第13期文化審議会第1回総会(第59回)

平成25年3月26日

【内田調整官】  それでは開会に先立ちまして,まず配付資料の確認だけさせていただければと思います。お手元の資料でございますけれども,クリップを外していただきまして,配付資料がございます。1枚目は議事次第でございまして,資料1が委員の名簿,資料2が審議会概要,資料3が委員の分属,資料4が文化政策部会の設置について,資料5が美術品補償制度部会の設置について,資料6が世界文化遺産・無形文化遺産部会の設置について,資料7が文化庁予算の概要,資料8が東日本大震災2周年に当たっての長官メッセージの資料です。このほか,参考資料1として文化審議会の関係法令,参考資料2として運営規則,参考資料3として会議の公開についての資料を配付させていただいております。このほか,机上資料といたしまして,第3次基本方針の資料も置かせていただいております。もし過不足等がございましたら事務局までお知らせいただきたいと思います。
それではただいまより,今期初回の文化審議会総会を開催させていただきたいと思います。委員の皆様には,委員を御承認,御快諾いただきまして,誠にありがとうございます。本日は初回の総会でございますので,後ほど会長を御選出いただく必要がございますけれども,それまでの間,私の方で議事を進めさせていただきます。文化庁政策課企画調整官の内田と申します。よろしくお願いいたします。
本日は下村文部科学大臣と丹羽大臣政務官が出席しております。開会に当たりまして,文部科学省を代表いたしまして,下村文部科学大臣より一言ごあいさつを申し上げます。

【下村大臣】  皆様おはようございます。このたび,文部科学大臣兼教育再生担当大臣を拝命いたしました,下村博文でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
今期初回の文化審議会総会の開会に当たりまして,一言ごあいさつを申し上げさせていただきたいと思います。このたびは我が国の文化行政の基本的方向を御審議いただく文化審議会の委員のお引き受けいただきまして,誠にありがとうございます。心より感謝を申し上げたいと存じます。この文化審議会は,平成13年の発足以来,我が国の文化行政に関し,これまで多くの重要な御提言を頂いてまいりました。今期も実り多い御審議を賜りますことを御祈念申し上げ,またお願い申し上げたいと思います。
我が国の文化の力は世界に誇る国力であると考えます。世界の中で我が国の現状を見据えますときに,世界に誇る我が国の文化の力というものが国際社会の中で存在感を示せる大きな力なのではないかと考えます。こうした文化の持つ大きな力の重要性にかんがみ,しっかりと国としてもバックアップをしていくため,平成25年度の文化庁予算においては,過去最高額の総額1,033億円を確保しております。
しかしながら,過去最高とは申し上げても,対前年度比では1億4,000万円増でございまして,国家戦略として力強い文化政策を打ち出していくには,まだまだ足らない予算であると感じております。実際諸外国の予算規模との比較でも少ないという状況がございます。国家戦略として,我が国の強みである芸術や伝統文化の一層の振興,文化を担う人材の育成,文化の国内外への力強い発信を進めていくには,これまでの枠組みにとらわれない規模の予算が必要であると考えております。そして力強い施策を大胆に講じることで,世界に誇るべき文化芸術立国を目指していきたいと考えております。
現在我が国を取り巻く環境は,経済的に困難な状況下にあります。こうした中,世界に誇る我が国の文化の様々な発掘によって,新たなビジネスチャンスを生み出す可能性もありますし,こうしたときだからこそ,文化を通じて東日本大震災からの復興はもとより,日本全体を元気にすることも重要であると考えます。
我々国民自身が日本の文化芸術のよさを十分に認識できていない,すばらしい魅力を掘り起こし切れていない,そういうようなこともあろうかと思います。こうしたことを含め,我が国は国家戦略として文化芸術の力をこれまで以上に力強くアピールする時期に来ていると考えます。
現在政府でも優れた日本文化をクールジャパンとして力強く国内外に発信すべく,安倍総理のイニシアチブのもと,クールジャパン推進会議を立ち上げ,検討が進められております。4月中に発信力強化の提言をまとめるべく,稲田クールジャパン戦略担当大臣を議長として,議論が進められております。
こうした流れの先陣を切るような,力強い施策の展開が文化庁には期待されていると考えます。文化芸術の振興は人間形成の活力ある社会構築に不可欠な投資であるとの信念のもと,様々な施策を実施してまいります。本日は皆様方からも忌たんのない御意見を賜れればと存じます。今後これから1年,どうかよろしくお願い申し上げまして,冒頭のごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  下村大臣はほかの公務がありますため,ここで退席させていただきます。
それでは,委員の皆様を,資料1の名簿に沿いまして,御紹介させていただきたいと思います。資料1をお開きいただければと思います。
まず,青柳正規委員でございます。

【青柳委員】  青柳です。よろしくお願いします。

【内田調整官】  石上英一委員でございます。

【石上委員】  石上でございます。よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  名簿上,次に記載の伊東祐郎委員と岩澤忠彦委員は欠席でございます。
次に内田伸子委員でございます。

【内田委員】 よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  大渕哲也委員でございます。

【大渕委員】  大渕でございます。よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  河島伸子委員でございます。

【河島委員】  河島です。よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  河東義之委員でございます。

【河東委員】  河東でございます。

【内田調整官】  神崎宣武委員でございます。

【神崎委員】  よろしくお願いします。

【内田調整官】  名簿で次に記載の熊倉純子委員と紺野美沙子委員は欠席でございます。
次に杉戸清樹委員でございます。

【杉戸委員】  どうぞよろしくお願いします。

【内田調整官】  鈴木規夫委員でございます。

【鈴木委員】  よろしくお願いします。

【内田調整官】  道垣内正人委員でございます。

【道垣内委員】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  都倉俊一委員でございます。

【都倉委員】  よろしくお願いします。

【内田調整官】  土肥一史委員でございます。

【土肥委員】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  名簿上次の西村幸夫委員は欠席でございます。
次に宮田亮平委員でございます。

【宮田委員】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  森西真弓委員でございます。

【森西委員】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  湯浅真奈美委員でございます。

【湯浅委員】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  続きまして,文科省,文化庁側の出席者を御紹介いたします。丹羽秀樹大臣政務官でございます。
近藤長官でございます。

【近藤長官】  よろしくお願いします。

【内田調整官】  河村次長でございます。

【河村次長】  河村です。よろしくお願いします。しばし中座させていただきます非礼をお許しいただきたく存じます。

【内田調整官】  作花審議官でございます。

【作花審議官】  作花でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

【内田調整官】  大木文化部長でございます。

【大木部長】  どうぞよろしくお願いいたします。

【内田調整官】  石野文化財部長でございます。

【石野部長】  よろしくお願い申し上げます。

【内田調整官】  大和文化財鑑査官でございます。

【大和鑑査官】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  佐藤国際課長でございます。

【佐藤課長】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  早川国語課長でございます。

【早川課長】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  江?美術学芸課長でございます。

【江?課長】  江?です。よろしくお願いします。

【内田調整官】  榎本記念物課長でございます。

【榎本課長】  よろしくお願いいたします。

【内田調整官】  村田参事官でございます。

【村田参事官】  よろしくお願いします。

【内田調整官】  出席者の御紹介は以上でございます。
それでは今期の文化審議会の会長と会長代理の選出をお願いしたいと思います。人事に関しましては非公開とさせていただいておりますので,恐縮でございますけれども,一般傍聴者の方はいったん御退室をお願いいたします。

