2022年3月25日
劇場の“屋根裏部屋”で―舞台衣裳・美術展示
<初台アート・ロフト>
新国立劇場 広報室 広報第一係 大島麗子

新国立劇場 初台アート・ロフト
ひときわ好奇心をくすぐられ、覗いてみずにはいられない......どんな建物の中でも“屋根裏部屋”はそんな場所で、誰しもが想像力を掻き立てられる空間でしょう。本稿では新国立劇場の屋根裏部屋―その名も<初台アート・ロフト>をご紹介いたします。
<初台アート・ロフト>とは、新国立劇場が2019年夏に開設した劇場ゆかりの舞台美術・衣裳を一般公開するための劇場内展示空間です。
劇場メインエントランスから建物内部にお入りいただくと、まずは巨大なオペラ『アイーダ』の舞台装置(一部)が皆様をお出迎え。つづく階段を見おろす左右のギャラリー部分は、舞台衣裳を身にまとったマネキンたちが彩ります。
ご来場の皆様が立ち寄りやすいオープンスペースと、これまでに新国立劇場が蓄積してきたたくさんの財産を活用し、公演のご観劇だけではない、新たな側面から舞台芸術に親しんで頂くため、これまでにも各テーマに沿った魅力的な企画展を開催して参りました。

手前:蟹五郎(オペラ『夜叉ヶ池』)・奥:ライオン(オペラ『魔笛』)
個性的なキャラクターが集まります
現在開催中の企画展『生命の木展』では、新国立劇場で上演されたオペラやバレエ作品に登場した動物、妖精、精霊たちの舞台衣裳や、実際の舞台で使用された小道具などを展示しております。衣裳作家の桜井久美氏をキュレーターに迎えた本展示からは、個性豊かなキャラクターたちが創り出す神秘的な世界観と、ファンタジーの世界へと誘われるような感覚を覚えて頂けることでしょう。

パパゲーノの子供たち(オペラ『魔笛』)の舞台衣裳
今にも飛び立ちそうな羽の質感!
また、それぞれのマネキンに近寄ってみると、本物の鳥さながらの羽に覆われた衣裳や、今にも跳びかかってきそうな鋭さをもったライオンの爪など、舞台衣裳がいかに細部にまでこだわって精巧に製作されているかも、きっとおわかり頂けるはずです。
※2022年4月以降は新たな企画展示をお届けします。

Google Arts & Culture 新国立劇場ページ
この状況下でも劇場内での舞台美術・衣裳展示を多くの方にもお楽しみいただきたい、気軽に新国立劇場のコレクションをご鑑賞いただきたいという想いから、本年1月にGoogle Arts & Cultureに参画いたしました。
Googleが提供する本プラットフォームでは、これまでの企画展で展示された舞台衣裳・小道具などのデジタル画像のほか、劇場所蔵の史料や舞台写真をオンラインで閲覧いただけます。
さらに、今年10月に開場25周年を迎える新国立劇場の道のり、そして劇場史に残るイベントの数々を写真と共にご紹介したストーリー仕立ての展示も公開しております。
「大事にしないと壊れてしまうような“骨董品”から、日本で今現在使用されている物、(今日の)舞台美術を反映した物と共に舞台のすべてを見せたいという想いが、<初台アート・“ロフト”=“屋根裏部屋”>の精神として込められている。」
この言は、<初台アート・ロフト>オープニング展示の監修を務められた舞台美術家:妹尾河童氏から開設記念式典にあたって寄せられたコメントです。
舞台衣裳などを文化的資産として正しく「修復」「保全」「公開」するというアーカイブ化も、開場から四半世紀経った新国立劇場の、より重視すべき使命のひとつです。新国立劇場にご来場の際、あるいはGoogle Arts & Culture を通じたバーチャル来場で、私たちのイマジネーションの宝庫である“屋根裏部屋”を探索してみてください!
初台アート・ロフト
(住所)〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1 新国立劇場内
- お問合せ
- 新国立劇場情報センター TEL:03-5352-5716
- 交通
- 京王新線(都営新宿線乗入)新宿駅より1駅,初台駅中央口直結
- 開館時間
- (原則)10:00~18:00
- ※現在展示スペース内への立ち入りが一部制限されている区域があります。情報センター開室日に限り、5階情報センター閲覧室にて受け付けいただければ、ギャラリー全域へのご案内が可能です。事前にお問合せいただくか、開室日に直接お越しください。
- 情報センターカレンダーはこちら。
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- 無料
- ホームページ
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