第9回文化審議会文化政策部会議事録

1. 日時

平成18年7月26日(水) 14:00~16:00

2. 場所

東京會館 11階 ゴールドルーム

3. 出席者

(委員)

青木委員 伊藤委員 上原委員 岡田委員 河合委員 熊倉委員 嶋田委員 白石委員 田村(和)委員 田村(孝)委員 中島委員 
富澤委員 根本委員 真室委員 横川委員 吉本委員 米屋委員

(事務局)

河合文化庁長官 加茂川文化庁次長 吉田審議官 高塩文化部長 土屋文化財部長 竹下政策課長 他

(欠席委員)

尾高委員 川村委員 松岡委員 山西委員

4.議題

  1. (1)中間まとめ素案審議
  2. (2)その他

5.議事

○青木部会長 ただいまから文化審議会文化政策部会、第9回を開催いたします。
 まず、事務局から配布資料の確認をお願いいたしたいと思います。

○事務局 <配布資料の確認>

○青木部会長 今日は前回に引き続きまして中間まとめ案の審議でございますが、資料2として配布しております文化芸術の振興に関する基本的な方針の見直しについて(中間まとめ案)についてご審議いただきたいと思います。先週20日(木)に作成チーム会合を文化庁で開催いたしまして、中間まとめ案の検討を行いました。作成チームにおきましては前回の部会にて委員の皆様からのご意見を整理いたしまして、具体的な記述内容の精査を行いました。
 特に秋以降の答申案作成に向けて中間まとめにおいて打ち出すべき事項は何か、また意見募集を通して国民の皆様に意見を伺うべき事項は何かという観点に立ちまして本案の作成を行いました。
 本日が中間まとめ案を提出する前の最後の部会でございますが、ここで決められたことをまとめ案として作成いたしまして、それをホームページ等でご提示して、全国の皆様や関係団体から寄せられた意見をもとに9月以降の委員会においてご審議をいただいて、年末あるいは年明けに見直し案をつくることになります。
 これまでの文化政策部会でいただいたご意見を作業チームでまとめ、その経緯につきましては米屋委員にご説明をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

○米屋委員 まず確認ですけれども、この中間まとめ案がこのまま閣議決定になるわけではないということでございます。それから、この中間まとめ案はこれまでの部会での審議やヒアリングなどを踏まえて文化芸術振興の基本的方向や重点的に取り組むべき事項などをまとめたものでして、最終的な答申案に盛り込むべき個々の施策のあり方、詳細についてはまだ十分に検討しきっていないところがございますので、秋以降の部会において検討することが考えられると思います。
 また、中間まとめ案は意見募集を通じて広く国民の皆様から意見を伺うものであるということを踏まえ、記述の精査を行いまして、部会としての考え方を明確に打ち出せるよう、簡潔明瞭なものを目指してまとめてあります。ですから、すべての事項が網羅されているわけではないということや、言葉足らずの部分もあるかもしれませんけれども、その辺はご了承いただきたいと思います。
 まず1ページ、「はじめに」について、前回、田村孝子委員からご指摘がありました「国民の大きな関心事項」は削除しております。
 2ページ、冒頭の「文化芸術」に脚注をつけております。基本方針は「文化芸術振興基本法」の規定を受けて制定されるものですので、取り扱う分野は基本法で言う文化芸術に限定されるとのことで、このため中間まとめでは「文化芸術」に用語の統一を図っております。文化芸術という言葉で、必ずしも一般的に使われている言葉ではないですが、いわば基本法によってつくられた政策用語としてとらえて、「第2次基本方針」においてもこの用語を統一して使うということになっています。
 ただし、現行基本方針の1ページにあるとおり、基本法で言います文化芸術の範囲を超えた文化、つまり文化を最も広くとらえ、暮らし、生活様式、価値観などを含む場合には「文化」という単語を使っております。
 (1)「文化芸術の振興の今日的意義」は伊藤委員、松岡委員が前回ご指摘になりましたように、(1)と(2)の順番を入れ替えて、若干の言葉を追加しております。
 (2)「『第1次基本方針』の評価」では、「芸術家等」は冗長になるのを避けるために原文のままにしております。ただし、科学技術には「デジタル技術等」ということを加筆しております。
 4ページ、(5)について、伊藤委員、川村委員より、「長期的な視点に立った定性的評価」とすべきとのご意見がありましたが、定性的評価は定量的な評価と違って期間を限定しにくい上、長期的な視点が評価の先送りを意図していると誤解を与えかねないのではないかということで、原文のままとなっています。
 (6)につきましては、作業チームで(6)の構成を(1)から(5)と同様に、現状と、施策の方向性という順番に書き分けて、記述の順序を変更しております。その中身につきましては、伊藤委員のご指摘を受け、「豊かな人間形成を図り」がこの中に挿入されております。それから、上原委員のご指摘により、「日本人の心」は削除しております。また、岡田委員からネット文化と青少年への悪影響について入れてはどうかというご指摘もございましたので、5ページの1行目、「子どもの健やかな育成を阻んでいるとの危惧」という表現を挿入しました。
 6ページ、「『第2次基本方針』の基本的方向」は、前回は「基本姿勢」でしたが、「基本的方向」に変更しております。また、(1)は、「文化力の時代を拓く」という小見出しにしまして、この中では上原委員や川村委員から指定管理者についての記述の追加のご要望がございました。まだ制度導入から日も浅く、いろいろな議論がされているということがありますので、現場からの懸念を盛り込むというところになっております。
 8ページに関しましては、「国、地方、民間が相互に連携して文化芸術を支える」と見出しを変更しております。ここは、嶋田委員、伊藤委員、川村委員より、地方公共団体や文化芸術団体、それからNPOなどの民間の役割を追加すべきではないかというご指摘がございまして、メセナ活動やアートNPOなどの民間団体の役割を追記しております。国は、これらの自立的な活動を促し、誘導する条件整備や機運の醸成が必要という書き方にしております。
 10ページ、「『第2次基本方針』で重点的に取り組むべき事項(今後5年間を目標に)」となっております、(1)「日本の文化芸術を継承、発展、創造する人材の育成」では、岡田委員、伊藤委員よりご指摘ございました芸術家等の養成研修に関する記述を修正しております。
 (1)(2)「伝統文化の継承者の育成」は、論旨を明快にするために、内容は同じままで順序を若干入れ替えております。
 11ページは順番を入れ替えております。
 12ページ、(3)「子どもの文化芸術活動の充実」は、岡田委員、吉本委員などから教育に果たす文化の役割を記述すべきではないかとご意見ございまして、文化芸術の子どもの表現力の向上、文化芸術に関する教育の充実について加筆しております。
 (4)「地域文化の振興」に関しましては、富澤委員からご指摘ございました地域のメディアやメセナ企業を加筆しております。また、岡田委員よりご意見がございました異世代交流というところも「世代を超えて」という表現を加えております。そして伊藤委員から、地域に文化が発展する基盤をつくる施策が必要とのご意見がございまして、「地域の拠点づくりなど創造活動に対する支援が必要」という表現が挿入されております。
 4.「『第2次基本方針』における基本的施策の見直しの方向性」は、作業チームとしては各論部分は中間まとめの段階では大きな方向性だけで、今回意見募集をかけて、その中からということで考えております。川村委員からご指摘があった文化財の保存、活用のところの整理、それから文化施設の安全確保について若干追記をしています。

