2026年4月28日
ダブルキャストで楽しむ歌舞伎屈指の名作
6月歌舞伎鑑賞教室『仮名手本忠臣蔵 五・六段目』
国立劇場制作部歌舞伎制作課 大久保 慧人
元禄14年(1701)、赤穂(現在の兵庫県の一部)の大名・浅野内匠頭が、儀式の指導役だった吉良上野介に江戸城内で斬りつけたため、幕府から切腹を命じられ、浅野家は断絶するという出来事が起こりました。翌年、大石内蔵助をはじめとする浅野家の元家臣たちは、苦労の末に上野介を討ちます。この「赤穂事件」は、数多くの作品に描かれ、日本人の心を魅了し続けてきました。
中でも、今回上演する『仮名手本忠臣蔵』は、寛延元年(1748)に人形浄瑠璃として初演されて以来、好評を博し、歌舞伎を代表する超・人気演目となっています。
『仮名手本忠臣蔵 四段目』(国立劇場蔵)
塩冶判官(史実の浅野内匠頭)と大星由良之助(史実の大石内蔵助)の顔が変化する仕掛けを
文化デジタルライブラリーで体験しよう!
「忠臣蔵」の上演が何度も重ねられる中で、大道具の工夫や場面の追加など、数々の新しい趣向が編み出されてきましたが、明治時代に入ると、複数の俳優が日替わりで役を交代する、交互出演の公演が見られるようになりました。上の錦絵は明治11年(1878)に当時の名優たちが主な役を日替わりで演じた際のもので、一つの絵の中に実際の配役のとおり計6人の俳優が特別な仕掛けで描かれています。この公演は大変な評判を呼び、交互出演の「忠臣蔵」で俳優の演技の違いを味わう、という楽しみ方が広がるきっかけとなりました。
早野勘平(B プロ・中村芝翫)
早野勘平(A プロ・中村橋之助)
今回の公演では、主要な役の多くがダブルキャストとなるだけでなく、一日で二通りの配役が両方見られます。通常の歌舞伎公演よりもお手頃な価格で、配役による違いを存分に楽しむことができる、絶好の機会です。
(あらすじ)
物語の主人公・早野勘平は同じ家中の腰元(侍女)おかるとの逢瀬のため、主君の刃傷事件の場に居合わせず、後悔に苛まれますが、その後、おかるの実家に身を寄せ、猟師となっていました。ある晩、以前の同僚に会った勘平は、敵討ちのために軍資金が集められていると知ります。一方、おかるは夫が再び侍になるための資金を工面しようと、勘平には内緒で自らの身を売ることを決意します。おかるの父・与市兵衛はその代金を受け取って帰る途中、盗賊に殺され財布を奪われてしまいますが、その盗賊も、猪と勘違いした勘平の鉄砲により誤って撃ち殺されます。盗賊が持つ財布に気が付いた勘平は、思わずその財布を手にし、同僚のもとへと急ぐのでした。
翌朝、帰宅した勘平は、おかるを迎えに来た身売り先の一行の話を聞き、自分が撃ったのは与市兵衛だったと思い込みます。与市兵衛の死骸が運び込まれると、姑・おかやだけでなく、尋ねてきた以前の同僚たちも勘平を親殺しと非難します。勘平はいよいよ自責の念に耐え兼ねて……。
中村魁春の一文字屋お才、片岡孝太郎の女房おかるなどの共演を得て、中村芝翫・中村橋之助の親子が早野勘平を回替わりで演じます。お芝居の前には歌舞伎俳優によるわかりやすい解説もあり、歌舞伎デビューにもおすすめです。歌舞伎の様式美と名台詞の魅力が詰まった屈指の人気作をこの機会にぜひご覧ください。
国立劇場 令和8年6月歌舞伎鑑賞教室
解説 歌舞伎のみかた/仮名手本忠臣蔵
会場 サンパール荒川 大ホール (荒川区民会館)
〒116-0002 東京都荒川区荒川1-1-1
- 問合せ
-
《国立劇場チケットセンター》(午前10時~午後6時)
0570(07)9900/03(3230)3000[一部IP電話等] - 交通
-
東京メトロ千代田線・京成本線 町屋駅より都電荒川線乗換 三ノ輪橋方面→荒川区役所前下車 徒歩2分
JR日暮里駅東口より「里22」亀戸行き→荒川区役所前下車 徒歩2分
JR西日暮里駅より「草63」浅草寿町行き→荒川区役所前下車 徒歩2分
日比谷線三ノ輪駅下車 南千住方面3番改札を出て明治通りを王子方面へ徒歩12分(荒川警察署向い)
JR常磐線 三河島駅より徒歩13分 - 公演日時
-
【歌舞伎鑑賞教室】
令和8年6月5日(金)~20日(土)
午前11時開演(A プロ)
午後2時30分開演(B プロ)
※8日(月)、14日(日)は休演 -
【大人のための歌舞伎入門】
令和8年6月7日(日)
午前11時開演(A プロ)
午後2時30分開演(B プロ) - 観劇料
-
学生=全席 2,000円
一般=1等席 6,000円、2等席 4,000円 - ホームページ
- 【インターネット購入】
-
https://ticket.ntj.jac.go.jp/(パソコン・スマートフォン共通)

