2014年6月26日
ぶんらくってなあに?―夏休みは親子で“文楽”!
国立文楽劇場部企画制作課 中島雄一
人形浄瑠璃文楽は,大阪で生まれ育まれた,日本を代表する伝統芸能の一つです。大夫と三味線が演奏する義太夫節と,3人の人形遣いが操る人形の舞台が一体となり,物語が進行します。ユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に記載されるなど,高い芸術性を持っています。
国立文楽劇場は1984年に大阪の地に設立された国立劇場で,今年開場30周年を迎えました。名前のとおり主に文楽を上演するほか,舞踊,邦楽,声明,演芸など様々な公演を行っています。毎年,夏休みの頃に3部制の文楽公演が行われ,第1部で「親子劇場」としてご家族で楽しめるプログラムを上演しています。今回は,この「親子劇場」について御紹介いたします。

夏休み文楽公演第一部
「かみなり太鼓」「西遊記」
文楽のレパートリーのほとんどが江戸時代に作られた大人向けの作品です。「親子劇場」では,これまで親子でも楽しめる内容の作品を選び,また,新作の上演にも取り組んできました。今夏は,人気作「西遊記」と新作の「かみなり太鼓」をお届けします。
「西遊記」では孫悟空と三蔵法師の出会い,猪八戒の登場から妖怪・銀角との戦いまでが描かれます。
悪さの罰を受けていた孫悟空は,三蔵法師の天竺への旅のお供をすることになりました。三蔵と悟空が訪れた山奥の一軒家には,美しい娘とその母,娘の従兄弟の猪悟八が住んでいます。実は,彼らは三蔵一行の旅を邪魔しようとする者たちなのですが……。
テンポの良いストーリー展開とスペクタクルなシーンをお楽しみください。
「かみなり太鼓」は,近年は狂言の茂山千五郎家とのコラボレーションなどでも知られる,落語作家の小佐田定雄氏による書き下ろし作品です。
天神祭が近いある日,太鼓職人の家に雷のトロ吉が落ちてきます。天神祭の日に雲の上で開かれる太鼓大会で優勝したいが太鼓は苦手なトロ吉に,職人夫婦と息子の寅ちゃんが協力し特訓が始まります。さてトロ吉は無事に雲の上に帰れるのでしょうか……。
滑稽な中にも大阪の夏の風情が感じられる作品です。
「親子劇場」では,舞台に上がって実際の人形を遣うことができる体験コーナーも魅力です。当日,舞台上から呼びかけますので,手を上げて人形遣いの気分を味わってみてください。
盛りだくさんのプログラムですが,上演時間は2時間ほどとコンパクトな構成で,御家族で飽きることなくお楽しみいただけます。
また,第2部では名作劇場,第3部ではサマーレイトショーとして,近松門左衛門の作品を上演します。夏休みは御家族で文楽の世界に触れてみませんか?

夏休み文楽公演第二部
「鑓の権三重帷子」

夏休み文楽公演第三部
「女殺油地獄」
国立文楽劇場 夏休み文楽特別公演
〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋1丁目12番10号
- 問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[PHS・IP電話] - 交通
- 地下鉄・近鉄 日本橋駅7号出口より徒歩1分
- 公演日時
- 7月19日(土)~8月4日(月)
【第一部】11時開演【第二部】2時開演【第三部】6時開演 - 御観劇料
- ・ 一般:4,700円
・ 学生:2,400円
・ 子供(18歳以下):1,900円 - ホームページ
- http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2014/3424.html?lan=j
《インターネット予約》
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