第21期文化審議会著作権分科会国際小委員会(第4回)

日時:
令和4年1月25日(火)
13:00~15:00
場所:
オンライン開催
(文化庁特別会議室)

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    1. (1)国境を越えた海賊行為に対する対応への在り方について
    2. (2)その他
  3. 閉会

配布資料一覧

第21期文化審議会著作権分科会 国際小委員会(第4回)

令和4年1月25日

【鈴木主査】それでは、1時になりましたので、ただいまから、文化審議会著作権分科会国際小委員会の第4回を開催いたします。
 本日は御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、基本的に委員の皆様にはウェブ会議システムを利用して御出席いただいております。皆様におかれましては、カメラをオンにしていただくとともに、御発言いただく際には、主査から指名しますので、カメラの前で大きく手を挙げていただき、御自身でミュートを解除して御発言ください。
 議事に入る前に、本日の会議の公開につきましては、予定されている議事内容を参照しますと、特段、非公開とするには及ばないと思われますので、既に傍聴者の方には、インターネットを通じた生配信によって傍聴していただいているところでございます。特に御異議ございませんでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

【鈴木主査】では、本日の議事は公開ということで、傍聴者の方には、そのまま傍聴いただくこととします。なお、傍聴される方々におかれましては、会議の様子を録音、録画することは御遠慮ください。また、音声とカメラをオフにしてください。
 それでは、事務局より配付資料の確認をお願いいたします。

【加茂下海賊版対策専門官】本日の配付資料は、議事次第の下の配付資料一覧にあるとおりでございます。よろしくお願いします。

【鈴木主査】それでは、議事に入ります。
 本日の議事は、議事次第のとおり、(1)及び(2)の2点となります。議事(1)の「国境を越えた海賊行為に対する対応への在り方について」では、4人の国内関係者から、国境を越えた海賊行為の現状や課題、その対応などを伺い、その後に御議論いただきたいと考えております。議事(2)の「その他」では、資料2に基づき、文化庁から、既存の事業や今後の取組等について説明を予定しております。
 早速、議事(1)に入りたいと思います。
 初めに、内閣府知的財産戦略推進事務局の塩原参事官、2番目に、電気通信大学の渡邉委員、3番目に、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構の後藤健郎委員、最後に、一般社団法人ABJの伊東委員に御発表いただきます。
 まず事務局より、簡単に趣旨の説明をお願いいたします。

【加茂下海賊版対策専門官】お一人目、内閣府知的財産戦略推進事務局塩原参事官からは、日本政府のインターネット上の海賊版への対策について御説明いただきます。
 お二人目、渡邉委員からは、日本コンテンツのインターネット上の海賊版サイトの現状について定量分析を御発表いただきまして、現状認識の共有を図りたいと思っております。
 3人目、後藤委員からは、コンテンツ海外流通促進機構CODAのコンテンツ全般にわたる海賊版対策の取組等について。
 最後、伊東委員からは、出版業界での海賊版サイトの現状の対策等について、お話しいただきます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 時間の関係上、塩原参事官の御発表時間は15分、渡邉委員、後藤委員、伊東委員の御発表時間は各20分でお願いできればと存じます。それぞれの御発表後に質疑応答の時間を設けます。また、時間が許せば、最後に全体を通しての意見交換の時間も設けますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは初めに、塩原参事官に御発表いただきます。事務局の準備が整いましたらお願いいたします。

【塩原参事官】内閣府知的財産戦略推進事務局の塩原と申します。本日は、御説明の機会を頂戴いたしまして誠にありがとうございます。
 国境を越えた海賊版行為に対する対応ということでございまして、とりわけ、インターネット上の海賊版への対策について、現在、政府全体として取り進めております対策についての全体概要の御説明をさせていただきたいと存じます。
 では、まず資料を1枚めくっていただきまして1ページ目を御覧ください。こちらにございますのは、政府全体として進めておりますインターネット上の海賊版対策について、7省庁共同で定めました総合対策メニューでございます。この総合対策メニュー、2019年の10月に策定したものでございますが、その策定の背景といたしましては、2017年秋以降、「漫画村」等の海賊版サイトが特に社会問題化したということ、また、とりわけ最近につきましては、ベトナム由来の海賊版サイトによる被害が深刻化していること、こういったことを踏まえてのものでございます。
 この策定に当たりましては、累次の検討を経まして、インターネット上の海賊版に対して、政府一丸となって対応していくために、この総合的な対策メニュー及び工程表という形で、関係閣僚間で確認して策定いたしました。
 こちらにつきましては2019年10月の策定でございましたが、その後、著作権法改正による「リーチサイト対策」ないし「侵害コンテンツのダウンロード違法化」等といった大きな進展もございました。そういった取組の進捗状況も踏まえ、昨年4月にはこの総合対策メニューについての更新を行い、現在、この更新版の総合対策メニューに基づきまして、関係省庁が連携して、実効性のある取組を進めることとしているところでございます。
 この総合対策メニューの全体構成、この下に図としてお示ししているとおりですが、対策メニューの取組につきましては、まず、できることを着実に実施する第1段階の取組、更に、導入・法整備に向けて準備を進める第2段階の取組、その上で、取組の効果や被害状況等を見ながら検討する第3段階の取組という3段構成にいたしまして、それぞれの段階についての推進すべき内容を総合的にまとめているものでございます。
 第1段階の取組といたしましては、著作権教育や意識啓発、正規版の流通促進、海賊版サイト対策の中心となる組織の設置、国際連携・国際執行、すなわちエンフォースメントの強化、更には、検索サイトにおける海賊版表示等に関する対応についての対策、海賊版サイトへの広告出稿の抑制、フィルタリング、更には、これは策定時には第2段階、導入・法整備に向けての準備の取組とされていたものでございますが、現在、改訂版におきましては第1段階として位置づけられたものといたしまして、著作権法改正によるリーチサイト対策、侵害コンテンツのダウンロード違法化、こういうものが第1段階の取組でございます。  続いて、海賊版のサイトにアクセスしようとした際に、そのサイトへのアクセスについてアクセス警告画面を表示するアクセス警告方式、更には、プロバイダー責任制限法によります発信者情報開示制度に係る発信者特定の強化、これらが第2段階でございます。
 更に第3段階につきましては、ブロッキングに係る法制度整備については、他の取組の効果や被害状況等を見ながら検討、このような位置づけといたしているものでございます。
 なお、次のページでございますが、昨年4月の海賊版対策総合メニューの改訂、主なポイントはこちらにあるとおりでございます。
 まず、国際連携・国際執行の強化に関する取組といたしましては、二国間協議や各種国際会議等、例えば、インターネット上のドメイン名の管理を行っている国際組織でありますICANN等といった各種国際会議の場などを活用いたしまして、国際的な海賊版対策の強化に向けた働きかけ等を実施すること。更には、海賊版サイトの発信者や設置サーバ等の情報の確保を図るため、一般社団法人コンテンツ海外流通促進機構(CODA)などの民間事業者等とも協力いたしまして、国際的なデジタルフォレンジック調査を実施することなどを位置づけております。
 また、リーチサイト対策・侵害コンテンツのダウンロード違法化につきましては、改正著作権法が施行されたことに伴いまして、リーチ対策に関しては、更なる周知徹底を図るとともに、悪質なサイトへの取締りを進めること。また、ダウンロード違法化につきましては、国民への普及啓発、教育の充実を図るとともに、改正法の附則に基づき、施行後1年を目途とした効果検証を行うことなどを明記しております。
 アクセス警告方式につきましては、パソコン等のセキュリティソフトの事業者等との協議を通じまして、セキュリティ対策ソフトにおけるアクセス抑止画面表示機能の導入促進等を図ることといたしているところでございます。
 更に、発信者の特定の強化につきましては、発信者情報開示制度に係る法制度整備、プロバイダー責任制限法等の法制度の整備を進めることといたしておりまして、具体的には、国際執行の際の裁判手続に非訟手続を取り入れるなどの手続の迅速化、簡素化を図ったりといった内容がこれとして位置づけられているところでございます。
 以上が総合対策メニューの改訂部分のポイントでございました。
 なお、ベトナム海賊版への対応につきましては、特に今般、現在あります海賊版被害のかなりの部分をベトナム発の海賊版サイトによるものが占めているという状況もございまして、今、これへの対策が急務だと私どもも認識いたしているところでございます。被害拡大抑止に向けて、大規模なサイトの運営者をきちんと摘発してサイトを閉鎖に追い込むこと、そういった運営者がサイトを再開できないような形にきちんと取り締まることが特に重点であると思っておりまして、そのための取組など、現在、関係省庁と連携して進めているところでございます。
 具体的な内容、この下に関係6省庁の取組を列記させていただいておりますが、例えば警察庁との間では、国際捜査共助の枠組みを活用して捜査を推進。ベトナム当局と連携して推進を図っていただいているところでございまして、特に昨年の7月には、棚橋国家公安委員長から、ベトナムのトーラム公安大臣に対して、海賊版サイト運営者の特定・取締りについての働きかけを行っていただいた、このような取組も頂いているところでございます。
 また、法務省においては、関係省庁とともに日本とベトナムの間の刑事共助条約の新規締結に向けた協議を進めていただいていたところでございましたが、その最終交渉を昨年の11月に実施しまして、昨年11月にはベトナムとの間で同条約への署名にまでこぎ着けている。今、署名ということで、今後また、これについての批准手続等がございますけれども、このような段階まで来ているという状況でございます。
 1つ飛ばさせていただきまして、外務省でございます。昨年の11月でございましたが、この共助協約の締結のタイミングと同じでございますが、ベトナムのチン首相が日本に来日されまして、日越間の首脳会議が開催されました。この首脳会談におきまして、両国で連携して海賊版対策に取り組むことの認識の共有も図られたところでございます。
 これらベトナム海賊版に対する取組、今、進めているところでございます。引き続き関係省庁と連携しながら、これらの対策強化を図ってまいりたいと思っているところでございます。
 内閣府からの説明は以上でございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ただいまの塩原参事官の御発表について、御質問等ございますでしょうか。
 特にないようですが、ほかの方の御報告も同じテーマですので、また振り返って御質問がありましたら、最後の質疑応答のところでお願いいたします。ありがとうございました。それでは、先に進みます。
 続きまして、渡邉委員に御発表いただきます。事務局の準備が整いましたらお願いいたします。