(傍聴者退出)

※ 会長に宮田委員,会長代理に青柳委員が選ばれた。

(傍聴者入室)

【宮田会長】  それでは前期に引き続き,会長を拝命させていただきました。一生懸命頑張りたいと思いますので,よろしくお願いします。
ただいま下村大臣から大変力強いお言葉を頂戴いたしました。クールジャパンという言葉,それによって日本の国力・文化力を高めていきたいということでございます。私が思うのは,現存するものは当然のことながら,新しい発掘をして,そして発信していく。発掘と発信,この両方をしっかりとおさめることによって,日本の国力・文化力ができるのではないかなと思っておりますので,是非ともよろしくお願いします。同時に,この文化審議会というのは,まさしく日本の文化力・芸術力の発信の拠点であると,根幹であると私は思っておりますので,先生方の忌のない,自由で前向きなお話を御発言いただけたらと思っております。そのことが,強いて言えば,日本の国力が増せば,3・11以降の東日本の震災に対しての復興の下支え,後押しにもなるのかなというような気がしておりますので,どうぞ先生方のお力を頂戴したいと思っておりますので,よろしくお願い申し上げます。
会長のあいさつは以上です。 それでは,次に審議を進めさせていただきたいと思いますので,よろしくお願い申し上げます。
運営規則のことでございますが,その辺に入らせていただいてよろしゅうございますか。

【内田調整官】  はい。それでは今期最初の審議会でございますので,この審議会の概要と運営上の規則について,手短に御説明させていただきたいと思います。

【宮田会長】  はい,お願いいたします。

【内田調整官】  資料2でございます。そこに文化審議会の概要がございまして,1の設置の経緯といたしまして,平成13年1月6日,中央省庁再編に伴いまして,既存の複数の審議会を整理統合して設置されております。
2の主な所掌事務といたしまして,大臣や長官の諮問に応じまして,文化の振興,国際文化交流の振興に関する重要事項の調査審議,意見の陳述,国語の改善,その普及,文化芸術振興基本法など様々な法律の権限に属する事項を処理すること,そういったことを所掌としております。委員の構成は30人以内,任期1年となっておりまして,各分科会がこちらに記載のとおりの所掌事務を担当しております。
参考資料1,後ろの方でございますけれども,そちらに関係法令をつけさせていただいておりまして,まず文科省設置法でございまして,30条というところに設置根拠がございます。また文化審議会令といたしまして,政令の中にも文化審議会の組織や委員などの任命に関する様々な規定がございます。
参考資料2といたしまして,更に細かい,文化審議会の様々な細則を決定した文化審議会運営規則がございます。また参考資料3といたしまして,会議の公開について定めたものもございます。会長の選任など人事案件以外の会議は公開としております。会議資料,議事録も含めて公開すると定めてございます。
以上,説明申し上げました各規則に関しましては,前回,前期までの審議会のルールと全く同様でございます。簡単ですけれども,以上でございます。

【宮田会長】  ありがとうございました。今の,運営規則等に関する事務局の御説明でございますが,何かございますでしょうか。よろしゅうございますね。ありがとうございました。
それでは,前期に引き続きまして,今期もこの規則に基づいて,本会議の議事を進行していきたいと思っておりますので,先生方の御協力をよろしくお願い申し上げます。
それでは分科会,分属,それから部会の設置について議論したいと思いますが,これも事務局の方から御説明いただけますか。

【内田調整官】  本審議会の委員に関しまして,3月19日付で発令がなされておりまして,発令書が机上に置かせていただいております。分科会に属する方々に関しまして,分科会の分属を記しておりますので,御確認をいただければと思います。部会に属する方々に関しましては,部会設置をこの審議会で決定いただいてからになりますので,後ほど話題にさせていただきたいと思います。
各分科会のほか,今期は本審議会の下に3つの部会を設置することを予定させていただいておりまして,資料でいきますと,資料の4以降でございます。まず資料4ですけれども,1つ目,文化政策部会の設置についてです。この部会は文化の振興に関する基本的な政策の形成に係る重要事項を調査審議する部会について,設置しようとするものであります。その裏面には,この部会のメンバーの案を記載させていただいております。
次に資料5でございますけれども,美術品補償制度部会の設置についてであります。調査審議事項といたしまして,展覧会における美術品損害の補償に関する法律,12条2項の規定で,審議会の権限に属させられた事項といたしまして,政府が主催者と補償契約を結ぶ際の審議を行う,そういった部会でございます。同じように,この資料の裏面には,メンバーの案を記載させていただいております。
最後に資料6でございますけれども,世界文化遺産・無形文化遺産部会の設置についてでございます。調査審議事項といたしましては,世界遺産条約,無形文化遺産保護条約の実施に関しまして講ずべき施策,世界遺産暫定一覧表に記載すべき資産の候補の選定に関する事項,「世界遺産一覧表」に記載されることが適当と思われる資産の候補の選定に関する事項,無形文化遺産の目録の更新に関する事項,無形文化遺産の候補に関する事項などでございます。同様に裏面以降には,メンバーの案を記載してございます。
説明は以上ですけれども,これらの部会の設置に関しまして御審議賜れればと思います。

【宮田会長】  ありがとうございました。3月19日付でこの会議,審議会の下に3つの部会を設置するということでございます。それらの説明でございましたが,いかがでしょうか。
内田さん,分属と発令書に関する説明もお願いします。

【内田調整官】  机上に配付させていただいております発令書,こちらは3月19日付で委員が発令されましたということと,あとは分科会の分属に関しましては,大臣の指示に基づきまして分属すると法令上決定されておりますので,その分属が発令書に記載されております。

【宮田会長】  そういう流れでございます。
それでは,資料4,5,6も全部御説明いただきましたので,御異議がなければ次の議題に進みたいと思っておりますが,よろしゅうございますか。構成委員に関して,何かございますでしょうか。
この前の審議会のときにも大変大臣が力強いお言葉を頂戴いたしまして,今日もまた大変力強いお言葉を頂戴しました。この前の最後に予算を2倍,3倍にしたいという話をしたのが大変力強いなと。それ以外言っている話は全部忘れてしまいましたが,是非とも今回も非常に力強いクールジャパンというのをベースにしながら,文化の力ということをおっしゃっていただいたことに対して,私どもは是非ともその下支えと同時に,良い提言ができればと思っております。ありがとうございました。
さて,今までの内田さんからのお話の中で,何かご異議,あるいは質問等ございますでしょうか。
これから自由討議に移らせていただきたいと思いますが,その前に関係資料がございますので,内田さんからまたちょっとお話しいただけますでしょうか。

