第13回文化審議会文化政策部会議事録

1. 日時

平成18年12月12日(火) 14:00~16:00

2. 場所

霞ヶ関東京會館 35階 シルバースタールーム

3. 出席者

(委員)

青木委員 伊藤委員 上原委員 岡田委員 河井委員 熊倉委員 白石委員 田村(和)委員 田村(孝)委員 富澤委員 根木委員 真室委員 吉本委員 米屋委員

(事務局)

近藤文化庁長官 吉田審議官 高塩文化部長 土屋文化財部長 亀井文化財鑑査官 竹下政策課長 他

(欠席委員)

尾高委員 川村委員 嶋田委員 中島委員 松岡委員 山西委員 横川委員

4.議題

  1. (1)文化芸術の振興に関する基本的な方針の見直しについて(答申案)審議
  2. (2)その他

○青木部会長 文化審議会文化政策部会第13回を開催いたします。
 まず、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

○事務局 <配布資料の確認>

○青木部会長 資料1の第12回の議事録(案)に対しまして委員の皆様にご確認をいただき、ご意見がございましたら12月19日(火)までに事務局までご連絡をお願いいたします。
 本日は「文化芸術の振興に関する基本的な方針の見直しについての答申案」、資料2に関しまして、まず第1 文化芸術の振興の基本的方向の部分と、第2 文化芸術の振興に関する基本的施策の部分を、前半と後半に分けましてそれぞれご審議いただきたいと思っております。
 まず第1についてでございますが、12月4日に作成チーム会合を開催し、答申案の検討を行いました。作成チームでは前回の部会での議論を踏まえ、記述全体の修正・見直しを行い、本答申案を作成いたしました。作成の経緯などの詳細につきましては作成チームの米屋委員よりご説明をお願いしたいと思います。

○米屋委員 見え消し版の資料2-2をご覧ください。
 まず、作成チームでできるだけ文章として、日本語として整え、語尾や句読点、文の流れを訂正したいということで、1から5ページまでに関しましては全体的に精査をして整理をしております。
 3ページ(1)諸情勢の変化の10行目に、6ページの10行目、「ⅲ)国、地方、民間が相互に連携して文化芸術を支える」にあった地方公共団体の文化関係経費についての記述を移動して、その関係で前後若干手を入れております。
 それから、4ページの6行目では、条約名を正式名称に修正しております。
 5ページ、22行目、「団塊の世代」の人々に関する記述につきまして、「環境を整備していく」ということに修正をしております。
 6ページ、4行目につきましては、8行目に移行している関係で、文化芸術の振興に果たすべき国の役割を明確にすべきとの考えから、18行目には記述の追加を行っております。
 7ページ、重点事項の(1)人材育成の無形文化財等の継承者の育成というところでは、川村委員のご指摘を踏まえ、「伝統的な素材が枯渇していること」を削除し、「文化芸術活動を支える人材の育成」では、上原委員からのご指摘により、6行目の「支援を強化する」を「環境整備を図る」という表現に修正しております。
 9ページ、2行目に、「国、地方公共団体、民間は文化芸術活動を行う者の自主的な活動を十分に尊重しつつ、それぞれの立場から様々な支援を行っていくことが重要である」と追記し、それに合わせて6行目から7行目の記述を充実させております。
 10ページ、山西委員から内容が一部重複があるのではというご指摘を受けまして、子どもの文化芸術活動の充実の言葉を整理しております。
 11ページ、16行目に「自らの職業や活動に」と記述を追加しております。
 13ページ、芸術の振興の5つの項目では、広い分野を対象としているため、特定の分野の例示は避けた方がよいという考えから、24行目、「音楽、演劇、舞踊などの」という言葉を削除しております。
 14ページ、メディア芸術の振興では、3つ目の項目の16行目に「東京国立近代美術館フィルムセンター」を追記しております。
 15ページ、13行目に国立演芸場等における公演の充実に関する項目を追加しております。
 17ページ、「2.文化財の保存及び活用」の6行目、「文化財が一定の関連性を持ちながら集まったものについて総体としてとらえるなど、」の記述を追記しております。
 また、「3.地域における文化芸術の振興」の16行目、1つ目の項目から「等しく」という文言を削除しております。この辺は前回川村委員のご指摘を受けたものです。
 19ページ、「5.芸術家等の養成及び確保等」の19行目、「各分野の今後の動向を踏まえながら、」を削除し、3つ目の項目は文言を整理しております。
 21ページにまいりまして、「7.日本語教育の普及及び充実」ですが、外国人の生活の総合的支援の観点が必要という意見を受け、22から23行目にわたりましてそのような趣旨の言葉を挿入しております。
 23ページの「(1)国民の鑑賞等の機会の充実」では、運動の展開というのではなく「活動しやすい環境整備の方策」という言葉に修正をしております。
 それから、18行目「(2)高齢者、障害者等の文化芸術活動の充実」で、2つ目の項目の「配慮した」を「支援する」に修正しております。
 23行目と次ページにわたり、「(3)青少年の文化文化芸術活動の充実」に関しましては、文言の整理を行っております。
 24ページ、「10.文化芸術拠点の充実等」では、項目名を直しました。また、川村委員のご意見を受けまして、25ページの2行目、それから23行目の「(1)劇場、音楽堂等の充実」、「(2)美術館、博物館、図書館等の充実」のリード文にそれぞれ「長期的かつ継続的な視点に立って」という言葉を追記しております。
 それから、6行目の2つ目の項目ですが、「舞台技術者」を追記しております。また、8から9行目に関しましては若干表現を修正しております。
 26ページ、「(2)の図書館の充実」ですが、図書館の本来的役割を記述すべきではないかということで、1つ目の項目に「資料や情報等の継続的な収集」という言葉を追記しております。
 28ページ、「(3)民間の支援活動の活性化等」ですが、22行目の税制上の措置に関する記述を一部修正しております。
 29ページ、「(4)関係機関等の連携等」では、5行目に「関係府省間の連携・協力を一層推進するとともに、」というフレーズを追記しております。
 それから、29ページの「(5)顕彰」には「幅広い年齢層」という言葉を追加しております。
 以上、前回部会からの修正箇所を中心に簡単にご説明いたしました。