【渡邉委員】電気通信大学の渡邉と申します。
 本日は、日本におけるインターネット上の海賊版サイトの定量化と分析ということで発表させていただきたいと思います。発表資料は、お手元にある資料を少しだけ見やくしたような感じになっていますので、画面の方を見ていただければと思います。番号は一緒になっています。
 この調査は、アメリカのMPAから委託を受けて、株式会社photonic system solutions、電通大のベンチャーが実施して、私、渡邉が監修した著作権侵害の調査の内容になります。
 まず、海賊版サイトの動向調査をこのような形で実施しました。実施期間としましては、2021年の6月30日から2021年の9月30日。調査の対象期間としては、2018年の7月から2021年の7月の3年間の調査の結果をお話しします。調査の対象コンテンツは、映画、テレビ、マンガ、アニメの4つで、音楽は含まれていません。調査対象のサイトタイプは、こちらに示すとおりです。後ほど少し説明いたします。調査の手順は、海賊版サイトのリスト化、抽出、目視や我々の保持しているFReCsというシステムやリストを含む7つの手法により抽出いたしました。
 海賊版サイトの絞り込みは、本調査で対象とする海賊版サイトを決定しています。
 海賊版サイトの基礎データの収集を、直接、サイト名、URL、サイトタイプ、主なコンテンツタイプ、サイトの状況をチェックしました。
 海賊版サイトのデータ収集として、2018年の7月から2021年の7月の各月に日本から各サイトにアクセスした月間総訪問数、デバイス別の月刊総訪問数をSimilarWebでチェックして、ネット侵害のサイトが使用するサーバに関する情報をNetCraftというサイトで調査をしました。これらの情報を後に、海賊版サイトの傾向を定量的に分析しています。
 対象となる海賊版サイトタイプの定義ですが、先ほど塩原参事官からもお話しいただきました、リーチサイトとオンライン・リーディングサイトとP2Pサイト、ストリーミングサイト、ストレージサイトの5つのサイトのタイプを定義して、こちらのサイトに分けた形で調査をしています。
 調査対象のコンテンツタイプとその定義は、映画(Film)テレビ、アニメ、漫画、音楽は含まれていません。
 まず、海賊版のサイトを抽出するところですが、2019年度に調査したときは624サイト抽出しましたが、2020年度は新たに107サイトが追加され、731サイトの調査となりました。2021年度は新たに136サイトが追加されて、結果として167サイトを調査対象としました。こちらは7つの方法で海賊版サイトを抽出しましたが、我々の保持しているデータベースや、調査報告者のデータ、ルーメンのデータベースやグーグルの透明性レポート、海賊版をまとめている方々がいますので、まとめサイトのリストですとか、あと、SimilarWebはグーグルなどの検索など、様々な方法で、サイトを抽出しています。
 初めに3,107サイト抽出しまして、その中からアダルトや音楽、ゲーム、著作権侵害サイトではないサイト、URLが不明だったり調査ができないサイト、また、UGCサイト、ユーチューブとかニコニコ動画ですね、そういったものは正規のものと海賊版が混じっていますので、そういったものは除外しています。
 次に、2018年から2021年の7月までの調査期間のうちに一度でも月間総訪問数が10万件を超えた月があるサイトを抽出すると867サイトになりましたので、今年度、2021年度は、昨年度、2020年度の731サイトに136サイトを追加して、867サイトを調査対象としています。
 続いて、こちら、お手元の資料の4番で、海賊版サイトへの総アクセス数に対する上位サイトの比率をこちらに示しています。2020年度も調査しましたので、比べて見ていただきたいんですけれども、2020年度の6月の調査と2021年度の6月の調査のトップサイト数のグラフがこちらになっています。横軸がトップサイト数で、縦軸が海賊版サイトへの訪問者のシェア率になっています。上位10サイトへの訪問の割合が63%で、アクセスは特定の海賊版サイトに集中しているということがこちらから分かります。100サイトで90%を超えています。そのため、今回の867サイトが適当だということが分かります。2020年度と比較して、オンライン・リーディングサイト、ピンクの部分の割合が非常に増加しています。上位の10サイトへの訪問の割合も増加しているということが分かります。
 続いて5番目、上位100サイトの海賊版サイトで使用されているサーバ関連情報の調査です。まず、海賊版サイトというのは、トップドメインのサイトとデータ蔵置サイトなど様々な複雑な構造になっていますが、トップドメインサイトのみの調査をしています。NetCraftでは、IPアドレス、ホスティングカンパニー設置国、Netblock Ownerというのが収集できますが、これでは海賊版サイトの実際のホスティング会社を特定することはほぼできないため、Netblock OwnerというドメインにひもづいているIPアドレスを管理している会社のみの集計になっています。2021年の6月の結果、左の円グラフを御覧いただますと、50%以上がCDN事業者であるCloudflareであることが分かりました。2019年から2021年において、Cloudflareは53%から59%に増加しているということが分かります。海賊版サイトにおけるデータ設置サイトは調査の対象にしていませんでしたが、例えば海賊版サイトのあるサイトを調べると、トップドメインサイトのNetblock Ownerが例えばCloudflareで、データ蔵置サイトは47種類以上、様々なサイトに分散されているということが分かりまして、構造は非常に複雑であるということが分かります。2021年度のCloudflare以外のNetblock Ownerというのは29種類ありましたけれども、同一のOwnerを利用しているのは多くて3サイトでしたので、Othersという形でまとめています。
 こちらは配布資料にはないのですが、例えば海賊版上位の10サイトのNetblock Ownerに関して、こちらに示しています。上位の10サイトのうちの5割のNetblock Ownerが同一のサイトです。そのほかは別の会社で、やはりNetblock Ownerも様々に多岐にわたっているということが分かります。
 海賊版サイト867サイトの内訳ですが、右の図が海賊版サイトのサイトタイプの分類になります。左がサイトタイプのactiveかnot accessibleかというところになります。867サイトのうちのサイト数としてはStreamingサイト数が多数で、その次にHost、Leech、P2P、Online Readingと続きます。これは867サイトの幾つあるかということで、867サイトのうち、調査期間のときにアクティブだったサイトは55%で、調査段階で閉鎖されていたり、エラーでアクセスできなかったり、そのときにできなかったサイトが43%、無関係なサイトや他のドメインにリダイレクトされたサイトが2%となっていて、海賊版サイトが様々なドメインを渡り歩いている可能性がうかがえました。
 続いて6番の資料で、海賊版サイト867サイトのコンテンツタイプの内訳になっています。左の円グラフが海賊版サイトのコンテンツタイプで、右の円グラフが海賊版サイトのコンテンツタイプ、図5-2になっています。2021年のサイトの内訳を見ると、Filmが25%と最多であり、2020年度よりも5%増加しています。また同様に、漫画の海賊版サイトも5%増加して、テレビは僅かに増加、アニメは変化なしとなっています。なお、サイトのホームページを確認するだけではサイトのコンテンツを特定できない、アクセスできないサイト、また、サイトを確認するためにユーザー認証が必要なサイトはUnidentifiedとして扱っています。
 こちらが海賊版サイト867サイトのサイトタイプ別コンテンツタイプの内訳です。P2PとStreamingが、こちらに示すとおりFilmやTVが多いというのが分かります。Online Readingサイトは、ほぼ全て漫画になっています。LeechサイトはFilm、TV、Anime、漫画のいずれも存在していることが分かります。
 こちらは日本における海賊版サイトの月間総訪問数の推移を示します。2018年の7月から2020年の7月まで、平均が2.91億訪問だったんですが、パンデミック、COVID-19の影響で外出自粛が進められた2020年6月以降、海賊版サイトの利用者が急増していまして、これは7月までのものでが、現在もその傾向が続いていると考えられます。この増加の主な原因はOnline Readingサイトの利用だと考えられます。
 サイトタイプ別の海賊版サイトへの月間訪問数をこちらに示しています。オレンジがOnline Readingのサイトで、青がP2P、緑がLeech、Streamingが水色、Hostが灰色という形になっています。こちらは、示すとおり、hoshinoromiが2019年度8月にピークになったのが少しピークがありますが、それから2020年の6月ぐらいから非常にOnline Readingサイトが伸び続けて、月間3億回以上訪問されているということが、このグラフから分かります。
 デバイス別の海賊版サイトへの総訪問数はこちらに示すとおり、オレンジがデスクトップ、青がモバイルからのアクセスとなっています。モバイルからの訪問が急増していまして、気軽に海賊版サイトにアクセスしている割合が高いということが推定できます。モバイルの急増に関しては、Online Readingサイトの訪問が主な理由であるということが分かります。2020年11月ぐらいまでデスクトップの訪問数が多かったということも、このグラフから分かります。
 続きまして、デバイス別及びサイトタイプ別の訪問数の推移ですが、先ほどから申し上げていますとおり、Online Readingが右の上のグラフですね、Online Readingの急増が一番目立つ部分ですが、ほかのP2PですとかLeech、Host、Streamingなどもさほど変わっていない、同じように見られている、訪問されているということが、Streamingは若干の減少があるか、ということが分かります。
 サイトタイプ別の訪問数の傾向ですが、それぞれOnline Readingサイトの訪問増減が激しいことが分かります。他のサイトは、変化が少なく、継続して訪問がそれぞれ見られていて、あるサイトがずっとある程度のアクセス数を稼いでいるということが分かります。Online Readingは新しいサイトが出てきてなくなったりしながら、すごい勢いで伸びているということが分かります。
 こちらが過去4年間の海賊版サイトへの総訪問数の推移を示しています。「漫画村」の訪問数、「漫画村」のときの記憶が皆さん非常に鮮明なのではないかと思うので、それとどのぐらい違うかというのをグラフ上で合わせたものです。2020年調査を合わせた過去4年間分の総訪問数推移をこちらに示しますが、「漫画村」がピークを迎えた2018年の3月は、現状の2021年度の調査では約4億弱で、現在、6億程度の訪問数がありますので、それを大きく上回っているという最悪な状況であるということが分かります。
 最後に、正規版サイトへの訪問数の調査として、海賊版サイトへの訪問数と日本にある正規版のサイトへの訪問を取得するために、日本で訪問数が多い正規版サイトの上位20サイトの訪問数を調査しました。この調査は、漫画サイト及び動画、アニメ、映画、テレビのサイトのそれぞれ10サイトをこちらのようにピックアップして実施しています。注意していただきたいのは、アマゾンは入っていないです。この正規版サイト、上位10サイト2021年の6月のデータに基づいて20サイトピックアップしています。
 こちらが正規版サイトと海賊版サイトの訪問数の推移になります。正規版サイトも徐々に増加しているということが分かります。海賊版サイトも同様に、残念ながら増加しています。正規版のサイトの利用者と拮抗しているということが分かります。
 このグラフは、全体を示しているんですけれども、動画系と漫画系とに向けて分析すると興味深い結果になりましたので、こちらに示しています。動画系の正規版サイトと海賊版サイトの訪問数の推移になります。動画系正規版サイトと海賊版サイトの訪問数は、ポジティブな逆相関、海賊版が赤ですけれども、海賊版が減って正規版のアクセス数が伸びているという、海賊版対策の効果が出ているように見える結果となっています。ただし、この結果にはUGCのサイトなどは入っておりませんので、ファスト映画などの集計ができていないので楽観視できるとは限らないんですけれども、このデータから見ると、理想的な逆相関になっているということが分かります。
 最後が漫画系の正規版サイトと海賊版サイトへの訪問数の推移になります。2020年8月までは海賊版サイトの訪問数というのは増加していたんですけれども、正規版サイトも同様に増加しているということが分かります。水色が正規版で、赤が海賊版になります。2020年の8月以降に海賊版サイトが急進して、正規版の訪問数が低迷しているネガティブな逆相関になっているように見受けられます。  以上をまとめます。2021年の7月の867の海賊版サイトの総訪問数は約6億回訪問であって、2018年の3月の「漫画村」などによる海賊版のピーク、総訪問数4億弱を大きく上回る最悪の状況であることが分かりました。2021年の調査では、日本からの訪問数が月10万件以上の海賊版サイトは867サイトありまして、2020年度の調査に比べて136サイト増加しています。  COVID-19パンデミックの影響で日本において外出が控えられた2020年の6月以降、海賊版サイトの訪問数は急増していて、特にオンライン・リーディングサイト数の訪問数が大幅に増加しています。状況は、動画系と漫画系に分けて分析してみると、動画系の正規版サイトと海賊版サイトへの総訪問数の関係は、海賊版が緩やかに減り、正規版が緩やかに伸びているポジティブな逆相関になっていることが分かり、海賊版の効果が動画系に関しては出ていると考えられます。一方、漫画系のサイトは海賊版が急激に増加した2020年の8月以降に、これまでに順調に伸びてきた正規版の訪問数が低迷し始めているということが分かります。
 以上で報告を終わります。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ただいまの渡邉委員の御発表について、御質問等ございますでしょうか。