○青木部会長 いろいろと問題が残っているかもしれませんけれども、中間まとめの素案をつくらせていただきました。
 順番を追ってご意見をいただくとありがたいと思います。

○上原委員 2.「『第2次基本方針』の基本的方向」と3.「『第2次基本方針』で重点的に取り組むべき事項」の関連性について、2では、9ページに、法令、財政、税制などのシステムを整えて文化芸術活動を支える仕組みを考えるという記述がありますが、「重点的に取り組むべき事項」には見えません。前回意見として申し上げた、この第1番目に国の役割として、支える仕組みをきちんと構築すべきであると書いたらいかがかということと連動しております。ワーキングチームの中で議論があったと思いますので、教えていただけますか。

○米屋委員 5つの事項は主に財政的な支援という観点から出していて、国のシステムは重点的な財政支援とは関係なく、基本的に国が必ず取り組むべきことで、今後5年間にと特記することとは性格が違うのではないかというご説明がございました。

○上原委員 つまり、3は財政的支援ができる項目という意味で、2はもっと大きな基本的方向ですか。

○米屋委員 はい。

○加茂川文化庁次長 事務局の理解としては、2が基本的な方向であり、それを踏まえて、数ある施策の中で重点的に予算の確保も含めて整理したものが3の5項目です。基本的方向として財政の確保が大事だということは9ページに書かれているという理解を事務局としてはしています。

○田村(孝)委員 この会に参加している文化基本方針について熟知していらっしゃる方のためのものではございません。ですから、あいまいな言葉の上に成り立ったものとするのは気をつけた方がいいと思っております。
 文化施設について、皆様は多分美術館、博物館、図書館も文化施設と考えていらっしゃると思いますが、各施設の現場の方たちは社会教育施設と思っていらっしゃいます。文化施設と言いますと、社会教育関係の方の認識として、趣味、娯楽のためのものであり、美術館や図書館のように芸術性の高い芸術文化に触れる場とは考えられていないと云う現実がございます。中教審の生涯学習審議会の報告書にも、文化施設と云う言葉はなく、公民館と云う言になっているのが現実でございます。
 美術館、図書館などを社会教育施設関係の方は文化施設とは思っていらっしゃらないと云うのが現場の方々の認識だと思います。社会教育施設のボランティア活動に関わっていらっしゃる方も同様に考えておられると云うのが現実でございます。

○青木部会長 文化施設と劇場とは違うということ。文化施設というのは言葉そのものはどう扱ったらいいですか。

○田村(孝)委員 やはり美術館、社会教育施設関係の方は、文化施設とは思っていらっしゃらないというのが現実なんでございますね。社会教育施設のボランティアに関わっている方もそう思ってらっしゃるというのが現実でございますね。