○青木部会長 内容については若干変更もございますけれども、ほとんど前回皆様がご意見として指摘していただいたことを反映していると思いますが、いかがでございましょうか。

○岡田委員 3ページの22行目、地方部においても都市部においても、それから市町村合併によってできた町においても文化芸術の継承者が少なくなっている、不足しているということなので、ここの文章はもう少し簡潔にまとめられるのではないかと思いました。
 続いて、6ページの17行目、「芸術振興に係る活動に対して」というところです。「支援や情報提供等の所要の措置を講ずる」ものとするが、「伝統的な文化芸術の継承・発展や文化芸術の頂点の伸長」の「発展」がいらないのではないかと思います。その後、「裾野の拡大など国として保護・継承し、創造していくべきもの」としていますが、国が創造するというのもおかしいことで、「国として保護・継承し、創造していくべきもの」というところをカットした方がいいのではないかと思います。拡大などに対しても国が重点的に支援することが必要であると思います。
 前後しますが、6ページの1行目、「支援、創造」の後に保護はやはり入れておいた方がいいのではないかと思います。
 それから、11ページになりますが、「実演家の活動環境」というところは「実演家や著作者の活動環境や」ということで、「著作者」という言葉を入れてほしいと思います。それと、「著作権等の契約に関するルールづくり」というところに、「出演契約や著作権契約に関するルールづくり」ということで、「出演契約」という言葉も入れた方がいいのではないかと思います。
 22ページ、7行目の「技術の進展などの時代の変化に対応するために」では、「必要に応じて法制度の整備を行う」というところを、具体的に「デジタル時代に対応するよう法制度の整備を速やかに行う。」とし、もし「整備」という言葉を「改正」という言葉に変えてもいいのなら、「法制度の改正を速やかに行う」と、「デジタル時代に対応するよう」という言葉を入れてほしいと思います。
 25ページ、16行目と、5行目の「アートマネージメント担当者、舞台技術者」が重複しているので、16行目の3行分を5行目に入れ込んだらどうでしょうか。「音楽堂などの創造活動への支援」、「芸術家」というのはここではもういらないと思います。

○上原委員 25ページ、今の岡田委員の最後のご意見で、「芸術家」を削ってもいいのではないかというのですが、削らないでいただきたい。各劇場で芸術家をアーティストとして抱えていこうとする動きがあるので、それを削ってしまうとせっかくやろうとしている部分を認めないことになるので、残していただきたいというお願いでございます。
 3ページの下から5行目、言葉として都市部という言葉はよく使うのですが、地方部という言葉が熟度があるのかなという気がしました。

○事務局 一応事務局の整理といたしましては国土交通白書の中で都市部、地方部という表現がございましたので、それを使わせていただいております。

○田村(和)委員 この地方部というのはできれば全国各地とか地方でいいと思います。それと担い手の問題だけではありません。特に合併の問題というのは担い手だけではなくて、今まで個別に地名のもとに守ってきた文化が受け継ぎにくくなっているという話があります。
 それから、都市部において単身世帯は、人の問題だけではなくて、もっと広くコミュニティ、地域社会そのものが崩壊しつつあるということなので、私はこの言い方さえ変えればここのままでいいのではないかという感じがしています。

○岡田委員 もしこのまま直すのであれば、「地域社会(コミュニティ)の衰退」ではなくて、コミュニティ意識の希薄化というのではないでしょうか。
 それと24ページの10行目か11行目の、「歴史、伝統、文化に対する理解を深め、尊重する態度や、文化芸術を愛好する心情」とありますが、「尊重する心や文化芸術を愛好する素地などを涵養し」とした方がいいのではないでしょうか。

○白石委員 6ページの19行目について岡田委員から、「創造」はいらないのではないかというお話がありましたが、これは創造という言葉が発展していくべきものに対して、ただ守るのではなくて、新しい伝統をつくっていくんだという考えが入っているのだろうと思いますので、確かに創造では強いと思います。

