第9期文化審議会第2回総会(第49回)議事録

1  日時
平成22年2月1日(月) 15時2分〜16時38分
2  場所
文部科学省 東館 3F1会議室
3  議題
  1. (1) 各分科会等の報告等について
    • 文化政策部会の審議状況について
    • 国語分科会の審議状況について
    • 著作権分科会の審議状況について
    • 文化財分科会の審議状況について
  2. (2) その他
4  出席者
足立委員,いで委員,内田委員,佐々木委員,清水委員,里中委員,田村委員,堤委員,東倉委員,中山委員,西原委員,野村委員,林委員,林田委員,宮田委員,森西委員,山内委員
(欠席者)
青山委員,田端委員,山脇委員
(配付資料)
  1. 文化審議会委員名簿
  2. 文化政策部会関係資料
  3. 国語分科会関係資料
  4. 著作権分科会関係資料
  5. 文化財分科会関係資料

午前3時02分 開会

○西原会長
ただいまから文化審議会第49回総会を開催したいと存じます。
本日はご多忙な中ご出席いただきまして,まことにありがとうございます。
本日は,後藤文部科学大臣政務官にご出席をいただく予定となっておりますけれども,ご公務のためご到着が遅れております。政務官にはご到着次第,一言ごあいさつをいただきたいと思います。
本日は,各分科会等から審議の状況についてご報告をいただき,委員の皆様にはそれをもとにして意見交換をいただきたいと存じます。
それでは,まず,文化政策部会の審議状況につきまして宮田部会長よりご報告をお願いいたします。

