2023年9月25日
[琉球芸能]名手による至高の技芸を東京・国立劇場で!
国立劇場制作部伝統芸能課 田部真弘
初代国立劇場さよなら特別公演、最後の琉球芸能公演は、沖縄の伝統芸能を代表する組踊と琉球舞踊をご堪能いただきます。本公演は午前の部と午後の部の2部制で、琉球舞踊+組踊という組み合わせで、それぞれ異なる内容をお届けします。
組踊は、首里王府が中国皇帝の使者である冊封使を歓待するために、踊奉行であった玉城朝薫(1684~1734)に創作させたのが始まりで、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される歌舞劇です。朝薫が創作した五演目を「朝薫の五番」と呼び、「組踊は朝薫に始まり朝薫に終わる」といわれるほど完成度が高く、組踊を代表する作品となっています。今回はその朝薫の五番より、「女物狂」と「二童敵討」をご覧いただきます。
「女物狂」 人さらいに連れ去られた子どもを探す正気を失った母の悲しみや、人さらいと僧のユーモアのある掛け合いなどが見どころです。能楽や歌舞伎の狂乱物の影響を受けた作品ですが、組踊では最後に母と子が再会を果たし、めでたく終わります。(11時30分の部)
女物狂(写真提供=国立劇場おきなわ)
「二童敵討」 1719年の冊封儀礼で組踊が初めて上演された時の演目です。二人の兄弟が亡父の恨みを晴らすべく、踊り子に変装して酒宴に紛れて敵討ちを果たす物語。朝薫の五番の中でも人気が高く、主役のあまおへの豪快さや滑稽さ、敵討ちを狙う兄弟の華やかな舞などに見応えがあります。(2時の部)
「女物狂」と「二童敵討」という趣の異なる2演目をどうぞお楽しみください。
二童敵討(写真提供=国立劇場おきなわ)
琉球舞踊は、組踊同様、踊奉行によって磨き上げられた「古典舞踊」と、1879(明治12)年の廃藩置県後に民間に流布する民謡や風俗を取り入れて、古典舞踊とは異なるスタイルを確立した「雑踊」をご覧いただきます。
古典舞踊
「かぎやで風」 祝儀舞踊として経験豊かで力量のある踊り手が、幕開きに厳かに舞う舞踊です。(11時30分の部)
「稲まづん」 五穀豊穣に感謝し、次の年もと予祝するおめでたい踊りです。(11時30分の部)
「女こてぃ節」 組踊「大川敵討」から踊りを独立させたもの。女踊りとして品よく踊ります。(2時の部)
「諸屯」 繊細な女性の内面描写を必要とし、古典舞踊の中では最も難曲とされます。部によって異なる人間国宝による競演も見どころです。(11時30分の部・2時の部)
雑踊
「川平節」 士族の男と遊女の恋物語が展開する舞踊劇です。(11時30分の部)
「浜千鳥」 所作の技巧、群舞の美しさを味わえる人気の高い曲です。(2時の部)
「谷茶前」 沖縄の漁村の日常を描いた風俗舞踊。テンポがよく楽しい舞踊です。(2時の部)
出演者は、立方・地謡とも人間国宝をはじめ、最高峰の出演者が揃いました。本公演で至高の技芸をどうぞお見逃しなく!
国立劇場 令和5年10月琉球芸能公演
組踊と琉球舞踊-名手による至高の技芸-
(住所)〒102-8656 東京都千代田区隼町4-1
- 問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
- 0570-07-9900 / 03-3230-3000[一部IP電話等]
- 交通
- 東京メトロ半蔵門線〈半蔵門駅〉より徒歩5分
- 半蔵門線・有楽町線・南北線〈永田町駅〉より徒歩8分
- 都営バス・都03(晴海埠頭-四谷駅)〈三宅坂〉より徒歩1分
- ※バスの本数が少ないのでご注意ください。
- 公演日程
- 令和5年10月22日(日)午前11時30分/午後2時00分 開演
- 観覧料
- 一般:6,500円
- 学生:4,600円
- ホームページ
-
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu.html
- 【インターネット予約】
-
https://ticket.ntj.jac.go.jp/(パソコン/スマートフォン共通)