2014年8月4日
今も昔も,演劇は面白い!
新国立劇場制作部演劇(広報担当) 藤沢 花
演劇とは,TVドラマや映画と違い,劇場で,観客の目の前で俳優が生で物語を演じるお芝居です。もちろんカメラもスクリーンも不要。シンプルなだけに歴史は古く,なんと2000年以上も前から人々に楽しまれているとも言われています。いわば「人類最古の娯楽」なのです。
たとえば,多くの名作を残す16世紀の劇作家ウィリアム・シェイクスピアの作品に出てくる台詞には,現代の私たちにも共感できる(グサッとくる?)ものが多々あります。
「人生は歩きまわる影法師,あわれな役者だ,舞台の上でおおげさにみえをきっても出場が終われば消えてしまう」(「マクベス」より)
「恋は目でものを見るのではない,心で見る」(「夏の夜の夢」より)
「さいわい,悲しみに友があり,悩みに連れがある そのときは,心も苦しみを乗り越える力がある」(「リア王」より)※
400年以上も昔の作品だからって,「古くさい」なんてとんでもない!昔から残る作品は人の心を掴むからこそ,長い間舞台で上演され続け,様々な国の多くの人に愛され続けているのです。


古い作品でも,演出は自由。
約2000個のダンボールを使った斬新な「テンペスト」
(シェイクスピア作,白井晃演出。2014年5月,新国立劇場にて上演)
「ロミオとジュリエット」とか「桜の園」とかは聞いたことあるけど,今の時代の作品は全然知らない……という人も多いのでは?でも現代だって,面白い作品は海外でも,そして日本でも作られているのです。
新国立劇場でも,蓬莱竜太書き下ろしの「まほろば」(岸田國士戯曲賞を受賞。「演劇界の芥川賞」と言われる賞)を2度にわたり上演したり,長塚圭史による大人も子供も楽しめる新作「音のいない世界で」を上演したり……,現代の作品の制作にも多く取り組んでいます。

2012年12月-2013年1月公演
「音のいない世界で」(長塚圭史作・演出)より
ちなみに2015年7月にも,この時と同じメンバーによる長塚氏の新作を上演予定。
最後に,そんな新国立劇場では9月よりベルトルト・ブレヒト作「三文オペラ」を上演。こちらは80年以上前から上演され続けている名作ですが,ロンドンの貧民街の人間ドラマを描いた,歌あり生演奏ありのゴージャスな舞台です。演劇初心者にもオススメの,理屈抜きで楽しめる作品。ぜひこの機会に演劇に触れてみてはいかがでしょうか?

2014年9月公演
「三文オペラ」の豪華な出演者たち(撮影:熊谷仁男)
当劇場では9/13(土)18時より演劇講座「三文オペラの魅力」を開講!入場無料。
公演の予習・復習にぜひ。情報はホームページからどうぞ。
※小田島雄志訳『シェイクスピア全集』Ⅱ~Ⅳ(白水社,1985-86年)より引用
新国立劇場 演劇 9月公演「三文オペラ」
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1 新国立劇場 中劇場
- 問合せ
- 【ボックスオフィス】(10:00~18:00)03-5352-9999
- 交通
- 京王新線(都営新宿線乗入)新宿駅より1駅,初台駅中央口直結
- 公演日時
- 以下のリンクを御覧下さい。
http://www.nntt.jac.go.jp/play/diedreigroschenoper/schedule/index.html - 御観劇料
- ・S席:8,640円
・A席:5,400円
・B席:3,240円 - ホームページ
- http://www.nntt.jac.go.jp/play/diedreigroschenoper/