○青木部会長 「拡大など国として」と書いてありますから、「保護・継承し、創造」とつながってくると思います。

○上原委員 「国として」がいらないのかもしれません。文章的に、国が積極的にとだぶってるかもしれません。

○白石委員 そうです、「国として」を切った方がいいかもしれない。

○吉本委員 今の関連で、上原委員がおっしゃった「芸術家」を残すという意見に賛成です。

○岡田委員 そのような動きがあるということを知りませんでしたので、ぜひ残してください。

○熊倉委員 3ページの「市町村合併により、地域に根ざした文化芸術」というところは文言の整理があってもいいかもしれないですけれども、基本的にこのままでいいと思います。例えば合併した市町村が持っている文化施設の整理の問題なども出てきたりしていますので、必ずしも担い手の問題だけではないと思います。

○青木部会長 意識は入れなくていいですか。

○熊倉委員 意識だけではなくて、事実上衰退している。

○河井委員 10ページ、「子どもの文化芸術活動の充実」の15行目です。子どもは今学校だけでなくて地域で文化活動も教育しようということで動いていますので、ここは学校の文化活動の部分を「学校または地域における」文化活動とか、「地域」という言葉を入れていただけないでしょうか。子どもの活動範囲を少し広くとらえていただきたい。
 それから、先ほど17ページ16行目の「等しく」は削除したとお話がありましたが、9ページ、16行目の「等しく」はこのままでよろしいですか。

○岡田委員 10ページ、「学校の文化芸術活動」の下に「地域ぐるみで支援する仕組みを構築する必要がある」と書いてあります。

○河井委員 ですから、学校における活動も地域における活動も地域ぐるみで支援するシステムだと思います。

○熊倉委員 「学校など地域における子どもの文化芸術活動を」ぐらいにしていただけるといいのではないでしょうか。学校はあくまで1つだと思います。

○白石委員 28ページの22行目の税制についてですけれども、直した文章を見ると、今ある税制を活用するとしかとれません。以前は税制をもっと積極的に変えていくんだ、変えるために努力するんだというのがあったので、大分後退したという印象を受けます。

○竹下政策課長 制度官庁といろいろ話をしておりまして、これは一次方針のときの表現をそのまま使っております。私どもとしては、当然この中に措置等によりということで、措置もするということも含めて読んでおりまして、今回の方針でもこれを踏襲をさせていただくということでご理解をいただければありがたいと思います。

○真室委員 今の問題と関連して、25ページの「美術館、博物館、図書館等の充実」のところで、「(1)美術館、博物館等の充実」の最初の項目では美術館、博物館等の円滑かつ活発に展開するよう支援を行うとありますが、どういう支援かというのがありません。この次にぜひ入れていただきたいのは、法令等の整備や税制等の措置などの施策を継続して推進するということです。美術館、博物館、特に市立美術館等も含めて今非常に税制等の措置が関心事になっています。それと博物館法の特に登録制度とかあるいは学芸員制度を継続して推進してほしい思います。特にそのために法令等の整備、税制等の措置などの方策あるいは施策を継続して推進するというような趣旨の文言をぜひ入れてほしいということです。

○米屋委員 あった方がいいと思いますけれども、政府内でどう書き込めるのか。

○竹下政策課長 第2部の具体的な施策になりますので、抽象的に法令あるいは税制上のことをここに書くのではなくて、そこは第1部の中でご議論いただいている6ページで、必要な法令上、財政上の措置、また税制上の措置ということで総論として書いてあります。各論において、その支援という中には予算面の支援、あるいは税制で支援、あるいは情報提供などソフト面での支援もあるわけでございますので、いろいろなものが入るとご理解をいただいたらいかがと思います。

○真室委員 1行目の「他の文化施設と連携した質の高い」のなかの連携が、例えば美術館のほかに大学あるいは文化施設と連携した活動をしなさいという趣旨が強いんですね。
 劇場、音楽堂を載せている以上は、ここは美術館、博物館にとってもそれは重要なことなので、ぜひこれはあげてほしいということです。

○根木委員 もともと美術館、博物館、図書館というのは社会教育施設です。社会教育施設としての枠組みは社会教育のカテゴリの中で大体がとらえられるという仕組みになっております。文化の側から美術館、博物館、図書館に関しては内面、内容、実態にかかわることを中心に考えざるを得ないのではなかろうか。
 具体的な場面ではなかなかそれを細かく表記するのは難しいなという感じですね。

○吉本委員 やはり劇場ホールの方に具体的な記述があって、美術館、博物館にその記述がないのはバランス的にどうなのでしょうか。書くことによって問題があるなら考慮しなければならないと思いますが、同じような記述をすることで特に問題がないのであれば入れてはどうか。
 それが難しければ、今の真室委員のご発言にありましたけれども、25ページの下から2行目の、「他の文化施設と連携した」という表現が非常に限定的になるので、これを削除して、「博物館が地域の文化芸術の中核となり、質の高い館活動を」とすれば美術館の活動そのものを支援するということになるので、そこに税制も入っているという解釈も可能かと思います。

○青木部会長 個人的な意見ですけれども、連携というのは非常に重要だと思います。連携がないのでいろいろな点で美術館や博物館が問題が起こる。だから、その辺は入れておいた上で、税制も重要だと書いておいたらどうか。

