特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会ワーキンググループ(第15回)の議事要旨(案)

資料1

日時:
平成18年11月27日(月) 14:00〜15:00
場所:
奈良文化財研究所都城発掘調査部
(明日香・藤原地区)講堂
出席者
  (委員)
    巽座長、今津、梶谷、川野邊、肥塚、増田、松村の各委員
  (オブザーバー)
    (独)文化財研究所奈良文化財研究所企画調整部長、国土交通省国営飛鳥公園事務所、奈良県教育委員会、明日香村ほか
  (文化庁)
    関記念物課長補佐、島田美術学芸課長補佐、その他担当官

議事
1. 開会
 
 関記念物課長補佐より挨拶が行われた。

2. 配付資料の確認等
 
 配付資料の確認を行った。

3. キトラ古墳内の生物環境等について
 
 事務局より、資料に基づき説明が行われた。

4. 特別史跡キトラ古墳の保存・活用等に関する調査研究委員会(第10回)の結果報告について
 
 事務局より、資料に基づき報告が行われた。

5. キトラ古墳壁画の保存措置の実施状況について
   11月17日(金)に剥ぎ取りを行った東壁の漆喰を、委員に見てもらうとともに、川野邊委員よりキトラ古墳の剥ぎ取り壁画の保存措置ついて報告が行われ、以下のような意見交換が行われた。

 
 漆喰が完全に密着していた部分については、安全に取れたと解釈していいのか。
 全て密着していた部分である。ヘラでは取れなかった部分である。
 ダイヤモンドワイヤー・ソーの操作作業人数は。
 メインの操作をする人間が一名の三人一組で行っている。
 この剥ぎ取り方法では、切除される漆喰層の厚さはどれくらいか。
 あくまで、縁の部分での目測でしかないが、0.5?ぐらいの厚さが減っていると思われる。
 柔らかいものとかたいものが混在している際に、漆喰が堅いものに引っ張られるという現象が起きると思われていたが、そのような状況が起きたのか。
 今回は、漆喰が堅いものに引っ張られるという現象が起こる箇所がなかったかダイヤモンドワイヤー・ソーで切ることができたのかは不明であるが、細かなものに漆喰引っ張られたような形跡はなかった。
 この方法による剥ぎ取りの評価基準を今後この委員会で検討すべき。
 ヘラでの剥ぎ取りと比べたダイヤモンドワイヤー・ソーでの剥ぎ取りのメリットは。
 このような大きなサイズで剥ぎ取れることがダイヤモンドワイヤー・ソーの大きなメリットである。また、平らに取れるので今の漆喰面の様子をほぼ変えることなく裏打ちできることなど後の作業上メリットがある。
 極めて薄くなっているところが取れたことは大きな成果である。
 ダイヤモンドワイヤー・ソーでは、作業途中に止めるなど安全に作業ができるのか。
 手元にスイッチがあるので、途中で作業を止めることができる。また、3人で異なる角度から見ているので、注意して行いたい。
 ヘラでないと剥ぎ取れない箇所も出てくると思うので、ヘラでの取り外し技術の向上も必要である。
 ダイヤモンドワイヤー・ソーとの使い分けについては、工夫していきたい。
 ダイヤモンドワイヤー・ソーの振動で、周辺の壁画が落ちる可能性があるのか。
 ほとんど振動はなく、ワイヤーが通っているところしか振動しない。
 東壁だけでなく、余白を全て剥ぎ取るということでいいのか。
 西壁も含めカビが発生する箇所のため、取れるところは取り外したい。

7. 今後のキトラ古墳壁画取り外し作業日程について
   事務局より、資料に基づき説明が行われ、以下のような意見交換が行われた。

 
 キトラ古墳の剥ぎ取り作業時にワーキンググループの委員の視察を行わせて欲しい。
 今の現場では、余裕がなく困難である。それに対応できる状態になるまで時間が必要である。
 石室内の生物環境が悪化しているため、石室内に入る人数は極力絞る方が良いので、視察は避けた方が良い。ビデオを撮影しているのであれば、ビデオを見てもらった方が良いのではないか。
 剥ぎ取り作業については、ビデオで対応することで良いのではないか。

8. その他
 
 キトラ古墳の剥ぎ取った壁画がたまっている状況である。常駐して保存処理をしていくこともそろそろ検討すべきではないか。
 絵のある部分から修理にかかっているため、余白の部分についてはたまってきている状態である。現場では技術のある人間が育っているため、剥ぎ取り担当と余白部の処理担当を分けても運営できる。
 壁画の剥ぎ取りについては、天井を除いては目途がたったと思われるため、保存に重心を移した体制づくりについて検討してもらいたい。
 処理後の姿をどのようなイメージで進めるのか検討する段階ではないか。
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