2014年10月2日
バレエは面白い!
新国立劇場制作部舞踊(広報担当) 中尾久美子
バレエは,ことばを必要としない芸術のため,世界中のどこでもまた誰でも楽しめる芸術です。その起源は古く,ルネッサンス期(14世紀末~16世紀)にイタリアで誕生したと言われています。フランスに伝わったバレエは,主に宮廷の貴族の間で踊られるようになります。歴史上の人物としても大変有名な,フランスのルイ14世は自身も踊りの名手と言われた人物で,バレエを厚く保護しました。ダンサーを養成するため,舞踊学校を作り,これを機に職業的なダンサーがバレエを踊るようになり,その舞台も宮廷から劇場へと移り,バレエの技術は高度に発展するのです。そして時代によって様々な作品が生まれることとなります。19世紀前半では,女性ダンサーはつま先で立って踊るようになり,その軽やかさで観客を魅了しました。

「ジゼル」2013年2月公演より (撮影:瀬戸秀美)
19世紀後半になると,バレエの中心は,ロシアに移ります。ロシアでは,より技巧的なスタイルが発展し,チャイコフスキー作曲の『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』といった作品が生まれます。

「白鳥の湖」2014年2月公演より(撮影:瀬戸秀美)
20世紀に入ると,世間からは新しい感覚を持ったバレエが求められるようになります。ディアギレフの率いる「バレエ・リュス」(フランス語で「ロシア・バレエ団」という意味)は,様々な振付家や芸術家と協力して19世紀までの踊りとは異なる形式の新しいバレエ作品を次々と発表しました。その後,バレエは世界中に広まり,あらゆる国で上演されるようになりました。

「火の鳥」2013年11月公演より (撮影:鹿摩隆司)
バレエは,「踊り」「音楽」「衣裳」「舞台装置」といった様々な要素で構成されています。このうち一つにでも興味があれば,必ず舞台は楽しめるはずです。新国立劇場バレエ団ではバレエの魅力を一人でも多くの方にお伝えできるよう,様々な時代の作品を上演しています。11月には,偉大な作曲家チャイコフスキー作曲の三大バレエのひとつ「眠れる森の美女」を上演します。日々の練習で培われたダンサーの身体によって表現される「踊り」,美しい「音楽」,そして華やかで豪華絢爛な「衣裳」や「舞台装置」によるこの作品は,様々な魅力満載の宝石箱です。ぜひ劇場でその魅力を味わってください。
新国立劇場バレエ 11月公演 「眠れる森の美女」
〒151-0071東京都渋谷区本町1-1-1 新国立劇場オペラパレス
- 問合せ
- 【新国立劇場ボックスオフィス】(10:00~18:00)03-5352-9999
- 交通
- 京王新線(都営新宿線乗入)新宿駅より1駅,初台駅中央口直結
- 公演日時
- 2014年11月
8日(土)2:00/9日(日) 2:00/11日(火)6:30/
13日(木)2:00/15日(土)2:00/16日(日)2:00 - 御観劇料
- S席¥16,200,A席¥12,960,B席¥8,640,
C席¥6,480,D席¥3,240,Z席¥1,620 - ホームページ
- http://www.nntt.jac.go.jp/ballet/sleeping/