【内田調整官】  自由討議に先立ちまして,資料を説明させていただきたいと思います。大きく2つございまして,1つ目が平成25年度の予算案の概要,それともう一つが,去る3月11日に文化庁長官より東日本大震災2周年に当たってのメッセージというのを発出しております。その2つにつきまして,最近の動きということでございまして,説明させていただきまして,その後で質問や御意見を賜れればと思います。
まず平成25年度文化庁予算案に関する資料ですけれども,資料7を御覧いただければと思います。平成25年度文化庁予算案は,文化力による地域と日本の再生ということを柱といたしまして,大きく3つの施策に重点を置いて,予算編成を行っております。過去最高額の総額1,033億円,対前年度比1億4,000万円増を確保しております。その内容につきまして説明させていただきたいと思います。
まず1つ目ですけれども,豊かな文化芸術の創造と人材育成といたしまして,第一に1ページ目でございますけれども,昨年の劇場法の施行を踏まえまして,実演芸術の創造発信など様々な文化芸術,創造活動への効果的な支援を行ってまいりたいと思います。劇場・音楽堂等活性化事業ということで,30億円を新規事業として確保しております。
次の2ページ目に行きまして,(2)ですけれども,新進芸術家の育成,子供の文化芸術体験など,様々な人材育成を支援してまいりたいと思います。これらに66.3億円計上しております。
次に同じページ,2ページ目の真ん中の方に2という項目がございまして,かけがえのない文化財の保存,活用及び継承等といたしまして,まず第一に,我が国の宝であります文化財の復元整備・活用・継承等を推進します。また,各地域に所在する伝統行事や伝統芸能の次世代継承,親と子供が伝統文化に触れる体験事業など,様々な地域の活性化策を支援するものであります。これらに321億円計上しております。
次,3ページ目に参りまして,(2)文化財の保存修理等でございますけれども,建造物,美術工芸品の保存修理などを支援し,また防災対策などを充実するお金として120.6億円を計上しております。
次に同じページ,3ですけれども,我が国の多彩な文化芸術の発信と国際文化交流の推進といたしまして,まず優れた芸術の戦略的発信への支援,これは世界に誇る我が国の文化を国家戦略として発信していこうと,そういうものであります。例えば海外発信力の強化策といたしまして,東アジア文化都市の取組を2014年から開始することといたしておりまして,これらに35億8,000万円を計上しております。外国人に対する日本語教育の支援として2億円です。
また,次のページですけれども,文化芸術を支える基盤といたしまして,美術館・博物館などの国立文化施設の整備充実といたしまして,338億5,000万円でございます。
予算案の説明は以上でございまして,次,資料8でございますけれども,東日本大震災2周年に当たってというタイトルで,震災から2年目の節目に長官がメッセージを出しております。簡単に紹介させていただきたいと思います。
まず1ページ目,3つ目のパラグラフですけれども,文化庁は東北復興を最優先していくことを記しておりまして,更にこのページの最後のパラグラフのあたりですけれども,埋蔵文化財の調査に当たりましては,復興が不当におくれることは避けなければなりませんので,細心の注意を払っていること,そういったことを記しております。
更に次のページに参りまして,調査の迅速化を目指していることですとか,行政コストの軽減を減らすこと,そういった旨を記載しております。
そのページの,2ページ目の中段以降でございますけれども,文化財,文化芸術の力が様々な形で認識されるようになったと。しかし,それでもなおその力が社会で広く認識されていないように思われる,そういったことを記しております。
東北で実際に起きたことといたしまして,イ,ロ,ハ,ニでそれぞれまとめさせていただいておりますけれども,まず(イ)といたしまして,文化芸術は人がその感動や祈りを表現する重要な手段となると。(ロ)といたしまして,文化芸術には感動したり,勇気や希望を取り戻したり,対話を促すと,そういった効果もあるということ。(ハ)といたしまして,地域の連帯,結束を構築する力がある。またそういったものを取り戻す力があるということ。(ニ)といたしまして,文化芸術の持つ経済効果。(ホ)といたしまして,生活の中で無意識に伝えられてきた日本人らしい発想,先人の知恵の伝達,そういったことの重要性について記させていただいております。
最後に,この同じ資料の4ページ目の最後のあたりですけれども,文化庁といたしましても,文科省の横の建物の広場で,昨年文化政策部会から提言を頂いた冊子,震災からの創造的な復興に係るようなその冊子ですとか,文化財救出などの取組などのパネル,そういったものを展示するようなことを先日3月11日にさせていただいておりまして,その模様を紹介させていただいております。
大変かいつまんだ説明でございましたけれども,以上でございます。

【宮田会長】  ありがとうございました。内田室長より資料の7と8について御説明を頂きました。ありがとうございます。特に資料7につきましては,増減でいきますと1億4,000万プラスアルファということでございます。それをいかにうまく配分していくかということでございました。新規事業が大変面白いものがここに含まれております。それに関しては,大変今後それを進める上で期待をするものが多くのあるのではないかというふうな気がしております。
私なども大学人でございますので,文化庁から,大学からの発信ということに関して先般説明会を開かせていただきました。その折文化庁さんからおいでいただいた。全国の大学百数十校からその説明に対して来て頂きまして,大変やはり興味を持っているというか,前向きな姿勢を感じたという次第でございます。同じように劇場法についても,いろんな地域からの声を私もお聞きしております。これは大変期待すべきことではないかと思っております。
ここでしばらくお時間を頂戴いたしまして,これだけ先生方おいででございますので,御自分の専門も含めて,いろいろな自由討議ということでいかがでしょうか。忌たんのない御意見を賜りたいと思います。都倉先生,どうぞ。

【都倉委員】  都倉でございます。また今期よろしくお願いいたします。
私はこの名簿に作曲家,一般社団日本音楽著作権協会会長という役職が記載されています。多分後者が,私がここに参加している一番の理由じゃないかと思って,私も著作権部会に自動的に行くようになっておりますが,今回は前段の作曲家の方で,ちょっと御意見を申し上げられればと思います。この文化・劇場法をはじめとして,この劇場,音楽堂等の活性化事業というのは大変意義のある方向性だと思っておりますが,我々現場で劇場や音楽,演劇,踊り,舞台芸術,舞台装置なんかも含めて携わっている者としては,いま一つ具体性に欠けるという感じがいたします。
その一番の理由というのは,舞台芸術も音楽も優れた芸術を創造しなきゃいけないことは,これはもう言をまたないところでございますが,活性化という意味で,もし国として援助することができるとしたら,やはり商業演劇,商業劇場,商業……,興行といいますか,それを援助する,つまり良いものに対して,やっぱりお金が集まってくる。つまりみんながお金を払ってでも見たい。これは例えば御存じのニューヨークのブロードウェーとか,ロンドンのウェストエンドみたいなことを指しているのかもしれませんが,日本の今の問題というのは,劇場がすばらしいものができても,そこで演じる才能,あるいは創る才能,もちろんすぐれた芸術家はたくさんいますが,ちょっとそれが日本はほかの先進国に比べて弱いような気が,僕はしております。
その一番の理由は,やっぱり集客力がいまだ足りない点かと思います。最近都心でいろいろ新しい劇場ができております。渋谷なんかにも新しいミュージカル劇場ができておりますけれども,非常に集客力に苦労している。いろんな方向からもう一回精査しなきゃいけないものではないかと思っておりますが,例えば私がロンドンのウェストエンドでちょっと苦労しながら舞台を作っていたころに,ソサエティー・オブ・ウェストエンド・シアターズという,劇場のオーナーとロンドン市が補助金を出して,無名な芸術家,演出家,あるいは作曲家,あるいは脚本家に対して補助金を出す仕組みがありました。私も本当に少ない金額の補助金を頂いたことがありますが,これはあくまでもウェストエンドというのは商業劇場ですから,ここですぐれた上質な商業演劇を作るということに対する補助金となります。
そういう意味では,私は優れた芸術をただ創って,それで,ああ,良かったということよりも,やはり継続性があって,集客力があって,コマーシャルで,そういう分野の芸術,商業芸術に対して,是非目をもっともっと向けていただければと思います。
あと,会長は横綱審議委員で,僕もお相撲が大好きですが,スターがいないということで,集客がどーんと落ちているということは,これまぎれもない事実であります。若貴時代のあの栄光の大相撲に戻したいと,大相撲協会はみんな思っていると思いますが,それはどの分野にも言えることではないかと思います。まず集客ができ,そこに上質な芸術を見せるための援助ができれば,このすばらしい劇場法というものが更に発展するのではないかと思いました。長くなりましたが,ありがとうございました。

