2018年5月21日
必見!!社会人のための文楽入門・Discover BUNRAKU
~文楽の解説における新たな取り組み~
国立文楽劇場部企画制作課 中島雄一
国立文楽劇場では,例年6月に学生や文楽を初めてご覧になる方に向けて,出演者(太夫・三味線弾き・人形遣い)による実演を交えた解説と見ごたえのある名作をお楽しみいただく「文楽鑑賞教室」を開催しています。その中で,平成28年から外国の方向けの「Discover BUNRAKU」を上演するに際して,社会人向けの「社会人のための文楽入門」と併せて,解説部分を一新しました。

平成29年6月「社会人のための文楽入門」
(左より)吉田玉翔(人形遣い),茂山童司(狂言師),桐竹勘次郎(人形遣い)
まず,ナビゲーターが観客の代表として出演者に質問を投げかけ,出演者がそれに応えていく対話形式としました。ナビゲーターには浪曲師の春野恵子さん(28年)や狂言師の茂山童司さん(29年)といった,他の伝統芸能のジャンルの方に御出演いただくことで,文楽とそれ以外の芸能との比較など,解説の幅が広がりました。
また,解説の構成を落語作家のくまざわあかねさん(28年)や「木ノ下歌舞伎」主宰の木ノ下裕一さん(29年)にお願いしたことにより,ナビゲーターと人形とのやり取りや義太夫節による童謡のアレンジなど,新たな発想が盛り込まれた解説となりました。
ここ2年の解説の内容を簡単に御紹介しますと,28年は上演演目である『夏祭浪花鑑』から,物語に先立つ一場面を上演し,そこにナビゲーターが加わる形で,文楽というお芝居を構成する舞台上の様々な要素や約束事などを取り上げました。29年は狂言の太郎冠者が文楽の世界に迷い込んだという設定で,太夫・三味線による義太夫節版『どんぐりころころ』の実演や,太郎冠者による人形とのふれあい,人形遣い体験などを御覧いただきました。
今年30年6月の「社会人のための文楽入門」は,12日(火)・18日(月)の午後6時30分の開演で,子供向けの新作文楽も手掛けた落語作家の小佐田定雄さんの構成により,落語家の桂かい枝さんの御案内で,落語と浄瑠璃との「語り芸」の比較などを取り入れた解説『文楽のいろは』と,時代物の名作『絵本太功記』をお楽しみいただく予定です。

平成30年6月上演演目「絵本太功記」
なお,16日(土)午後2時からの「Discover BUNRAKU」では,『二人三番叟』と『絵本太功記』で舞台上部に英語字幕を表示するほか,日本語と英語のそれぞれのイヤホンガイドを無料で貸し出しいたします(別途保証金として1,000円が必要です)。解説『The ABC of BUNRAKU』は,英語と日本語を交えたものとなります。
他にも事前にあらすじなどを知ることのできる外国語サイト(下記参照)を御用意しています。海外の方はもちろん,通訳案内士や観光ボランティアなど,海外の方に日本文化を紹介する方々にも御覧いただきたいと考えています。
文楽をまだ見たことがないという方も,この機会にぜひ御覧ください!
国立文楽劇場
6月文楽鑑賞教室/社会人のための文楽入門/Discover BUNRAKU
『二人三番叟』・『解説』・『絵本太功記』
(住所)〒542-0073 大阪府大阪市中央区日本橋1丁目12番10号
- お問合せ
- 【国立劇場チケットセンター】(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[PHS・IP電話] - 交通
- 地下鉄・近鉄 日本橋駅7号出口より徒歩1分
- 公演日時
- <文楽鑑賞教室>
6月8日(金)~6月21日(木)
【午前の部】10時30分開演 【午後の部】2時開演
※16日(土)は午前の部のみ,12日(火)・18日(月)は午後の部のみ
※8日(金),18日(月)の午後は貸切
<社会人のための文楽入門>
6月12日(火),6月18日(月) 午後6時30分開演
※「二人三番叟」は上演いたしません。
<Discover BUNRAKU>
6月16日(土) 午後2時開演 - 御観劇料
- ・一般:3,900円 ・学生:1,300円
- ホームページ
- <文楽鑑賞教室>
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2018/6discover-bunraku1.html?lan=j
<Discover BUNRAKU>
http://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2018/6discover-bunraku1.html?lan=j
【インターネット予約】
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