2017年6月6日
夏休みはぜひ劇場へ!
~歌舞伎鑑賞教室「一條大蔵譚」~
国立劇場制作部歌舞伎課 松崎彩加
国立劇場は昨年度に開場50周年を迎えましたが,歌舞伎鑑賞教室は開場の翌年から開催され,今年で50年目を迎えました。長きにわたり,学生を中心とした大勢のお客様が,この歌舞伎鑑賞教室で歌舞伎デビューをしてきました。今年の7月の鑑賞教室では,義太夫狂言の名作「一條大蔵譚」を上演します。

一條大蔵卿長成(尾上菊之助)
今から約850年前,日本では「源氏」と「平家」の二つの武士団が争っていました。源義朝の妻であった常盤御前は,義朝が討たれた後,夫を討ち滅ぼした平清盛の側室となり,その後一條大蔵卿という公家に嫁がされました。大蔵卿は源氏の子孫でありながら,争いには全く無関心。毎日遊んでばかりで,周囲からも呆れられています。常盤御前も,源氏のことなど忘れてしまったかのように見えます。様子を探りに大蔵卿の屋敷へ潜入した義朝の家来,吉岡鬼次郎・お京の夫婦は,彼らが心に秘めている思いを意外な形で目にします……。一風変わったキャラクターと,意表を突くストーリーが魅力の作品です。後半の見せ場では,大蔵卿が本性を現すと同時に,その衣裳が一瞬にして変わる「ぶっ返り」という演出も見られ,歌舞伎らしさを存分にお楽しみいただけます。
主人公の一條大蔵卿は,二面性のある人物です。時にユーモラスに,時に凛々しく……表情,声色,しぐさなど,細やかで巧みな演じ分けをぜひ劇場で御覧ください。大蔵卿を当たり役とする人間国宝・中村吉右衛門の監修で,尾上菊之助が初役で勤めます。

大蔵卿の二面性とは…?
解説「歌舞伎のみかた」では,歌舞伎特有の表現や作品のみどころなどを,歌舞伎俳優がわかりやすく御紹介します。公演プログラムや歌舞伎に関する豆知識をまとめた冊子など,御観劇の手引きを無料でお配りするほか,本編ではイヤホンガイドによる音声同時解説や字幕表示もございますので,初めて歌舞伎を御覧になる方でも安心です。
さらに,17日と20日から24日までの6日間は,「親子で楽しむ歌舞伎教室」として,子供向けのイラスト入りプログラムを配布します。また,7日と14日は「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」として,お勤め帰りにも御観劇いただきやすいお時間に上演します。
「鑑賞教室」と言っても堅苦しいものではありませんので,リラックスしてお楽しみいただけます。夏休みの自由研究に,忙しい日々の息抜きに,ぜひ劇場へ足をお運びください!
国立劇場 7月歌舞伎鑑賞教室 『解説 歌舞伎のみかた』『鬼一法眼三略巻 一條大蔵譚』
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
- お問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
- 東京メトロ半蔵門線・半蔵門駅より徒歩5分,半蔵門線・有楽町線・南北線永田町駅より徒歩8分
都営バス都03(晴海埠頭-四谷駅)三宅坂下車徒歩1分 - 公演日時
- 【歌舞伎鑑賞教室】
平成29年7月3日(月)~24日(月) 午前11時開演・午後2時30分開演
※7日(金)・14日(金)は午後2時30分開演のみ
【社会人のための歌舞伎鑑賞教室】
平成29年7月7日(金)・14日(金) 午後7時開演
【親子で楽しむ歌舞伎教室】
平成29年7月17日(月・祝),20日(木)~24日(月) 午前11時開演・午後2時30分開演
※親子割引あり。詳細はホームページを御覧ください。 - 御観劇料
- 学生:全席1,300円
一般:1等席3,900円,2等席1,500円 - ホームページ
-
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_l/2017/297.html
【インターネット予約】
http://ticket.ntj.jac.go.jp(パソコン)
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