【宮田会長】  ありがとうございます。集客力,商業性,そしてそれが上質になるという,大変すばらしいお言葉を頂戴しました。
今日は有り難いことに時間がまだございます。いろんな分野の先生方おいでですが,はじめに,都倉先生に1つの皮切りをしていただきました。
ほかの先生方,いかがでしょうか。神崎先生,いかがでしょうか。

【神崎委員】  よろしくお願いします。文化資産を生かした地域活性化事業,これを新規に立てていただきました。それから次代を担う子供の文化芸術体験事業,これも加わっておりますので,私は大いに心強く思います。
ただ,実際に地方もいろんな規模といいますか,レベルがあるんですけれども,小さい地方の単位で言いますと,伝統的な行事の維持が一般に難しくなっております。ですから,新しい芸術活動を生むとか,あるいは上質な芸術活動を呼んで,そこへ参加する,鑑賞するという機会を作ることも大事なんですが,やはり村の伝統をどういうふうに考えるかという基本的な問題がありまして,そこへ子供たちをどうつなぐかということをそろそろ考えないといけない時代だろうと思います。例えば,地域社会と学校がかつては濃密に結びついていたのが,今その結びつきが希薄になっている,そういうところが多いと思います。
私たちの子供のころは,年に1度の大きな祭りのときは学校が休みでした。あるいは半ドンで早引きしました。それで大人たちがやっているそういう伝統的な行事の周りでうるさがられながらもまとわりついたことが,やがてある年齢になると,それを伝えるそばで力を発揮することになるのでありまして,その体験がないと,次の代を考えることは非常に難しいことになります。
もちろん,政教分離とかいろんな問題がありまして,簡単ではないとは思いますが,学校教育の中へ地域の伝統的な行事をどのように取り入れていくか,あるいは1年に1回か2回はどう結びつけていくかということを具体的には考えなくてはいけない時代が来ているように思います。その伝統行事,伝統文化だけではなくて,経済を含めて日本の小さい単位の地方は,もう危機に全く面しているところが多いんですが,そういうこともどこかで取り上げて,取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いします。

【宮田会長】  突然で申し訳ございませんでしたけれども,小さな単位がむしろ本当にまさしく石垣が積み重なっていくように大きな単位になっていくと思いますので。ありがとうございました。
それではいかがでしょうか。なるべく早めに手を挙げた方が,人に言われたという前に良いことを言ったなと思われますが,いかがでしょうか。森西委員,いかがでしょうか。突然やりますから。

【森西委員】  関西から参っております,文化財分科会の森西でございます。私,古典芸能が一応専門ということになっておりまして,何年か前のこの席で,文化の質というものは数字では計れないんだということを申し上げまして,後で余りにも当たり前のこと,皆さんもよく御承知のことを申し上げてしまったわと反省したんですが,その後関西の方では文化の質が数字で判断されるようになってしまいまして,もう皆様御承知だと思いますが,文楽への補助金は入場者数の目標というものが設定されまして,それに到達しないと全額カットなどという話も出てまいりまして,時代がそこでは後退しているような感じを持っております。
また,アーツカウンシルも導入されるということになりまして,文化政策部会の方で御検討いただいているということでございまして,震災からの復興もものすごくというか,一番大切なんですけれども,是非本当のことといいますか,日本らしいアーツカウンシルの在り方,お手本,指針をお示しいただけたらなと思っております。
私,危惧しておりますのは,アーツカウンシルがその補助金カットの方に使われるのではないかなということがとても心配で,そういうことにならないように,是非正しいアーツカウンシルを湯浅先生,よろしくお願いいたします。

【宮田会長】  今ちょうどアーツカウンシルのお話が。あれは決してマイナスの評価ではないという日本版のを意識しているときに,湯浅先生が大変御尽力していますが,いかがですか,その点に関して。

【湯浅委員】  今,お話が出ましたアーツカウンシルにつきましては,もう長い,何年も議論がありまして,各自治体の方でも設置も進んでいて,文化政策部会でも引き続き今年度もお話をしていくことだと思いますし,特にアーツカウンシル,この間アーツカウンシル・イングランドの方が来たときには,アーツカウンシル・イングランドというのは助成機関ではなくて,ディベロップメントエージェンシーだということを力強くおっしゃっていました。セクターをディベロップして,発展させていくための機関だということだと思います。そのためには,その国としてのビジョンを持って,どういうふうに発展していくかということを一緒に皆様と考えていければと思いますが。
1つちょっと今回の予算の資料を拝見したところで少しお話をさせていただきたいんですけれども,非常に劇場法の流れの中で,劇場,音楽堂等の活性化が新規で大きく予算がついているというのはとても心強いことだと思いますし,また先ほどもお話がありました次世代の子供たちの文化体験の方にも予算が増えていて,国としてのそういった分野に注力していくということが予算にも見えて,とてもすばらしいことだと思うんですが。ここ数か月,私どもの事業で,オーケストラとホールの御関係の日本の若い方といいますか,現場でやってらっしゃる方を,英国への研修で特に地域との連携と音楽教育の分野でプログラムを組みまして,いろんな英国のオーケストラですとか,ホールの実践を一緒に見てきて,意見交換をしてきまして,帰ってきて1か月後の3月5日にフォーラムをしたんですね。近藤長官にも御参加を頂いたんですけれども,非常に皆さん今熱くて,その行かれた方々が時間を1時間ぐらいオーバーして,発表をしてくださったんですが,とても何かを変えていきたいという声が今非常に多くて,それを御覧になったオケの,ずっとオケをやっている面々ですとか,先導してくださったもっと上のリーダーの方々も,実は日本のオーケストラの文化の現場にこんなに意識の高い方々がいるんだということで感動したという声も頂いたんですね。
きのう,実は時間がなくなったので,続きの座談会をちょっとイッカン,ユーストリームで公開しながらやったときに,演劇の関係の方もお越しいただいて,あと伝統芸能の方もお越しいただきまして,皆様参加された方の発言にとても触発をされて,とても衝撃を受けたので,是非お話をしたいということで来てくださったんですが,その中でとても多く出てきたのが,新しい取組をしてみたい,音楽の教育ですと,こちらにある子供たちへの新しい事業ですとか,地域との関係の新しいプログラムをこれからやって,もっと違った形をやっていきたい。その中でいろんな障壁が,なぜかなかなか新しいことができにくいのは組織内の障壁だったり,あと助成金の中で今拝見している事業予算,事業についての予算が非常に多いと思うんですけれども,完成された今まである既存の事業を継続していくための助成というよりも,少しパイロット事業のような新しい取組ができるようなことにも少し若い,その意識のある方々が取り組めるような少し枠があってもいいんじゃないかという声が非常に出てまいりましたので,ちょっとここで披露させていただければと思いました。
あともう一つ大きく出てきたのが,パートナーシップという言葉が現場の方の中でもとても大きく出てきています。きのうもオーケストラ関係の方と,あと演劇の方々が全く同じ,なかなか同じ場所でお話しすることがないんだと思うんですが,1つのテーブルを囲みながら,一体地域との関係は何なのかとか,アートというものはそもそも社会にどういう意義があるのかということを自分たちの言葉で一緒に探しているというのが,私も一緒に拝見をして,お話をして,とても心強かったので,あとは特に学校との連携ということも非常に出てきていまして,先生方が今苦心して,文化的なプログラムをしているときに,なかなか先生方との実は対話の機会がなかったというようなことも声が出てきていまして,その助成の枠組みの中と,今この中で人材の育成ということも予算の中にあると思いますけれども,現場でやっている方々の声を,なるべく,例えば文化政策部会でも引き上げながらサポートをしていくような新たな支援の枠組みですとか,先進的な取組をプッシュできるようなことができるといいのかなと思いました。

