- 東壁
写真1の着色部分が取り外した部分であり、写真2は、当初の青龍部分の状態である。
東壁では、大きく剥離していた青龍を含む部分を2個に分けてとりはずした。取り外した部分の石面には白色のカビが広い範囲で肉眼で確認された(写真3)。石面は速やかにカビの除去処理を行った(写真4)。取り外された青龍の裏面については肉眼では観察されていない。
青龍部分は、取り外された後速やかに平面になりその際いくつかの亀裂が開く傾向にあった(写真5)。しかしながら、これは後の修復に影響するものではない。
青龍の下部も損傷なく取り外すことができた(写真6)。 - 西壁
写真7の着色部分が西壁の中で取り外した部分である。
白虎の右上:剥離が激しく、白虎の本体への影響が懸念されたので最初に取り外した(写真8、写真9)。取り外した石面にカビは観察されなかった(写真10)。戌:当初からほとんどの部分が剥離していると想定されたので、取り外した。漆喰層は小豆粒大の固まりの周囲に粉状の漆喰が詰まり、表面を堅い皮状の漆喰が覆っているような状態であった(写真11、写真12)。
取り外した裏面および石面には肉眼ではカビは認められなかった(写真13、写真14)。白虎の右下部分:前足部分に連続しており、壁面に強く付いていることが観察されたので、前足部分の取り外しを容易とするために、取り外しを試みた(写真15)。
しかし、最低限の表打ちでは、取り外しの際にすでに存在した亀裂の多くが開くことが観察された(写真16、写真17)。
このため、前足部分のように石面に強固に固着していると思われる部分については、ひびの拡大などによって後の修復作業量を増加させないために、時間をかけて漆喰層自身の強化処理と強めの表打ちを行うことがより安全な取り外しに繋がると判断した。白虎の周囲:白虎の本体を安全に取り外すために周囲の剥離している部分を中心に取り外した(写真18)。一部に固着している部分、粘着している部分などが存在したが、取り外すことができた(写真19、写真、20、写真21、写真22)。
白虎本体:尾と後ろ足の付け根および上方の余白部分が石面に付いている他は、前足との境目で支えられている状態であると判断され、前足との境目部分の亀裂が圧縮されて変形していることが認められたので、早急に取り外すべきであると判断した(写真23)。
さらに、取り外しの際に後の修復をよりよくするために、多くの亀裂の中から最適の組み合わせを選択した。安全性を高めるために、亀裂部分の周囲を事前に強化処置を行った。本体部分は、前足との接続部分をいためることなく取り外すことができた(写真24)。
裏面および石面には肉眼的にはカビは認められなかった(写真25、写真26)。
- 写真1
- 写真2
- 写真3
- 写真4
- 写真5
- 写真6
- 写真7
- 写真8
- 写真9
- 写真10
- 写真11
- 写真12
- 写真13
- 写真14
- 写真15
- 写真16
- 写真17
- 写真18
- 写真19
- 写真20
- 写真21
- 写真22
- 写真23
- 写真24
- 写真25
- 写真26
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