合わせ先
- 076-431-5492
- 交通
- ・JR・あいの風とやま鉄道 富山駅南口から/◎市内電車「富山駅」乗り場から「大学前」行または環状線「県庁前」下車、徒歩5分◎徒歩15分◎コミュニティバスまいどはや(西ルート)「富山中部高校前」下車、徒歩2分
- ・富山空港から/◎タクシー約20分
- ・北陸自動車道富山ICから/◎自動車約20分
- 開館時間
- 9:30~18:00(観覧受付は17:30まで)
- 休館日
- 火曜日(祝日を除く)祝日の翌日、年末年始
- 観覧料(常設展)
- 一般200円(団体160円)
団体料金は20人以上の場合、高校生以下は無料
*企画展料金は別途定める - ホームページ