【宮田会長】  ありがとうございました。パイロットね,それから,要するに生きたこの少ない予算……,すみませんね,長官。この少ない予算でも,それをいかに生かすかということかと思います。大変いい御提案を頂きまして,ありがとうございました。
いかがでしょうか,あと大渕先生あたりいかがでしょうか。

【大渕委員】  私,知的財産法という法律を専攻しておりまして,その中ではこの著作権法というのは非常に重要な役割を果たしておりますが,ここの審議会の対象であります文化というのは非常に幅が広くて,いろんな面があって,一言ではもちろん言い尽くせないようなものがありますが,その一隅でもって,この著作権法というのが,著作権法をごらんいただきますと,第1条というところに目的というのが書いてありまして,長々と書いてありますが,最後は,「もっと文化の発展に寄与することを目的とする」ということで,文化とぱっと聞いたときに,著作権というのは著作権というのはイメージとしてすっとはこないかもしれませんけれども,文化の発展のために大きな,もともと法律というのは地味な存在でありまして,ここにいると痛感いたしますけれども,ふだんは気にしないけれども重要な役割を果たしている,いわゆる縁の下の力持ちのようなところがありまして,著作権法というのはまさしく著作物,実演,レコード,放送,有線放送などに関して保護を与えて,まさしく著作権法が言っているとおりでありまして,これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ,著作者等の権利の保護を図り,もって,先ほどの一番後の,文化の発展に寄与することを目的とするという,そういう非常に縁の下の力持ち……,新聞などを見ると非常に目立つんですけれども,文化との係わり合いというと,ややイメージ的に遠いかもしれませんが,いろいろな面で先生方が展開されている文化的な活動をお支えしているつもりでございますので,とかく法律というと,何かちょっと敬遠されがちでありますけれども,そういう意味では予算とかそういうものとも結びついておりますけれども,見えない形で文化をお支えしているということで,動きの非常に激しい分野でありますが,これは著作権法をどう持っていくかで,我が国の文化にいろいろな形で,直接にも間接にも大きな形で影響を与えるので,我々も大変に法律の方も改正の動きも早うございますし,技術やあるいはビジネスモデル,その他の社会的な環境も日々激変しておりますので,そういう中で,最終的な目的は,先ほども申し上げましたとおり,そういうことでいろいろ我々知恵をひねりまして,文化の発展に寄与することを目的とするということでございますので,とかく細かい話が多かったりして敬遠されがちですけれども,皆様の文化のために我々も微力ながら汗をかいておりますので,そこの点だけ御理解いただければと。こういう場で突然御指名されて,全く準備しておりませんけれども,そういうことでございますので,よろしくお願いいたします。

【宮田会長】  ありがとうございます。まさしく特に著作権に関しては,昨今は非常にメディアに関してもいろんな部分で微妙な部分がありますが,足かせではなくて,もって文化に貢献するというその一言は大変力強いことだと思っております。守るのと同時に攻めることのできる部分かなという感じがします。ありがとうございました。
ほかにいかがでしょうか。道垣内先生なんかいかがでしょうか。

【道垣内委員】  私も法律をやっていまして,日ごろは潤いのない生活をしているわけですが,その中でもしかし著作権の関係に関与させていただいていて,ただ私自身は著作権の専門家ではなくて,国際的な法律問題の専門家で,その中の一部として著作権にかかわっているわけですが。
その観点からしますと,今どんどん外国に日本の文化を輸出していこうと,漫画も含めて,あるいは秋葉原の文化も含めて,そういう動きになっているのは非常に,私の分野とも関係が深いものですから,関心があるんですけれども,なかなか,まだこの分野の人たちのリーガルって法律についての認識が必ずしも深くなくて,契約もきちんと結ばないで出ていこうとするといいますか,そこにお金を使わないというか,使うお金もないのかもしれませんが,使わないでやってしまうと,将来的には相当な損をする可能性があって,貴重な財源に,将来に還元すれば,日本の次の創作に使えるような資金が入ってくるべきところが入ってこないというおそれがあるので,そういうところにも目を向けていただいて,これは文化庁の予算はそこまで目配りができるのか,あるいはもっと違うところの話かもしれませんけれども,ただ関係者にはそのことをよく啓蒙(けいもう)といったら失礼ですが,啓発というか,認識をしていただいて,将来にわたってうまく回転するようにしていただければなと思っております。

【宮田会長】  はい,ありがとうございました。我が大学にも今,アニメの学科があるわけでございますが,それをそのまま海外へ持っていったときに,まさしく今,先生がおっしゃったようなことで,非常に安易に持っていくことによって,本来でしたら大変な資金になるものが,非常に安価な状態で流出してしまうというあたりが大変もったいないなと思っているので,是非是非と思っております。ありがとうございました。
さあ,じゃ,そろそろ違う分野に行きたいと思いますが,鈴木先生,文化財関係はいかがでしょうか。

【鈴木委員】  2つのことを簡単にお話ししたいと思いますけれども,1つは今回の審議会の議題じゃないと思うんですが,震災の支援の話なんですけれども,文化庁さん,もちろんお伺いしたわけで,提言でもありましたような持続的支援とか長期的支援,あるいは平時からの体制整備と書いてありますけれども,今,支援委員会,今月で一応終わりなんですけれども,文化庁さんでは継続的なことを考えていらっしゃる,形は変わるんでしょうけれども,いらっしゃるということであります。しかしながら,まだまだ長い期間が掛かりそうな気がいたしますし,直下型とか東南海地震とか言われておりまして,そのための準備,対策も必要だと思いますので,是非継続的と同時に常設的な機関を設置していただけるといいのではないかということもありますし,それから文化庁内部の体制も,何かそういう専門部署を設置していくと,総合的な統括的な対応策がとられるのではないかと感ずる次第でございます。
それから地域振興といいますか,創造的な復興ということでありますけれども,私も東北の出身なものですからある程度分かるんですけれども,地域の事情って様々でありますし,また状況も違うわけで,是非,これは当然のことでありますけども,地域の人々の意見を中心とした取組を是非やっていただきたいと思います。
それから,これは実際はそうではないんでしょうけれども,どうしても文化庁がやることですから,文化財を活用した,文化財とは何かというと,国指定,県市町村指定と捉えられがちなんですね。ですけども,文化財的なものというのはいっぱいあるわけで,膨大な数があるわけですし,是非それも含めた活用策,いろんなことが考えられると思いますが,例えば工芸的なもの,民俗技術的なもの,伝統的な地場産業なんかもありますですね。あるいはそれも失われたもの,またそれを復興するような施策,それから民俗技術なんて,最近文化庁さんが始められていますけれども,食文化を中心とした活性化支援,まあ当然考えておられると思いますが,そういうもの,幅広いものを同時にやっていかないと,1つだけやってもなかなか難しいのではないかということがありますし,また文化庁だけではどうしてもできない部分というのは出てくるわけですね。通産とか国交との連携も当然取り組んでいかなければいけないと考えるわけです。
それからもう一つ,お2人の委員からもありましたけれども,やっぱり地域の生活に結びつく,余りきれいごとばかりやっていても上っ面なものになってしまいますし,継続できないんだろうと思います。やはり生活に結びつく産業技術という話がありましたが,そういう地場産業もそうですけれども,そういうものと結びつくような,文化庁どうしても,余り金もうけのことを考えないわけですね,私自身もそうなんですけれども。是非それも視野に入れた取組をやっていただければ良いなと思っている次第でございます。

