2021年2月15日
【あなたが文楽を未来へ!】第30期文楽研修生募集中
国立文楽劇場部企画制作課 小河原 匠
独立行政法人⽇本芸術⽂化振興会では,我が国の文化的財産である歌舞伎俳優,歌舞伎⾳楽(⽵本,鳴物,⻑唄),⼤衆芸能(寄席囃⼦,太神楽),能楽(三役),⽂楽,組踊の各分野で研修を⾏い,伝承者を養成しています。研修は,重要無形⽂化財保持者等を講師とし,実技研修,研修発表会等を中⼼とする実践的,体系的なカリキュラムを編成し,研修⽣は2〜6年をかけ,伝承者となるために必要な技芸や⼼構えを習得します。現在,300名を超える研修修了者がそれぞれの舞台で活躍し,伝統⽂化を次世代につなぐ⼤きな役割を果たしています。
現在,大阪・国立文楽劇場をベースに研修を実施している文楽の出演者となるための基礎教育を行うことを目的とした「文楽研修」について,令和3年4月開講の「第30期文楽研修生」を募集しています。(締切:令和3年2月19日)

第30期文楽研修生募集
人形浄瑠璃文楽は,太夫の語りと三味線弾き,人形遣いの三業が心をあわせて一つの舞台を作り上げる総合芸術です。江戸時代初期に大阪で生まれ,いつの時代でも変わらない人間の情を描いてきました。今日ではユネスコの「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」にも記載され,世界的にも高い評価を得ています。文楽の出演者(太夫・三味線・人形)を技芸員といいますが,約半数はこの文楽研修修了者です。将来,文楽の舞台で活躍する思いを持たれた方は,是非御応募を御検討ください。
※個別相談も随時受け付けております。興味をお持ちの方,応募についてお悩みの方は,ページ一番下の「お問合せ」先まで,是非御相談ください!
文楽研修について
文楽の出演者である技芸員,その役割は太夫,三味線弾き,人形遣いとわかれますが,幹部技芸員に入門するための基礎教育を行うことを目的としています。昭和47年(1972年)に財団法人文楽協会(現・公益財団法人文楽協会)の協力を得て開始し,来年には50年目を迎えます。
文楽への理解を深めるため,まず研修生全員が太夫,三味線弾き,人形遣いの基本を学びます。その後の適性審査の後,それぞれの専門分野にわかれて,より実践に近い技芸を習得していきます。
研修修了者は,幹部技芸員に入門して公益財団法人文楽協会に技芸員として所属し,舞台に出演することを目指します。
○太夫の研修
太夫は,登場人物すべての台詞・心理・動作などを一人で語り分け,物語を展開していく重要な役割を担っています。専攻課程では,義太夫節独特の発声法や的確な表現の習得をめざして,様々な曲目を履修します。

太夫の研修風景
○三味線の研修
文楽では,太棹と呼ばれる三味線を用います。三味線弾きはその太く低い響きにより,浄瑠璃の感情を表現します。専攻課程では基本奏法の習得に加え,音色で感情を表現することを学んでいきます。

三味線の研修風景
○人形の研修
文楽では,一体の人形を主遣い・左遣い・足遣いの三人で操ります。三人のイキがひとつになって初めて,流れるような美しい演技が生まれるのです。研修では,人形遣いの出発点ともいうべき“足遣い”を中心に履修します。専攻課程に入ってからは,実際の公演での実習も多くなります。

人形の研修風景
≪第30期⽂楽研修⽣ 募集概要≫
- 応募資格=中学校卒業(卒業⾒込みを含む)以上の男⼦で,
原則として年齢23歳以下の者。経験不問。 - 募集⼈員=若⼲名
- 応募締切=令和3年2⽉19⽇(金)
- 選考⽇(予定)=令和3年3⽉1日(月)
- 選考⽅法=作⽂,簡単な実技試験,⾯接
- 研修期間=令和3年4⽉から令和5年3⽉までの2年間
- 研修時間=原則,平⽇午前10時から午後6時まで
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研修場所=国⽴⽂楽劇場(⼤阪)※⽂楽東京公演時は国⽴劇場(東京)で実施
受験料・受講料=無料。宿舎(審査有・有料),伝統芸能伝承奨励費貸与制度有。 - 応募要項等,詳細はこちら=
https://www.ntj.jac.go.jp/training/group/bunraku/guidelines.html
- お問合せ
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国立文楽劇場 企画制作課養成係(平日午前10時~午後6時)
〒542-0073 大阪市中央区日本橋1丁目12番10号
TEL 06(6212)5529