○伊藤委員 私自身、やはり文化施設に係る記述がすべてあいまいという感じは持っております。文化施設は何かというのはどこにも書かれていない。文化会館と文化施設の違いというものについてもよくわからない。
 例えば実際に現場に下りていったときに、文化施設における指定管理者制度の問題や地域の拠点として活用していくことについて文化施設の担当者がそれに該当するのかしないのかはっきりしないと思うことも起こってくるのではないかと思います。
 地域文化、あるいは芸術文化の創造に関するところにおきましても文化施設に関する記述が幾つかあるんですが、文化施設に関して、劇場法とは違った形でもう少し地域の文化の、創造だけではなくて交流、さらには支援といった面に関しても文化施設は拠点であるべきで、注でも構いませんからその役割について述べておく必要があるという意味で田村委員の指摘に賛成です。

○根木委員 博物館、図書館は教育基本法から社会基本法の系列で社会教育施設という位置づけがきちんとなされています。ところが、美術館、博物館は文化施設でもあるわけで、動物園、植物園まではどうかという議論はありますけれども、文化の側からとらえれば当然ながら美術館、博物館などの、基本的には文化芸術にかかわる作品の収集、保管、展示公開等を行う施設に関しては文化施設と理解するのが一般的な認識ではないか。
 文化会館を含む劇場ホールに関しては法令の根拠が全くないわけです。けれども、文化行政の歴史の中では、文化施設であるという認識が定着していると思うんです。それに関して社会教育の方々は極めてあいまいなご理解しかなされていないのではなかろうか。
 したがって、文化会館や劇場ホールの定義づけについては議論があろうと思いますので、今の段階では難しい。そういった意味で、文化施設という言葉を一般的には使用されているということから、ここでもその言葉を使った方がいいのではなかろうかという気がしています。

○上原委員 根木先生に質問です。文化施設の例示として美術館、博物館、劇場ホールなどと書くこともできませんか。

○根木委員 それは可能だと思います。

○上原委員 美術館、博物館などがどちらに属するのかというのが明快でない。事例を示すことによって文化施設とはこういうものを包含しますよというのをわかっていただける。

○根木委員 文化芸術振興基本法でも施設に関して美術館、博物館の系列と劇場ホールの系列とに分けて書いてます。例示として挙げる分にはよろしいかなという感じはしております。

○青木部会長 確かに文化関係では内容があいまいになるがゆえにいい面と、かなり安易に使われてしまっているということを考えても、文化行政としてはある程度きちんとしたコンセプトを提供する必要はあると思います。

○伊藤委員 3ページ、(2)「国民が居住する地域にかかわらず等しく、文化芸術を鑑賞、参加、創造できること」の「施策の方向性」に「特に、文化芸術の東京一極集中を緩和し」とあり、その次に提案としては、「また、文化施設のガイドラインを明確にして、地域における文化芸術の検討拠点となる施設を育成することにより、地域から文化の発信ができる環境の整備を図る」と補いました。現在文化施設の定義があいまいであるのは仕方がないと思うんですが、このような趣旨を補うことによって、今後きちんとガイドラインを固めていくんだという姿勢だけでも出した方がいいのではないかという提案をさせていただいたわけです。

○根木委員 文化施設の定義自体があいまいな上に、ガイドラインはその下のレベルの事柄です。それを書き込むというのは本末転倒しているのではなかろうか。まだ議論が煮詰まっていない段階でガイドラインという言葉を書くとかえって混乱することになるだろう。議論を経た上で定義づけをし、それに基づいてガイドラインの設定という手順になるという感じがします。

○伊藤委員 ガイドラインという言葉にはこだわりませんが、現状のところに関して、文化会館や美術館等の文化基盤の整備は進展したが、というのは、あくまで量がふえたというだけであって、その運営とか能力についてははなはだ疑わしいのではないかという指摘は他の委員からも出ていたのではないかと思います。
 したがって、今後の施策の方向としては、量的な基盤整備は済んだので、内容、役割を明確にしていくということを施策の方向としては述べるべきではないだろうか。文化施設についてきちんとした役割規定を社会的につくり上げていく努力をもっと述べることができないだろうかという提案です。

○根木委員 (2)はいろいろな地域からの文化発信ができる環境の整備というくくりになっています。それは必ずしも施設だけではなくて、地域の文化活動があるわけです。伊藤先生のおっしゃる一文を中に入れると、あくまで文化施設が中心になるニュアンスも強くなるわけです。したがって、ここに施設を入れ込むこと自体が場所としておさまりもよくないのではないかと思います。

○伊藤委員 確かに施設に限らずに地域における文化活動を発展させるための仕組み等についても言及していく必要があると思いますが、それについては例えば他のところでアートNPOなどについて言及されている。文化施設についての明確な言及がやはり弱いという感じがあります。

○米屋委員 文化施設という言葉が芸術関係者でも2通りに使われていることがあります。それは博物館、美術館、図書館を含むか含まないかもありますが、分野にかかわらず文化的な拠点になっているという意味での文化施設と、ホール劇場の形式の上演のための公立文化施設と関係者でも使い分けていると思います。法律上は基本法も、「劇場音楽堂等」という言葉と「美術館、博物館、図書館等」という書き分けをしています。
 混乱を避けるということでしたら、注に例示を含みながらジャンル関係なく文化施設として言及しているということがわかる文脈にするとか、各論の最後の10の項目のところに関してもその違いがわかるように書き方を工夫して、この文章の段階では整理をすることができるのではないかなと思います。
 この点は大変重要なことですので、今後の議論のポイントにしていただければと思います。

