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本イベントは終了しました。
たくさんのご参加ありがとうございました。

京料理 かじで平安の風雅を今に伝える

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イベント概要

開催日 2024年3月4日(月)18:00〜
開催場所 京料理 かじ
参加人数 16名

内容

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和食ユネスコ無形文化遺産登録10周年を記念し、文化庁「食文化振興加速化事業」の一環として、登録無形文化財「京料理」と共に育まれてきた文化や歴史を体感いただくイベントを実施。

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今回は「京料理 かじ」を会場に、懐石(会席)料理をいただくと共に、主人・梶憲司氏から、京都1200年の歴史を受け継いできた京料理についてお話をうかがいました。

「京料理は、有職料理や本膳料理、茶懐石、精進料理など、いろいろなものが混ざりあって形成されています。町衆から生まれた料理も多く、京都は海が遠く、鮮度のいい海の幸が手に入らないため、古くから乾物が上手に利用されてきました。江戸時代、北前船で北海道から運ばれてきた昆布を京都の軟水で引いたら、おいしいだしが取れたんでしょうね。そこで、都人は昆布にいろいろなものを組み合わせていくうち、かつおを合わせるとおいしくなること発見したわけです。
現在は、グルタミン酸とイノシン酸が出会うことでうま味がぐんと強くなることが科学的に証明されていますが、江戸時代にそれに気づいたんですね。そして、昆布とかつおの合わせだしを使い始めることで、京都の料理は格段に発達していったと言えます」。

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この日の料理も、一番だしを使い、柚子風味の豆乳葛豆腐と油目葛打ちを椀種とした「椀盛り・薄葛仕立て」や昆布と蛤のだしに甘鯛や筍、焼き粟麩を合わせた「炊き合わせ替わりの小鍋仕立て」など、だしでうま味の底上げをした料理が登場。そのほか、宝楽にのど黒幽庵焼きや鮟鱇肝柚子釜盛りを盛り付け、目の前で取り分けたり、唐墨御飯はお茶碗で提供する前に土鍋ごとテーブルに運び、唐墨がふんだんにのった炊き上がりの状態を見せるなど、華やかな演出で参加者を魅了していました。

梶氏は、「萬亀楼」当主を家元とする平安時代から続く「生間流式包丁」の門人であり、店で供する料理にも「生間流式包丁」で習得した巧みな包丁捌きが活かされています。
「式包丁とは、平安時代に生まれた宮中の食の儀式であり、俎板に魚や鳥をのせ、手を触れず、包丁刀と俎箸でさばき、瑞祥を表します。『生間流式包丁』はその流儀の一つであり、現在も神事や式典の際は、烏帽子、袴、狩衣を纏って行っております」。
「京料理 かじ」は京都御苑からほど近く、平安時代、藤原頼通の邸宅「高陽院」があった場所に位置しています。
「権力者である藤原家は、普通の公家の4倍ほどもある広大な敷地に寝殿造りの建物を構え、池泉回遊式庭園も有し、池では船遊びを楽しんでいたそうです。敷地内には洛中八名水の一つである「滋野井」があり、うちの店は現在も「滋野井」を水脈とする地下水を使い、料理をしています」。

梶氏の話に耳を傾け、平安時代から脈々と受け継がれる技や場所、水を五感で感じつつ、平安京に思いを馳せる雅な時間を過ごすことができました。

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