海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律等の施行について(通知)

23庁房第246号
平成23年9月15日

 各都道府県教育委員会教育長
 各指定都市教育委員会教育長
 各都道府県知事
 各指定都市市長
 独立行政法人国立美術館理事長
 独立行政法人国立文化財機構理事長
 独立行政法人国立科学博物館長  殿
 財団法人日本博物館協会会長
 全国美術館会議会長
 大学博物館等協議会会長
 日本放送協会会長
 社団法人日本新聞協会会長
 社団法人日本民間放送連盟会長

文部科学副大臣
森 ゆうこ
(印影印刷)

海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律等の施行について(通知)

このたび,第177回国会(常会)において成立した「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律」(以下「法」という。)が,「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律の施行期日を定める政令(平成23年政令第287号。以下「施行期日政令」という。)」により,平成23年9月15日から施行されることとなりました。

また,法の施行に伴い,「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律施行令(平成23年政令第288号。以下「施行令」という。)」及び「海外の美術品等の我が国における公開の促進に関する法律施行規則(平成23年文部科学省令第33号。以下「施行規則」という。)」が平成23年9月15日付けで施行されました。

法は,海外の美術品等の我が国における公開の促進を図るため,海外の美術品等に対する強制執行,仮差押え及び仮処分(以下「強制執行等」という。)の禁止の措置を定めるとともに,国の美術館等の施設の整備及び充実等について定めることにより,国民が世界の多様な文化に接する機会の増大を図り,もって国際文化交流の振興に寄与するとともに文化の発展に資することを目的とするものです。

法等の概要及び留意事項は下記のとおりですので,十分に御了知の上,域内市町村教育委員会及び市町村の文化行政担当部局,加盟団体の文化担当部局又は美術館・博物館等並びにそれぞれの所管の美術館・博物館等に対し法の趣旨,内容等を御周知くださいますようお願いします。

なお,法,施行期日政令,施行令及び施行規則は別添のとおりであり,これらを含む関係資料は文化庁のホームページ(http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/bunkazai/kaigaibijutsu_sokushin/index.html)に掲載しておりますので,御参照ください。

第一 法律等の概要

Ⅰ 法の概要

  1. 法律の目的等
    (1)目的
     この法律は,海外の美術品等の我が国における公開の促進を図るため,海外の美術品等に対する強制執行等の禁止の措置を定めるとともに,国の美術館等の施設の整備及び充実等について定めることにより,国民が世界の多様な文化に接する機会の増大を図り,もって国際文化交流の振興に寄与するとともに文化の発展に資することを目的とすることとしたこと。(法第1条)
    (2)定義
     この法律における「海外の美術品等」を海外に在る絵画,彫刻,工芸品その他の有形の文化的所産である動産等と定義することとしたこと。(法第2条)
  2. 海外の美術品等の公開の促進を図るための措置等

    (1)海外の美術品等に対する強制執行等の禁止
    1. 我が国において公開される海外の美術品等のうち,国際文化交流の振興の観点から我が国における公開の円滑化を図る必要性が高いと認められることその他の政令で定める要件に該当するものとして文部科学大臣が指定したものに対しては,強制執行等をすることができないものとしたこと。ただし,当該指定に係る海外の美術品等を公開するため貸与した者の申立てにより強制執行等をする場合その他の政令で定める場合は,この限りでないものとしたこと。(法第3条第1項)
    2. 一.の指定(以下単に「指定」という。)は,我が国において海外の美術品等を公開しようとする者の申請により行うものとしたこと。(法第3条第2項)
    3. 文部科学大臣は,指定をしようとするときは,外務大臣に協議しなければならないものとしたこと。(法第3条第3項)
    4. 文部科学大臣は,指定をしたときは,当該指定に係る海外の美術品等について,文部科学省令で定める事項を公示しなければならないものとしたこと。(法第3条第4項)
    5. 文部科学大臣は,指定に係る海外の美術品等が[1]の政令で定める要件に該当しなくなったときその他政令で定める場合には,指定を取り消すことができるものとしたこと。この場合においては[3]及び[4]を準用するものとしたこと。(法第3条第5項関係)
    6. 一.から五.までに定めるもののほか,指定又は指定の取消しに関し必要な事項は,文部科学省令で定めるものとしたこと。(法第3条第6項)
    (2)国の美術館等の施設の整備及び充実その他の措置等
    1. 国は,海外の美術品等の我が国における公開を促進するため,国の美術館等の施設の整備及び充実並びに当該施設における鑑賞の機会の充実のために必要な施策を講ずるものとしたこと。(法第4条)
    2. 国は,海外の美術品等の我が国における公開を促進するため,海外の美術品等に関する専門的知識を有する学芸員等の養成及びその資質の向上,民間団体が海外の美術品等の公開に関して行う活動に対する情報提供等の支援その他の必要な施策を講ずるものとしたこと。(法第5条)
    3. 国は,海外の美術品等の我が国における公開を促進するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとしたこと。(法第6条)
  3. 施行期日等

