第161回(平成23年2月23日)宗教法人審議会議事録

  • ○ 日時 平成23年2月23日(水)
  • ○ 場所 文部科学省3F2特別会議室
  • ○ 議題
    1. 開会
    2. 議題
      1. (1)「宗教法人天将神社」の規則変更認証決定に係る審査請求について
      2. (2)その他
    3. 閉会
  • ○ 出席者
    【委員】
    井田委員 打田委員 大石委員 巫部委員 黒住委員 氣多委員 小林委員 斎藤委員
    佐藤(典)委員 島薗委員 杉谷委員 滝口委員 田中委員 戸松委員 山岸委員 山北委員
    【文化庁】
    吉田文化庁次長 小松文化部長 佐藤宗務課長 井上宗教法人室長
    その他関係者

1.開会

○大石会長
 それでは,ただいまから第161回宗教法人審議会を開会いたします。
 早速審議に入らせていただこうと思いますが,その前に,事務局の方から今日の配布資料の確認をお願いしたいと存じます。よろしくお願いいたします。

(配布資料の説明)
○大石会長
 それでは定足数の確認を致します。
 宗教法人審議会規則第6条によりまして,総員の5分の3以上の出席がなければ,議事を開き,議決をすることができないとされております。本日は,20名の総員中16名の出席がございまして,定足数を充足しているということを確認申し上げます。
 また,本日の審議内容の公開に関する取扱いについて確認いたしますと,当審議会における申合せによりまして,会議自体は非公開でございますけれども,後日,不服審査に係る審議の内容については議事要旨を,またその他の審議の内容につきましては議事録を,それぞれ作成して公開することとなります。議事録,議事要旨につきましては,各委員の自由な討議を確保するために,委員の意見は匿名で表示することになります。
 さらに,個別の宗教法人の名称は議事録では公開しないということとされていますけれども,答申の中で記載された法人名につきましてはこの限りではないというふうになっておりまして,公開されることになります。
 以上,念のため申し添えます。

2.議題


議題(1)

●「宗教法人天将神社」の規則変更認証決定に係る審査請求についての議事要旨は以下のとおりである。宗教法人天将神社(兵庫県知事所轄)について文部科学大臣に代わり文化部長から諮問を行った。本件は,小委員会を設け,そこで検討を行うこととされた。大石会長から小委員会の委員として,大石委員,井田委員,斎藤委員,佐藤(典)委員,島薗委員,山岸委員が指名された。


議題(2)

