2023年11月24日
全キャストを公募オーディションで決定!
『東京ローズ』
新国立劇場 制作部演劇 広報担当 杉田亜樹
新国立劇場演劇芸術監督の小川絵梨子が、その就任とともに打ち出した支柱の一つ、「演劇システムの実験と開拓」として、すべての出演者をオーディションで決定する「フルオーディション企画」。2019年に上演された第1弾『かもめ』を皮切りに、『反応工程』、『斬られの仙太』、『イロアセル』、『エンジェルス・イン・アメリカ』とこれまで第一線で活躍する演出家たちと共に5作品を上演してきました。
2023年12月、第6弾として初のミュージカル作品を上演します。イギリスで次代を担う演劇集団として注目を集める、BURNT LEMON THEATREが2019年に製作した『東京ローズ』の日本初上演です。

『東京ローズ』チラシヴィジュアル
太平洋戦争時、米兵の士気を失わせるため、日本が放送したプロパガンダ放送「ゼロ・アワー」。正体不明の女性アナウンサーたちは、「東京ローズ」という愛称で呼ばれ、米兵のラジオアイドルともいえる存在に。終戦後、米国人記者たちの「東京ローズ」の正体探しが加熱する中、ある一人の女性が名乗り出ました。──米国籍、日系二世のアイバ・トグリ(日本名 戸栗郁子)です。
本作はこのアイバが戦中戦後の歴史の波に飲み込まれながら、アメリカと日本、二つの祖国にアイデンティティを引き裂かれ、自身の権利を奪われながらも、決してあきらめることなく闘う姿を、女性6名のキャストによって描くミュージカルです。

出演者写真
(上段:飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子/下段:原田真絢、森 加織、山本咲希)
演出は新国立劇場で 2021 年に上演した『東京ゴッドファーザーズ』で緻密な物語の世界観を丁寧に描き出した藤田俊太郎が担い、音楽監督には藤田氏とタッグを組み、ミュージカル『手紙』を生み出した深沢桂子、翻訳には小川絵梨子、訳詞に『フル・モンティ』や『ブロードウェイと銃弾』などを手掛けた土器屋利行と最強の布陣でお届けします。
2022年12月から始まったオーディションには936名の応募者がエントリーし、書類審査、2度にわたる映像審査を経て、1月下旬から2月初旬にかけて一次、二次選考が行われ、飯野めぐみ、シルビア・グラブ、鈴木瑛美子、原田真絢、森 加織、山本咲希の6名が選ばれました。

藤田俊太郎(演出)
今回の藤田氏による日本版演出では、1934年から1977年までの40年以上にわたる主人公アイバの物語を6人がリレー式に演じます。同時に、男と女、アメリカと日本、差別する側とされる側、裁く側と不当にも裁かれる側、相反する立場の役柄を6名全員で演じ分けていきます。2023年、不穏な世界情勢の中、誰しもがアイバと同じ境遇となる可能性のある、まさに「私たちの物語」といえるでしょう。
耳に残るパワフルな楽曲、バンドの生演奏、そしてオーディションで選ばれた圧倒的な歌唱力を誇る6名の歌声が、アイバ・トグリの物語を現代へと蘇らせます。ぜひ劇場へ足をお運びください。
新国立劇場12月演劇公演 『東京ローズ』
(住所)〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
- 問合せ
- 【ボックスオフィス】(10:00~18:00)03-5352-9999
- 交通
- 京王新線(都営新宿線乗入)新宿駅より1駅、初台駅中央口直結
- 公演日程
- 2023年12月7日(木)~24日(日)
- ※公演時間は下記ホームページをご参照ください。
- 観覧料
- A席7,700円 B席3,300円 Z席(当日)1,650円
- ※学生割引(5%),ジュニア割引(20%)、高齢者割引(5%)、当日学生割引(50%)など各種割引あり。
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