○吉本委員 基本法がベースになっているということであれば、その基本法の中に使われている用語を例示して、この中間まとめの資料ではそれが文化施設であるということをどこかに記載することと、「文化会館」は基本法の中では使われていないと思いますので、基本法の中で使われていない用語は逆に使わないという整理をどこかでしてはどうかと思います。
 地域から文化発信できる拠点については作業部会のときにも重点項目に入れられないかということを議論したんですが、戦略支援の中に地域の拠点となる劇場等との共同制作というところに、何とか入ったという整理の仕方になっております。
 文化施設の用語については、基本法との整合性を図る必要がありますので、例示をする形で政策用語だと明確にしてはどうかと思います。

○河井委員 実践している現場からの感想を申し上げます。生涯学習施設、社会教育施設と文化施設をそんなに意識して使い分けているということはないのではという気がしております。図書館、博物館の職員も広い文化を考えて地域の文化振興に役立つようにということで動いています。また文化施設の概念も非常に広がっているのではないかと思います。たとえて申し上げますと、工場跡地を利用したけいこ場、閉校になった校舎を利用したアトリエ等も文化施設として位置づけて考えたいと思っておりますので、向こう5年間の議論の中でそういう施設の整理ということでもしなければ、このような表現でよいのではないかと思っております。

○青木部会長 文化施設という以上は単に建物があるというだけではなくて、そこを動かすソフトの部分、ディレクターがいたり、プロダクション的な人がいたりということが必要で、そういうことを含んだ施設ならば文化施設として認める。だから、文化政策を扱うには文化に対するコンセプトを政策上つくっていかないといけませんね。
 この基本法の見直しの中にそれをどう組み込むかはまだまだ問題がある、もっと議論をした方がいいかもしれませんね、劇場についても文化施設についても。

○田村(和)委員 文化施設と社会教育施設の話はもう30年ぐらい問題になっています。その両方が本当に便利な形で存在しているというのが現実だと思います。田村(孝)委員がおっしゃった中で大切なのは、定義の問題よりも、このレポートが国民に問いかけるレポートだということだと思います。文化施設という意味が問いかけられた方が不明になるということであればやはり脚注に、ここの文化芸術と同じような定義を入れてもいいのではないかと思います。

○横川委員 脚注でとめ置いた方がよろしいのではないでしょうか。いろいろ変わってくると次から次へ新しい言葉が出てまいりますから。

○熊倉委員 演劇側、パフォーミングアーツ側から見た公文協的なホール劇場としての文化施設のくくりがあります。逆に博物館法という法律によって、専門的な職員がいるものを美術の世界では文化施設と呼んでいます。したがって文化施設の定義をすることは難しいと思います。
 きちんと拠点として専門性を持って機能していくことは本当ははっきり言ってほしかったという気はします。
 それと、文化施設をきちんと拠点化することなしに、今どちらかというと安上がりで、はやりなので廃校になった小学校の文化的転用をしていますが、これもきちんと取り組んでいかなければいけない新しい方向性なので、脚注で書かれるときに混同しないで、従来型のものと新しい可能性があるとみなされている廃校などの転用やけいこ場のような発表施設以外の文化施設の可能性と分けて書いていただけるとありがたいと思います。

○青木部会長 機能面で拠点としてもっとアピールできないかということですね。そのためにはソフトの部分も必要だということ、専門的な問題もクリアしているということをどこかでにおわせる必要があるということですね。

○吉本委員 3ページの(2)の現状のところに有効利用に課題が見られるということで指摘されていると思います。文化施設で、基盤の整備はハードのことを指していると読み取れば、有効活用というのはソフトが課題だと指摘されていると考えると、この施策の方向性のところで拠点のようなことが書き込めるか、あるいは多少なりともソフトや運営する組織の充実を図るべきだということは書き込めるかなと思います。

○青木部会長 機能面として専門的な運営ができる。拠点となり得る。

○吉本委員 拠点とか専門と書くとまた何が拠点で何が専門かという議論になってしまうので、全般的に運営とか事業のプログラム面でさらなる充実が必要だというようなことであれば書けると思います。

○岡田委員 今ここで議論になっているのは、専門知識をお持ちの方々の議論であって、国民の多くの方々が文化施設と社会教育施設が別のものであることをはっきり認識しているいわけではないと思われますので、これは何を言ってるんだろうという混乱することはないと思いますけれども、脚注をつけることでわかりやすくなるのであれば賛成です。

○熊倉委員 現場の困惑はかなり大きくて、パブリックコメントで国民に向けたものであれば、トーンがもう少しわかりやすいとうれしいです。

○青木部会長 この5年間でそういう問題が出てきたので改めてこれからきちっと考えないといけない、そのための問題提起的なニュアンスのものを入れるべきだということですね。そうしたらパブリックコメントで、一般の方に考えていただける。

○伊藤委員 文案として、例えば3ページ、(2)の最後のところに、「地域から文化の発信ができるよう、文化施設の有効活用に向けての取り組みを図る」といった形で、上に書いてある現状の有効活用をもう少しきちんと取り組むということを書き込んでいく。
 それから、文化施設の定義としては、基本法の25条、26条に書いてある劇場音楽堂等、及び美術館、博物館、図書館等、さらに27条に触れられている既存の施設の活用等を含むものとして、地域において文化の振興にかかわっている施設に注をつけることで示すことができると思います。