【奥邨委員】すみません、奥邨です。よろしいでしょうか。

【鈴木主査】はい、奥邨委員お願いします。

【奥邨委員】ありがとうございました。大変興味深い、非常に貴重な調査、御発表だったかと思います。少しお伺いしたいんですけれども、漫画に関する正規版サイトと海賊版サイトを訪問数で比較されているんですが、これは比較のベースとして一致していると言ってよろしいんでしょうか。というのは、正規サイトを使う方のかなりの割合がダウンロードをすると思うんですね。漫画の正規版であれば、ダウンロード利用が多いと思うんです。そうしないと、ギガが限られていたりする方なんかは、わざわざお金を出しているのに、更にギガを浪費するような形でオンライン・リーディングをするということは少ないと思うんですね。
 一方で、海賊版サイトは基本的には、先ほども御紹介ありました漫画に関してはオンライン・リーディングが多いわけですね。そうすると、訪問数で比べてしまうと、正規版の場合、ダウンロードしていると、1回ダウンロードすると、同じ漫画を見るとしても、何回も何回も訪問するということはないわけですので、正規版の訪問数というのは、かなり過小評価されているのではないか。逆に言えば、海賊版サイトのアクセス数、訪問数というのは、毎回毎回オンライン・リーディングで読みますから、1話読むたびに、どんどんどんどんアクセスが上がるというようなことになりますので、ベースがちょっと違うのではないかと思うんですけれども、その辺の補正がされたようなデータとか、補正の仕方とかいうのはありますでしょうか。

【渡邉委員】御質問ありがとうございます。
 正規版サイトとの比較というのは非常に難しくて、今回おっしゃっているように、もしそうであればすごくいいと思うんですけれども、現状、先ほどお示ししました正規版の20サイトのそれぞれのURLに訪問している数で、同様の条件で比較しただけになっています。補正項も入れていませんし、補正するには多分、それぞれ出版者の皆様の何かのお知恵を借りなければいけないと思いますので、我々としましては、SimilarWebの訪問数の調査として、こういったデータがあるということで御理解いただければと思います。

【奥邨委員】分かりました。そうしますと、数で見るのは、あんまり意味がないわけですね。訪問数で見るよりも伸びで見た方がいいとか、そういうことで考えた方がよろしそうですかね。というのは、数で見ても、毎回毎回訪問しなければいけない海賊版サイトと、ダウンロードするので、例えば10話まとめてダウンロードすれば1回しか訪問しない正規版サイト、同じ訪問数で見ても、比較、絶対数としては、余り意味がないですかね。

【渡邉委員】私は意味がないとは思っていないんですけれども、例えばコミックシーモアですとか、めちゃコミックですとか、まんが王国とかというのは基本的にオンライン・リーディングで読むことも多いのではないかと思います。ただ、ダウンロードして読んでいる人たちに対する補正というのは行っていませんので、それに関して言えば、そうかもしれないし、そうでないかもしれない、ちょっと分からないというのがお答えになるかと思います。

【奥邨委員】分かりました。いや、漫画の方は違うとかなり断定的におっしゃったのですが、そこのところは補正が入っていないということはリザベーションが要るということでよろしいわけですね、留保がいるということで。

【渡邉委員】そうですね。あくまでも正規版も海賊版も同じ前提条件において、SimilarWebで調査した結果がこのようになりましたということです。

【奥邨委員】よく分かりました、ありがとうございます。

【鈴木主査】ほか、いかがでしょうか。
 では、私から質問させていただきたいんですけど、配付されていた資料の4ポツの「海賊版サイトへの総アクセス数に対する上位サイト比率」という調査結果についてお尋ねします。そこでオンライン・リーディングサイトの増加が激しいというコメントがございました、ピンクの部分が特に大きくなっているというものですね。このデータの読み方なんですけれども、まず、この上位サイト比率というのは、コンテンツの種類ごとということではなくて、コンテンツの種類に関わらず、全部を通じての訪問数のうちの上位サイト、10、20、30から100までを積み上げた数字ということですね。

【渡邉委員】そうですね。例えば上位10サイトの総訪問数を集めた結果ということに、訪問者のシェアを集めた結果ということになります。

【鈴木主査】オンライン・リーディングサイトの中の上位10ということではなくて。

【渡邉委員】そうではないです。

【鈴木主査】そうすると、これが示しているのは、オンライン・リーディングサイトへの訪問数自体がそもそも非常に割合が高くなっているということですね。

【渡邉委員】海賊版サイトの全サイトで、先ほどお示ししたとおり、なおとかと出ていると思うんですけど、その中でオンライン・リーディングの総訪問数が占める割合が多いということです。

【鈴木主査】他方で、読者を集めているサイトが集中しつつあるということまで示しているわけではないということでしょうか。

【渡邉委員】そうです。オンライン・リーディングに訪問数が多いということを示しているということ。

【鈴木主査】分かりました。

【渡邉委員】はい。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ほかはいかがでしょうか。
 それでは、先ほどと同様に、もし質問を思いつきましたら後ほど御発言いただくということで先に進めたいと思います。
 渡邉委員、どうもありがとうございました。
 続きまして、後藤委員に御発表いただきます。事務局の準備が整いましたらお願いいたします。

