資料 9
国宝高松塚古墳壁画修理作業室の一般公開について
国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設において,壁画・石材の修理作業を行っている「修理作業室」の一般公開を下記の日程で実施した。概要は以下のとおりである。
1.期間: | 平成20年5月31日(土)〜6月8日(日) 9:00〜17:00[9日間] ※明日香村事前公開(平成20年4月25日〜27日)[3日間] |
2.場所: | 国宝高松塚古墳壁画仮設修理施設 (奈良県明日香村国営飛鳥歴史公園内) |
3.主催: | 文化庁,国立文化財機構奈良文化財研究所,国立文化財機構東京文化財研究所,国土交通省国営飛鳥歴史公園事務所,奈良県教育委員会,明日香村 |
4.内容: | 事前ガイダンス(これまでの保存管理の経緯と現状) 修理作業室の公開(見学用通路の窓ガラス越し) |
5.来場者数: | 3,763人(9日間,来場者率83.4%) |
※明日香村事前公開 1,379人
- 5月31日(土)
- 384人
- 6月 1日(日)
- 447人
- 6月 2日(月)
- 430人
- 6月 3日(火)
- 426人
- 6月 4日(水)
- 409人
- 6月 5日(木)
- 417人
- 6月 6日(金)
- 419人
- 6月 7日(土)
- 416人
- 6月 8日(日)
- 415人
6.今後の予定 | 年に1,2回程度実施。今年度は秋に第2回目の公開を予定。 |
公開後に来場者にアンケートを配付したところ,多数の感想,意見が寄せられた。(アンケート回答数 3,161件)
<感想,意見の例>
- ○全ての壁画の状態が見えるようにしてほしい。(20代男 ほか多数)
- ○このような公開の機会を増やしてほしい。(40代女 ほか多数)
- ○出来れば発見当初の状態に戻してほしい。(20代男 ほか)
- ○修理作業の困難さがよく理解できた。(30代女 ほか多数)
- ○思ったよりカビ等の被害によって劣化していることにびっくりした。(10代女 ほか多数)
- ○修復して古墳に戻すことには意味がない。永久に公開できるシステムを考えるべきである。(40代女 ほか)
- ○リスクを分散する意味においても,修理後は必ずしも現地保存に拘る必要はないのではないか。(50代男 ほか)
- ○出来れば元の古墳の場所に戻してほしい。そして一人でも多くの人が見られるような機会を増やしてほしい。(60代男 ほか)
- ○今回の公開によって壁画の保存管理や作業の困難さがよくわかった。今後のこのような一層の啓蒙活動を期待したい。(40代男 ほか)
- ○修復作業の大変さは現状からよくわかった。がんばってほしい。(30代男 ほか多数)
- ○説明がとても丁寧でよかった。(50代女 ほか多数)
- ○子ども達への見学の機会を設けてほしい。(30代女 ほか)
- ○保存修理の努力をもっと公開すべきである。(50代男 ほか)
- ○修理後は常時公開できるようにしてほしい。(60代男 ほか多数)
- ○解体修理の決断をもっと早くしていたら,もっと修理作業がスムーズに出来たと思う。(60代男 ほか)
- ○修理後は現地に戻すより,適切な管理ができる施設で保存した方がよい。(40代男 ほか)
- ○「現地保存方針」の反省が必要。理想論ではなく現実的な目標を示してほしい。(40代男 ほか)
- ○特別史跡が傷つけられたのが残念。公開を考慮すれば,明日香村内から出さないことが現地での保存と方針を修正するとよい。(20代女 ほか)
- ○高松塚古墳壁画の現状は文化庁をはじめとする無神経な人間が起こした破壊である。そのことを考えるべき。(40代男)
など多数の意見が寄せられた。