○竹下政策課長 今、吉本先生がおっしゃった部分ですけれども、25ページの下の「展開するよう」というのが支援にもかかっておりますので、展開を1つの例示であるように、展開するなど、ということで入れるのも一案かと思います。上のように劇場、音楽堂のように美術館、博物館が書けるかどうか、これは博物館法を所管している課もございますので、相談をさせていただきいたと思います。

○米屋委員 10ページの「子どもの文化芸術活動の充実」で、学校だけではなくて地域もというご指摘がありました。従来の学校教育というと学校にだけ任されるというので、それをもっと社会教育や行政や、文化芸術関係者が地域ぐるみで応援しなくてはいけないという、学校教育に特化したところで言っているという意味合いだったのではないかなと思います。確かに生活感覚からいいますと子どもの居場所というのは学校だけでなくて地域が大事だというのはそのとおりですが、教育とか文化行政の観点から学校単位とした最低限をきちんと責任を持つ。それに加えて、地域での活動をということで単なる並列とは少し違うのではないかと思います。できればこれはこのままで残したところで、地域の活動のさらなる充実ということも付加するようなかっこうでできないか。
 それと、正課の授業内と課外活動など場所としての学校を活用することもあるかと思いますので、そこは2つの意味を含んで学校の文化芸術活動とここでは言っているのではないかなと思います。

○青木部会長 それをどこでつけ加えたらいいでしょうか。

○米屋委員 学校の文化芸術活動を構築する必要があるという前のあたりに、地域における機会をということを、特に学校の文化芸術活動をという意味で後段は具体的に書いてるとしていけばどうかなと思います。

○河井委員 子どもの文化芸術活動にとって学校は重要なフィールドであることは間違いないです。ただ同様に、今は地域のフィールドも非常に重要になっています。学校は規模が小さくなってまして、指導する先生の数も減り、音楽でも合唱をやればブラスバンドはできないという形になっているのが現実です。ですから、それをカバーする以上に地域の活動が比重が高まっているということです。
 ですから、ここでは熊倉先生がおっしゃったように、学校などの地域という表現でもいいですし、学校または地域という表現でもいいですし、ある程度並列的に扱っていただきたい。学校の重要さは24ページで特出しで学校教育における文化芸術活動の充実ということで言ってありますので、学校が重要であるという趣旨は重なってると思いますけれども。

○青木部会長 むしろここでは地域をきちんと入れた方がいいということですね。

○熊倉委員 そう思います。同様に、これは例えば都市や周辺部において、ほとんど子どもが実は地域の学校には行っていなくて、都市部の私立の小中学校へ行ってしまっているということもあって、そうなると逆に地域の文化施設が子ども向けのプログラムをつくることでまさに同じ地域に住んでいながら子どもを介したPTAなどが違うわけですから、まさにそれもコミュニティの崩壊につながっているので、そのためにも文化施設の子どもを対象としたプログラムの重要性はあるという現場からの指摘もあります。私も学校と地域を特にこの最初の子どもの文化芸術活動の充実というところでは明確に記しておいた方がいいと思います。

○伊藤委員 「子どもの文化芸術活動の充実」の前半のパラグラフでは「日本人としての自覚を持ちつつ国際社会」、「地域文化の担い手を育成するため」とありますが、本当は現在子どもの世界がもっと豊かになるということが一番大切ではないかと思います。やはり子どもたちが文化芸術にふれることはまさに現在の子どもの世界の情緒的な豊かさではないかと思います。先に将来の日本人のためにみたいになっているので、ここのところが気になります。

○青木部会長 しかし、「日本人としての自覚を持ちつつ」というのはよくないですか。

○伊藤委員 悪くはないですがその前に肝心なことは、今の子どもたちが芸術文化に触れていないということで、その機会を充実していくことが大切だということをもう少し言えないかという感じがしています。
 それから、上原委員が話していた図書館についてですが、ここで活字文化、文字文化の話が触れられないのであれば、20から21ページに国語の話がありますが、21ページの上から5行目のところに公共図書館の役割について書けないでしょうか。
 つまり、振興法に基づき、「地域、学校、家庭等において、国民が豊かな文字・活字文化の恵沢を享受できるよう、環境の整備を図る。」というときに、地域とか学校というだけではなくて、はっきり公共図書館の役割を重視していくと言うことはできないものか。

○上原委員 ここにもし書くとしたら、環境の整備を図る、など公共図書館の果たす役割ということを加えるのでしょうか。

○田村(孝)委員 文字・活字文化振興法には公共図書館の充実について触れているのではないかと思いますけれども。

○伊藤委員 入っているのなら、書いてもいいのではないか。

○青木部会長 それには学校は入ってないのですか。

○竹下政策課長 学校ももちろん入ってます。

○青木部会長 特に重要視するということだったら図書館を出してもおかしくはないですね。

○岡田委員 環境の整備を図るということは具体的にどういうことなのかということを書けばいいのではないですか。

○上原委員 法律の中でどのように図書館が言及されているのかということですよね。それに平仄が合うような形で記述をするということでしょうか。

○田村(孝)委員 たしか設置基準というのと、この2つでもって、市町村には全部設置しなくてはいけないということなっていたと思います。

○上原委員 もし入れられるならそこに少し強調する形で入れていただくと同時に、可能ならば、26ページ「(2)図書館の充実」のところで、「地域を支える情報拠点」を地域の文化の情報拠点という少し膨らませたような形にして、単なる情報ではなくて文化がそこでは醸成され、育まれるべき拠点であるとしたいと思います。

