2021年5月24日
今年も開催 「文楽鑑賞教室」
国立文楽劇場部企画制作課 中島雄一
国立文楽劇場では,今年も6月に学生や文楽を初めて御覧になる方に向けて,出演者(太夫・三味線弾き・人形遣い)による実演を交えた解説と見ごたえのある名作を御覧いただく「文楽鑑賞教室」公演を開催します。
今年は「五条橋」と「卅三間堂棟由来」平太郎住家より木遣り音頭の段を上演します。
「五条橋」は,夜の京都の五条橋を舞台に,源氏の貴公子・牛若丸(後の源義経)と怪力自慢の僧兵武蔵坊弁慶が闘う,後に無二の主従となる二人の出会いを描きます。
「卅三間堂棟由来」のあらすじは,前世で互いに枝を交わして夫婦となっていた梛と柳の大木が,梛のみが横曾根平太郎という武士に生まれ変わり,柳はお柳という女に化身して夫婦となってみどり丸という子供まで儲けます。しかし,京の都に三十三間堂を建立するために柳が伐り倒されることになり,お柳たち家族に別れが訪れるという内容です。演目の終盤,街道筋で立ち往生した柳をみどり丸が曳く際に演奏される木遣り音頭は義太夫節の名曲で,柳と人との種族を超えた親子の情愛が胸を打つ作品です。

「卅三間堂棟由来」女房お柳(撮影:滝澤めぐみ)
出演者による実演を交えた文楽の解説も含めて,たった2時間強で文楽のエッセンスが楽しめるというコンパクトな構成です。
当日配布のパンフレットには漫画でのあらすじ紹介もあるので,開演前に読んでいただくと更に楽しめます。また,劇場1階の展示室では「文楽入門」という展示もありますので,併せて御覧ください。
なお,6日(日)は「大人のための文楽入門/Discover BUNRAKU」と題し,社会人の方,親子連れで休日に文楽をお楽しみいただけるように,開演時間を30分繰り下げ,午前11時,午後2時30分からといたしました。舞台の進行にあわせて音声で解説が流れる日本語イヤホンガイドの無料貸し出しに加え,今回は字幕表示機器として台数限定でタブレット端末をご用意します。こちらは舞台の進行にあわせた英語での字幕解説と,非英語圏の方に向けたやさしい日本語での字幕解説の表示を予定しております。
海外の方はもちろん,通訳案内士や観光ボランティアなど,海外の方に日本文化を紹介する方々にも御覧いただきたいと考えています。
文楽をまだ見たことがないという方も,この機会に是非御覧ください!
国立文楽劇場 6月文楽鑑賞教室/大人のための文楽入門/Discover BUNRAKU
(住所)〒542-0073
大阪府大阪市中央区日本橋1丁目12番10号
- 問合せ
- 【国立劇場チケットセンター】(午前10時~午後6時)
0570-07-9900,03-3230-3000[PHS・IP電話] - 交通
-
地下鉄・近鉄 日本橋駅7号出口から徒歩1分
- 開館時間
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<文楽鑑賞教室>
6月3日(木)~6月17日(木)
【午前の部】10時30分開演 【午後の部】2時開演
※13日(日)は休演
<大人のための文楽入門/Discover BUNRAKU>
6月6日(日) 【午前の部】午前11時開演 【午後の部】午後2時30分開演
※日本語イヤホンガイド無料
※英語・やさしい日本語の字幕表示タブレット無料(台数限定)
- 観劇料
- ・一般:3,900円 ・学生:1,400円
- ホームページ
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<文楽鑑賞教室>
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/bunraku/2021/6discover-bunraku.html
【インターネット予約】
http://ticket.ntj.jac.go.jp(PC)
http://ticket.ntj.jac.go.jp/m(スマートフォン)