2020年9月29日
『夏の夜の夢』をオペラで
新国立劇場 制作部オペラ広報担当 高梨木綿子
新国立劇場では欧米の多くの劇場と同じように,秋から初夏までをシーズンとし,シーズン中,オペラ,バレエ,ダンス,演劇を次々に上演しています。新国立劇場オペラの2020/2021シーズン開幕公演は,英国の作曲家ブリテンのオペラ『夏の夜の夢』。芸術の秋真っ盛りの10月4日(日)初日です。「シーズン開幕に,20世紀オペラでも最も華やかで心から楽しめる作品を」という思いを込めたラインアップで,シェイクスピアお馴染みの,妖精のいたずらで起こる恋の大騒動の物語が登場します。

マクヴィカー演出『夏の夜の夢』モネ劇場公演より
シェイクスピアの作品は数多くありますが,『夏の夜の夢』はその中でも最も親しまれている喜劇。妖精の王オーベロンと妖精の女王タイターニアの夫婦喧嘩をきっかけに,オーベロンの命令を受けたパックが間違えて惚れ薬を使ってしまって,若者4人の恋人関係が大もつれ。アテネ公シーシアスとヒポリタの結婚式で披露しようと芝居の練習に励む職人達のひとりはパックのいたずらでロバ頭に変身。タイターニアは惚れ薬でロバ頭の職人ボトムに夢中……大混乱の末,最後は3組の結婚をオーベロンとタイターニアが祝福して大団円,という物語です。オペラの『夏の夜の夢』はシェイクスピアの原作をほぼ踏襲し,歌詞もシェイクスピアのテキストを使って,イギリスを代表する作曲家ブリテンがオペラ化しました。妖精たちの合唱はボーイソプラノのアンサンブル,妖精のオーベロンは“カウンターテナー”という,男性が裏声で女性の音域を歌う独特の声種で作曲されていて,妖精の世界と人間たちがもつれあう複雑な構成を鮮やかに書き分けています。

マクヴィカー演出『夏の夜の夢』モネ劇場公演より
新国立劇場では,もともとこのシーズン開幕には,デイヴィッド・マクヴィカーという演出家がベルギーで演出した舞台を上演する予定で準備を進めていました。今回は,新型コロナウイルス感染症対策を講じ,予定していた舞台の舞台装置・衣裳を使いながらも,“ニューノーマル時代の新演出版”として,舞台上の密な状況や接触を避けた,新しい演出を行って上演します。

マクヴィカー演出『夏の夜の夢』モネ劇場公演より
舞台装置・衣裳は世界的に有名なデザイナー,レイ・スミスがデザインしたもので,古びた屋根裏を舞台に神秘的な世界が広がります。

マクヴィカー演出『夏の夜の夢』モネ劇場公演より
新国立劇場では,この秋,ダンス『Shakespeare THE SONNETS』,演劇『リチャード二世』と,シェイクスピア関連の作品を続けて上演します。芸術の秋,舞台芸術の泉ともいえるシェイクスピアの世界を,新国立劇場で楽しみませんか?
新国立劇場 2020/2021シーズンオペラ
文化庁芸術祭主催公演『夏の夜の夢』
(住所)〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
- お問合せ
- 03-5352-9999(新国立劇場ボックスオフィス/10:00~18:00)
- 交通
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京王新線初台駅(都営新宿線乗入) 徒歩1分
- 開演時間
- 2020年10月4日(日)14:00,10月6日(火)14:00,10月8日(木)18:30,10月10日(土)14:00,10月12日(月)14:00
- チケット料金(税込)
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S席22,000円 A席16,500円 B席11,000円 C席6,600円 D席3,300円
※学生割引(5%),ジュニア割引(20%),高齢者割引5%,当日学生割引(50%)など各種割引あり。
Z席1,650円は公演当日朝10:00から販売。御購入の際は下記ホームページで購入方法を御確認ください。 - ホームページ
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https://www.nntt.jac.go.jp/opera/a-midsummer-nights-dream/