○岡田委員 別件で、9ページ11行目、創造活動等への評価や審査という言葉が出てきますが、これは13ページ20行目、29ページの25行目にも評価や審査という言葉が出てきますけれども、支援するために、水準の高い創作活動かどうかということをどういう判断基準でだれが判断をするのかということが問題になっています。この辺をもう少しわかりやすく、そして9ページ、13ページ、29ページと3回出てきますが、1つにまとめられないかという気がいたします。
 これは芸術創造プランにもかかってくるかと思います。

○青木部会長 今のご指摘はいかがでしょうか。評価、審査は今重要な、1つの大きな日本社会のテーマだと思います。

○岡田委員 評価、審査をする委員会があるわけだから、その辺をもう少しわかりやすくしたほうがいいと思います。
 3ヶ所は多すぎる。同じことを言ってると思うんです。

○上原委員 少しずつ評価の目的が違うような気がします。特に29ページは政策立案に対する評価であり、9ページは助成の問題、支援の問題です。

○岡田委員 9ページと13ページは明らかに助成の問題だけれども、この政策形成というのもこの評価や審査というのは助成のための政策形成ではないでしょうか。

○上原委員 違うと思います。文化政策全般の評価だと思いますので、少し幅が広いものだと思います。

○青木部会長 29ページは定量的だけではなくて定性的でもあるのでこれは重要だと思います。

○根木委員 第1と第2に分けているのは2つに分けて書き分けたということです。第1の場合には戦略的支援という観点から同時に評価も必要だということで、それを書いている。第2はもう少し具体的な芸術の振興にかかわる事柄で、レベルの違う形のものと理解していただければよろしいのではないかと思います。
 最後のは、先ほど上原先生おっしゃいましたように、文化政策全般に関することであると同時に、なおかつ定量的評価だけでなく定性的評価が必要だと、強調しているということですね。

○岡田委員 13ページと9ページに関してはやはり重複しているのではないか。

○吉本委員 第1と第2のところがある程度重複するのは避けられないのではないですか。

○青木部会長 同じものが出てきてもそれは文脈が変わっているわけですから。

○田村(孝)委員 7、8ページ。前から申し上げておりますように、(1)の「また」以下の3行は無形文化財などの継承者の育成にも必要なことなわけです。別に1だけではないわけで、これは2にとっても必要なことだと思います。
 ですから、その「また」以下を(1)から削除していただいて、次のように考えました。
 無形文化財などを含めた多様で優れた文化芸術活動を支えるためには、文化施設や文化芸術団体における事業の企画、運営、及び教育普及を担う専門家(アートマネージメント担当者と舞台技術者など)の人材育成は急務である、と同時にこれらに携わる人々がその活動に安心して取り組める環境を整備することが重要である。その結果、享受者としての国民と豊かな文化芸術を結びつけるために一定の知識や経験を持つ文化芸術コーディネーター、それからアートNPO、及び質の高い文化ボランティアが地域や学校で活動しやすい環境となることが望まれる。
 要するに、特に無形文化財などの伝統芸能に携わる方たちは継承者にすべて委ねられているというのが現実だと思います。それは(2)にとっても大変必要なことですし、それからたしか松竹の方が、映画界も優秀なプロデューサーが今一番必要だということをおっしゃっていたと思います。ですから、先を見通して最終的に芸術総監督などになる人を将来的に育てるようにしないと、多分10年たっても20年たっても同じではないかと思っております。

○青木部会長 そうすると(1)の「また」以降を取って、今おっしゃった文言を(3)の一番最後につける。

○田村(孝)委員 はい。「また」以下は(2)にとっても必要です。

○青木部会長 人材の育成のところに全部入れて、(1)も(2)もかぶせるような形で書いたらいいのではないか。

○根木委員 (2)は無形文化財等の後継者の育成について、特にそれを取り上げて提起したということです。したがって、アートマネージメント担当者とは別の事柄です。(2)をすべて(3)に含めるというのは全体の体系を崩すことにもなりますし、アートマネージメント担当者とコーディネーターというのは特に地域において最近あらわれている1つの現象をとらえたものということなんです。
 したがって、アートマネージャーは(1)に近いものであり、コーディネーターは地域との絡みで書き分ける方が筋としては通っているのではないでしょうか。

○田村(孝)委員 文化施設でも芸術団体でも、アートマネージャーという狭い考え方だと今のようなお話になるかもしれませんけれども、最終的にそこを運営していく専門家が絶対必要なわけです。芸術監督が例えば非常勤であるような現実もございます。やはりきちんと運営していく人がそれぞれのところにいるというのが本来のあるべき姿ではないでしょうか。

○上原委員 今のお二人の主張は、結局整理の仕方だけだと思います。田村委員の案は文化芸術活動を支える人材を(3)に全部まとめたらどうかというご提案で、根木委員のお話は、地域での活動が(3)だという整理なので、どういう視点で見るかの違いではないでしょうか。