○河井委員 3ページの(2)はいろいろ手を加えることによって地域間格差をなくそうというテーマが文化施設の有効利用というテーマに変わらないようにお願いしたいと思っております。

○上原委員 3ページの(2)の一番下が「一極集中を緩和し」という言葉を使っていますが、普通は一極集中を是正しという言葉を使いますが、緩和というのは随分やわらかい言葉だなと思いました。是正というのもすぐにはできないというのはわかりますが、緩和というのは初めから弱腰だと思います。

○青木部会長 地域が振興するという話なので、決して東京が一極集中で満足しているとか集中しているということも全くない。世界の首都と比べても非常に貧困なところですよ。一極集中と簡単に言われても、日本の文化芸術全体としては問題があると私は思っています。

○上原委員 6ページ(1)「文化力の時代を拓く」の5行目、「こうした中にあって、美しい自然や歴史、伝統に基づく文化は人々に精神的な豊かさや感動を与える」と書いていますが、自然や歴史、伝統に基づくの後に、「文化や」精神活動の結実とも言える芸術はというように、一言入れてほしい。
 それから、7ページ、3行目。指定管理者を本文中にあげていただいたのは大変結構なことですが、「困難になるのではないかとの懸念も現場から指摘されている」という標記が弱いです。
 8ページ、「シニア」という言葉があるんですが。定年を迎えた人々は決してシニアと思っていないと思うので、使わないで欲しい。
 それから、10ページの14行目、「選択と集中」という言葉が出てきておりますが、きつい言葉になると思いました。
 それから、同じ10ページ目の(1)、(1)ですが、人材育成の後に人材の活用を表す言葉が入らないかという気がしています。研修をしていくら育ててもその人たちの活動の場がなければ意味はないと思います。

○嶋田委員 4ページ13行目、「青少年の」とありますが、あとは全部「子ども」なんですね。その差は何か、ここだけ青少年を書いた意味が何かあるのかどうか。統一した方が全体的にいいと思いました。
 それから、先ほどの「選択と集中を図り」という言葉、確かに強い印象ですけれども、基本方針の中でも選択的に重点的に取り組むんだという姿勢を見せるという意味では悪い言葉ではないと感じております。

○白石委員 今の青少年と同じような例が実は「伝統文化」と「現代芸術」という言い方と「伝統文化」と「現代文化」という2種類の言い方があるので、議論されてわざわざ分けてらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。5ページの下から3行目が「伝統文化から現代芸術」、14ページの4「国際交流等の推進」で、「伝統文化から現代文化」。

○嶋田委員 青少年の方は年齢幅が広くなりますね。子どもはどうしてもせいぜい中学か小学。

○青木部会長 では、現代文化ということで考えましょう。芸術に限定すると問題が起こるということですね。

○白石委員 6ページの注の入る場所がここだと具合が悪いかなと思います。7ページの頭あたりにもっていったらどうでしょうか。「指定管理者の文化施設への適用に関しては」、そのあたりへ入れた方がいいかなと思います。

○青木部会長 7ページの4行目に注を入れた方がわかりやすいですね。

○岡田委員 4ページ、(5)の下から3行目の「説明責任を十分に果たすことが必要である」というところですけれども、「その成果が国民、社会に還元されていると理解されるよう、説明責任を十分に果たす」というのは少しおかしいのではないかと思います。「社会に還元されていると理解されるような結果を出すことが必要である」と変えた方がよいかと思います。

○熊倉委員 「説明責任を十分に果たし、その成果が国民、社会に還元されていると理解されることが必要である。」と先に説明責任を果たして、としてはいかがでしょうか。

○岡田委員 それでもいいですね。この文脈では説明責任というのが浮いている感じがします。
説明責任ではなくて、社会に還元されていると理解されるような結果を出すことが必要です。

○青木部会長 理解されるような成果を明らかにする。

○岡田委員 説明責任を十分に果たしても、還元されていなければならないわけです。

○嶋田委員 現状のところで責任を果たしているけれども、それは還元されているという実感がないので、それを実感できるように説明責任を果たすと言っているのということだと思います。

○岡田委員 実感がないということは、成果がないということなのではないですか。

○嶋田委員 そういう考え方もありますけれども、みんなが芸術活動しているわけではないのでそういうことが知られていない。ですから、知られていないことが問題であるという前提ですけれども、そうではなくて、知られていないということはやってないのではないかという前提に立てば、現状の書き方から変えないとおかしくなります。

○岡田委員 では、現状も変えてほしいです。
 実感することが大切で、こんな成果が上がっていますよといって、知らない人に説明しても実感が伴わなければ何もならない。

○米屋委員 文化芸術の場合は結果が、じわじわ出てくる場合もあれば、すぐ目に見えるものも多様に含んでいるので、その辺の含みを残して書いた方がいいのではないかなと思います。

○青木部会長 米屋さんは説明責任という言葉はやはり必要だと思いますか。

○米屋委員 そうですね。

○根木委員 ここの文脈は、結果あるいは成果を出すということではなくて、それをきちんと説明をして、国民の意見が反映されるような環境条件をつくるという意味なんです。だから、結果を出すことは当然の前提といえます。
 ただ、行政サイドとしてはきちんと説明をして、その情報を国民が受けて参画する、その基礎的な条件をつくるということが最大の課題、目的にあるわけです。結果を出すこと自体とは、次元の違う事柄なんです。

