資料1

文化審議会文化財分科会世界文化遺産特別委員会

日時
平成19年10月15日(月)10:00~13:00
場所
東京ステーションコンファレンス402号室
出席者
(委員)
足立,岡田,金田,小風,五味,斎藤,佐藤(信),佐藤(禎),佐藤(友),藤,藤本,星野,堀,吉田の各委員
(文化庁)
高塩次長,大西文化財部長,亀井文化財鑑査官,内藤記念物課長,有松伝統文化課長,苅谷参事官,本中主任調査官その他関係者
(外務省)
斎藤国際文化協力室長
(オブザーバー)
外務省,環境省,林野庁
【議事】
  1. 議題1 「国立西洋美術館本館」の世界遺産暫定一覧表への追加記載及び推薦書(暫定版)提出について(報告)
  2. 議題2 「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」に関するイコモスによる現地調査の概要(報告)
  3. 議題3 地方公共団体からの新規提案について(報告)
  4. 議題4 今後の審議の進め方について
【概要】
○=特別委員会委員 ●=事務局

議題1について

事務局より,「国立西洋美術館本館」の世界遺産暫定一覧表への追加記載及び推薦書(暫定版の提出について報告が行われた。(特段の議論はなし。)

議題2について

事務局より,「平泉-浄土思想を基調とする文化的景観」に関するイコモスによる現地調査について報告が行われた後,各委員より,以下の発言があった。

  1. 「平泉」の価値について,一般の人々にわかりやすく説明すべきというイコモス側の指摘について,文化庁ではどのように考えるか。
  2. 調査員個人が,遺跡等の文化遺産を一般の人にわかりやすく伝え,フィードバックを受けることにより,考古学の発展を促すべきという信念を持っている。「平泉」は複数の考古学的遺跡を構成資産に持つため,これを一般の人にわかりやすくする必要があるという調査員の指摘について,文化庁,県,市としては重要な点として受け止めている。
  3. 日本の考古学はわかりにくいといわれる木の文化であるゆえに,腐ってなくなってしまうので,残るのは穴だけだったりすることが多い。わかってもらうためには,時間をかけてよく説明していく必要がある。
  4. 前述のとおり,平泉は複数の考古学的遺跡が構成資産に含まれているので,理解しづらい部分があるという認識はあったので,現地調査の前に,文化庁,県,市で十分協議をした。我々の感触としては,今回の現地調査はうまく運んだと考えている。しかし,調査員が実際にどういう報告をイコモスにし,イコモスが価値をどう判断するかはわからないので,よりよい評価結果のために,今後も努力していきたい。

議題3について

事務局より,地方公共団体からの今年度の新規提案(13件)について報告が行われた後,各委員より,以下の発言があった。

  1. 去年に比べれば数は少ないが,多種多様のものが出てきている印象。
  2. ひとつの都道府県から複数の物件を提案することは問題ないか。
  3. 基本的に問題なく受け付けている。

議題4について

事務局より,今後の審議の進め方について説明が行われ,今後,資料9のとおり,専門的な観点から十分な審議を行うため,世界文化遺産特別委員会の下に,専門分野毎に4つのワーキンググループ(WG)を設置して,新規提案及び継続審議(20件)となっている提案の審議を進めることで了承。各委員より,以下の発言があった。

  1. 特別委員会はワーキンググループが選んだ物件だけを審議するのか,それとも全ての物件を審議するのか。
  2. ワーキンググループからいただいた評価を前提に全ての提案を特別委員会で審議していただくことになる。
  3. ワーキンググループを作ることには大いに賛成であるが,今後の進め方について地方公共団体は知っているか。
  4. 本日の特別委員会で決定された内容は地方公共団体へ事務局から伝える。
  5. 会議の公開の扱いはどうするのか。地方からの提案書はオープンなものか。
  6. 特別委員会の公開については資料4にあるとおり。ワーキンググループについても資料10にあるとおり,特別委員会と同じ扱いを考えている。地方からの提案書は既にオープンなものであり,各地方公共団体のHPにも掲載されている。
  7. 今回の検討で暫定リストに入らなかったものの扱いについては,特別委員会で決めるのか。
  8. そうである。
  9. 今後行う予定となっている地方公共団体からのヒアリングの中で提案内容の変更がある場合,変更を踏まえて審議・評価するのか。
  10. 変更の規模による。コンセプトの変更などは修正を認めると公平でなくなってしまう。軽微な修正は止むを得ないのではないか。但し,変更があるということは,提出時点で内容が未成熟だったということにもなるので,そこも含めてご審議いただくこととなる。
  11. 全ての提案について1回はヒアリングを行うということでよいか。
  12. そうである。
  13. 既に暫定一覧表に掲載されている物件はそのままにしておくのか。
  14. 既登録物件,既暫定一覧表記載物件は,比較研究の対象とされる可能性はある。
  15. 現状,継続審議になっている20件について,コンセプト等は変わっていないか。事務局としてどこまで把握しているか。
  16. 変えたものはあまりないと聞いている。ただ一部構成資産を絞ったり,複数資産を統合しようとしたりしているものはあると聞いている。
  17. 二つのワーキンググループにまたがると思われる提案はどう審議することになるか。
  18. 二つのワーキンググループで審議することも必要に応じて可能かと思う。
  19. 資料9の2ページ目2.(3)についてであるが,正式に推薦書を提出する際も,特別委員会に諮るということでよいか。
  20. 今までは暫定一覧表既記載物件の推薦手続きについては,文化庁等で対応してきたが,今後は,2.(2)にあるように,準備状況の報告,課題の抽出をしていただくことに加え,正式推薦をする前に特別委員会に指導・助言を仰ぐことを考えている。
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