議事要旨

第4回 日本語教員等の養成・研修に関する調査研究協力者会議
・議事要旨

1. 日時

平成21年11月16日(月) 15:00~17:00

2. 場所

旧文部省庁舎第1会議室

3. 出席者

出席委員

杉戸座長,砂川座長代理,阿部,井上,佐藤,高鳥,田尻,廿楽,西尾,西原(純),西原(鈴),王の各委員

事務局

匂坂国語課長,西村日本語教育専門官ほか関係官

4.概要

(1)事務局からの資料説明の後,日本語教員等の養成・研修の現状と課題の実態把握のための調査方法について質疑応答及び意見交換が行われた。

  • ○ 日本語教育専攻で大学院へ進学する人が減っていると聞いた。大学院の学生数や留学生数などについて,実態を把握する必要があるのではないか。ただし,大学院の定員充足率の問題にかかわってくると,実態把握が難しくなるおそれがあるので,質問項目の立て方,調査結果の分析・解釈の仕方については注意する必要がある。
  • ○ 量的調査と質的調査の結果がどのようにつながり,日本語教師の実態を浮かび上がらせることになるか考えながら,調査項目を組み立てる必要があるのではないか。
  • ○ 日本語教師の実態の把握という意味では,日本語教師の待遇や社会的位置付け,指導者の多様化についても把握する必要がある。団塊の世代や様々な経歴を持った人が日本語教師になることもあるので,「どこで日本語教育教授法について学んだか。」という質問が重要になるのではないか。
  • ○ 日本語指導者の「社会経験」について,選択式の質問であっても複数回答可にすれば日本語指導者の経歴をたどることができる。また,日本語指導者の養成を行っている人の「社会経験」についても同様に質問する必要があるのではないか。
  • ○ 「養成」目的か「研修」目的かを区別して回答してもらえるように,調査票を作るべきである。
  • ○ 日本語指導者養成・研修プログラムの実態把握を行うためには,どのような専門領域,社会経験を有する講師が教えているかということだけでなく,具体的な講師の配置が当該プログラムの目的に沿うものとなっているかどうかも確認する必要がある。
  • ○ 「社会性」と「社会経験」は区別して問を作るべきであろう。この場合,「社会性」とは日本語指導者の基本的な資質であり,かなり豊富な内容になるだろう。また,「社会性」や「社会経験」についての質問は,飽くまで日本語教育実施機関(団体)がどのような日本語指導者を求めているかというニーズを把握するために行うもので,日本語指導者の現状を問うものではない。
  • ○ 日本語教育実施機関(団体)が求める日本語教員の「資質」,「社会性」については,各機関(団体)の日本語教育の目的との相関を把握できるようする必要がある。日本語学習者の属性や日本語学習の目的等により日本語教員に求められる資質は異なってくるかもしれない。この点は,実態調査に含めるのではなく,個別調査で聞く方が適当かも知れない。
  • ○ ボランティアも無償とは限らず,交通費や交通費程度の謝金が支払われるところもある。これまで文化庁が行ってきた実態調査では,交通費等実費を受けている人は無償のボランティアと区別をしていなかったが,より正確に実態把握を行うためには区別するべきである。ただし,どのような教員がどう養成されているかが大事なので,報酬の有無ばかりが強調されないようにすべきである。
  • ○ 非常勤講師は一般的には時給で聞く方が,高いか低いかの実態が分かるのではないか。
  • ○ 大学によっては,日本語教員養成コースは設置していないが,日本語教員の養成を行っているところもある。そういった場合,学内の状況をよく把握している人に調査票が渡るかどうかで,回答内容が大きく異なってくるのではないかと考えられる。日本語教員養成の多様性を把握するため,調査依頼の方法にも検討が必要である。

(2)座長と相談しながら事務局が,実態調査の調査票を作成し,次回の会議で最終確認を行うこととなった。また,個別調査の項目については次回会議で検討を行うこととなった。

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