○岡田委員 それでは「その成果が国民、社会に還元されていると理解されるよう」というところがおかしいということですね。

○田村(和)委員 「行き届いておらず、国民に成果が還元された実感が持たれていない」、これを受け止めているんですね。したがって、国は施策の成果につき説明責任を十分に果たし、それが国民、社会に還元されていると理解されるように努める必要がある、という言い方になると思います。

○上原委員 「長期」を入れると評価の先送りという誤解を受けるというんですが、誤解を受けないように入れるべきだと思います。教育も同じだと思いますが、子どもたちが文化的な体験をすることが、どのような効果を及ぼすかということを短期的に見ることは難しいことです。やはり長期的な視点を欠かすわけにはいかないのではないか。長期的な視点という言葉が落ちたというのはちょっと解せません。

○青木部会長 どこに入れたらいいですか。

○上原委員 定性的な評価の前です。

○青木部会長 やはり長期的な視点は必要だということですね。

○上原委員 はい。ぜひ入れてほしいと思っております。

○青木部会長 やはり目先のことにとらわれるなということはきちんと書いた方がいいですね。

○岡田委員 6ページ(1)の4行目の終わりから5行目にかけての、「希薄化をも招いているとの指摘もある」とあります。「指摘もある」はいらないのではないか。「招いている」でいいのではないかと思います。
 それと15ページ、8「著作権等の保護及び利用」の「社会の変化に対応した著作権の法制度の在り方」というところですが、「社会の変化や情報技術、科学技術の進化に対応した著作権の法制度の在り方」としていただきたいと思います。

○富澤委員 ご指摘のあったシニアですが、ある程度概念が時代とともに変わってきますので、ある程度あいまいなところは仕方ないんじゃないかなというような気持ちがあります。
 あと、選択と集中というのはビジネスの世界では当たり前のことで、それをやらない企業なんて生き残れないわけです。むしろめりはりをつけていくということはこの基本方針全体の中で必要だと思います。

○真室委員 3ページの上から2行目、「関係者の協議は継続して実施され」とはどういうことなのか。
 それから、4ページ(4)の現状で、国際交流では相互理解が進んでいるとありますが、まだ十分ではないのではないかという疑問がございます。全体的には理解は進んでいるのかもしれませんけれども、いろいろな問題を抱えていて順調ではないと見受けられます。

○青木部会長 進む傾向も見られるぐらいですか。

○中島委員 めりはりという言葉がありましたけれども、もう一回最後にシンプルにということはこういうことかということで見直す目もいるかなと感じております。

○伊藤委員 10ページ以降で、まず、選択と集中という言葉は私はやはりこういった考え方を出していくべきだと思っています。最初に上原委員から質問が出た第2と第3の関係で、第3が財政的支援に絞るという考え方を出されました。やはり今後5年に向けた取組の中に財政的な支援、支出以外の制度面での取組がもう少しどこかできちんとなされてほしい。そういう意味での選択という考え方であれば意味があるのではないかと思っています。
 11ページは前ページから続いていて、(1)が人材育成という形になっていますので前回も説明がありました、コーディネーター、サポーターという人材に焦点を置いているということがありますが、文化ボランティア、文化芸術コーディネーター、サポーターというものに対して直接的財政支援は不可能ではないかと思いますので、やはり制度の問題に踏み込まないとまずいのではないか。
 地域文化の振興については12ページ4行目に「拠点づくり」が入ったので、いいのではないかと思っています。
 13ページの戦略的支援に関しても、例えば例で挙がっている1、2、3、4行目に、「国内外での評価の高い団体や地域の拠点となる劇場等との共同制作」と特殊なケースが例として挙げられているんですが、これでここ全体の戦略的支援の何を指そうとしているのかわかりにくい。
 3の項目が財政支出に限定しているのか、もう少し広い意味での方向を受けた制度等への取組に対する今後5年間の方向性を表明するのか、ここがまだよくわからないというところに大きな起因があると思います。

○根木委員 今、伊藤委員がおっしゃった13ページですが、ここはどちらかというとハイレベルのかなり水準の高い芸術活動への支援ということですよね。したがって、NPO等というのは次元の違う話なんですね。余り拡散するとわけがわからなくなってしまうという可能性があろうかと思います。
 11ページ(3)のネットワーク化の促進まで具体的に書けるかどうかというと、まだそこまで機が熟していないのではなかろうか。また、ネットワーク化まで国がやるべきことなのかという議論もあろうかと思います。

○吉本委員 今の伊藤委員のご意見に関して、作業部会で議論したことをご報告した方がいいと思います。私も伊藤委員と同じように、コーディネーターのところや最後の戦略的支援のところに財政的なことだけではなくて、制度的なことも含めて、NPOや中間支援組織等についてもう少し書き込めないだろうかということを提案して議論しましたが、最終的には9ページにNPOのことなど書き加えていただいたということになりました。

○熊倉委員 文化コーディネーターの活用や、その後に育成と出ていると、あたかも文化芸術コーディネーターが既に存在しているかのように読めてしまいます。
 質の高い文化ボランティア活動ということは、これはボランティアでやるものという認識でよろしいですね。