【後藤(健)委員】後藤でございます。本日、貴重なお時間頂きまして、どうもありがとうございます。  それでは私から、現状と消費者を取り巻く問題について御案内したいと思います。
 日本のコンテンツ、今、非常に人気がございまして、特に漫画、アニメ、世界で評価されているところであります。ただ、その一方で、世界の海賊版業者から狙われている、いわゆるターゲットになりつつある、今や稼ぎ頭ということであります。従前ですと、アメリカの映画、アメリカのスポーツ・放送番組等がターゲットになっていたわけでありますが、日本のコンテンツでも視聴数を稼げる、いわゆる視聴数を稼いで、アクセスを稼いで、広告でもうけるというのが基本的なビジネスモデルでありますので、日本のコンテンツが非常にもうかるというイメージであります。
 さらに、アメリカと違いまして、日本のコンテンツホルダーは権利行使をしてこないだろうと若干ばかにされているところもありまして、海賊版業者からすると、ローリスクでハイリターンだと、アメリカよりはやりよい日本のコンテンツをやった方がいいのではないかという話であります。
 被害額でありますが、2019年度ということでちょっと古いんですが、映像、出版、音楽、ゲーム、ゲームについては海賊版被害はほとんどないということでございまして、大体3,300億から4,300億円ぐらいの被害があるのではないかということであります。
 1つの例示といたしまして、Aサイトということで、アニメに特化した海賊版サイトでありまして、視聴数はアメリカが15.6%、インドが9.46%ということで、世界の月間アクセス数が1億5,000万を超えています。
 次に、Bサイトです。これもメキシコが25%、コロンビアが13%ということで、日本以外で、このような形でアニメが多く見られている。月間視聴アクセスが1億8,000万ということであります。異常に多い件数を稼いでいる。
 更に背景的なものでございまして、これは皆さん御承知のとおり、今、PCからスマホに移行している。さらに、SNSが今や主流になりつつある。さらに、通信速度ですれども、5Gが運用されているということでありまして、2時間のハイビジョン映画が1.3秒から3秒でダウンロードできてしまう時代であるということで、コンテンツはこれらに対して非常に脆弱であるということが言えます。いわゆるこういった技術が進歩すれば進歩するほど被害が拡大するという状況でございます。
 さらに、先ほど来お話が出ていましたけれども、秘匿性、匿名性を担保するサービスというのが、今、非常に世界中で普及しています。お金さえ払えば、完全秘匿性を担保するというものであります。ドメイン代行の「Njalla」、「漫画村」もこれを使っていましたが、「Njalla」というドメインサービス。さらには、真ん中にあります防弾サーバ、ポリシーは、相手の情報を「聞くな、答えるな」と。要は聞かないから情報は持っていないわけですから、答えられないということであります。更にCDN、Cloudflare等々を悪用して、海賊版業者がこのような秘匿性、匿名性を高めているということであります。  これらの状況において、CODAとして共同エンフォースメント3.0と位置づけています。共同エンフォースメント1.0というのがフィジカルパイレーツ、海外におけるフィジカルパイレーツ対策、そして2.0というのがオンライン対策をやっていました。そしてここに来て3.0ということで、海賊版サイトの運営者を特定して訴追するという共同エンフォースメントに移っています。
 国際執行プロジェクトと名づけています。いわゆる国際執行の強化を目的に、エシカルハッカー、昔、ホワイトハッカーと言っていましたけれども、エシカルハッカー、サイバーセキュリティーの専門家の力を借りて、デジタルフォレンジック調査ですとかプロファイリング調査をして運営者を追及するという方法であります。
 このような体制図ということで、経済産業省の支援を受けて、CODA、それとサイバーセキュリティーチームの専門集団と国際法律事務所というもので調査を進め、CODAがこれまで培ってきた人的関係を活用しまして、国際執行手続を行っていくというものであります。
 では、具体的にどういう手法があるのかということであります。まず、合法的なデジタルフォレンジック調査によって、海賊版サイトの運営者を特定する方法であります。これの成功例といたしまして、2017年、ブラジルの「Anitube」の運営者を特定し、刑事摘発をしております。サーバはアメリカ、ドメインはスウェーデン、運営者はブラジルにいたわけでありますが、今回の場合、SNSを調査した中で、「Anitube」の運営者が、運営をつぶやいたものですから、それを端緒に検挙することができました。
 今主流になっておりますのが、海賊版サイトが利用するオンラインサービスを特定するということであります。やはり大容量の映像とか画像を使いますので、それなりのサービスを使うということになります。それが1層ではなかなか出てきませんが、2層、3層を深堀して調査をすると、合法なサービスを使っているということが明らかになる場合が非常に多うございます。今これが主流のやり方です。
 合法サービスから侵害者を特定するものの例として、昨年、宮城県警で検挙されましたファスト映画であります。これはユーチューブ上で違法動画をアップしておりましたので、ユーチューブの親会社であるグーグルに対して、アメリカでDMCAサピーナ手続を行いまして、アカウント契約者の情報を開示させて、特定をして、それをもって宮城県警で事件化を頂いたというところであります。
 そして、次が実務的な対応ということになりますが、ノック・アンド・トークということで直接交渉であります。当該国において刑事罰の運用がないですとか、そういった場合に対応します。上海の「Miomio」というのがありましたが、中国において行政手続を行いまして、行政処罰が下りました。そして、相手方に罰金、侵害の停止という命令が下りました。そうしましたら、「Miomio」がやったのはジオブロッキングということで視聴制限をして、中国では見られないが、他国では見られる方法を採用しました。そうすると、中国では違法がないので、中国の執行機関にお願いしても、中国では違法をしていないので、後藤さん、無理だよという状況が続いたわけであります。それに対しまして、直接、実務的な対応ということで「Miomio」の運営者に面談をしまして、二度としないという誓約書を受領して、今後はしない、もしやった場合は賠償金といったような誓約書を締結して解決をしたという方法です。
 さらに、ネーム・アンド・シェイムということで、悪質な海賊版サイトを特定し、公開する方法もあります。現に日本の2018年4月13日ですが、知財戦略本部・犯罪対策閣僚会議が「漫画村」、「Anitube」、「Miomio」を特定して、悪質な海賊版サイトと発表しました。それによって、原因は分かりませんが、この中で「漫画村」、「Anitube」については閉鎖に至ったということであります。これを常に恒久的にやっているのはUSTRの「模倣品・海賊版の悪名高き市場に関する報告書」であります。
 このような国際執行プロジェクト以外に我々として対策を講じておりますのが広告出稿の抑止であります。日本の広告3団体がございます。広告主の団体、オンライン広告代理店の団体等々でありますが、この皆様とともに、我々が作成しましたブラックリストを共有いたしまして、これらに掲載されているURLには広告を載せないでくださいというお願いをしております。おかげさまで、この3団体の御協力もありまして、大手の広告は掲載されないという状況であります。今はギャンブルですとかアダルトの広告が掲載されるということで、一定の差別化をすることができていると思っています。
 さらにはフィルタリングによる注意喚起メッセージの表示ということで、PCのセキュリティーソフトに、これも我々のブラックリストを共有させていただきまして、そのURLにアクセスすると警告が出てまいります。
 そして、検査結果表示の抑止ということで、侵害コンテンツの表示の抑止でございます。これは日本の場合、グーグルさんの検索が非常に多いものですから、グーグルさんと協力して対応しております。グーグルに対する個別のURLの削除の要請ということで、侵害作為のURLを特定して、権利者が削除要請をするという流れであります。
 CODAにおきましては、グーグルよりTCRPということで、簡易かつ大量に削除するシステムの導入を受けておりますので、それを活用してCODAがまとめて送付をしているということです。平均して1か月2万件程度の削除要請を発出しておりまして、これが大量に有効的な削除を受け取ると「降格シグナル」というものが働きます。一応、CODAの要請分については有効に機能しているというのが現況です。
 一方、出版社の海賊版サイトが「降格シグナル」が機能しないという問題もございます。これは先ほど来御案内がありましたとおり、漫画は非常にアクセス数が多いということがありますので、それに応じた削除をしなければいけないということで、なかなか難しい問題が出てきているというのが実態です。現況、今年の1月より、CODAが出版社のものについても大量に削除要請を送付する実験を開始しております。今、手打ちでやっているんですが、これを近々システム運用化することによって一定の効果が望まれると大きく期待をしているところであります。
 更にグーグルとの間では、「トップページ」がゲートウェイになる現状でございますので、「トップページ」ですとか「カテゴリーページ」についての削除要請というのも、CODAの内部での対象基準を設けまして、それに該当するサイトについては、グーグルに申出をしまして、グーグルの方で削除してもらっているというところでございます。
 今までが主な対策であります。直接的な対策と周辺的な対策でございます。
 次に、国際連携に関しましてですが、国際連携の強化というということで、まず1つ目はCODAの北京事務所の開設ということで、本年の1月1日から業務をスタートしております。2021年9月10日に、中国の海外非政府組織・国内活動管理法という2017年につくられた法律に基づきまして国家版権局に申請いたしまして、許可を受けまして、そして北京市公安局へ登記をしております。国家版権局がこの法律に基づいて許可をした外国法人の第1号ということになります。登記した内容でございますけれども、日本コンテンツの著作権認証業務、CODA会員社の著作権の保護、著作権法の調査広報、中国との著作権分野における交流と協力ということで、1つ目の認証業務につきましては、既に認証機構である日本レコード協会さんの取扱い分野を除く全ての分野ということで、国家版権局の指導を受けて、全ての分野の対応をするということにしております。このような形で、中国との間で関係も更に強化してまいりたいと思っております。
 そしてもう一つでございますが、国際海賊版対策機構(IAPO)の創設ということで、2022年の4月1日、第1回会合をスタートすべく、今、協議を進めておるところでございます。海賊版の問題というのはもはや国境はございませんので、更に先ほどの通信技術等々も同じに発達している。ASEANの国々でも今やスマホを皆さんがお持ちということがありまして、海賊版問題は、やはり国際連携を強化して、みんなで対策を講じるべきだということで、皆さんとこういった枠組みづくりをいたしまして、話合いの場をつくりたいと思っています。まずは現状の認識をして、立ち位置の共有、そして、ステージの引上げということで格差をなくしていきたいと考えています。今、日本はCODAが世話人をやりまして、アメリカ、中国、韓国、ASEAN10か国の話合いを進めているところでございます。
 本日も午前中に、フィリピンの知財庁、Barba長官との間で、著作権保護と普及啓発に関する協力の覚書を締結したところであります。フィリピン知財庁におきましては、ASEANの知的財産権執行専門ネットワークの議長国でもありまして、このIAPOの創設に向けて一緒に努力をしていただいているというところであります。
 次に、消費者を取り巻く環境であります。問題1、問題2、問題3、問題4ということで、特に問題3、Z世代、1990年代後半から2000年前の生まれの子供たちですが、この子たちは小さいときからスマホであやされている、スマホを持っているということで、なじんでいる部分があります。それによりまして、著作権侵害といった犯罪が、より身近に軽い気持ちで視聴してしまうということが現れています。いわゆるZ世代、タイムパフォーマンスですね、この志向が非常に強いということがありまして、例えばファスト映画というものが全然自然に受け入れられていたということで、本当に私どもからすると大きなショックでありました。これで、友達と話を合わせるのに、映画を全て見なくてタイムパフォーマンスを考えたらこれが十分だよといった意見が多く出ていたということであります。こうなりますと、本当に創造のエコシステムが崩壊してしまうという危険を感じているところであります。小さいときからスマホを持っているというのは我々のときからは考えられませんけれども、やはり、自分の部屋に行ってしまえば見てしまうということも現実としてあり得るのかなと思っています。
 これに対して、一般広報啓発ということでありまして、文化庁さんの御支援を頂きまして、文化庁さんと一緒に「ハローキティ」を著作権広報大使に任命していただくなどして著作権の保護の必要性を訴える。さらには文化庁のキャラクターである「ぶんちゃん」を利用させていただきまして、普及啓発の動画をつくって、海外へユーチューブで公開する。さらに、描き下ろしの漫画「STOP!海賊版」ということで、ABJさんの協力を頂戴いたしまして、このような形で16の作家の先生に漫画を描き下ろしていただきまして、小冊子として配布しているところであります。更に不正商品対策協議会と合同しまして、キャンペーン動画ということで、女優ののんさん等々に御出演いただきまして啓発動画をつくっているところであります。
 そして直近におきましては、経産省事業としまして、「映画館に行こう!」実行委員会の御協力の下、NO MORE映画泥棒と啓発動画のジョイントということで、12月24日におきまして、関東圏の75の映画館で「STOP!海賊版」ケロロ軍曹×NO MORE映画泥棒啓発動画というのを上映させていただいたということであります。
 これらによって、自分1人が見るから大丈夫ではないかといった気持ちが犯罪の助長につながる、さらには金もうけの手助けをしているということに若年層から気づいていただきまして、著作権を保護することの大切さというのを認識してもらえばと強く願っています。また、この啓発動画につきましては、来年度においても展開をしていきたいと思っているところでございます。
 以上、私からの御案内でございます。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ただいまの後藤委員の御発表について、御質問等ございましたらお願いいたします。