○大石会長
 それでは,次に議題2のその他でございますが,事務局の方から,最近の宗務行政につきましての報告がございます。それではお願いいたします。
○宗務課長
 まず,答申案の経過についてということで,宗教法人冠纓神社の規則変更不認証決定に関する案件でございますが,平成20年5月に審議会の答申を頂きまして,その後,文部科学大臣による棄却という形で裁決を行いました。それに対して,原告が処分取消訴訟を平成20年11月14日に起こしたものでございます。この23年1月13日に最高裁に原告が上告しておりましたけれども,それに対し上告棄却及び上告不受理決定という形に出されましたので,御報告したいと思います。
○大石会長
 何か御意見等ありましたらお願いいたします。特にないようであれば次に進めさせていただきます。
○宗務課長
 それでは,次に行政不服申立制度の改革の方針ということで,内閣府の行政救済制度検討チームというものが,現在動いております。審議会が発足した最初のときに,行政不服審査関係の検討状況を一応御説明したことがございますが,昨年の秋ぐらいから,この制度の見直しチーム検討が発足し,検討が進められているところでございます。
 これは,大臣名ということで,内閣府と総務省で検討している審議会でございます。基本的には,行政不服審査でございますので,一応この審議会の審査請求そのものが不服審査でございますので,それとの関わりでフォローが必要な案件かというふうに思っております。
 現行,行政不服審査法というのがございまして,それに基づきまして,宗教法人については,宗教法人法で個別に手続が一応書かれているというような構成になっております。それで,全体的な行政不服申立てという制度を直そうといったときに,宗教法人のまさしく今やっているこの認証等,どういう手続が今後変わるのか,変わらないのかというのが大きな話で,その中身のやり方とか大きな方向で,これはこの秋に一応改革の方針という形でまとめられたものでございます。
 論点の一つは,審査請求に一元化するという話と,審査庁に,独立して職権行使を行える審理官というのを設けたらどうかという話です。今,文部科学省内では宗務課がやっておりますけれども,この審議会との関係をどうするかとか,そういう論点が考えられるところでございます。
 これは,前回,御説明したときにも,この案は一応入っていたということでございます。それで,今回の見直しの検討に当たってのポイントは,不服申立て前置の見直しという項目に関わってきます。先ほど説明しました冠纓神社の件のように,規則変更に係る都道府県の不利益処分において,不服申立て・審査請求につきましては,宗教法人法上で,まず審査庁で裁決を受けなければ訴えることができないという規定がございます。それが宗教法人法上規定されておりますが,その規定を外すか外さないかというのが大きな論点でございまして,それが先ほど言いました前置見直しという話になりますと,この宗教法人,文化庁に裁決を求めるか,訴訟にいきなり訴えるかという自由選択になるということになった場合,どのような課題,問題点があるかということです。
 見直しの手順としましては,内閣府の検討チームの中にワーキングを設けて検討を進めていくこと,現在レビューシートによる実施把握ということで,今各省にヒアリングシートを依頼して,一応その意見出しを求めているところでございます。その後,ヒアリング対象法律を選定して,ヒアリングして,結果をまとめていくというような流れになっているというふうに聞いております。
 そこで,今回はこの審議会との関係で,基本的にいろんな,3つの範ちゅうがある様子ですけれども,大量的処分と専門的技術的処分と,あと裁決が第三者的機関によってなされるものということで,基本的に宗教法人の場合は,この裁決が第三者的機関によってなされるものという部類の中に入っております。基本的には,決定は文部科学大臣が行いますが,その前に審議会の意見を,諮問して意見を聞くというところの制度でございますので,そういう制度で一応宗教界,宗教家の先生方,あるいは宗教に関する専門知識のある先生方の意見を踏まえて,問題ないか否かを見ていただいているというのが,今の制度になろうかと思います。
 文部科学大臣が,例えば不認証にするという場合は,必ず審議会の意見を聞かなければならないですが,この制度がもしなった場合には,今回出てきた都道府県の処分の案件もいきなり裁判に入り,宗教界とか専門家,宗教の専門家の意見を取り次がず,意見を聞くような機会が失われる可能性があるかと思っておりまして,今後,調整が必要ではないかと,認識しているところでございます。適宜,こういう制度的見直しが行われているということを報告させていただきますのでよろしくお願いいたします。以上でございます。
○大石会長
 ありがとうございます。
 かなり法律的なことが入りますが,もし何かありましたら御質問等出していただければ幸いです。参考までに聞きますが,今後文化庁としてはどういう方針で臨まれるということになりますか。
○宗務課長
 基本的に一応,個別法で書いていただく,つまり現状のままということで。現行のままでと,意見を出しております。
○大石会長
 もし統一的に変わるとすると,現在,私どもの役割は,この審理官というところに形式上集約されるわけですね。統一的にこれになるとすると,そこまでにはならないのですか。
○宗務課長
 審理官と審議会との関係をどうするかというのがまだ方針がないので,今後の議論になると思います。
○大石会長
 審理官は単独なので,そこでしっかりと審議するためには,何らかの補助機関がなければ少し難しいかと感じます。大量な関係書類を積まれても困ると思います。

3.議題

○大石会長
 最後に全体を通して,御質問・御意見はありませんでしょうか。
 特に御質問等がなければ,本日はこれにて閉会とします。

―― 了 ――

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