2025年11月28日
三か国にまたがる壮大なサスペンスを日本初演
新国立劇場 制作部演劇 広報担当 杉田亜樹
『スリー・キングダムス』宣伝ヴィジュアル
イギリス演劇界の奇才 サイモン・スティーヴンスが描く、現代社会の闇を深くえぐる衝撃作『スリー・キングダムス Three Kingdoms』が、2025年12月2日より、新国立劇場 中劇場にて日本初演を迎えます。
サイモン・スティーヴンスは、トニー賞も受賞した『夜中に犬に起こった奇妙な事件』や日本でワールドプレミアを迎えた『FORTUNE』を手掛けたことでも有名な、日本でも人気の高い劇作家です。
ロンドンのテムズ川で発見された女性の変死体。この殺人事件を追うイギリス人刑事・イグネイシアスは、捜査を進めるうちに、ヨーロッパ全土に広がる国際的な犯罪組織の存在にたどり着きます。ドイツ、そしてエストニアへと舞台を移し、事件の真相に迫る一方で、自身の過去の行いを突き付けられ、事態は思わぬ展開を見せていく…
この作品は、イギリス、ドイツ、エストニアの3カ国のクリエイターによる共同制作プロジェクトとして誕生。イギリスでの初演時は、俳優も3カ国から集結し、三言語(英語、ドイツ語、エストニア語)が入り混じり、登場人物同様に、観客をも混乱の渦へと引き込みました。
デイヴィッド・リンチ監督の映画『インランド・エンパイア』から影響を受けたという本作は、単なるミステリーの枠を超え、グローバリズムと資本主義がもたらす影、そして善と悪の曖昧さを問う、戦慄のサスペンスです。
今回、演出を手掛けるのは、新国立劇場演劇芸術参与の上村聡史。過去に二回、サイモン・スティーヴンスの戯曲を手掛け、作品が投げかける同時代性に大いに共感しており、現代社会への鋭い眼差しを持って本作に挑みます。
演出を手掛ける上村聡史
物語の発端となる、猟奇的な殺人事件を捜査する、主人公のイギリス人刑事イグネイシアス役に伊礼彼方さん。新国立劇場主催公演には、2016年上演の『あわれ彼女は娼婦』以来の出演となります。またその相棒の刑事、チャーリーには浅野雅博さん。事件を追っていく先で出会ったドイツ人刑事シュテッフェンに伊達 暁さん、イグネイシアスのパートナー、キャロラインには夏子さん。そして、観客と舞台をつなぐミステリアスな存在として音月 桂さんが出演します。
他に佐藤祐基さん、竪山隼太さん、坂本慶介さん、森川由樹さん、鈴木勝大さん、八頭司悠友さん、近藤 隼さんという若手の実力派俳優たちが揃いました。
上演が決まる前にトライアルとして読み合わせを実施したことを経て、3か国の言語が入り混じった海外での上演時とは異なり、今回はすべて日本語での上演となります。新たな作品の誕生となることでしょう。
サスペンス、ミステリー、幻想の世界が入り混じった、三か国の世界を、劇場で旅していただければと思います。
『スリー・キングダムス』チラシヴィジュアル
新国立劇場12月演劇公演 『 スリー・キングダムス Three Kingdoms 』
https://www.nntt.jac.go.jp/play/threekingdoms/![]()
- 公演日程
- 2025年12月2日(火)~14日(日)
※公演時間はウェブサイトをご参照ください。 - 観覧料
- S席:8,800円、A席:6,600円、B席:3,300円、Z席(当日)1,650円
※学生割引(5%),ジュニア割引(20%)、高齢者割引(5%)、当日学生割引(50%)など各種割引あり。
新国立劇場 中劇場
〒151-0071 東京都渋谷区本町1-1-1
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- 【ボックスオフィス】(10:00~18:00)03-5352-9999
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- 京王新線(都営新宿線乗入)新宿駅より1駅、初台駅中央口直結