<文化政策部会からの報告>

○西原会長
ありがとうございました。
ただいまのご報告につきまして,皆様からご質問,ご意見等ございますでしょうか。どうぞよろしくお願いいたします。
このご提言が実行されるためには,具体的にはこの報告書がどのように活用されるとよろしいのでしょうか。
○宮田会長代理
先生方も仕分けの場面をずっと想像しながら来たわけでございますけれども,何度かチャンスがございまして,私は国立大学協会のほうからの広報関係で理事をやっているものですから,そちらからの話をもとにときどき国のほうにお話をさせていただいておりますけれども,やはり攻めないと動きませんね。政権交代があっても,攻めたことが,確実に,具体性が出てきているような気がします。
このことは,私はとても大事なことだと思っております。といいながら残念ながら何本か,私はしゃべっていながら,これはうまくいってなかったなというのは感じておりますので,そういうことも含めまして見分ける力は僕らはあるわけでございますので,やはり次の人材に対しての期待と同時に,それを持っていくときに,文化庁さんとやはり一緒に足しげく行商人として通うということがすごく大事なことかなと。
もう一つ言えるのは,今回はこれだけで構わないと思うのですが,今後は,ただ並べているだけというのではなくて,具体性をもって進めていきたいなと思っております。
その中には,この部分,この部分と何個かありましたけれども,それを具体をもってお話しさせて,政務官あるいは副大臣等のところにも持っていきたいなという,ぜひ長官,ご一緒させていただきたいと思います。
うまく言うのは十分可能でございますので,ものすごい委員の先生方からいいお話をみんないただいておりますので,具体的な部分をお話しするということに対しては勉強させていただいております。
○西原会長
ありがとうございました。
何かご意見,ご質問等。どうぞ,いで委員から。
○いで委員
大変立派な報告書だと思いますが,これは主体的には人材の育成とか活用とかというところで,どちらかというと人をつくるまでの議論というのが活発になされていると思います。問題は,つくられた人たちが今後果たしてそれで生活ができるのだろうか,できないのだろうかというところで今後というもの,その日本の文化が育つとか育たないとかということになってくると思います。これはどこの世界でもみんな一緒で,我々も歌づくりにかかわる人間も,50歳になっても若手だというような非常に寂しい状況に,それは音楽業界自体もちょっと衰退の道をたどっているということもありますが,そんな状況なので,やはり育てた人間がきちんとご飯が食べられる,生活ができるというような環境づくりというものをやっていかないと,なかなか底辺が広がっていかないのではないかなというふうに思います。今後そういうことも含めた議論というものが必要になってくるのではないのかなという気がいたします。
○西原会長
ありがとうございました。
はい,林田委員。
○林田委員
今のいで先生のお話と共通するんですけれども,美術の人材につきましても,養成自体の問題もありますが,やはり働いている人たちにちゃんとした職場環境を提供できるようにしていくということが非常に大事だなという感じがしております。そういう意味で,こういう施策に沿って進められることを期待しています。
最近,時々新聞などで,劇場法とかという議論が聞こえてくることがあるんですけれども,どんな内容かはよくわかりませんけれども,この方向性は大体共通していると考えてよろしいものでございましょうか。
○宮田会長代理
多分,共通の考え方の中に包括的にはあるのではないかなと私は思っております。今,いで先生からのお話や林田先生のお話もそうなんですが,私,何しろ今お願いしたいことは,先生方にぜひ認識していただきたいというのは,いかに底辺を広げていけるかということです。個人的な話で恐縮なんですが,例えば,東京芸大の学生は全員芸術家にならなくてもいいと思っているんです。
それだけの下地のきちっとした感性を持っているからこそ,一企業人になったときに非常にすばらしい才能を発揮することができるとか,その下地づくりの中にある芸術という,そして,身体も含めて表現をするということができる,伝えるということができる仕事というものを大事に生きざまの中に持っていてもらいたいという思いがすごく強くございますので,最終的にそれがプロの芸術家になることだけを求めているわけではない。もっともっと幅広くあっていいのかなという。
それが哲学者になり,詩人になり,舞台芸術家になり,画家になり,そして企業人になり,そして行政マンになっても構わないというような大きな視野を持ってもらえる。そのベースに文化芸術がある。そしてその中の一つとして,今回,私どもがまとめさせていただいた基本的な人材育成,アートマネジメントや,そういうものも含めているというふうに思っております。
それと同時に,アートマネジメント,本当に今渇望されて,すごく求められている。いいものを日本人は持っているんですが,それの伝え方の下手くそさ。これを何とかしたい。それは,日本の国内だけではなくて,世界に対して日本人の持っているすばらしいものをどう伝えていくか本当に考えなきゃいけないのかなと思っております。
○西原会長
ありがとうございました。
ほかにご意見等,はい,どうぞ。
○堤委員
宮田先生がおっしゃったことをちょっと補足するような形になりますけれども,実は私の娘が2年ほど前に,アメリカのミルウォーキーの美術学校を卒業いたしました。私,その卒業式に出席させていただいたんですけれども,そのときのご来賓の方のスピーチがとても興味深かったので,皆様にちょっとお知らせしたいと思います。
今でも決して調子いいとは申しませんけれども,そのときは本当にアメリカ全体がこれは大変なときになって,経済はどうのこうのでというときでした。私も卒業式のスピーチも何となくさえないものになるんじゃないかななんて予想していたんですけれども,そしたら全く逆で,一人一人おっしゃったことは,ここで学んだいわゆる創造芸術ですね,それは美術であれ,音楽であれ,何であれ,その創造力こそがこれからのアメリカのリーダーシップになるんだ。これがこれからのアメリカの社会を引っ張っていくんだ,経済も引っ張っていくんだ,アメリカももちろん引っ張っていくんですけれども,ああ,そうか,そういうものなのかと私大変感心いたしまして一言申し上げさせていただきました。
○宮田会長代理
ありがとうございます。
○西原会長
ありがとうございました。
そのほかにご意見おありでしょうか。
どうぞ,内田委員。
○内田委員