     この法律は,公布の日から起算して6月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとしたこと。(法附則)

Ⅱ 施行期日政令の概要

法の施行期日は,平成23年9月15日とすることとしたこと。

Ⅲ 施行令の概要

  1. 学術上優れた価値を有する動産で政令で定めるもの
    法第2条第2号の政令で定める動産は,次に掲げるものとしたこと。(施行令第1条)
    1. 化石
    2. 希少な岩石,鉱物,植物又は動物の標本
    3. ア及びイのほか,これらに準ずる程度に学術上優れた価値を有するものとして文部科学省令で定める動産
  2. 指定の要件
    法第3条第1項本文の政令で定める要件は,次のいずれにも該当するものであることとしたこと。(施行令第2条)
    1. 国際文化交流の振興の観点から我が国における公開の円滑化を図る必要性が高いと認められること。
    2. 文化財の不法な輸出入等の規制等に関する法律(平成14年法律第81号)第3条第2項の規定により特定外国文化財として指定されたものでないこと。
    3. 我が国において販売することを目的とするものでないこと。
  3. 強制執行等をすることができる場合
    法第3条第1項ただし書の政令で定める場合は,次に掲げる場合としたこと。(施行令第3条)
    1. 法第3条第1項の指定に係る海外の美術品等(以下「指定美術品等」という。)を公開するため貸与した者の申立てにより,強制執行等をする場合
    2. に規定する者から指定美術品等を借り受けた者の申立て(アに規定する者の同意を得て行うものに限る。)により,強制執行等をする場合
  4. 指定の取消しができる場合

    法第3条第5項の政令で定める場合は,不正の手段により同条第1項の指定を受けた場合としたこと。(施行令第4条)

  5. この政令は,法の施行の日(平成23年9月15日)から施行することとしたこと。(施行令附則)

Ⅳ 施行規則の概要

  1. 指定の申請
    [1]
    法第3条第2項の申請をしようとする者(以下「申請者」という。)は,次に掲げる事項を記載した申請書を文部科学大臣に提出しなければならないこととしたこと。(施行規則第1条第1項)
    1. 申請者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名
    2. 法第3条第1項の指定(以下単に「指定」という。)を受けようとする海外の美術品等の所有者の氏名又は名称及び法人にあっては,その代表者の氏名
    3. 指定を受けようとする海外の美術品等の名称,員数及び種類
    4. 指定を受けようとする海外の美術品等の寸法,重量,形状その他の特徴
    5. 指定を受けようとする海外の美術品等の由来及び歴史上,芸術上又は学術上の価値
    6. 指定を受けようとする海外の美術品等を借り受ける期間
    7. 指定を受けようとする海外の美術品等を公開する目的
    8. 指定を受けようとする海外の美術品等を公開する予定の施設の名称及び所在地並びに当該海外の美術品等を公開する予定の期間
    [2]
    [1]の申請書には,指定を受けようとする美術品等に係る使用貸借又は賃貸借に関する契約書の写し,当該海外の美術品等の現状を示す明瞭な写真その他参考となるべき書類及び資料を添付しなければならないこととしたこと。(施行規則第1条第2項)
  2. 指定の公示
    文部科学大臣は,指定をしたときは,次に掲げる事項を公示するものとしたこと。(施行規則第2条)
    1. 指定をした海外の美術品等(以下「指定美術品等」という。)の名称並びに所有者の氏名又は名称及び法人にあっては,その代表者の氏名
    2. 指定をした日及び指定の有効期間
    3. 指定美術品等を公開しようとする者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては,その代表者の氏名
    4. 指定美術品等を公開する予定の施設の名称及び所在地並びに指定美術品等を公開する予定の期間
  3. 指定の取消しの公示
    文部科学大臣は,指定を取り消したときは,次に掲げる事項を公示するものとしたこと。(施行規則第3条)
    1. 指定を取り消した海外の美術品等の名称並びに所有者の氏名又は名称及び法人にあっては,その代表者の氏名
    2. 指定を取り消した日
  4. 公示の方法
    2及び3の公示は,官報に掲載することによって行うこととしたこと。(施行規則第4条)
  5. 施行期日
    この省令は,法の施行の日(平成23年9月15日)から施行することとしたこと。(施行規則附則)