【奥邨委員】すみません、奥邨です、よろしいでしょうか。

【鈴木主査】奥邨委員、どうぞ。

【奥邨委員】非常に積極的、効果的なお取組について御紹介いただきまして、ありがとうございます。
 資料のこれからの動向というところでちょっとお伺いしたいんですけれども、5ページのところですかね、5Gにもなるし、4Kも動画もどんどん増えてくるしというようなお話があったと思うんですけれども、現状、正規版コンテンツはかなり4K化していると思うんですけれども、海賊版というのは4Kの状況はどうなんでしょうか、4Kが増えているんでしょうか。逆に言うと、まだ差があるということなら、多分、正規版の魅力ということにもなるんでしょうけれども、そういうこともなくなって、4Kの動画も海賊版でもどんどん、特に映画だと思うんですけれども、増えているというような状況なのかどうかというのが1点目です。2点目は、これは4Kに限らないんですけれども、海賊版サイトで、特に動画系ですけれども、提供されているコンテンツのソースは何なんでしょう。市販とか、やっぱり配信されているものが、市販や配信の先で海賊版にアップされているということでいいんですかね。仮にそうだとすると、正規版のプロテクトが破られているということになりますので、そっちを強化すれば、ソースが減って海賊版が減ってくるということになるのか、それともソースはどこかから流出するみたいな形で出ているのか、もし、その辺で何か御知見があれば教えていただければと思います。  以上です。

【後藤(健)委員】御質問ありがとうございます。
 画質においては、4Kかどうか分かりませんけれども、かなり高画質のものが海賊版として流出しております。いわゆる、これは通信環境ですね、CDN等々を利用することによって遅滞なく配信できるということがありますので、高画質のものが流出しているというのが現実であります。
 更にソースですが、やはり川上から流れてくるということで、アニメーションであれば、放送されれば、その時点でミラーコピーをされるということであります。さらに、洋画の海賊版については、劇場撮り、盗み撮りですね。更にデイ・アンド・デイということで同日配信の映画が今はやっておりますけれども、それをミラーコピーですね。いわゆる画像の前にカメラを設置して、それでミラーコピーを撮るという方法であります。そういったことに対して、今アメリカも、やはりその辺はウィンドウをかけよう、やっぱり同時期はまずいのではないかというような議論も出て、それに対して対応しようという意見も出ているというところであります。
 以上です。

【奥邨委員】すみません、では1点だけ。そうすると、カメラで撮っているということは、デジタル・トゥ・デジタルでコピーされているわけではなくて、今のところ、そういうものよりは、どっちかというと、ちょっとアナログっぽいような感じのことが行われているところも結構ソースではあるということですね。

【後藤(健)委員】そうですね。ただそれも、親切な方がいて、いいのが出れば、常にそれはアップデートしますので。

【奥邨委員】分かりました、ありがとうございます。

【後藤(健)委員】いわゆるハイビジョン映像のものが出ればハイビジョン映像のものが出てくると認識していただければと思います。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 生貝委員、どうぞ。

【生貝委員】ありがとうございました。今の5ページのところに少し関連しての質問なのですけれども、私自身、著作権侵害以外の違法有害コンテンツにおけるSNSの対応のような議論に関わることが多い観点からの関心なのですが、正にこの5ページに書いていただいているとおり、各種の様々なソーシャルネットワークというのが、海賊版のリンクやアップロードなどを含めて関わりがあり得るといったときに、このSNSというところに関する現状の課題感というのはどのようなものなのかといったことと、そして、もし、ある程度の課題や取り組める方向性があるのだとしたら、そこに向けた関係事業者との協業や話合いというものがどのような形になっているのかということについて教えていただければ有り難いです。よろしくお願いいたします。

【後藤(健)委員】SNSで問題になるのは、やはり海賊版の紹介ですね。これをつぶやいて紹介される、いち早く紹介されるということで、たった1人の人間がつぶやいたことが、それがすぐ広がるというような問題です。サイト名ですとか、ここに、リンクは貼りませんけれども、サイト名を述べて広めるという方法が一つあります。

【生貝委員】ありがとうございます。では今のところ、特にSNSの方で、例えば自主的な御対応をしていただいたり、そういったことは、現状、特に国内で取組というのは、まだないという認識でよろしいでしょうか。

【後藤(健)委員】そうですね、今のところはまだ、SNSの事業者の皆さんとも情報共有はしていますけれども、テーブルには乗っていないというところです。

【生貝委員】分かりました、ありがとうございます。

【須子委員】すみません、よろしいでしょうか。

【鈴木主査】はい、須子委員、どうぞ。

【須子委員】後藤さん、いろいろと御説明ありがとうございました。
 1点教えていただきたいんですけれども、2ページのゲームについて、海賊版の流通の推計値というのは出ているんだけれども、いろいろな係数とか業界の妥当性の検証、ヒアリングを経ると、海賊版の被害額というのはゼロ円になっているんですが、これはどういうことですかね。業界団体が海賊版はないと分析した結果、ここがゼロ円になるんでしょうか。

【後藤(健)委員】はい。そのように、ゲームの団体、ゲーム会社にヒアリングをした結果、ゲームにおいては海賊版の被害はないという回答だったものですから、ゼロ円と。ただ、昔のファミコンでしたっけ?昔のやつは、それはありますよ、きっと。直近のゲームについてはゼロ円ということだと思います。

【須子委員】ありがとうございます。

【鈴木主査】ほかにいかがでしょうか。

【伊東委員】すみません、ABJの伊東です。

【鈴木主査】はい、伊東委員、どうぞ。

【伊東委員】後藤委員の発言に補足させていただきたくて、実は特に漫画の海賊版被害がSNS上で非常に大きくて、私、集英社で侵害対策をやっているんですけれども、集英社だけでも月に三、四万件ぐらいの海賊版をSNS上で発見して削除要請を送っているという状態で、ユーチューブ、フェイスブック、インスタ、ツイッター等々で非常に侵害物が多いです。
 それで、海賊版サイトはサイトを潰すというアクションが取れるんですけれども、ツイッター、ユーチューブ、フェイスブックを潰すというアクションは取れないので、発見次第、削除要請を送るということをもう数年以上続けていて、それのお金とか人的のロスというのは非常にかかっているというのが現状で、基本的にSNS、同海外プラットフォームの皆さんは、協力的と言えば協力的なんですけれども、侵害物を発見して削除要請を送ってくれたらきちんと落としますよとしかやってくれなくて、自主的にパトロールするとか、アカウントの閉鎖に関して積極的にやってくれるとかというところがないので、今いろいろと、よりよい海賊版対策のやり方を一緒に構築しようと話はしていますけれども、なかなか根本的な対策というのが今はないという状況になっています。
 以上です。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 では、私から後藤委員に、細かい話なんですけど、フィルタリングのお話が出て、海賊版サイトのURLを渡して協力してもらっているというお話がありましたけど、すみません、どういう事業者に渡しているかについて、確認させていただけますか。