【宮田会長】  ありがとうございました。文化芸術は力なりと,もしなる場合は,やはりそこには産業と経済力が当然生まれてくるというのは大事なことではないでしょうかね。ありがとうございました。
河島先生,いかがでしょうか。

【河島委員】  今回初めてこちらの委員に就任いたしまして,どういうお話を皆さんでされるのか,ちょっとまだ感じがつかめなかったんですけれども,今日拝見した資料で,私,文化政策部会というところが一番関係あるかと思いますので,まず資料で拝見した文化庁予算と,そのプロジェクトについてのちょっと感想を述べさせていただきますと,文化政策として非常に今までこういうふうにするべきだと言われていた,例えば子供たちへの従来型の文化庁,一番文化政策で大事なことは,優れた文化を創り出して,それを普及させていくということだと思いますけれども,それ以上に踏み込んだ,更に地域の発展にも尽くすべき,活用していくべきだという視点であるとか,それから次世代の若い人たちが鑑賞する機会に対して,もう少し支援していこうとか,あとは連携を意識した話なども随分散見されますので,非常に今までの文化政策部会の先生方の助言というのが反映されているのではないかと想像しますけれども,とても良くできたあれだと思いました。
あとはこの政策の実行と評価によって,また更にディベロップしていったら良いのではないかなと。そのために,少しでもお役に立てればと考えております。
あと,もう一つだけなんですけれども,私,大学では経済学部で文化経済という授業を教えておりまして,いろいろなことを教えているんですけれども,ハリウッドの映画のことなんかもやっていますし,本当にいろいろな要素が入った授業なんですけれども,ちょっと今日NHKの朝のニュース番組を見ていたら,シイタケの栽培する会社が,恐らく中国などから輸入されるシイタケにもう値段的には到底対抗できない。それで非常に多分いいクオリティーのシイタケなんですけれども,値段的には勝てないということで,どうしようかということで,キャラクターを作って,しいたけ侍とか何とかいうようなキャラクターを作って,そこに非常に投資をしてきた結果,愛されるブランドとなって,ブランドになったわけですね。従来のシイタケから何とかというブランドに変わって,それの結果非常に売上げも伸びてきていて,その栽培工場の社長さんがブランド育成,そのキャラクターに投資してきた結果がこの我々の成功だと言っている話が非常に興味深く,このような話は全国に山ほどあるわけですけれども。これは文化経済の本当に典型的な一例でして,物だとか商品としてのクオリティーは高くても,その裏にある文化であるとか,何かそういったクオリティーの高いものに対して,やはり日本として今非常に投資していかなければいけない,そういう時代になっているなということを学生にも日ごろ山ほどこういう事例はあるので,話をしているんですけれども,今日たまたまそんなものを見ましたので,ちょっと御紹介がてらお話ししました。

【宮田会長】  ありがとうございました。そうですよね,本当に,日本の物ってすごいんですが,なかなかそれを日本人同士で見ていると気付かないというのがあるので,特に政策部会,審議会の中ではこういう方に投資しながら持っていくという考えを持っていきたいと思っています。
もうちょっと時間があるので,内田先生いかがですか。名指しでやらせてもらっておりますので。

【内田委員】  筑波大学の監事をしております内田伸子と申します。前任はお茶の水女子大学におりました。それでまず3点,私の課題を話させていただきたいと思います。
文化庁の審議会の委員としては,国語分科会でこれまで活動してまいりました。まず敬語委員会で敬語の策定をいたしました。5種類に変えたという。それから次に漢字小委員会で常用漢字を196字,増やさせていただきました。昨年はやはり現代の国語の課題は何かということで検討してまいりまして,やはりコミュニケーション力,それからお役所の作る文書の分かりにくさ,これを何とかしないといけないのではないかということが課題として浮かんでまいりましたので,特に漢字も増えたり,あるいは一部減ったりいたしましたので,それについて具体的に検討していくことになろうかと思います。それが文化庁の国語分科会での国語課題検討小委員会での課題でございます。
そして,個人的には,私自身,発達心理学が専門なものですから,子供たち,幼児期後期から9歳ころまでの放課後の学びの時間というのが非常に貧しいというようなことに問題を感じておりまして,学童クラブや子供放課後教室,あるいは福島の子供たちの放課後の学びを支援するようなプログラムを作れないものかということで,お茶の水女子大の仲間や,附属小学校のスーパーティーチャー,それから筑波大学に移ってからは,筑波大学の仲間たちと子供の学びを応援する「楽習のアトリエ」プロジェクトやろうと考えております。言葉,算数,サイエンスという3つの領域に加えて,アート,このアートの中にはもの作り,それからもちろん絵画,身体表現,造形,そういった表現活動をカリキュラムの中に入れるという方針で,「楽習のレシピ」と呼ぶカリキュラムを作り上げたところでございます。
そして,やはりそれを楽しく体験しながら学力基盤力を身につけるという学びの場を提供したいと計画しております。よい学びが行われるには指導者の力量があることが不可欠ですので,将来教員を志望している大学生にインターンシップとして,スーパーティーチャーと組んでの,「ティームティーチング」を体験します。「楽習支援士」の資格を認定しようと考えています。このようなワークショップ型の研修会をやりまして,そういう資格を持った方たちがあちらこちらの小学校や幼稚園の年長クラスなどで楽習のアトリエ活動を展開したいと考えております。このプロジェクトではアート分野の表現活動を大事にしています。いよいよ今年の夏あたりから実施に入りたいと,そんなふうに思っているところでございます。
現在,日本の高校生の学力低下が問題になっております。これは「経済協力開発機構(OECD)」が世界の学力比較調査というのをやっておりますが,日本の高校1年生は,「活用力」つまり,考える力や記述力がほかの先進諸国の高校生に比べて低く,先進諸国では最下位の成績をとっている状況でございます。しかも,活用力が低いのは高校生だけではなく,文部科学省が小学6年生,中学3年生全員を対象に実施している学習内容到達度調査の学力調査においても,暗記で答えられる課題についてはほとんどクリアしているのに,活用力・応用問題を解く力が足りないということが明らかになり,文科省は教育改革を行いました。ゆとりの時間をなくして主要教科を増やしたのです。その結果,表現科目であるアートや音楽,体育などの時間数を減らし,もの作りの科目である技術家庭科の時間数を減らしてしまったのです。
しかし,理性は感性と一緒でないとうまく働かないということで,やはりアートの部分というのを大事にしたいと私は思っておりまして,この文化庁のパワーポイントにもあります次代を担う子供の文化芸術体験事業などにもうまくリンクするような形で,子供たちにアートを体験させたい,そんなふうに願っているところでございます。
これが個人的な課題でございまして,3つ目が,今,筑波大学で監事をしておりますけれども,芸術系の学生,大学院生たちの作品を随分見る機会がございました。すばらしい作品が創造されております。更に芸術系の先生方は附属病院をフィールドにして,アートマネジメント人材を育成する活動に取り組み始めていますので,2013年度創設されたこの事業,育成事業に応募していただくよう御相談したいと思います。以上,3点,私の今年度の課題を述べさせていただきました。

