資料8

資料8

壁画の劣化原因の調査に係る第10回検討会での主な意見

  1. 調査の主体はどうするのか。検討会のこのメンバーでは,細かな専門的な議論はできない。WG等で内容を詰めてもらうことが必要。また,平成13年の高松塚古墳取合部工事の対応がよくなかったことのように,人為的な要因も調査することが必要だ。自然的な劣化等も含め,総合的に調査をすることが必要。
  2. 考古学や美術史学等,それぞれの専門家に学術的な調査を行うといったことが抜け落ちている。もう一度,専門家によるしっかりとした調査研究を行う必要がある。外部の有識者による研究を行うべき。
  3. 当時,合成樹脂を修理に使用することは,イタリアの専門家の忠告に従って行ったことである。合成樹脂はカビの生育に関与したようであるが,今後,修理を行うに際して,どうすればよいのか,何からの指針を示すことが必要。
  4. 現在の視点でみるのではなく,当時の判断が当時の情勢からして妥当であったのか,検討することが必要。
  5. 重要なことは,将来の保存や修理に役立てること又は基本資料となることである。また,他の装飾古墳(韓国では漆喰を塗った装飾古墳がある。)を含めた幅広な劣化の調査,将来を見据えた資料を収集し,分析することが重要。
  6. この場で結論を出すのは難しい。十分な時間をかけて分析や作業を行い,十分な検討を行うことが必要。
  7. 少なくとも,石室取り出し時に収集したカビ等のサンプルの分析は今年度中に出る。キトラ古墳やその他の古墳を含め,次のステップに移行するには,カビだけではなく,それぞれの専門家による検討が必要である。カビ等によって何故劣化するのか,科学的に証明しなければならない。さらに,どのようにして制御するのか,対策としては何があるのか,長い目で検討しなければならない。
  8. 保存管理に関する記録を整理することは早急に進めなければならない作業である。
  9. これまでに収集したサンプルや微生物分離株を恒久的に保存しなければならない。そのためには人材,設備,予算といった手当が必要。
  10. 話を聞いていると,あまりにも範囲が広すぎるのではないか。まずは高松塚古墳に限定し,1年くらいでけじめを付ける必要がある。専門家にお願いすることもあるが,まずは,文化財研究所が中心となって調査を進めなければならない。
  11. 大きく分けて2つのステージがある。短い期間で概略を示し,次に残された課題を将来を含めて方向性を示して行う。
  12. 文化財が劣化することは当然。文化庁が劣化したことを当初の方針に拘り過ぎて引っ張りすぎたのが問題。もっと早い時期に議論を行えばよかった。
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