○伊藤委員 当初は(1)が芸術文化、(2)が文化財、(3)が地域文化という形でしたが、議論していく中で(1)が芸術創造、(2)が継承、(3)がそれを支え、定着させていくという方向にニュアンスが変化してきていると思います。この方向でいくならば田村委員の提案のまとめ方がすっきりするのではないでしょうか。
 当初のように芸術文化、文化財、地域文化としてまとめるなら文面をもう一回改める必要がある。

○田村(孝)委員 私は今の享受者のために文化振興を図っていくためにはここの部分が一番大切だと思います。ですから、きちんと1項を立てた方がいいと思います。

○熊倉委員 根木先生のおっしゃるアートマネージャーと地域文化芸術コーディネーターとの区別は非常にわかりやすいのですが、それなら(3)でやはり文言を工夫しないとわかりにくいなと思います。(3)にはっきりと地域でと書いていかないと、逆に(1)の創造や文化の専門性に高いところでつなぎ手として活躍する人たちが明確な姿として見えてこないという気がします。

○吉本委員 私も田村委員のご意見に賛成で、そういう文案も作業部会に出しましたが、いろいろな議論があって今こうなっています。

○田村(和)委員 私も今の田村委員の案に賛成です。ただ、ここの話をジャンルや場所で分けていくのか、あるいは創造人材、継承人材、支援人材のように人材と対象にしてきちんと分けて書けるかというのは、一重に戦略に対する文化庁の心構えだと思っています。

○竹下政策課長 (2)は無形文化財と継承者の育成ということで特出しはされ、(1)は創造活動となっておりますけれども、(1)では無形文化財の分野もアートマネージメントが必要だということで整理をいただいた上で(1)に置かれていると理解をしております。
 (3)はプロではないけれども地域や学校で活躍されている方を育成していらっしゃる方に活躍いただき、さらに育成していくのが大事だという分け方で整理をされていると思っております。

○田村(孝)委員 6ページの9行目に「地方公共団体が高い専門性と知識を備え」というのがございます。専門家を育成しないで、言葉だけのことになってしまうと思います。環境づくりを進めるという言葉がいくつかございましたけれども、それはすべて専門家がいないことにはできないことだと思います。

○根木委員 基本的にはアートマネージャーが本来あるべき人材だろうと思います。これまでなかなかアートマネージメント担当者が養成されてこなかったということがあるものですから、その間隙を縫ってコーディネーターなるものが現在活動している実態であろうかと思います。
 やはり基本的にはアートマネージメント担当者、専門性を備えた人材が全国くまなく行き渡るべきだろうと思います。しかしアートマネージャーは創造活動に密着した形でこれまでその必要性が問われてきた。したがって、コーディネーターと混同するとやや専門性が薄れてくる恐れが大きいのではなかろうか。現状を考えれば、アートマネージメント担当者に関してはやはり(1)の創造活動に特化した形で整理するのが適当ではないか。

○田村(和)委員 23ページ、7行目に「文化芸術コーディネーター」と「文化芸術サポーター」という言葉がありましたよね。
 国民文化芸術の充実というところでこういう言葉が出ていて、今、根木先生がおっしゃった話が、この話と符合していると考えていいんですか。
 また、サポーターという言葉は一般的に使える言葉なのか気になっています。

○根木委員 一般化した言葉ではなくて、アートマネージャーの養成自体が定着していないところにまた新しい概念を出していくということは、適切ではないのではなかろうか。やはり本当の機能を担うのはアートマネージメントの担当者であり、それがすべてカバーすべき事柄だろうと思います。しかしながら、実態は実態としてやはり見なければいけない。そうすると、整理の仕方としては(1)と(3)に分けるのが適当なのではなかろうか。

○青木部会長 第2の方も、文化芸術の振興に関する基本的施策のところも含めましてご議論をお願いしたいと思います。

○上原委員 13ページの16行目、「トップレベルの文化芸術団体と劇場やホール等の」となっていますが、これを「トップレベルの文化芸術団体や劇場・ホール」と変えていただきたいと前回申し上げました。これに対して、25ページ、上から5行目に「各地域の劇場、音楽堂等の創造活動等への支援」とあるから、そこで読めるのではないかとお答えいただきましたが読めません。やはり「トップレベルの文化芸術団体や劇場・ホール」にすることによって、劇場同士が、芸術拠点同士が連携するあるいは三者、トップレベルの芸術団体と劇場、複数の劇場、複数のホールの芸術拠点が連携する取組などもあるわけで、劇場が必ずトップレベルの文化芸術団体と組むというのが原案なので、この「等」を「や」にしていただきたいと思います。

○田村(和)委員 13ページの8行目、「基本法における例示の有無により」という文章は、上で「基本法に例示されている分野にのみならず、例示されていない分野についてもその対象とし」としているので、要らないのではないかという感じがします。
 それから、17ページの7行目、「文化財が一定の関連性を持ちながら集まったものについて」というのは地域的にと補った方がわかりやすいという気がします。

○伊藤委員 先ほど上原委員が指摘されたトップレベルの文化芸術団体と劇場やホールの芸術拠点が連携したという文は、今後検討される施策ではないかと読み取れてしまい、どういう解釈をしていくのか気になる点です。
 ほかにも人材育成に関する専門性の問題、再助成制度の問題に対しては議論があいまいなままではなかったかと気になっています。