【後藤(健)委員】PCのセキュリティー会社ですね。

【鈴木主査】いわゆるプラットフォーマーに渡すということは、余りないのでしょうか。

【後藤(健)委員】それはありませんね。

【鈴木主査】ああ、そうなんですか。

【後藤(健)委員】PCのセキュリティーの会社及びそれに関わる団体ですね、団体と個社にお願いをしているというところです。

【鈴木主査】分かりました、ありがとうございます。
 ほかはよろしいでしょうか。
 後藤委員、どうもありがとうございました。
 続きまして、伊東委員に御発表いただきます。準備が整いましたらお願いいたします。

【伊東委員】先ほどもちょっと自己紹介しましたけれども、一般社団法人ABJで、なおかつ、集英社という出版社で侵害対策に10年以上関わっている伊東と申します。よろしくお願いします。  今、画面を共有させていただきます。爆発的に拡大する海賊版サイト、現状の対策と問題点、これに従って話を進めさせていただきたいと思います。一応、一般社団法人ABJという、出版社だけではなくて、電子書店の皆さんだったり、通信、IT事業者の皆さんも参画する海賊版対策の団体を2020年に立ち上げまして、そこの法務部会長と広報部会長を兼任しております。こういう場所にお呼ばれして、皆様に海賊版、特に出版物の海賊版の状況をお伝えする役目を引き受けております。
 残念ながら、このコロナ禍ということもあって、出版物、漫画を中心に、雑誌や写真集など、あるいはラノベなども数多く上がっていますが、非常に海賊版が暴れている状態が続いております。
 直近、2021年の12月、先月の海賊版サイトの月間のアクセス数の数字で、上位10サイトを合計すると3億8,651という莫大な数字になっておりまして、「漫画村」がひどかったときが2018年の3月ですが、そのとき約1億アクセスと言われていたので、その4倍という数字になっております。
 こんな感じですね。先ほど渡邉先生からもいろいろ数字が出ていましたけれども、それにほぼ近いグラフになっておりまして、2020年の1月、コロナが始まる前ですと、月間アクセスが約7,000万、8,000万だったのが、ぐいぐいと緊急事態宣言以降伸びていまして、このグラフ、一目見てお分かりいただけるとおり、4億ということで、約5倍という数字になっております。幸いなことに、2021年の11月頭に漫画BANKという巨大海賊版サイトが我々のアクションで閉鎖になりましたけれども、それで8,000万という巨大なアクセス数があったので、8,000万減れば減るはずなのに、要するに、漫画BANKが閉鎖したら、ほかの海賊版サイトに移って読んでしまうというユーザーが結構いたということで、4,000万ぐらいしか減らず、しかも案の定、12月はまた大きく戻しまして、結局、さっきの数字のところに戻りますけれども、11月、12月、漫画BANK以外の海賊版サイトが軒並み数字を伸ばしております。結局、4億超えてしまったものが3億6,000万になったが、また3億8,000万、9,000万ということで、現在、ほぼ元の木阿弥というような状態になっております。
 ここで注目なんですけれども、海外向けの各国語に翻訳された海賊版サイトいうのは実はたくさん存在しておりまして、当然、英語だったり、中国語だったり、ハングルだったりもありますけれども、インドネシア語、ベトナム語、タイ語、アラビア語と本当に全世界中で、ある意味、全世界の人から漫画が愛されているという証拠でもありますが、本当にいろいろな言語に翻訳された海賊版サイトは、残念ながら、この中の数字には含まれていません。日本からのアクセス以上に、全世界の人が海賊版サイトにアクセスしているという現状が続いております。
 そういう状況で、取りあえず、国内だけのただ読みされた金額というのを一般社団法人ABJが試算しておりまして、2020年、年間で約2,100億円という、これも莫大な数字だったんですけれども、驚くべきことに2021年、年間、ちょうど2021年が閉まったので、この前試算したんですけれども、1兆円を超えてしまいました。2021年の12月単月で1,121億円なので、2022年1月以降、少なくとも毎月1,000億円以上のただ読みされた金額が積み上がっていくという計算になります。一番下の方に書いてありますが、このただ読みされた金額は、当然、海賊版サイトで、ただでしか読まないという、我々にとっては残念なユーザーが多いと推測されます。仮に1割の人が、海賊版サイトがなくなったら、しようがないから買うかと、残り9割はただでなければ読まないという人がいたとして、1兆円の1割ということで1,000億円の金額が正規の売上げ増につながると推測できます。先ほど後藤さんの発表で、正規に取り戻せる金額で何か、漫画とか、2割とか3割ぐらいの数字がたしか出ていたと思うので、では、仮にそれを当てはめて2割が正規版に移ると仮定すると、2,000億円の売上げ増になると推測されます。漫画だけで、紙、電子合わせた正規の市場規模は2020年度が6,126億円になっていますので、これに1,000億若しくは2,000億という数字が加わったとなると、これは本当に無視できない金額になっております。ちなみにこれもCODAさん調べでは、「漫画村」でただ読みされた金額、恐らく半年ぐらいの集計だと思いますが、約3,200億円という数字で、これも非常に莫大だったんですけれども、現在は、それの3倍を超える金額が年間ただ読みされているということになっております。
 ちなみに、さっきちょっと申し上げた海外のユーザーが読む翻訳された海賊版サイトですが、上位5サイトだけ、取りあえず、この場のために、ぱぱっと調べてみたんですけれども、上位5サイトの合計で月間アクセスが約6億ということで、さっき申し上げた日本国内からのアクセスが上位10サイトで4億なので、5サイトでそれをはるかに上回る数、アクセスを集めております。国別、アメリカがやっぱり人口も多いので多いんですけれども、フィリピンだったり、インドネシアだったり、フランス、タイ、インドネシア、カナダ、ブラジルと幅広く広がっておりまして、国別で10位以下とかも表示できますが、本当にいろいろな国から、みんな海賊版を読んでいるというような状況が今続いております。
 当然、我々は手をこまねいているわけではなくて、一般社団法人ABJという、みんなで協力してやる団体の性格上、出版個社でできないことを実施する、一応そういう体制になっております。削除要請だったり、裁判を起こす、開示請求をするなど、いわゆる法的アクションは権利を管理している出版社の役目ということで、個社ができないことを我々一般社団法人ABJは、いろいろな関係団体、CODAさんも含めて、PSSさんとかもいろいろ連携しながら、このような3本柱を進めております。
 1つがSTOP!海賊版キャンペーンで、正規版マークであるABJマークを制定して、ABJマークがあるサービスで読んでくださいというような啓発、そして、海賊版サイトリストを作成して、それを利活用するという、この3つの体制を今つくっています。
 STOP!海賊版キャンペーンなんですけれども、毎年、手を替え品を替え、結構な回数やっています。大きなものを合計すると、もう10弾ぐらいやっているかなという感じです。これ、「漫画村」事件の直後に一番最初に始めたSTOP!海賊版キャンペーンの第1弾で、皆さん御存じの著名作品が一堂にそろうということで、貴重なバナーをつくって世の中に知らしめました。
 これは2021年1月1日に改正著作権法が施行されて、海賊版と知りながらダウンロードすると違法になるというのが出版物にも拡大されたんですけれども、それを知らしめるキャンペーンを2021年2月の中旬からスタートしました。海賊版を読もうと思って海賊版関連の検索をする人がやはり結構多くて、そういった人に対して、ユーチューブは本当に海賊版を見てしまう人が多いので、ユーチューブ上でバナー広告として表示したり、あるいはツイッターでも海賊版サイトが新しくできたり、あるいは閉鎖された後、「漫画村閉鎖、代わり」とかいって代わりを探す人がツイッター上でいろいろ情報を求めたり、そういう人が多いですので、ツイッターとユーチューブを中心に、この著名な24作品のバナーをつくりまして、これが表示されるというような枠組みを入れました。バナーをクリックすると一般社団法人ABJのウェブサイトに飛ぶんですけれども、海賊版を読もうとしているユーザーが、クリックして一般社団法人ABJのウェブサイトに行って、そこでしっかり読み込んで、海賊版を読むのをやめようと思ってくれたらそれはそれで幸せなんですけれども、なかなかそういうことはレアですので、取りあえず、このバナーが表示されて、著名なキャラクターが海賊版に対して怒っていたり悲しんでいたりというような絵柄を選んで、そのキャラクターが言いそうなメッセージを作って、取りあえず、バナーを見ただけで、何となく、やっぱりやめようかなと思ってくれるようなバナーをつくって表示するというような取組もやりまして、結局、このバナーは1億3,000万回、インターネット上で表示されました。かなりな拡散ができたと思っています。
 その結果、ダウンロード型の海賊版サイトへのアクセスは、我々の調べでいうと、主立った海賊版ダウンロードサイトのアクセスが約23%ぐらい減りましたが、その後、コロナ禍がどんどん進行して、結局、ダウンロード型の海賊版サイトへのアクセスは元の木阿弥状態になりましたが、もしかすると、ダウンロード型の海賊版サイトにアクセスはしたけれども、ダウンロードすると捕まる可能性があるから、ダウンロードする数は減ったかもしれないというような、そういう期待はあります。
 また、老舗のダウンロード型の海賊版サイトが幾つかこの夏あたり閉鎖したのも確認しておりまして、また、昨日、今日あたり、リーチサイトが摘発とかというような報道もありましたので、ダウンロード型に関しては、何となく、少し光明が見えてきたかなという気はちょっとだけしています、まだまだ油断はなりませんけれども。
 それで、これはさっき、CODAの後藤さんからもありましたけれども、CODAと連携してキャンペーン、この年末からやりました。映画館で動画が流れるんですけれども、それを盛り上げるために、我々一般社団法人ABJは、映画泥棒ではなく漫画泥棒、No More漫画泥棒というキャンペーンをさせていただきました。例の映画泥棒の中に出てくるパトランプ男に著名キャラクターが扮するというバナー画像を使って、ケロロ軍曹の啓発動画の拡散に協力させていただきました。
 ABJマークです。Authorized Books of Japanという正規版であることを示すあかしのマークを、現在、200事業者、820サービスで掲示しております。主立った電子書店さん、出版社の配信サービス等には、ほぼほぼ表示されている状況です。ただ、もちろん読者に対する普及啓発はまだまだ足りない部分もありますので、引き続き、毎年のように、ABJマークを周知するキャンペーンをやっていく予定になっております。これは前回やったABJマークを周知するキャンペーンで、人気キャラクター、これ、キン肉マンなんですけれども、キン肉マンの額にABJマークがついているとか、そんな漫画ならではの面白いアイデアをやって普及に努めてきております。