【宮田会長】  ありがとうございました。まさしく大学から文化力ということが今,先生から述べられていただいたと思いますが,先般おいでいただいた部課長さんから,大学からということで御説明においでいただいたときには,私はちょっと錯覚して,自分の至らなさを感じたんですが,芸術系の大学が来るだろうと思っていた。そうすると五,六十かなと思ったんですが,全く芸術に関係ない大学の先生方が非常に興味を持っておいでいただいたという事例があるので,これは大きな広がりになるのかなという気がいたしました。先生ありがとうございます。頑張っていただきたいと思います。だからといって,採択されるかどうかは別でございますけれども,是非通っていただきたいと思っております。ありがとうございました。
あと7分ぐらいなんですけれども,御指名されなかった先生がいますが,その中で今度は……,ああ,杉戸先生ありがとうございます。先生,3分ぐらいで終わると,あと何人かいきますが。恐縮でございます。

【宮田会長】  ありがとうございました。まさしく大学から文化力ということが今,先生から述べられていただいたと思いますが,先般おいでいただいた部課長さんから,大学からということで御説明においでいただいたときには,私はちょっと錯覚して,自分のいたらなさを感じたんですが,芸術系の大学が来るだろうと思っていた。そうすると五,六十かなと思ったんですが,全く芸術に関係ない大学の先生方が非常に興味を持っておいでいただいたという事例があるので,これは大きな広がりになるのかなという気がいたしました。先生ありがとうございます。頑張っていただきたいと思います。だからといって,採択されるかどうかは別でございますけれども,是非通っていただきたいと思っております。ありがとうございました。
あと7分ぐらいなんですけれども,御指名されなかった先生がいますが,その中で今度は……,ああ,杉戸先生ありがとうございます。先生,3分ぐらいで終わると,あと何人かいきますが。恐縮でございます。

【杉戸委員】  国語分科会に分属します杉戸でございます。ちょうど1年前のこの会でも同じようなことを申し上げたんですけれども,今日の25年度の文化庁予算,金額はともあれ,その項目の中に言葉とか方言とかそういったことが明示的には入っていないということについてです。外国人への日本語教育の予算,これが予算の資料の3ページに,下の方に入っていまして,重点的に進められるという姿勢が表現されていると,それは分かるんです。
ただそういう領域ではなくて,日本語を母語にする我々日本人の国語,言葉,特にごく日常の地域の方言,そういったものがどういうふうな課題を持っているのかということを考えます。特にこの3・11の震災後,東北地方の各地の地域方言が,その地域方言を営んでいた,方言で営まれていた地域社会自体が崩壊したということに対して,既に文化庁での委託研究事業でしょうか,そういったことが進められてきていて,つい先週にもその報告会が繰り返し行われていました。
今日ここで申し上げたいのは,先ほど鈴木先生もおっしゃいましたが,その継続性です。特に,震災で拡散,散逸してしまいかけている地域方言を,何とか保存し,そして継続させていく,そういう力を支える事業を更に継続させていっていただきたいと,そんなふうに思います。
委託事業がこの先どんな予算配分をされていくのか,私全く知りません。けれども,そういった政策の中で位置づけていただきたいと思います。長官のメッセージ,先ほど資料を拝見しましたけれども,2ページから3ページに(イ),(ロ),(ハ),(ニ),(ホ)と項目がありまして,その主語はすべて文化芸術になっていて,文化芸術にはこういう特徴があると書いていらっしゃいます。勝手ながら,そこに地域方言と置きかえても,すべてぴったり当てはまるんですね。例えば,(ハ)の「文化芸術には地域の連帯と結束を作り,取り戻す力もある」,これを「地域の方言には」と入れかえるとぴったりすると思うんですね。そういったところに注目するような事業を粘り強く継続させるという,そういうことに何か意を配っていただければと思います。ちょっと3分を超えました,失礼しました。

【宮田会長】  ありがとうございました。早いものですね,先生。1年たちましたですね。なくなりつつある方言についてというのに,大変私も感銘深くお聞きしていました。

【杉戸委員】  同じことを申しました。

【宮田会長】  土肥先生,いかがですか。

【土肥委員】  毎期ここに,この時期申し上げておるんですけれども,文化庁予算1,000億のうちの大体6%が人材育成の予算になっている,この傾向は変わらないわけでありますが,それを補うべく,例えば民間の寄附のようなそういう仕組みはできないかということをかねてからお話ししたわけです。日本全国これだけタイガーマスクが多いわけですから,文化の面においてもそれができるのではないかと思っておるわけですけれども,本日は少し別の観点でお話ししようと思うのは,どんな芸術家であろうと,クリエーターであろうと,その方が若いときは,その先人の成果を踏まえて,それで偉くなられて,有名になられて,今日に至ると。その方の成果物は死後50年保護されるというのが現在の仕組みになっているわけです。
で,昨今TPPという話がかなり具体化しております。1つの市場ができる場合,そこには同じルールが確立する必要があるわけでありまして,欧州共同体のとき,実はドイツだけが死後70年で,それ以外の国は30年とか50年,そういう状態だったわけですが,結局70年にそろえたわけですね。こうならざるを得ない。
日本がTPPということになってくると,日本は50年ですけれども,恐らく長い国はそれに合わせよとこういうふうになってきて,議論になってくると思います。そのときに,ベースがベルヌ条約という,その現在ある保護の仕組みを前提にするのであれば,50年は当然保護しなければならんわけですけれども,例えばその先の20年というのは制度の自由設計が可能なはずなんですね。
先ほど申し上げました,今現存の芸術家の方があるいは亡くなっている方が,死後50年保護されるのが70年になるわけですけれども,この延びる20年について,その方は,その利益を受けるということに関して,従来若いときに先人から受けたそういう成果に対する何らかの貢献を次の世代にすべきではないか,つまりその成果を後の世代の人に対してつなぐ必要があるのではないかと。つまり,言ってみれば1つの世代とその次の世代間の契約ですけれども,そういう大きな世代間の契約があって,次の若い世代のために延びた20年から生ずる対価的な利益の一部を人材育成に充てることがあってもいいのではないか。
もちろん,大体70年になっても,ほとんどの著作物は意味を持ちません。持つものは恐らく現在有名な方のものだけなんですね。ですから,このTPPでどういう議論になっていくか分かりませんけれども,ベルヌ条約がベースになる限りは,死後50年以降70年までの間の制度設計というのは,各国に議論の余地,検討の余地が残されていいのではないかと思います。恐らく今後TPPとの関係で保護期間が問題になってくると思いますけれども,こういうことを前提にいろいろ調整していただければと思います。以上でございます。