○青木部会長 ボランティア活動も国が考える、一応ある程度は支援するという意味でしょうね。

○熊倉委員 文化芸術コーディネーターというのは無償で行わなくてはいけないものだということですね。

○田村(孝)委員 私もここに違和感を感じていまして、(1)が文化芸術創造活動に携わる人材育成となっておりますので、最後の3行、「また」以下は、(3)の表題を変えて、文化ボランティア的なものをここに1つ置くのはいかがなものか、専門家がいない状態で、ボランティアにおんぶに抱っこという感じを推奨していくのはいかがなものかという気がしております。

○米屋委員 当初はこのマネジメントは(3)に、(1)は専門的なところとなっていました。ただ、熊倉委員がおっしゃるように、コーディネーターは無償で片手間でいいわけではなく、コーディネートするというのはマネジメントの中の重要な役割だと思います。本来ですと、このコーディネーターも一部専門的人材に入っていくべきだろうと思います。専門的に携わる人以外にも支援者を広げていきましょうというのが(3)の意味です。実態としてはそういう人に頼らざるを得ないというのが今現実にあるんですけれども、それを肯定しているわけではないのだと思っております。

○伊藤委員 確かに前回の説明でも(1)が専門家で(2)が伝統的な文化を担ってきた人、それから(3)がむしろ生活文化に近い分野、アマチュアに近い分野だという説明がありましたが、それなら、仲介者という言葉をここでは使ってもらいたくないという感じがします。いわゆる仲介機関、中間支援機関についてはこの基本方針には今回は取り上げないにしましても、ここで仲介者という言葉を使うと、将来仲介支援組織的なものがすべてアマチュア活動のレベルのみに偏ってしまう感じもしてくるわけです。
 たとえアマチュアの活動であってもコーディネーションしていく人たち自体はマネジメントとして有償であるべきだと思いますし、もっと専門的レベルが上がっていく必要があると思います。表題を変えるだけでも随分イメージが変わってくるのかなという気がしています。

○横川委員 最後の14ページの「第2次基本方針」におけるというところで11番まで簡潔にまとめてあるわけです。これ読んでみれば、例えば「文化芸術活動の支援者や仲介者に対する支援を図る」ということがあるわけです。

○上原委員 ここにいる複数の方が、この(3)の表題が、米屋委員がおっしゃったような趣旨だとしたら、文化芸術活動についてボランティアの支援等とはっきりしてしまって、文化芸術コーディネーターという言葉はできるならばプロのコーディネーターを育成していくということで(1)に入れ込むという整理をした方がいいのではないかと思っています。

○伊藤委員 ボランティア等という形にして、コーディネーターに関しては「文化芸術コーディネーター」と称すべき専門的人材の育成も必要になるという言い方で入れていくことはあると思います。

○熊倉委員 先にボランティアのことを文中で述べて、そのためには地域文化コーディネーターのような人、仲介者、地域文化コーディネーターが必要になるという文脈にしていけば、後半の部分に関してボランティアとは限っていない。

○岡田委員 文化芸術コーディネーターもお金をもらえるようなことがあってもいいではないかということがありましたので、文化芸術コーディネーターの育成、活用というのは(1)に入れてしまって、(3)はボランティアの育成とか支援に限った方がわかりやすくなるのではないかと思います。

○伊藤委員 このコーディネーターはあくまで地域のボランティア等との活動がこうだとか、地域社会と結びつける活動をしていく人ですので、(1)に入れると完全に文化芸術における創造活動の分野に入ってきますから違うのではないでしょうか。
 したがって、(3)の中で先ほど熊倉委員が言われたように、まずボランティアあるいはサポーターというものをきちんと地域において育成、活用していく必要がある。それを進めていくためにはコーディネーター的な人材が求められて、育成していく必要があるという形で、順番を変えていくことによって明確になるのではないかなと思います。

○青木部会長 では、それともう1つ、(3)のタイトルですね。仲介者という言葉を取って何と書いたらいいですか。

○伊藤委員 ボランティア等、では。

○上原委員 「等」を入れるとコーディネーターはプロということもあり得るという感じになります。

○岡田委員 支援者というのはいかがですか。

○吉本委員 ここで述べようとしていることに比べると支援者だと広すぎるような気がします。

○田村(孝)委員 専門家を育成していないのにボランティアだけに頼るのはいかがなものかと感じます。文化施設や芸術団体にいるアートマネージャーがすべきことを専門家がいないから文化ボランティアの方におんぶに抱っこという形の書き方はいかがかなと思いました。
 そういう意味では、(1)の最後の3行をタイトルは変えて(3)に持っていって、その続きとして文化ボランティアがこれを補足するとしたほうがいいと思います。

○青木部会長 専門家がいてそれを支えるボランティアと。

○上原委員 それは整理の仕方で、おっしゃっている意味内容は一緒なんですね。

○根木委員 専門家がいないから間隙を縫って、というよりも、実態としてこういう文化コーディネーターなるものが地域には存在しつつあるわけです。一方のアートマネージャーは専門家として芸術文化の創造活動をきちんと支えるという専門性がある程度明確になっているわけですよね。それと一緒にするとますますわけがわからなくなってくる。
 したがって、コーディネーターあるいはボランティアは(3)に整理をし、(1)に専門家の芸術活動、その周辺を支えるマネジメントの担当者はやはり(1)に整理しておかないとめりはりが効かなくなる。