第二 留意事項

  1. 申請について
    [1]
    申請書の様式は文化庁ホームページで掲載しているので,以下のホームページアドレスからダウンロードし,必要書類を作成すること。
     〔参考〕文化庁ホームページアドレス
      http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/shokan_horei/bunkazai/kaigaibijutsu_sokushin/index.html
    (ホーム > 政策について > 文化行政の基盤 > 所管の法令等 > 文化財関連 > 海外美術品等公開促進法等)
    [2]
    第二の2の[2]のとおり,申請者から提出された指定を受けようとする海外の美術品等に関する情報(画像情報(写真)を含む。)は,次に掲げるいずれかの目的で使用することについて,当該美術品等の所有者及び著作権者等に対して,申請者からその旨の許諾を得る必要があること。ただし,アの目的で使用することの許諾を得ることを原則とすること。
    1. 文化庁ホームページに掲載するとともに,文化庁から最高裁判所に対して通知すること
    2. 文化庁から最高裁判所に対して通知するとともに,最高裁判所から管下の各裁判所等に対して情報提供すること
    [3]
    指定を受けようとする海外の美術品等の画像情報(写真)については,当該海外の美術品等の外形的特徴が分かるよう,必要に応じて,正面,側面,背面及び上部等の複数方向から撮影した画像や,当該海外の美術品等の特徴的な部分を撮影した画像を添付すること。
  2. 申請者から提出された情報の取扱いについて
    [1]
    文部科学大臣は,施行規則第2条及び第4条の規定に基づき,指定美術品等について,以下の情報を官報に掲載することにより公示すること。
    1. 指定美術品等の名称及び所有者の氏名又は名称並びに法人にあっては,その代表者の氏名
    2. 指定をした日及び指定の有効期間
    3. 指定美術品等を公開しようとする者の氏名又は名称並びに法人にあっては,その代表者の氏名
    4. 指定美術品等の公開を予定する施設の名称及び所在地並びに美術品等の公開を予定する期間
    [2]
    指定美術品等は,強制執行等の措置が禁止されることとなるため,指定美術品等が強制執行等の措置の禁止対象であることを広く国民に周知することとともに,当該美術品等及び当該美術品等を我が国において占有する者等を裁判所及び執行官が特定することが必要であることから,[1]の公示事項のほか,以下の事項について,文化庁ホームページに掲載するとともに,文化庁から最高裁判所に対して通知すること,または,文化庁から最高裁判所に対して通知するとともに,最高裁判所から管下の各裁判所及び執行官に対して必要な情報を提供することとなること。
    1. 指定美術品等の員数,作者名及び作成年
    2. 指定美術品等の種類,寸法等及びその他の特徴(ただし,その他の特徴については該当がある場合のみ。)
    3. 指定美術品等の作品番号,所蔵館の登録番号及びカタログレゾネ番号(ただし,該当がある場合のみ。)
    4. 指定美術品等の由来,歴史上,芸術上又は学術上の価値
    5. 指定美術品等を公開する目的
    6. 指定美術品等を公開する目的

【本件連絡先】

文化庁文化財部美術学芸課 評価企画係
〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2

TEL:03-5253-4111(内線:3168)
FAX:03-6734-3821

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