【宮田会長】  ありがとうございます。あとお2人の先生がお話をなさっておりませんが,大変ちょっと時間が短くなってきたんですが,恐縮でございますが,河東先生お願い申し上げます。

【河東委員】  文化財分科会に属しておりますが,河東と申します。専門は建築,建造物,あるいは町並みの方ですので,今回の東日本大震災では東北・北関東でかなりこういう動産といいますか,建造物・町並みが被害を受けております。そのことについてちょっと1つ。
私は北関東を中心に,少し今でも復旧にかかわっておりますが,非常にはっきりした特徴は,伝統的な,あるいは歴史的な建造物の今回被害を受けたものに共通するのは,戦後あるいは近年ほとんど修復がされていないです。戦後や近年に修復された建造物というのは,特に一番被害件数の多かった北関東でいいますと,ほとんど被害を受けていないんですね。震度5強,6弱でもですね。まあ特に屋根であるとか壁であるとかというところの被害が大きいわけですが。つまり本来歴史的な,伝統的な建造物というのは,かつては定期的に手を加えて,傷む前に修復を繰り返しながら保存されてきた。
ところが戦後は所有者も,あるいは社会的にも,そういった意識がどこかへ飛んでしまった。つまり発展経済成長の中でですね。で,戦後何もやらなかった,そういった100年,200年たったような建物が今回の地震で大きな被害を受けたんですね。
まあ,この辺は今回被害を受けたところでは大きな教訓にしなきゃいけないし,逆に言うと,最大の防災対策は何かというと,戦前まで行われてきたように,定期的に修復をしておくこと。どこか壊れたから直すんじゃなくて,壊れる前に定期的に屋根を変え,屋根の下の土を変え,壁の仕上げを変え,というようなことを定期的にやる必要があるだろうと,これは今回の大きな教訓だろうと思っているんですが。
それに関して,この予算のかけがえのない文化財の保存,活用というところでかなりの予算がついているのは大変喜ばしいと思うんですが,この中で分科会というのは日本,今,資源の話が随分マスコミ,海底資源の話がにぎわしていますけれども,私は非常に大きな固有の資源だと思っていますね。だからこの資源を活用することに異論はないんですが,さっき言いましたように,この資源をきちんと保存するためには,壊れたところだけ直していたのでは今回の教訓にならない。そういう意味で言いますと,文化財の修復というのはもう少しきちんとした資源,保存するという点でも予算を割いていただきたい。
同時に,実は今回被害を受けた建物というのは,ここに書いてありますように文化財は744件なんですが,文化財候補と言われる何らかの事情で,価値が落ちるのではなくて,まだ登録にもなっていないような文化財が非常に多く被害を受けています。こういったものを,もう少し資源の拡大ということで目を向けて,文化財化していくということが必要なのではないかと考えています。

【宮田会長】  ありがとうございました。石上委員,恐縮ですが。

【石上委員】  私は歴史の方でございますけれども,文化政策部会というのがあるので,そこに期待したいことを1つ申し上げます。これはこの1,000億の予算の中の約半分が,今お話があったかけがえのない文化財の保存,活用及び継承なんですけれども,これを現在担う学芸員又は専門職員,それから今後その未来にということで,それを基盤を作っていく職員たちが,どれだけ今,問題を抱えているのか,そういう実施する,地方公共団体ですので独自の,しかもそこは教育委員会というふうに,二重に独自の存立をしているところでありますけれども,上から目線でそれを統治することはできない,してはいけないわけなんですが,日本のその文化財の現場の行政がどういうふうな問題を抱えているのかということをきちっと今明らかにしないと,今後30年,50年の体制が作れないのではないかと思っております。
20年前には考古学の著名な先生が,考古学者は1人年間1億円を使っているんだと,そういうようなことであったんですが,その1億円を使うということがどれだけ大変な仕事なのか,それはどれだけ学術文化に還元されるのかというようなことも含めまして大きな問題があったわけですけれども,是非学芸員,専門職員の体制がこの予算を担っていく仕組みとしてどれだけ機能し得るのか,またどういう点に問題があるのかということを是非政策的に検討していただければと思っております。

【宮田会長】  ありがとうございました。シナリオの中に,先ほど内田委員がおっしゃいましたが,お役人さんの文章はかたいというふうなことがございました。意見が少ない場合には早めに打ち切って結構ですと書いてあったんですけれども,ちょうどぴったり全員のお話を頂戴して,これからの1年間を是非是非実りのある文化審議会,それぞれのまた部会になっていただけたらと思っております。
私はきのう卒業式で,ちょっといろんな話をしたんですが,大したことは言っていませんが,負の遺産というふうなものがあったときというのは,負はもうチャンスだと。弓や矢を考えてくれ。矢が飛ぶには,安倍さんも3本の矢とか言っていますが,矢が飛ぶには,引っ張らなきゃ,マイナスに引っ張らなければ前には飛ばんのだと。マイナスになっているということは,むしろ前に飛ぶ最大のチャンスであるから,マイナスのときにへこむんじゃないぞというふうな話をちょっと何人かの学生にしたときに,とても,よし,荒野に旅立てるという勇気を持ったというようなことを感じました。
今,本当に国難でございますが,それをあえてプラスに持っていくには,危機こそ逆に大きなプラスになるのではないかという感じがいたしました。先生方本当にありがとうございました。多くの御意見を頂戴いたしました,いい文化審議会になるのかとかように思います。
それでは事務局の方,1つまとめの方をお願い申し上げます。

【内田調整官】  今後のスケジュールですけれども,当面各分科会・部会ごとに会議を開催していくこととなります。各分科会・部会の庶務を担当しております課から,それぞれ今後日程の連絡などをさせていただきたいと思います。
あと今日,机上に委員の発令書を置かせていただいておりますので,そちらの方はお忘れなくお持ち帰りくださるようにお願い申し上げたいと思います。以上です。

【宮田会長】  はい,ありがとうございました。3秒前でございます。次長何かございますでしょうか。

【河村次長】  じゃ,一言だけ。始めに当たってのお礼の挨拶でいいんですけれども,させていただきます。途中,席を外させていただきまして,失礼をいたしましたが,大変多くの御意見を頂戴いたしましたことをお礼申し上げたく存じます。
私ども文化庁は,文化芸術を創る皆様,直接創造する皆様とか文化財の保護継承ということに直接携わっていらっしゃる方,言葉を大事にしていく仕事に直接携わっていらっしゃる方と,そうではないと申しますか,それを享受するそば,あるいは余り文化にはなじみがない人たちも含めた社会との間に位置していると思っております。つまり文化庁が間のコミュニケーター,又は翻訳者みたいな立場になっていくんだと自覚をしておりますけれども,皆様の御意見をその中にしっかりと施策推進に反映させながら,制度・予算をよりよいものとしていくべく努力してまいりたいと存じます。今日は本当にありがとうございました。これから1年御指導よろしくお願いいたします。

【宮田会長】  内田さん,よろしいですか,これで。先生方,ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。文化庁の書いているのは決して悪くないからね。多分ほかの省庁だと思います。失礼しました,ごめんください。ありがとうございます。

── 了 ──

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