○伊藤委員 コミュニティアートセンターや社会文化センター的な新しいタイプの文化施設等におけるアートマネージャーの役割は、プロの芸術家の後押し等々の知恵も借りつつ、地域におけるアマチュアの活動、生活者の文化活動を支援していくということも含んでいるのではないかと思っています。そういう意味では現在アートマネージャーの役割は範囲が広がっていると思います。
 文化芸術コーディネーター、こういう言葉を使っていいか気にはなるんですが、地域においてもそういう役割を持った専門家が生まれてくることを推進していくことが必要ではないかと、そういうことに向けての方向が出されていればいいのではと思っています。

○真室委員 別に文化芸術コーディネーターがボランティアとはここでは言っていません。ただ、仲介者をボランティア等の育成、支援というのはどの項目にも支援という意味合いがあるわけですから、あえてここでつける必要はないと思います。

○嶋田委員 一般市民が見たときに仲介者というのはとてもわかりづらいので、ストレートに文化芸術活動のコーディネーターの育成としていただくと、こういう業務があるのかどうかもわからないわけです。だから、そういうものを新たにつくっていく、そのことによって質の高い文化ボランティア活動も支援していけるんだと意味合いが通じます。仲介者をそういう言葉に変えていただくと理解できました。

○青木部会長 つまり、ここは仲介者じゃなくてコーディネーターという言葉に書き替える。

○上原委員 (3)はボランティア活動の話だという整理の仕方が作業チームでありましたというお話でしたよね。

○米屋委員 ボランティアというのは無償のということではなくて、有償、無償含めて自発的な活動ということだと思うんです。それだけで生計を立てているというような意味合いではない部分を(3)でカバーしているんです。だから、コーディネーター的な役割というものをもっと重視したいということと、自発的な活動をもっと推奨しましょうという2つの趣旨が含まれているパラグラフだということだと思います。

○青木部会長 アートマネージャーは一応私個人は、(1)に置いておいた方がはっきりとするということはあると思うんですね。問題は、(3)のタイトルは、仲介者というのではよくない。それから、仲介者の育成だけではなく仲介者の支援とするということです。

○上原委員 ボランティア等の育成ということで、サポーターとかボランティアというのを置いて、最後にそういう人たちを活かすためにもコーディネーターも大切であるというように順番をひっくり返す。まずボランティア的なことを書いておいて、そしてそれを活かすためにもそういう能力を持った人が必要であるという結びにしたら、余り修正が大きくなくて意味内容は通じるというのが提案です。

○熊倉委員 それでパブリックコメントに出してみて、実際ボランティアをやってらっしゃる方々や先ほど伊藤さんがおっしゃったような意味合いで専門家を目指している人たちが自分たちが扱われたと思われるか思われないかはパブリックコメントによるしかないと思います。

○青木部会長 では、一応この文章は全体としては変えませんけれども、タイトルを「仲介者」を「ボランティア等」とさせていただくことでいかがでございましょうか。
 大体今の修正で中間まとめ案として出して、国民の皆様のいろいろなご意見がまた寄せられると思いますので、それをまた反映したものを9月の部会で検討していって、最終的な案をつくりたいと思いますが、いかがでございますか。
 では、そういうことで今日の今回のこの部会の討議は終了させていただきたいと思います。
 今後の中間まとめ発表については私に一任させていただいてよろしいでしょうか。
 どうもありがとうございました。
 それでは、今日いただいたご意見を踏まえまして、また8月上旬に公表するということですから、30日間の期間を設けて意見募集、パブリックコメントを実施して、国民の皆様からご意見を募集いたします。それで、その結果についてはまた委員の皆様にも送付させていただくということでございます。
 では、最後に、河合長官からごあいさついただきたいと思います。

○河合文化庁長官 本日は本年2月に文部科学大臣より諮問のありました「文化芸術の振興に関する基本的な方針の見直し」につきまして、その中間まとめに向けて最後のご議論をいただきました。青木部会長、作成チームにご尽力いただきました委員はじめ、委員の皆様におかれましては、本年3月以来9回にわたり大変精力的にご審議をいただき、本日も大変精力的な議論を聞かせていただきまして本当にありがとうございました。
 中間まとめではこれまで文化芸術振興の進展と課題について評価を行い、基本方針の見直しに関する基本的方向や、今後5年間で重点的に取り組むべき事項など、大変重要な提言をいただいております。本まとめにつきましては公表後、広く国民の皆様からご意見を伺うことになっております。私としましては、本まとめが今後5年間の我が国における文化芸術の振興について国民の関心を喚起することを期待するとともに、今後は本まとめのご提言も踏まえながら、一層の文化芸術の振興に取り組んでまいりたいと考えております。
 これまでの委員の皆様のご尽力に対しまして、重ねて御礼を申し上げるとともに、ご答申のとりまとめに向けて引き続きご尽力を賜りますようにお願い申します。
 どうもありがとうございました。

○青木部会長 それでは、今日は本当に長い間、暑いところをありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

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