2016年7月20日
文楽のなつやすみ
~「西遊記」の新作と井上ひさし作品初の舞台化~
国立文楽劇場部企画制作課 中島雄一
国立文楽劇場では,今年も夏休みの時期に三部制の公演を行い,第一部で「親子劇場」として御家族で楽しめるプログラムを,第三部の「サマーレイトショー」として初めて文楽を御覧になる方にも親しみやすいプログラムを上演します。この夏,「親子劇場」では西遊記物の新作「新編西遊記GO WEST!」と古典作品の「五条橋」を,「サマーレイトショー」では劇作家・井上ひさしの文楽作品「金壺親父恋達引」をお届けします。

夏休み文楽公演第一部
「新編西遊記GO WEST!」
「新編西遊記GO WEST!」は,三蔵法師一行の4人がそれぞれに活躍する姿を御覧いただく新作です。天竺国へと差しかかった三蔵法師の一行は,身の上を嘆く女性に出会います。天竺国の王女だと名乗るその女性は,城にいるのは偽者で,術によって変化をしていると語ります。城の広場で王女の婿取り騒ぎに巻き込まれた一行は,王宮に乗り込んで偽者の正体を暴こうとするのですが……。
「五条橋」は,義経・弁慶主従の出会いとしてよく知られる場面です。若くて小柄な義経と大柄で力持ちの弁慶の立ち廻りに御注目ください。体験型の「解説 ぶんらくってなあに」も併せてお楽しみいただけます。盛りだくさんのプログラムですが,上演時間は2時間ほどとコンパクトな構成で,御家族で飽きることなくお楽しみいただけます。

夏休み文楽公演第三部
「金壺親父恋達引」
「金壺親父恋達引」は,フランスの大劇作家・モリエールの「守銭奴」を井上ひさしが文楽に翻案した作品で,文楽で舞台化されるのは今回が初めてです。
主人公はひどいしまりやで,貯めたお金を壺に入れて庭に埋め,こっそりと取りだしては眺めるのが日課という,呉服屋「金仲屋」の主人・金左衛門です。その金左衛門が,町内で評判の小町娘を三十両の持参金つきで娶ろうとしたことから,息子に娘,番頭や手代,取引先の呉服問屋まで巻き込んだ大騒動が始まります。井上ひさしらしいテンポの良いセリフ回しと,各所にちりばめられた文楽のエッセンスで,上演時間も1時間と少し。初めて文楽を御覧になる方にもオススメです!
第二部では名作劇場として,夏狂言らしい「薫樹累物語」と「伊勢音頭恋寝刃」をお送りします。夏こそ文楽の世界に親しんでみませんか?
国立文楽劇場 夏休み文楽特別公演
(住所)〒542-0073
大阪府大阪市中央区日本橋1丁目12番10号
- 問合せ
- 【国立劇場チケットセンター】(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
- 地下鉄・近鉄 日本橋駅7号出口より徒歩1分
- 公演日時
- 7月23日(土)~8月9日(火) 【第一部】11時開演【第二部】2時開演【第三部】7時開演
- 御観劇料
- ・一般:【第1部】4,700円 【第2部】5,400円 【第3部】4,000円
・学生:【第1部】2,400円 【第2部】3,800円 【第3部】2,800円
・子供【第1部のみ】(18歳以下):1,900円 - ホームページ
-
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2016/5272.html
【インターネット予約】
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