特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会ワーキンググループ(第14回)の議事要旨(案)
- 日時:
- 平成18年10月31日(火) 13:30〜15:50
- 場所:
- 東京文化財研究所 地階会議室
出席者 |
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(委員) |
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巽座長、今津、梶谷、川野邊、佐野、古田、増田、松村、森永、大和の各委員 |
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(オブザーバー) |
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(独)文化財研究所東京文化財研究所企画情報部長、同 奈良文化財研究所企画調整部長、奈良県教育委員会、明日香村ほか |
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(文化庁) |
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岩本記念物課長、山﨑美術学芸課長、その他担当官 |
議事 |
1.開会 |
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2.出席者紹介・配付資料の確認等 |
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○ |
出席者の紹介と配付資料の確認を行ったほか、座長として巽委員が選出された。 |
○ |
事務局より、会議の公開について提案があり、了承された。 |
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3.キトラ古墳の保存対策について |
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4.キトラ古墳内の生物環境等について |
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○ |
佐野委員よりキトラ古墳の温湿度等の推移、キトラ古墳の小前室・石室における微生物等生物調査について報告が行われ、以下のような意見交換が行われた。
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○ |
海外でもケーソンCGを使用し、バクテリアへの効果は確認されたが、カビについては、効果が薄い。また、彩色のあるものについても適用しているが、色の変化については報告されていないため、良い選択であると思われる。なお、1年程度で効果が薄れるため、注意して使用しほしい。 |
○ |
使用方法については、指摘を踏まえた上で、対応していきたい。 |
○ |
様々な薬剤を使用することで、許可壁画が変色するような兆候はあるのか。 |
○ |
そのような兆候はない。 |
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5.キトラ古墳壁画の保存措置の実施状況について |
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川野邊委員よりキトラ古墳の剥ぎ取り壁画の状況等について報告が行われ、以下のような意見交換が行われた。
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○ |
最近の漆喰の状況はどのような状況なのか。乾燥しているのか。 |
○ |
かなり乾燥している。ゲルが表面を覆っている箇所は、漆喰層とかなり差があり、表打ちが難しい状況である。 |
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6.今後のキトラ古墳壁画の保存措置について |
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川野邊委員より、今後の壁画の保存措置について報告があり、以下のような意見交換が行われた。
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○ |
ダイヤモンドワイヤー・ソーは赤面が平らであることが基本ではあるが、壁面が凹んでいる場合は、問題があるのではないか。 |
○ |
今回切断する分については、レーダーで計測し、その計測結果範囲では、水平であることを確認している。 |
○ |
漆喰が不均質な状態であるので、そのことを踏まえて対応を考えているのか。 |
○ |
様々な状況を想定して実験し、実験範囲では、問題がでていないと考えている。 |
○ |
鳥かごを使用した手動ではない方法で行うことについて、以前検討するように 提案があったが。 |
○ |
実際、実物大のものを作成したところ、手で行った方がいいとの結論に達した。 |
○ |
どの程度の大きさの漆喰を剥ぎ取ることができるのか。 |
○ |
目指すところは、朱雀を一枚で剥ぎ取ることである。 |
○ |
この技術で、天井は視野に入っているのか。 |
○ |
天井の平らな部分については、この技術を応用できればと考えている。 |
○ |
高松塚では、この技術が使用できないか。 |
○ |
委員会で、高松塚と漆喰の状況が異なるので、応用は難しいという結論に達した。 |
○ |
南壁を倒して、石毎剥ぎ取る方法については、今後の様々な作業が容易になるのではないか。 |
○ |
南壁を倒すことに大きな問題があるのではないか。 |
○ |
南壁を倒すことで、一時的に石室内の環境が大きく変化することから、壁画への影響が高い。 |
○ |
ダイヤモンドワイヤー・ソーによる剥ぎ取りについては、委員会で了承をいただいた後、一度余白部分の剥ぎ取りを行い、ワーキンググループや委員会でその検証をすることとなった。 |
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7.キトラ古墳壁画の公開について |
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事務局より、資料に基づき説明が行われた。 |