 それから、海賊版サイトをリストの作成、利活用というのも、一般社団法人ABJの大きな柱としてやっております。現在、ABJで把握している海賊版サイトは約900です。悪質なものから順に、きちんと証拠を保全して、ダウンロードしてデータを保存して、海賊版サイトリストに掲載、提供して、現在、約400から450ぐらいのサイトがリストに掲載されています。そのうち、既に閉鎖されてしまったサイトもあるので400から450と申し上げておりますけれども、そういったリストをつくって、セキュリティーソフトの会社さんであったり、楽天さんも含めた四大キャリアさんの青少年フィルタリング、親御さんがスマホで契約するときに、親御さんの承諾を得れば、子供が悪質なサイトにアクセスできないというような青少年フィルタリングというシステムが今動いておりますが、そういった青少年フィルタリングの対象サイトに海賊版サイトを入れるというような取組もやっております。あと、広告出稿や検索エンジンに対しては、CODAさん経由で、これは直接このリストを送っているわけではなくて、CODAさんのフォーマットでお送りしているんですけれども、悪質な海賊版サイトの広告出稿停止や検索エンジンでの表示抑制、トップページの表示抑制になりますけども、そういうのも実施しております。あと、海外の漫画やアニメのファンが集うコミュニティーサイトなどでも、コミュニティーサイトの運営者から、そういうコミュニティーサイトって、この漫画が面白い、このアニメが面白いというような会話をするときに、以前は海賊版サイトのURLを貼ったりしていたんですけれども、最近は正規版もきちんと提供できるような体制になってきましたので、そういうコミュニティーサイトで漫画が面白いというような話をするときに、URLはきちんと正規版のものを貼ろうよというようなマインドが世界的に起こっているというのは、1つ希望を感じさせる出来事に感じております。
 検索結果から海賊版を排除するということだけではなくて、ヤフーさんとグーグルさんで協力も実施しています。これは画像になりますけれども、ヤフーさんの検索窓に海賊版関連の語句を入れて検索しようとすると、この例示は「海賊版」という単語を入れて検索すると、一番上に、STOP!海賊版という、一般社団法人ABJが提供したバナーが表示されるようになっています。そのほか、今、残念なことに話題になっている海賊版サイトの名前を入れたりとか、海賊版に興味がある人が検索すると、このバナーが表示されて、それが少しでも抑止につながればいいかなというような取組、本当にこれはヤフーさんの尽力により、非常に効果が期待できるのではないかと思っております。
 同様の取組はグーグルさんともやっていまして、アドグランツという仕組みがありまして、公共に資する検索に関しては、グーグルさんから無料の広告枠を頂いて、同様にグーグル上で海賊版関連の語句を検索すると、検索結果広告で、一番上に一般社団法人ABJのメッセージが表示されるというような取組も実施中です。
 もちろん、各出版社の努力も継続しております。削除要請に関しては、検索結果の削除要請も含めて、集英社だけで月に10万件やっております。検索結果の削除要請で言うと、集英社は今、月にグーグルに5万、ビングに5万ということで、かなりな数、今、毎月送っております。さっき申し上げたとおり、海賊版サイトが900はあるという状況で、本当にいろいろなところに送りまくっているんですけれども、なかなか根絶やしにすることはできないというような状態が続いております。それから、漫画BANKの閉鎖にもつながったとおり、海外での情報開示請求等の訴訟も当然提起しておりますし、「漫画村」のときも、あれも早くからずっと警察と連携して刑事事件化していましたが、それが福岡県警等の努力によって犯人逮捕で実刑判決というような、刑事事件化の流れも当然しっかりやっておりまして、今も、この場で何も言えませんけれども、常に水面下で動いております。刑事事件化に関して言うと、実際、逮捕前は、「漫画村」の運営者の逮捕に近づいていますとか、そんなこと一言も言えないので、我々としてなかなか積極的に情報は発信できないんですけれども、常に刑事事件化等々は動いております。成果としては、中国の海賊版組織なんですけれども、鼠絵漢化組の摘発であったり、hoshinoromi.orgの閉鎖、漫画BANKの閉鎖などの成果もあります。
 「漫画村」事件以降、多方面の協力を得て、様々な対策を積み重ねてきました。ここ2年ぐらいの各方面の皆さんの協力には本当に感謝してもしきれないぐらい、いろいろなアドバイスだったり御協力を頂いたりしてきましたが、残念ながら、漫画村の4倍の月間アクセス数で、ただ読みされた金額も3倍というような、ひどい状況になっております。この積み重ねた結果がこれというのがなかなか、個人的にも忸怩たる思いをしております。
 では、何が問題かというと、漫画村は運営者が日本在住だったんですけれども、現在の海賊版サイトの運営者は、恐らく、ほとんどが海外に住んでいると思います。上位10サイト、我々いろいろ調査しましたけれども、運営者が日本にいる痕跡は今のところ見つかっておりません。恐らく海外で、ベトナムだったり、東南アジアだったり、あるいはもしかすると東欧とか、そういうところかもしれません。利用しているネットサービスも広告事業者も含めて全てが海外企業になっておりまして、この右下にどぎつい広告を載せているんですけれども、これ、実際に今運営中の超巨大海賊版サイトで表示されている広告で、私が職人のようにグレーのモザイクをかけましたけれども、日本の法律だと絶対表示してはいけないようなどぎつい広告が出ていて、全部、英語の宣伝文句になっておりまして、どう考えても日本の真っ当な企業や広告事業者が配信している広告でないことは一目瞭然かと思います。実際にこの広告を出している広告ネットワークは海外の事業者であることは、我々、突き止めております。この広告の非常に悪質なところは、私もやられたと思ったんですけれども、ここにクローズドADと書いてあって、一応、海賊版サイトで漫画を読もうとして、こんなどぎつい広告が出てきたら、ちょっと嫌だから、クローズドADを当然押すではないですか。そうすると、この広告ネットワークの悪質なところは、これをぽちっと押すと、別のサイトに飛びます。私のPC、一応セキュリティーソフトが入っているので、セキュリティーソフトが、いわゆる危険なサイトですというような警告を発するという、そういう危険なサイトに遷移させるという、非常に二重に悪質な広告を出しているというのでかなりびっくりしまして、しかも、飛んだ先の悪質なサイトが、あなたのPCはウイルスに侵されましたという例の警告を発する嫌なサイトで、ビービー警告音が鳴る、そんな広告が出てくるサイトに飛ぶという、本当に悪質な感じを個人的にも実感しておりました。
 あと、海外拠点があって、例えばアメリカの企業であれば、アメリカの法的アクションが有効で、開示請求できるケースも結構ありますけれども、開示請求しても有効な運営者情報が出てこないケースが結構あります。匿名性をうたうメアドだけで登録できるようなネットサービスがあって、我々が開示請求しても、そういう秘匿性の高いメールのアドレスしか情報が出てこないケースもあります。あと、匿名とか、全然、偽の住所でも大丈夫なケースもあります。仮に、たまたま運営者が生真面目に自分の情報をきちんと登録していて、我々がそれを把握しても、運営者は先ほど海外に在住と申し上げたとおり、では、海外の捜査機関に、こいつら捕まえてくださいよと我々が耳をそろえて証拠を渡しても、なかなか動かない、動きが鈍いということがあり得ますので、先ほどCODAの後藤さん、ブラジルでの法的アクション、おっしゃっていましたけれども、あれも相当、苦労されたと思っています。そういうこともあるので、日本の政府関係者の皆さんにも後押ししていただいていろいろ動いていますけれども、なかなか成果が出ないという状況が続いております。さっき申し上げたとおり、広告出稿が残念ながら止まっていません。不法行為をいとわない海外の広告事業者の存在というのは、やはり海賊版問題に関しては避けて通れない今後の課題ではないかと思います。
 ちなみに、いろいろ現状の問題点がございましたけれども、やはり、これはなかなか潰せないというところもありますけれども、費用もかなりかかります。ちょうどたまたま、今年の頭ぐらいに、北米に運営者がいた海賊版サイトを、法的アクションを開示請求からやって、その運営者といろいろ交渉などして、ようやく閉鎖に追い込んで、その案件がクローズしたんですけれども、結局、北米の2か国での法的アクションをやって、北米の2か国で弁護士をそれぞれ雇ったので、結局、北米の弁護士事務所に対して800万円ぐらいお金を支払いました、それプラス日本国内での弁護士の費用も、それに近いとは言いませんけれども、かなりな金額を払っているので、結局1,000万以上かかって、ようやく1サイトが何とか潰せたけれども、民事的なアクションなので運営者の逮捕とかそういうわけにはいかず、またPCとか証拠を押収して分析するというわけにもいかないので、取りあえずサイトは閉鎖になったけれども、その後、本当に彼らが再開するかしないかという保証が得られないというような状況にもなっておりますが、そういったアクションでも1,000万以上かかってしまう。それを今ある900サイトで全部できるかというと、なかなか厳しい状況です。
 また、海賊版ユーザーへのアプローチも課題と思っています。日本の4億アクセスという、これは本当に莫大な数字で、ユニークユーザーも結構、1,000万単位でいるのではないかと思われます。それ以上に、海外の漫画ファンをいかに正規版へ誘導するか、あるいは海賊版を読むのをやめようという意識変容をもたらすかということが今後の課題でしょう。もちろん出版社として、海外のユーザーに対しては、集英社でいうと「MANGA Plus by SHUEISHA」というような、今、全世界190か国で配信しています。日本とほぼ同時に「週刊少年ジャンプ」のメジャー作品が読めるというようなサービスもやっておりまして、こういった新しいサービスをどんどん定着させていく、より広めていくということも大事ですけれども、やはり、海賊版を読んでしまうユーザーに対してどうアピールしていくかということでいうと、国内、国外の海賊版ユーザーの実態の把握というのは非常に必要となってくるのではないのかと、一般社団法人ABJとしても、今、これを課題と考えております。
 以上になります。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 ただいまの伊東委員の御発表について、御質問等ございましたらお願いいたします。
 はい、茶園委員、お願いします。