ただいまのご報告,大変感銘を受けながら聞かせていただきました。
私は,戦略的な支援による人材活用というところで,実演芸術家等を活用した小・中学校からの演劇教育や舞踊の基礎の取り入れを推進するという項目が盛り込まれておりまして,これは大変心強く承らせていただきました。
と申しますのは,私がちょっと関係しております不登校の子供たち,小学校の高学年から中学までほとんど学校に行かれずに引きこもりをしていた子供たちが,クラーク高校のパフォーマンスコースというのをつくりまして,そこでやっぱり縮こまっていた心と体を表現するのに非常に大きな成果を上げておられるんですね。これは,殺陣とか,そういった身体面の表現だけではなく,演劇をつくり上げるだけでなく,4日昼夜公演を年に2回打つというような,そういう事業にまで発展しました。これは札幌,東京,神戸などで非常に成果を上げています。
その子たちが学校に来られるようになるだけではなく,将来はそこで見出した自分の力で音楽大学を受験するまでになった,中には本当にプロの演劇人になっていった人もいるというようなことがございます。そういう面での舞台芸術の役割ですね,それからミュージカルセラピーというようなことで,このような表現科目といいますか,それの持つ役割というものを,この中には必ずしも明確に盛り込まれていないのですけれども,そういった面で非常に大きな実績を上げているというところがあるということもお考えいただきまして,今後,その面へもアートマネジメント人材だけではなく,やっぱり学校教育の心身の面の支援教師のような形でこうしたプロの方たちに活躍の場を与えていくというような,そういったことも盛り込んでいただけると大変ありがたいなというふうに思いました。
○宮田会長代理
田村先生,今の内田先生のお話,そのような話題も会話の中にございましたですね,僕らの理解の中に。
○田村委員
そうでございますね。それが私は東京生まれ,東京育ちでございますけれども,今,静岡のグランシップというところで仕事をしております。地方と東京の文化の格差というのは本当に大きいなと実感しています。たった1時間の静岡ですらそうだと。東京と同じことをしようと思うと,本当にレベルの高い芸術家にいらしていただいて子供たちに提供しようと思うと,3倍の費用がかかるのです。そのことをぜひ皆様わかっていただきたい。本当に子供にとって大切であるということがわかっていても,大変申しわけございませんが,事業仕分けのときに,それは地方自治体の役目ではないかというお話がございましたけれど,東京ですらやりにくいものが,地方で3倍かかるのでしたらもっとできないということを,ぜひ皆様理解していただきたいと思います。
そして,日本には2,000以上公共の文化施設というのは立派なものがございます。その施設を活用して,芸術団体の方とともに手を組んで,その部分に国が支援していただけたら,地方はもっと文化が豊かになるということは実感しております。その努力を日々いたしておりますけれど,地方の方たちがとてもやりにくいのは,地域の文化活動を支援すればという地域のニーズにという言葉に,劇場法というものがないために公民館法で公共の文化施設というものがとらえられてしまうのです。 すると極端にこんなことを言ってはいけませんけれど,カラオケにも場所を提供せざるを得なくなってしまうという状況にあるわけでございます。税金を使ってしなくてはならないのは,なかなか民間ではできにくいところに公共の文化施設の役目があるのではないか。一番大切なのは子供のための場,障害者のための場,そして高齢者のための場を,地域の文化施設は担っていかなくてはならないのではないかと常々言っております。
それから,グランシップではないのですが,私ども静岡はSPACという劇団を持った組織を持っております。12月に実はオペラを制作して上演いたしました。10周年だからできたことではございますけれど,あのような制作体制は,私は実はNHKにおりましたので,日本のオペラ界というか,いろいろな皆様の苦しい状況は見てまいりましたので,私どものような制作体制をとったオペラづくりということはほとんど日本では多分できないと思います。
上演されたものについて賛否両論,お好みはございますからあるのですが,私が経験した限りにおいて,日本の中であれだけきちんと舞台づくりができたというのは,きちんと制作スタッフが常駐している。そして俳優さんもいらっしゃるということでできた。芸術総監督が,前の芸術総監督の鈴木忠さんに演出していただいたのですが,そういうお力のある演出家がいらっしゃって,制作体制が整っていれば地方でもそういうことができる。実際問題,出演してくださったオペラ関係の方は,静岡にオペラ団体をつくりませんかとまでおっしゃってくださった。これは手前みそではございますけれども,それだけの場を提供できたということでございます。
だから,そんな公共文化施設が日本の全国に2,000以上あるわけですから,きちんとそのことを問うていって,国が足りないところを支援する,さっき申し上げたように3倍かかります。そこをよく理解していただいて,専門家がいればできるのです。そういう意味でアートマネジメント人材の育成は急務です。今積極的な活動をしている琵琶湖もその一つですが,私どもも人材は募集しています。それが現状でございます。日本では劇場の専門家,図書館に司書がいらっしゃるように,美術館に学芸員がいらっしゃるように,文化施設に劇場の専門家が必要なのです。それが何よりも一番大切なことではないかと思って居ります。それによって芸術もすばらしいものが生まれるということだと思います。
○宮田会長代理
ありがとうございます。
まさしく伯楽をきちっと全体の中に散りばめていってもらえればいいのかなという感じがしますし,私が思っているのは,すべての子供たちは芸術家である。そのすばらしい芸術家の心を鉄の堅い扉で閉ざすのはだんだん大人になってきたときなんだという。それをもう一回広げてあげられるチャンスが僕は欲しいと思っています。
そういう意味で,今,田村先生がおっしゃったようなことというのは大変ありがたいことですし,内田先生がおっしゃったことも大変ありがたいことだと思っていますので,文化庁さんとして一緒にその辺をつくり上げていきたいと,かように思っております。
会長,何か仕切ってしまいましてすみません。
○西原会長
ありがとうございました。
では,この辺で文化政策部会の報告を終わらせていただき,次に各分科会の審議状況についてのご報告を伺いたいと存じます。
まず,国語分科会でございます。林分科会長ご報告をよろしくお願いします。

