2024年8月27日
現代演劇の殿堂に文楽の名舞台が展開!!
国立劇場制作部伝統芸能課 吉矢正之
国立劇場開場直後の昭和44(1969)年以来、学生の皆さんを中心とした若年層を対象に「文楽鑑賞教室」を開催し、この伝統芸能の魅力をご紹介する機会を継続して設けてまいりました。令和5(2023)年10月に国立劇場は改修のため、一旦閉場いたしましたが、閉場後も会場を変えて文楽の普及のため、この鑑賞教室を継続してまいります。
令和6(2024)年の文楽鑑賞教室は、新国立劇場小劇場で開催します。現代演劇を専門的に上演するこの劇場における文楽公演、この会場だからこそ発揮される、新たな魅力にご注目ください。
今年の鑑賞教室は、『伊達娘恋緋鹿子』火の見櫓の段で幕を開けます。恋人のために命がけで半鐘を打つ娘・お七の姿を描いた、短い時間で文楽の醍醐味をご堪能いただける一幕です。

『伊達娘恋緋鹿子』
続いて、若手技芸員の実演を交えたわかりやすい解説ののち、文楽きっての人気演目『夏祭浪花鑑』の登場です。
主人公である団七たち侠客(任侠に生きる人。男気のある人。)の生きざま、また市井に生きる人々にも通う心意気、さらに団七が義父を殺めてしまう凄惨な場面――浪花の人びとの‟意気地”が、夏の風物詩や庶民の生活感とともに余すことなく伝えられます。この物語は、テンポの緩急に富んだ展開が巧みで、そしてクライマックスには緊迫感が最高潮に達し、息つく余裕を与えません。
そんな物語がステージと客席が近い新国立劇場ならではの独特な緊張感の中で展開されます。文楽ご鑑賞が初めての方を対象とした「鑑賞教室」ですが、何度も文楽をご覧になった方々にも、この現代演劇の舞台に、文楽という伝統芸能が融合し産み出される『夏祭浪花鑑』の世界をお楽しみいただけることでしょう。

『夏祭浪花鑑』
国立劇場 令和6年9月文楽鑑賞教室
伊達娘恋緋鹿子/解説 文楽の魅力/夏祭浪花鑑
会場 新国立劇場 小劇場
〒160-0013 東京都渋谷区本町1-1-1
- 問合せ
- 《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570-07-9900 / 03-3230-3000[一部IP電話等] - 交通
- 京王新線 初台駅 中央口直結
- 公演日程
- 令和6年9月7日(土)~22日(日) ※13日(金)は休演。
第一部 11時30分開演/第二部 午後2時30分開演/第三部 午後6時開演 - 観覧料
- (各部・税込)学生=全席1,800 一般=全席6,000円
- Webサイト
-
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2024/6912/
【インターネット購入】https://ticket.ntj.jac.go.jp/(パソコン/スマートフォン共通)