○青木部会長 確かにこの問題はやはり5年前ほとんど考えられなかったのが今は現実的な問題になってきた。やはり文化芸術の活動が活発になったということでしょうね。いろいろな分野で重要性が認識されてきて、団塊の世代という問題も出てきた。しかし、あいまいだからなかなか議論が固まらないということでしょう。

○田村(孝)委員 先ほど博物館、美術館が社会教育施設であるというお話がありましたけれども、社会教育法では劇場、ホールは公民館になってしまうわけです。要するに劇場や音楽ホールが拠って立つ法律はないわけです。住民の意見でどのようにでも解釈されてしまうというのが現実です。そういう意味で専門家がきちんと育つべきだと思っています。

○上原委員 文化芸術コーディネーターと呼ばれている人たちの仕事はアートマネージャーがする仕事だと根木先生はおっしゃっているんですよね。アートマネージャーは教育普及ということを書いてます。教育普及ですから、言ってみれば国民と享受者と文化芸術創造活動を担う者と結びつけるというのがアートマネージャーの仕事です。

○根木委員 本来ならばアートマネージャーが全部カバーすべきだろうと思いますが、まだ人材育成がそこまでできていないのと、各劇場、ホールに専門家が定着していないために、今の実態としてはコーディネーターがアートマネージャーの仕事をしています。
 それとは別に地域においては劇場、ホール、それから一般住民との間をつなぐいわゆるコーディネーターも生まれている。するとやはり両者に目配りをする必要があるのではなかろうか。

○上原委員 基本方針でコーディネーターを育成していいのでしょうか。

○根木委員 活用を図るとともに育成といいましてもこれは将来的にはアートマネージャーに解消すべき事柄ではなかろうか。

○青木部会長 19年から5年間を見通すので、大体将来的にはというとその5年に入っているかどうか。

○吉本委員 根木先生のおっしゃるように、今文化芸術コーディネーターと書かれているような仕事は本来アートマネージメント担当者がやるべきだというのであれば、その本来あるべき姿を基本的な方針で書く必要があると思います。
 なおかつ、このままではアートマネージメント担当者の専門性の方が、文化芸術コーディネーターの専門性より高いというニュアンスがこの中から読み取られるところが一番問題だと思うんです。
 変更ができるのであれば、田村委員のご提案のように、「また」以下のところを(3)に合わせてしまって、コーディネーターも含めてアートマネージメントの専門的な人材を育成すると整理をした方がいいのではないかというのが私の意見です。

○青木部会長 アートマネージャーを専門家として育成して配置するような仕組みをつくったとしても、コーディネーターはやはり必要でしょう。つまりアートマネージャーと一般地域、サポーターをつなぐ存在は社会の仕組みとして当然必要だと思います。

○吉本委員 ですから、そういう仕事もアートマネージメント担当者の仕事として認識する必要があると思います。

○熊倉委員 芸術の専門知識だけでは芸術の社会化、特に普及には足りないだろうと言われていますが、その地域の人と話をするにおいてもボランティア組織論などの専門性は必要です。

○米屋委員 そもそもの問題は、アートマネージメント担当者あるいはアートマネージャーの指し示している範囲の理解がそれぞれ異なっているので、話していることは一緒なんでしょうけれども、整理の仕方が違っているのだと思います。やはり我が国でアートマネージメントとは何なのかというところが漠とした概念でしかないという事実に起因するのだと思います。
 今まで現代芸術が中心とされる文化芸術と無形文化財伝統は別だというような切り分けを行政ではしてきたわけですが、田村孝子委員がなさったのは、それを全部ひっくるめて書いたらどうかというご提案だったと思うんですね。この(1)、(2)、(3)を全部取り払って順番を田村委員がおっしゃった流れにすればいいのではないかという気がします。
 専門性が必要な役割であるということについては異論はないと思うので、それが中心にあるような形で書いていただければいいのではないでしょうか。ただ町の方々が自発的に何かを企てるという動きを否定してしまうようなことはやはりおかしい。伝統もありますので、その文化活動を含めた形で、地域でいろいろな活動があるという幅は入れておいていただきたいと思っております。

○青木部会長 アートマネージャーはどちらかというと演劇の専門的な集団と企画、それと地方の自治体での公演などを結ぶ役割だと思います。だから、その地域住民とのかけはし的存在はコーディネーターではないか。

○米屋委員 アートマネージメントにはいろいろな職種がありまして、それらを総称してアートマネージメント担当者と呼んでいます。教育だけをやるような人もアートマネージメント担当者でしょうし、企画だけをする人、チケットの販売のみを考える人もいるわけで、かなり様々なものを総称しているので資格化が難しいという実態もあります。

○青木部会長 文化行事をするときに特に演劇面でのアドバイザーで、中央や専門的な人たちとつないだり企画を立てて、その地域、地方のために、自治体の中でポジションを確立して給料ももらえる形で、もっといろいろな地域が、地方自治体もこういう人を雇えばいいなと思ったんですけれども。その地域の住民と地域社会との関係というのは非常に希薄です。それ以上いくと、やはりコーディネーターじゃないかなと思う。