<国語分科会(漢字小委員会)からの報告>

○西原会長
ありがとうございました。
次の報告の前に,後藤文部科学大臣政務官がご到着されましたので,早速ではございますけれども,一言ごあいさつを賜ればと存じます。
よろしくお願いいたします。
○後藤文部科学大臣政務官
文部科学政務官の後藤斎と申します。議事の途中で,遮るような形でごあいさつを申し上げること,まず冒頭お許しをいただきたいと思います。
ご案内のとおり,先週の金曜日に鳩山内閣総理大臣の平成22年度の予算案並びに事業についての施政方針演説があり,きょうからの衆議院の本会議が議論スタートして,その部分がちょっとおくれましたので遅参をいたしました。
この1年間,西原会長初め,それぞれの分科会委員の先生方に熱心なご議論をいただきまして本当にありがとうございます。きょうがその仕上げだというふうにお伺いをしております。
昨年の9月から鳩山政権になり,川端大臣のもとで私も仕事をさせてもらっていますが,いろんな意味で事業の変化が行われております。特に事業仕分けも含めた部分では,委員の先生方初め,文化芸術にかかわる多くの皆さん方から多様な意見が出ました。そういう中で,本当に文化行政がこれから何を求めるのか,また,芸術とは何かという本質的な議論も含めてあった中で,まず,鳩山政権としてやるべきことということで,12月25日に政府予算案,92兆円強の予算案を編成をし,その中でごらんのとおり,文化庁予算も1,020億という史上最高額の予算案が編成をされたところであります。
これから,本会議,また予算委員会の議論を経て,3月までに当然成立をしなければいけないものでありますが,やはりこれからのいろいろな部分が,その予算を介して事業執行なされるということであります。
ぜひ,これからも多様な中でコンクリートから人へという中での一つの大きな柱として,先ほども触れました施政方針演説の中で,鳩山総理もかなりの思いを文化芸術行政の中で今までと違った視点も含めて所信表明をされたところでもあります。
これからも先生方におかれましては,ぜひ多様な角度からご指導賜り,我が国の文化芸術行政が今まで以上に発展をするようにお願いをするとともに,中座をしたことのおわびと,そしてこれからも文科省,また文化庁にいろんな角度からご指導を賜ることを心からお願いし,私から皆さん方へのこの1年間の御礼と,そしてこれからのお願いのごあいさつとさせていただきたいと思います。
きょうは本当にお忙しい中ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いします。
○西原会長
ありがとうございました。
超ご多忙の中をごあいさつ賜りまして,本当にありがとうございました。
国会開会中でもあり,ここでまたご公務のために退席されますので,今後のご指導をまたよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
では,引き続きまして,私から国語分科会の後半部分,日本語教育小委員会に関するご説明を申し上げます。

<国語分科会(日本語教育小委員会)からの報告>

○西原会長
ご意見はございませんでしょうか。
もし,ないようでございましたら,続きまして,著作権分科会のご報告をいただきたいと存じます。

<著作権分科会からの報告>

○西原会長
ありがとうございました。
ただいまのご報告につきまして,ご意見,ご質問等ありますでしょうか。
先日,新聞の報道で,この委員会の方針について抗議をする団体があったやに報道がされていましたけれども,そういう外部からの意見というのは,直接この委員会に寄せられるものでございますか。
○野村委員
抗議というのは,あれでしょうか,権利制限の審議会の内容が先に出ているとか,そういうことでしょうか。
○西原会長
はい,何か示された方針についてというような報道があったと思うのですけれども。世の中にいろんな意見があると思うんですけれども,それは直接審議会のほうに寄せられるという,そういうことでございましょうか。
○野村委員
審議会では,関係者団体のヒアリングをかなり精力的に行っておりまして,そういう団体を通じた意見がかなりございます。それから,著作権の法制問題小委員会というのは,法律家中心に委員になっておりまして,しかし分科会のほうはいろんな権利者や利用者の団体からの委員がおりまして,そういった場でもいろいろ意見をいただいていますし,それから直接文書等で著作権課のほうに意見をいただいているということで,いろんなチャネルを通じて意見の集約はしております。
○西原会長
ありがとうございました。
何かご意見がございますでしょうか。
よろしゅうございますか。
では,引き続きまして文化財分科会のご報告をいただきたいと存じます。
よろしくお願いいたします。佐々木分科会長。

