特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会ワーキンググループ(第13回)の議事要旨

資料5

日時:
平成16年9月14日(火) 10:00〜12:00
場所:
平城宮跡資料館 小講堂

出席者

 

(委員)

    田辺座長、青木、石崎、今津、岡、肥塚の各委員
 

(オブザーバー)

    (独)文化財研究所東京文化財研究所修復材料研究室長、同 奈良文化財研究所協力調整官、国土交通省国営飛鳥歴史公園事務所長、奈良県教育委員会総括研究員、明日香村主事ほか
 

(文化庁)

    村田記念物課長、下坂美術学芸課長、その他担当官

議事

1.

開会

 
村田記念物課長より挨拶が行われた。

2.

特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会への懸案事項について

 
同日午後に開催予定である「特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会」へのWGからの提案事項について、検討を行い、下記(6)のとおり確認された。

 
(1)壁画取り外しの作業手順について
 
8月から実施している壁画取り外しについて、その具体的な作業手順の報告があった。
取り外した壁画の保管状況について報告があった。

(2)取り外し壁画の状況について
 
取り外した壁画(東壁の青龍、西壁の戌、白虎(前足を除く)等)の状況について、報告があった。
青龍を取り外した石面にカビが確認された旨の報告があった。

(3)キトラ古墳の温湿度環境について
 
観測ステーションで測定しているキトラ古墳の温湿度環境について、6月からの測定結果の報告があった。
8月からの壁画取り外し作業時に観察された漆喰の乾燥対策として、小前室空調の設定温度上げと、送風ダクトへの加湿装置設置を行った旨の報告があった。

(4)キトラ古墳のカビについて
 
墓道部発掘前における小前室等でのカビの発生・処置状況、墓道部発掘後における石室内外でのカビ発生・処置状況について、報告があった。
小前室で観察されている黒褐色のカビについて、特に注意観察が必要である旨の報告があった。

(5)壁面の状況について
 
漆喰の石面からの剥離状況等、各壁面の現状について、報告があった。
南面について乾燥により左上部から漆喰の剥離が進行しており、十分な監視が必要である旨、北面について全面的に乾燥が進み、漆喰層の脆弱化が著しく、早急に強化処置を行う必要がある旨の報告があった。

(6)今後の壁画の保存措置方法について
 
WGより委員会に提案する、壁画保存の考え方として、
 
壁画を石室に残しておくことは、剥落の危険、漆喰劣化、カビ発生の問題等から、大きな問題があること。
石室ごと解体する方法には、史跡保存上の問題、壁画への種々の影響を考えて、大きな問題があること。
壁画古墳の現地保存の原則には、変わりがないこと。
  といったことをふまえ、
 
壁画全面を取り外し、十分な保存・修復を行うこと。
壁画及び古墳本体の公開の検討も含めた具体的な整備・活用方策について、委員会で検討していくこと。
  とすることとなった。
全面取り外しとなった場合の今後の作業手順について説明があった。
壁画の状況変化に対応できるよう、取り外す順番については定めず、強化措置を同時並行で進めていくこと、また、保存処置の向上を図るため、作業中において必要な調査分析等も行っていくことを、資料8「今後の作業手順について」に付け加えるべきとの意見があり、意見どおり修文することとなった。
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