出席者 |
(委員) |
藤本座長,三輪副座長,有賀,梶谷,河上,川野邊,肥塚,佐古,笹山,白石,杉山,関口,高鳥,巽,田辺,百橋,毛利,渡邉の各委員 |
(オブザーバー) |
独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所,独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所,奈良県教育委員会,明日香村,国土交通省ほか |
(文化庁) |
土屋文化財部長,亀井文化財鑑査官,岩本記念物課長,山?美術学芸課長,その他担当官
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議事 |
1.開会・文化庁文化財部長挨拶 |
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2.出席者紹介・配付資料の確認 |
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3.キトラ古墳壁画の保存措置の実施状況について |
巽WG座長よりWG(第15・16・17回)の結果報告,川野邉委員より「朱雀」と「寅」の剥ぎ取りについて,「朱雀」の剥ぎ取り作業風景の映像とともに説明が行われた。
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4.キトラ古墳関室内の状況について |
佐野ワーキンググループ委員から,石室内の状況について,資料に基づき報告があり,以下のような意見交換が行われた。
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○ |
漆喰の含水値,石室内の温度分布はどの程度わかっているか。また漆喰の面に結露は起こるものか。 |
○ |
漆喰の含水値は把握していない。 |
○ |
小前室内と石室内の温度の違いを確認するためと,カビ発生を招く小前室内の温度のムラを防ぐために,サーモグラフィーをとった。小前室内の温度のムラは今年の1月には無くなった。 |
○ |
漆喰面の結露は局部的に起こる。南側の天井の穴から冷気が入るため南から東に結露が見られる。あとは機構の状態により,結露は生じる。暖かい日の後に寒い日が来ると,漆喰は乾燥する。寒い日の後に暖かい日が来ると,結露しやすい。 |
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川野邊委員より,天井の原寸大写真に基づき,説明があり,続いて3D測量について結果報告がなされた。
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○ |
3D測量について,WGでは,天井の剥ぎ取りを行うためのデータ収集のため,実施することとなった。 |
○ |
3D測量で得られたデータを基に,石室内のレプリカを作ることができる。また3D測量データに壁画の写真を貼り付けることで,本物に近い状態で石室内を映像化できる。 |
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5.今後のキトラ古墳壁画の保存措置等について |
事務局より,資料に基づき説明が行われ,以下のような意見交換が行われた。
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○ |
壁画の価値について,天文図は物理的素材としての価値と美術的価値があるということか。それとも,これらに加え,学術的価値もあるのか。 |
○ |
学術的価値は高い。美術的価値は判断が分かれるかもしれない。 |
○ |
天文図は傾斜面に日,月が書かれている。キトラ古墳では,日,月が天文図と一体となっている点で価値が高い。したがってこれらは一体で残す(剥ぎ取る)べきである。朱線に書かれている山岳も美術史的に価値のあるものである。 |
○ |
天文図はその内容自体が,歴史的に見て,自然科学上,重要なデータである。精密なデータであり,剥ぎ取る前に天文図の正確なデータを取るべきである。 |
○ |
天文図の剥ぎ取りについて,一枚で剥ぎ取ることは望ましいが,天井の状態から考えて,部分部分で剥ぎ取らざるを得ないと思う。また,石に入っている亀裂の大きさから考えて,石を一緒に切るのはやめたほうがいい。 |
○ |
天文図の正確なデータをとることは,3D測量データで可能ではないか。 |
○ |
文化庁としても天文図のデータの記録にしっかり取り組んでいきたい。 |
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最後に藤本座長より,以下のように総括がなされた。
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○ |
天文図の剥ぎ取り方法は,ブロックに分けて行うことも一つの可能性として,東文研で技術的検討を行っていくことでよいか。ある程度目処がついたら,WGで検討し,案がまとまったら,委員会でとりまとめることが,了承された。 |
○ |
残された余白の剥ぎ取りも,天井の剥ぎ取りと平行して行っていくということが了承された。 |
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