<文化財分科会からの報告>

○西原会長
ありがとうございました。
ただいまのご報告につきまして,ご質問等がおありでしょうか。どうぞ。
○いで委員
単純な質問で申しわけありません。
この文化財の重要文化財への申請というのは,所有者または行政機関なのか。
あるいはここに抹消というのがあるんですが,この抹消の理由というのはどういうものなのか。例えば,建物が火災でなくなったとか,そういうことなんでしょうか。
○佐々木委員
そのとおりでございます。建物が火災であるとか,あるいは仏像がやっぱり火災で焼けたとか,それからほかに抹消,美術工芸品とか建造物はそうでございますね。
事務局からもう少し詳しいお話ございますか。
○関文化財部長
今,重要文化財について分科会長からご発言いただきましたけれども,その後,例えば記念物関係で申し上げれば,指定されている木が枯れてしまったとか,そういう指定した文化財としての価値が失われた場合に抹消するということでございます。
○いで委員
もう一つの,登録に要する,要するに申請は行政とか所有者とか,申請に基づいてやるということでしょうか。
○関文化財部長
指定につきましては,基本的に申請を受けてということではございません。文化財としての価値判断,そのこなしは私ども事務局でやらせていただいておりまして,それを踏まえて諮問させていただいているという状態でございます。
○いで委員
じゃ,事務局が見つけてくるということですね。
○関文化財部長
見つけてくると申しましても,基本的にはいろいろな形で,これは地方公共団体のご協力もいただきながら調査等してございますので,そういった中から価値判断をさせていただいているということでございます。
○佐々木委員
情報は地方公共団体,それから一般の方からもいろいろ上がってきますけれども,最終的にはやはり事務局の専門の担当官がきちんと調査をして,そしてそれをこういう審議会にと,そういうことです。
○いで委員
わかりました。
○西原会長
ありがとうございました。
そのほかのご質問,ご意見等おありでしょうか。
もしないようでございましたら,最後に,今期の文化審議会全般について何かご意見等がございましたら,どうぞご発言をお願いいたします。
特段ございませんでしょうか。
今回は,第9期の文化財の審議委員の任期がこの2月4日をもって終了いたします。今期の最後の総会ということできょう開催されたわけでございますけれども,今期がこれで終了いたしますので,玉井長官より一言ごあいさつを賜ればと存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。
○玉井文化庁長官
文化庁長官の玉井でございます。
この文化審議会は,毎年1年ごとの任期になっているものでございますから,ちょっとほかの審議会のように2年とか3年とかではないので,毎年という形になっていることはご案内のとおりでございます。
一言お礼を込めて,閉会に当たってのごあいさつをさせていただきたいと存じます。
まず,西原会長初め,部会,それぞれまた各分科会でのご議論いただきましたこと,大変精力的なご議論であったと,私,幾つかに出させていただきながら感じました。本当にありがとうございました。
きょうの全体のご議論でもございましたように,それぞれの部会でも分科会でもかなり基本的な事柄についてのご議論が出ております。それだけなかなか難しい点も出てきているのではないかなというふうに思っておりますけれども,やはり文化の振興に向けて,大変熱意を持ってご議論いただいていることを大変ありがたく,心から感謝を申し上げたいと存じます。
この9期が終わりますけれども,また10期に向けて,ほとんどの方々またよろしくお願いを申し上げるわけでございますので,ぜひ引き続きまた精力的なご議論をいただきたいと思っております。
難しい時代にはなってきておりますけれども,やっぱり文化芸術の振興は長い目で見て,本当の基盤をつくっていくものでありましょうし,また難しい時代であればこそ,そういう芸術文化の振興が,また社会の活力にもなってくるものというふうに確信をしておりますので,精いっぱいの努力をまた文化庁としてもさせていただきますので,どうぞまたこれからもひとつ忌憚のないご意見,また精力的なご議論を重ねていただければ大変ありがたいと,かように思っております。
今期は本当にありがとうございました。
○西原会長
長官,どうもありがとうございました。
各委員の皆様方には,分科会,それから部会を通じてご審議にご協力いただきましてまことにありがとうございました。
では,以上をもちまして総会を終了したいと存じます。

午後4時38分 閉会

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