2019年7月22日
身近な演芸あれこれ
国立演芸場 営業課 川口 初
テレビで落語や漫才を御覧になったことがある方はきっと多いと思います。それらがテーマになったドラマ,マンガや映画も最近では珍しくなくなりました。
落語や漫才を始め,講談,曲芸など,寄席と呼ばれる小屋で演じられている芸能は,総じて演芸と呼ばれます。
演芸を生で観たことがなくあまり馴染みがない,という方でも,ふだん何げなく使われる言葉に演芸に関するものがあります。演芸を少しでもより身近に感じてもらえるよう,今回は落語にまつわる言葉のいくつかを御紹介しましょう。

落語にまつわる言葉,いくつ御存知ですか?
「オチ」
話のオチという使われ方をします。これが面白いと場が大いに盛り上がりますよね。落語でも,はなしの締めくくりの一言をオチといいます。落語は読んで字のごとく,落とす,つまりオチがあるはなしです。落語はたくさんあり,それぞれに違ったオチがあります。ですからオチもバリエーションに富み,笑いを誘う可笑しみがあるものから,中にはなるほど,と思わず唸るものまであります。
「ネタ」
ネタばれ,ネタぎれなど「ネタ」の入った言葉は日常の会話にもよく出てきます。落語では,はなしのことをネタといいます。演じる人たち(落語家)は,いくつもネタを持っていて,その時々に合わせてネタを選び,お客様が楽しめるようにしています。楽屋にはその日に出たネタを書き留める「ネタ帳」があり,前に出たネタと重ならないように,出番の前にこれをチェックします。ほかにも,新しいはなしを覚えて初めて披露することを「ネタをおろす」と言います。
「真打」
例えばカラオケ大会で,最後に一番上手な人が出てくると「真打登場」と声があがることもあります。「真打」の由来はいくつかありますが,そのうちの一つに,ロウソクの芯を打つ,つまりハサミでパチンとロウソクを切って火を消すことからきている,というものがあります。まだ電気が普及していないときに,寄席では明かりにロウソクが使われていたそうです。舞台のロウソクを消すのは,最後に登場する人の役割でした。現在,落語家の階級の呼び名の一つとして使われています。
以上はほんの一例です。
落語を始め演芸は,江戸時代から人々に愛され,生活に密着していたものでした。時代を超えた現在でも,私たちが使う言葉の中にその名残があります。
国立演芸場は,昭和54(1979)年3月の開場以来,演芸を上演しております。本年,おかげさまで40周年を迎えました。これからも,演芸をより身近に感じられる場所として,お客様にたくさんの笑いをお届けしてまいります。

皆様の御来場をお待ちしております!
国立演芸場
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
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0570-07-9900,03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
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半蔵門線・有楽町線・南北線永田町駅から徒歩5分
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- 8月上席 8月1日(木)~10日(土)午後1時開演
※9日(金)は午後1時/午後6時開演 - 観覧料
- 一般2,200円,学生1,500円,65歳以上1,400円,小学生1,100円(全席指定)
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