【茶園主査代理】どうもありがとうございました。
 まず、大きな被害を受けておられるということで、ただ読みされた金額というものを出されていますが、この金額はどのように試算されているのでしょうか。その方法を聞かせていただきたい。
 もう1点、日本の漫画は国内でもあるいは海外でも非常に人気があるということなのですが、他の国でも漫画が日本と同じように大変メジャーなものかどうかは知らないのですけれども、漫画が、あるいは漫画以外でもよいのですが、日本の漫画と同じような問題を抱えている国はあるのでしょうか。あるいは、このような問題は日本特有のものなのでしょうか。
 以上です。

【鈴木主査】伊東委員、お願いします。

【伊東委員】ただ読みされた金額の算定方法ですが、渡邉先生も使っていらっしゃるSimilarWebという外部からそのサイトを解析するツールというのを我々も使っておりまして、アクセス数だけではなくて、そのサイトでの平均滞在時間、1アクセス当たりの平均滞在時間というのも分かります。一番人気の超巨大海賊版サイトの場合だと、1回アクセスすると27分滞在するというような数字が出ておりまして、大体、コミックス1冊って30分ぐらいで読めてしまいます。私の場合だと20分ぐらいで読めてしまうので、要するに、30分その海賊版サイトにいたらコミックス1冊を読めてしまうというような計算にしておりまして、それにアクセス数を掛けると、アクセス数掛ける30分で1冊という計算をして(平均滞在時間が15分のサイトであれば2アクセスで1冊という計算)、コミックス1冊が今、少年誌向けだと440円ぐらいなんですけれども、青年誌向けだとかマニアックなものだと500円、600円、700円というのもありますので、仮に500円という単価を掛け合わせると、1兆円という数字が出てきたということになります。ちなみに、平均滞在時間で計算しております関係上、ダウンロード型の海賊版サイトに関しては、残念なことに基本的にダウンロード数は運営者しか分からないので、上位10サイトのうち、ストリーミング型、オンライン・リーディング型のみで試算しておりまして、オンライン・リーディング型のみで1兆円ということなので、ダウンロード型ももし被害額が算定することができれば、更に1兆円プラスアルファがただ読みされた金額というような計算になります。
 あと、ほかの国に関して、ほかのコンテンツに関して、これはCODAの後藤さんの方が詳しいんですけれども、やっぱりアメリカのメジャー映画会社の皆さんも海賊版サイトには悩んでいて、いろいろな法的アクションとかを取っているというのは聞きます。漫画に関して言うと、取りあえず日本がかなり先行しているので、後発である中国と韓国に関して言うと、ちょっと日本のビジネスモデルとは違うビジネスモデルで、韓国でいうとウェブトゥーンというようなサービスを提供していまして、彼らの場合、取りあえずネット上でほぼただで見せて、広告収益モデルというようなビジネスモデルをやっているので、我々ほど海賊版の被害はないのではないかと推測されますけれども、とはいえ、私が知る限り、韓国の会社の皆さんも海賊版対策には熱心に取り組んでいるという話も聞いていますので、やはりある程度、海賊版に対して問題を感じているということはあるのではないかと思っております。
 以上になります。

【茶園主査代理】どうもありがとうございました。

【鈴木主査】ありがとうございました。  ほかはいかがでしょうか。
 質問等ございませんでしょうか。
 では、伊東委員の御発表に限らず、最初の塩原参事官の御発表から他の委員の御発表も含め、全体通じて、御質問なりコメントがございましたらお願いいたします。
 よろしゅうございますか。
 ありがとうございました。それでは、事務局におかれましては、本日の御発表、それから委員からの御意見等も踏まえまして、今後の国境を越えた海賊行為に対する対応の在り方について、引き続き、御検討いただければと思います。
 では、議事の(2)の「その他」に移りたいと存じます。
 資料2について、事務局から説明をお願いいたします。

【加茂下海賊版対策専門官】資料2を御覧ください。
 文化庁で行っております海外における著作権保護の推進のための取組について、簡単に御説明させていただきます。
 少し細かい資料になりますけれども、1ページ目を御覧ください。こちらがその取組の全体像を示したものでございます。右肩にありますとおり、令和4年度予算額(案)で約2億円規模の事業となります。
 大きく3つの柱で構成されておりまして、1つ目が著作権制度の整備、2つ目が権利執行の強化、3つ目が普及啓発、この3つの柱で事業を進めております。
 1つ目、一番上の著作権制度の整備につきましては、国際機関のWIPOに信託基金を拠出しまして、WIPOとの協力の下に様々な事業を実施しております。そういったことを通じまして、アジア太平洋地域の途上国における著作権制度の整備や、国際条約への加入促進、それを担う人材の育成を支援しております。
 左下2つ目の柱、権利執行の強化でございますが、こちらは二国間協力ですとかアジア諸国でのトレーニングセミナーの実施、また侵害対策のハンドブックをつくる、そういった取組を行っております。一番下に赤字で、相談窓口(新規)と書いていますけれども、こちらは後ほど6ページで簡単に御説明させていただきます。  右下、3つ目の柱、普及啓発でございますけれども、こちらは主に東南アジアにおいて著作権保護の推進や違法コンテンツ流通防止に向けた普及啓発活動を行っております。
 これらの事業を通じまして、国内外の著作権侵害を抑制するとともに、我が国の権利者による権利行使の推進、その先に、正規の流通の更なる促進ということを目指しております。
 次の2ページから5ページにつきましては、今御説明申し上げました3つの柱に基づく事業で実際何をやっているかということをまとめたものでございますので、説明は割愛させていただきます。
 6ページを御覧ください。こちらが来年度から実施を予定しております海賊版相談窓口(案)でございます。令和4年度予算案に盛り込まれているものでございます。
 昨今の海賊版サイトによる被害の深刻化を受けまして、特に国外での著作権保護の実効性を高めて、権利者の権利行使を後押しするために新たに設けるものでございます。図の真ん中を御覧いただきますと、緑色で、文化庁、その右に事務局というのがございますが、文化庁が設置します無料相談窓口で、著作権者また出版権者からの相談を受けまして、相談内容によっては弁護士に相談できるという機能もその窓口に持たせます。そこから助言を与えて、それに基づいて権利者さんが権利行使を行うということを支援するものでございます。
 相談窓口の運営に当たりましては、一番下の青くくくったところにございますが、これまで文化庁で実施しております各種事業で得られた情報や海外のネットワークも生かして進めていきたいと考えております。
 相談窓口の青写真は現状では以上となりまして、具体的なところはこれからの検討でございます。権利者の皆様のニーズに合った、より使いやすく権利行使につながるようなものにしていきたいと考えております。
 最後ですが、7ページ、セミナーのお知らせをさせてください。先ほどから何度か出てきておりますけれども、文化庁では、海賊版対策事業の一環としましてハンドブックを作成しております。昨年度は、インターネット上の著作権侵害対策ハンドブック-総論編、アメリカ編、ロシア編、ベトナム編を作成いたしました。2月8日に、このハンドブックの解説セミナーをオンラインで行います。この一番下にあるURLから申込みの受け付けを開始しております。また、ハンドブックそのものにつきましても、ダウンロードできますので、是非御活用いただければと思います。
 説明は以上です。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 御説明の中にありました6ページの海賊版相談窓口の(案)につきましては、委員の皆様から、窓口設置に当たっての留意点や、こんな機能を持たせたらいいのではないかといった御意見がございましたら、是非お寄せいただきたいということですので、後ほど事務局の方に、何かございましたら、御連絡をいただければと存じます。
 今の点あるいはその他の点も含めまして、文化庁の御説明について、何か御質問等ございましたらお願いいたします。
 
 また改めて、全体を通じて何か御発言はございますでしょうか。
 よろしゅうございますか。
 では、他に特段ございませんでしたら、本日はこのぐらいといたします。
 最後に、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。

【加茂下海賊版対策専門官】ありがとうございました。
 次回の本小委員会につきましては、2月21日、15時からの開催を予定しております。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

【鈴木主査】ありがとうございました。
 それでは以上をもちまして、文化審議会著作権分科会国際小委員会の第4回を終了とさせていただきます。本日はありがとうございました。

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