2026年2月26日
ジャンルの垣根を越えた共演が織りなす『遠野物語』の世界へ
国立劇場制作部伝統芸能制作課 金子 慎
国立劇場3月特別企画公演(3月28日(土)14時開演)では、岩手県遠野市との共同制作により、『遠野物語』をテーマに、語り・映像・文楽人形・民俗芸能の共演をお楽しみいただきます。
日本民俗学の父と称される柳田國男(1875~1962)は、佐々木喜善(1886~1933)から聞いた岩手県遠野地方の伝承をまとめ、明治43年(1910)に『遠野物語』を出版しました。『遠野物語』を読んだことがない人でも、カッパや座敷わらしといった妖怪の言い伝えは聞いたことがあるのではないでしょうか。同作の出版以来、遠野は妖怪の里として知られ、多くの観光客がこの地を訪れています。そうした妖怪にまつわる話のほか、神話、伝説、世間話、歌謡といった、多岐にわたる内容が収められた『遠野物語』。柳田は、佐々木の語る遠野の伝承を、格調高い文体で文学へと昇華させたのです。出版から110年以上が過ぎ、遠野の風景は大きく変わりましたが、佐々木が柳田に語った情景は今もその地に息づいています。
遠野の風景
本公演では、『遠野物語』に収録された話の数々を人形浄瑠璃文楽の太夫が語ります。そして、語りから浮かび上がる100年以上昔の遠野と、舞台上に投影される現在の風景により、遠野の過去と現在が舞台の上で交錯します。また、文楽の人形遣いがカッパをはじめとした登場人物やキャラクターの人形を三人一組で遣うことで、物語をより鮮明に描き、更なる説得力を与えます。
さらに、語りの合間には作中にも登場する民俗芸能が出演します。民俗芸能とは、地域の暮らしの中で行われる祭礼や行事において人々が演じる歌や舞、踊、演劇といった芸能、またその祭礼や行事そのもののことで、日本には全国各地にさまざまなものがあります。この公演では、神楽とシシオドリという2種類の芸能をご覧いただきます。神楽は神々の来臨や神託を願い、歌や舞を伴った儀式を行う、日本を代表する神事芸能です。シシオドリは獅子頭(鹿の頭を模したもの)を被って踊る、岩手県や宮城県に多く伝承されている民俗芸能です。これらの芸能は、基本的に現地に行かないと見ることが難しいので、この機会にぜひご覧いただけたらと思います。
ジャンルを越えた芸能の共演が織りなす『遠野物語』の世界に、あなたも没入してみませんか?
平倉神楽保存会
遠野郷板澤しし踊り保存会
国立劇場第57回特別企画公演「『遠野物語』を語る-語り・芸能・映像が織りなす遠野の世界-
令和8年3月28日(土)14時開演(16時30分終演予定)
チケット料金:一般(1等席)\6,000,一般(2等席)¥4,000,学生(1等席)\4,200,学生(2等席)\2,800
https://www.ntj.jac.go.jp/schedule/kokuritsu_s/2025/0803/![]()
シアター1010
東京都足立区千住3丁目92番 千住ミルディス1番館10~11階
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北千住駅4番出口直結 - お問合せ先
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午前10時~午後6時
0570(07)9900 / 03(3230)3000(一部IP電話等)
