2022年12月23日
音曲の楽しさ
国立演芸場 営業課 吉成 大四郎
日本の伝統的な音楽の独特な呼び方に音曲(おんぎょく)というものがあります。音楽というのとはっきりした区別はないのですが、演芸の世界では音曲という言葉を普通に使っています。音曲のほかに粋曲、俗曲、浮世節などという言い方もありますが、いかにも江戸時代からある伝統的なジャンルという感じですね。これらは三味線音楽をメインにしたものです。
これらに比べると新しいジャンルとして歌謡漫談があります。ボーイズ芸という言い方もあり、これはギターなどポップス音楽の楽器を使います。演者によって使用する楽器も多岐にわたり、三味線漫談、ギター漫談、ウクレレ漫談、バイオリン漫談、アコーディオン漫謡、まだ他にもあるかもしれません。
これらの多彩な演者の中には、びっくりするようなアイデアを編み出したり、伝統的なジャンルにこだわらない音楽、楽器演奏をする人もいて、そういう芸に巡り合えれば目から鱗が落ちるような体験になると思います。
そもそも演芸場にはジャンルとしての音曲以外にも実に様々な音があふれています。演芸場が開場時間になると、にぎやかに太鼓が打ち出されます。「ようこそいらっしゃいませ!」という歓迎の一番太鼓です。
寄席にはたくさんの顔ぶれが代わり代わりに出演しますが、それぞれの演者に合わせた出囃子で登場します。これは三味線と、笛、太鼓、鉦(かね)などのお囃子で演奏します。このお囃子は、出囃子の時だけでなく、演目によっては落語の中で演奏されることもあります。寄席を陰で支える大事な役割です。
一方、楽器の演奏が必須なのは浪曲で、三味線を弾く曲師はプログラムにも名前が載るメインの出演者の一人です。
独特な雰囲気でゆったりした時間が流れる寄席の世界。音曲、音楽、言い方は何でもけっこうですが、心が浮き浮きするような楽しい音、面白い音を発見していただければ、きっと素敵な体験になると思います。

国立演芸場外観写真(正面)
国立演芸場は、昭和54(1979)年3月の開場以来、演芸を上演しております。来る令和5年10月で一旦お休みをいただきますが、再開場をめざし、演芸をより身近に感じられる場所として、お客様にたくさんの笑いをお届けしてまいります。
国立演芸場
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
- お問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
- 0570-07-9900、03-3230-3000[一部IP電話等]
- 交通
- 東京メトロ半蔵門線・半蔵門駅から徒歩5分
- 半蔵門線・有楽町線・南北線永田町駅から徒歩5分
- 都営バス都03(晴海埠頭-四谷駅)三宅坂下車徒歩1分
- ※バスの本数が少ないのでご注意ください。
- 公演日時
- 1月中席 1月11日(水)~20日(金)午後1時開演
- (11・12・13日は貸切公演)
- 観覧料
- 一般2,200円、学生1,500円、65歳以上1,600円(全席指定)
- ホームページ
-
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/engei/2022/157.html?lan=j
【インターネット予約】
http://ticket.ntj.jac.go.jp
(パソコン)
http://ticket.ntj.jac.go.jp/m
(スマートフォン)