特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会(第4回)

日 時: 平成15年7月29日(火) 14:30~15:45
場 所: 橿原ロイヤルホテル 高市越智の間
出席者
(委員)
藤本座長,三輪副座長,青木,有賀,猪熊,今津,金子,佐古,笹山,田辺,
増田,三浦,渡邉(定) の各委員
(オブザーバー)
(独)文化財研究所総務部長ほか,株式会社空間文化開発機構主任研究員,
文部科学省大阪工事事務所所長補佐ほか,奈良県教育委員会文化財保存課長,
奈良県立橿原考古学研究所総括研究員,国土交通省近畿地方整備局飛鳥国営公園
事務所長,明日香村教育委員会教育長ほか
(文化庁)
永山記念物課長,湯山美術学芸課長 その他関係官
委員会開催に先立って,仮設保護覆屋の見学を行った。
議事
1. 開会
委員会を開会し,文化庁文化財部記念物課長が挨拶を行った。
2. 配付資料確認
事務局より配付資料の確認を行った。
3. 平成15年度スケジュールについて
事務局より説明を行い,次回委員会については10月上旬に行い,その間適宜ワーキンググループを開催することで了承された。
4. 特別史跡キトラ古墳仮設保護覆屋利用等マニュアルについて
㈱空間文化開発機構高瀬主任研究員から,覆屋利用等マニュアルについて説明があった後,意見交換が行われた。
意見交換
天井及び側面に設置している銅の配管が,室内より低めに設定されているので,結露が生じる可能性がある。それにより作業に支障を来さないよう,実験をしていただきたい。
床に水がたまり,カビが生えないよう排水施設を設けているか。
水がたまった場合には蓋を開けて排水できるよう,前室通路には排水溝を設けている。
小前室に入る人数は,作業員や見張りの人員を想定しているか。高松塚古墳の場合では作業員が2~3名であるが,今回の場合は前室に1名,操作盤に1名いなければならないため,最低4名体制で調査を行わなければならない。
マニュアルが厚すぎると作業が迅速にできないので,要点だけをまとめたものも作成すべきである。
今後は,ワーキンググループの中で検討していくことで了承された。
5. 環境調査について
独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所青木修復技術部長より説明があった。
意見交換
浮遊菌調査は,この環境調査に盛り込む必要があるのではないか。
常時実施することができないので,石室内で作業をする時に随時調査を行いたい。
可能であれば,古墳を中心とした半径何メートルかの範囲で,植生を含めた生物調査を行うことが必要ではないか。
今後,ワーキンググループで検討していくことで了承された。
6. 墓道部発掘調査について
独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所毛利光協力調整官より説明があった。
意見交換
国土交通省の国営公園の計画が古墳の周辺にあるので,発掘調査などの計画については,国土交通省と調整すべきである。
盗掘坑の蓋はどういう材質で作られるか。
発掘調査をしている際は,ウレタン樹脂などで仮に封鎖する。恒久的なものは,断熱効果を持った材質にしたい。
盗掘坑部分と墓道部西側部分の発掘調査の結果を踏まえて,盗掘坑の中から調査ができるか検討した上で,墓道部分東側を開けるかを検討することとなった。
小前室にかかる部分のコンクリートは現場打ち込みではないので,コンクリートの影響は少ないと思われるが,完全に建物を封鎖する前にできるだけ換気をした方がよい。
土嚢を退けて,本格的に墳丘を保護する土を盛るべきではないか。
現在は墳丘の上部に,小前室の天井部が載り,さらに70~80cmの土を被せているので,以前の状態よりは土は盛られている。
墳丘の後部のフェンスから人が乗り越えられる危険があるので,何らかの対処をすべきではないか。
覆屋の管理については,覆屋の周辺に緊急にフェンスを貼り,土嚢部分にも入らないような方法で保護をしていきたい。
覆屋内で,扉がある分だけ人が入った際に,菌の侵入の危険性が高まるのではないか。
附室側の扉については,発掘調査時の土を搬出することと緊急脱出のためである。発掘調査以後は,この扉は使用しないことで対応することとしている。
今後,試運転及び発掘調査を行い,その結果を10月予定の本委員会に報告することとなった。
7. 仮設保護覆屋竣工式について
事務局より,8月4日に開催される竣工式の次第等の説明があった。
8.

閉会

以上

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