○上原委員 それが実は問題で、アートマネージメントが地域と関係が希薄であっていいはずがないわけです。

○青木部会長 いや、実際問題は希薄であっていいはずがありません。
 しかし市町村で雇われても、それは地域の住民までは下りていけない。やはり地域の人でそういうものに応える人がいなくてはならないと思うので、それがコーディネーターではないか。

○上原委員 本当にチケット販売から全部含めてマネージメントということになると、やはりマネージメントというのは実態としてそれがなかなか成り立たない。本来的にはそういう人材がプロとして一定専門知識をバックグラウンドに持ちながら地域の人たちをレベルアップさせていきながらマネージメントをしないと、文化施設の役割がなかなか果たせません。

○根木委員 実態関係として本来ならば、アートマネージャーの中に全部含まれるはずだと思います。私自身はアートマネージメントの概念は広義、狭義両方あって、広義の意味で理解しています。当然ながら地域にあって地域住民とのかけはしとなるような人も全部含まれると思っています。ところが、コーディネーターという新しい概念が出てきたので、本来のアートマネージャーも位置づける必要があるのでないか。アートマネージャーの中に含まれるということであればコーディネーターという概念は持ち出す必要はないだろうと思います。
 ところが、実態があるならば位置づけなければいけない。しかしこれだけが表面に出ると本来の部分が薄れてしまってどうにもならなくなる。したがって、強いて書き分ければ(1)と(3)のような位置づけになるのではないか。

○伊藤委員 地域において文化を振興していくためにはさまざまな職種があって、それをトータルしてアートマネージメントという1つの機能と考えるべきだと思っています。
 その中で今特にコーデネーション的な役割が非常に重要視されてきていることが事実だと思いますので、この基本方針の中でそれに特化して取り上げるということは決して間違いではないと思っているわけです。
 ただ、それをまたこのコーディネーターとまで言ってしまうとアートマネージメントは別にするのが必要になってくる感じがしてしまいますので、私は(3)の部分のコーディネーターではなくて、コーディネートを担うような人材ぐらいの言い方で構わないと思っています。

○岡田委員 アートマネージャーが上でコーディネーターがその下にいるということで、同じプロとして扱おうとするから話が混乱するのであって、コーディネーターがボランティアとして、子どもたちや地域の人たちに1つの絵を見て何か説明したり、何かおもしろい出し物があればそれをセッティングしたりするような人だと位置づければ話はわかりやすいのではないかと思います。

○青木部会長 実際問題は、公聴会でも実際にコーディネーター的なことをしている人がクレームをされたんですね。つまり、コーディネーター的なことをしているけれども、報酬の対象にならないということです。そういうカテゴリがないから払う側もお金を払えない。そういう人たちを何とか救いたいというのがこの言葉だと思います。

○岡田委員 やはり「「文化芸術コーディネーター」とも言われるこのような人材」という書き方はやはり失礼ではないか。

○田村(和)委員 お金と時間のゆとりがあるときに自分がどんどん出ていくという話で、別に育成されるものではないし、コーディネーターというのは一生懸命文化を勉強してできるわけではありません。育成よりも発見されるということです。それからやることに生きがいがあるということでやっていくわけです。ですから、地域とのかかわりの中ではコーディネーター的な人、それはアドバイザーあるいはファンでもサポーターでもいいけれども、こういう立場の人はいなくてはいけない。

○青木部会長 アートマネージャーにしてもマネージメントにしてもコーディネーターにしても、概念的にも用語的にも非常に重要であるが、わかりやすいというわけではない。しかし、実態としては必要であるし、また実際にある。それをどう文言として整理するかということでしょう。

○富澤委員 アートマネージメントという専門性のある分野は文化政策としてきちんと育成をするのは大事なことだと思います。しかし、実態的にアートコーディネートをする人がいるのなら、それは育成をしなくても活用でいいのではないか。差別化をするにしても上とか下とかというのではなくて機能が違うという表現にすれば落ち着くのではないかと思います。

○青木部会長 今後5年間ではもっと重要になるということは予想できます。それをある程度予想したものが入らないとわざわざ見直しをする必要ありません。

○熊倉委員 細かいことですがマネージメントではなく、一般の経営の言葉の中ではマネジメントです。

○青木部会長 棒引きは要らないということですね。ご指摘どおりまた検討させていただきます。

○岡田委員 21ページ「日本語教育の普及及び充実」の23、24行目でアンダーラインの箇所は、14行目に「文化芸術に対する理解の増進及び日本語能力の向上に資するよう、次の施策を講ずる。」と入れることで、要らなくなると思います。

○田村(和)委員 川村委員から、特に日本語の教育は医療と行政と教育では緊急性があるという意見があったと思います。

○高塩文化部長 これを入れたのは来年度の概算要求の目玉になっていて、日本に定住する外国人のための施策を力強く出すために入れたので、ご理解いただきたいと思います。

○青木部会長 次回までになるべくご意見に沿った形のものを事務局と相談しながら作業部会でつくりまして、次回の文化政策部会でご検討いただきたいと思います。
 それでは、最後に、部会の今後のスケジュールに関しまして、事務局よりご説明をお願いいたします。

○事務局 <次回連絡>

○青木部会長 お忙しいところ、長時間にわたりましてありがとうございました。

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