2018年3月6日
こころ安らぐ“寄席”という空間
国立演芸場 営業課 吉矢正之
落語を始めとした様々な演芸が行われる寄席。今回はそんな庶民の生活やこころと密接に関わりながら発展してきた寄席の世界を御紹介いたします。
実は「寄席」の定義は様々あるのですが,ここでは,常設の演芸場においてほぼ連日休むことなく行われる「定席」とも呼ばれる演芸公演を指すこととします。(国立演芸場においては,原則として毎月1~20日に開催)
寄席の魅力は,何と言っても気軽に入れる雰囲気にあります。いつ訪れても公演が行われていること,お手頃な入場料(国立演芸場で2,100円),そして提灯やのぼりに彩られたその親しみやすい姿が,やさしい,ゆったりとした空間を醸しだします。

国立演芸場の高座(舞台)と客席
公演としての寄席の特徴の一つは,演芸の番数の多さです。例えばほかの演芸場に比べて番数が少ない国立演芸場でも,前座を除きおおむね9番の演芸が次々に登場します。そうやって登場していく寄席芸人は,一人一人(若しくは一組)がリレー走者のような存在です。それぞれ独自に芸を披露していることはもちろんですが,その一方で一日の寄席がバランス良く成立するよう,互いにそれぞれの個性,演題の性質,その日のお客様の反応などを考慮しつつ,出演者たちがそれぞれのポジションから「楽しい寄席」を演出し,構成していくのです。もちろんその一方で彼らは別個の芸人であり,互いに競争相手でもあるので,それぞれの個性を主張しつつ,日夜研鑽している芸を披露していることは言うまでもありません。“共演”と“競演”が積み重なったモザイク状の色彩が,楽しい寄席を生む要因といえましょう。
4月の国立演芸場においては,1日(日)~10日(火)の「上席」と11日(水)~20日(金)の「中席」が,それぞれ異なる出演者で構成されます。春らん漫のこの季節,ふらりと立ち寄った演芸場で,その日の席独特の“いろ”や“かおり”を見つけてはいかがでしょうか?

国立演芸場の売店。ここで小さな行楽気分も味わえます。
国立演芸場
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
- お問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
- 東京メトロ半蔵門線・半蔵門駅から徒歩5分
半蔵門線・有楽町線・南北線永田町駅から徒歩5分
都営バス都03(晴海埠頭-四谷駅)三宅坂下車徒歩1分 - 公演日時
- 上席4月1日(日)~10日(火)中席4月11日(水)~20日(金)午後1時開演(前座は12時45分開演)
6日(金),13日(金)は午後6時開演(前座は午後5時45分開演) - 観覧料
- 一般2,100円,学生1,500円,65歳以上1,300円,小学生1,100円
- ホームページ
-
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/engei/2018/1174.html?lan=j
(上席)
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/engei/2018/1177.html?lan=j(中席)
【インターネット予約】
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