無形文化遺産

無形文化遺産の保護に関する条約の概要

経緯

2003年10月
ユネスコ総会において採択
2006年4月
条約発効

我が国は2004年6月に条約締結

締約国

178か国(2018年7月時点)

条約の目的と概要

「無形文化遺産の保護に関する条約」(無形文化遺産保護条約)は,グローバリゼーションの進展や社会の変容などに伴い,無形文化遺産に衰退や消滅などの脅威がもたらされるとの認識から,無形文化遺産の保護を目的として,2003年のユネスコ総会において採択された。この条約によって,世界遺産条約が対象としてきた有形の文化遺産に加え,無形文化遺産についても国際的保護を推進する枠組みが整った。条約の策定段階から積極的に関わってきた日本は,2004年にこの条約を締結した。

この条約においては,口承による伝統及び表現,芸能,社会的慣習,儀式及び祭礼行事,自然及び万物に関する知識及び慣習,伝統工芸技術といった無形文化遺産について,締約国が自国内で目録を作成し,保護措置をとること,また,国際的な保護として,「人類の無形文化遺産代表的な一覧表」や「緊急に保護する必要がある無形文化遺産の一覧表」の作成,国際的な援助などが定められている。

この条約の履行については,全締約国から成る締約国会議の下に,締約国の中から選挙で選出される政府間委員会が設置されており,履行のための運用指示書の作成や,「人類の無形文化遺産代表的な一覧表」等の作成など,重要な役割を担っている。日本は,条約が発効した2006年から2008年,及び2010年から2014年まで政府間委員会委員国を務め,2018年にも委員国に選出された(任期:2022年まで)他,代表一覧表等の審査にも積極的に関わっている。

無形文化遺産保護条約政府間委員会

ユネスコ無形文化遺産保護条約の締約国から選出された24か国で構成。原則として年に1回開催され,条約の履行のための運用指示書の作成や,条約に基づき設置されている無形文化遺産基金の使用に関する計画を策定する他,評価機関の勧告を踏まえ,代表一覧表等の各種一覧表への登録審議や国際援助の決定等を行う。

<政府間委員会委員国(24か国)>※2018年6月現在

【任期:2016-2020年】

オーストリア,キプロス,アルメニア,コロンビア,キューバ,グアテマラ,フィリピン,モーリシャス,セネガル,ザンビア,レバノン,パレスチナ

【任期:2018-2022年】

オランダ,アゼルバイジャン,ポーランド,ジャマイカ,中国,日本,カザフスタン,スリランカ,カメルーン,ジブチ,トーゴ,クウェート

人類の無形文化遺産の代表的な一覧表
(Representative List of the Intangible Cultural Heritage of Humanity)

政府間委員会は,無形文化遺産の一層の認知及びその重要性についての意識の向上を確保するため,また,文化の多様性を尊重する対話を奨励するため,関係する締約国の提案に基づき,代表一覧表を作成している。

締約国から提出された提案書は,政府間委員会が設置する評価機関(Evaluation Body)(世界各地域から選出される専門家6名とNGO6団体により構成)が,運用指示書に定められた登録基準に従って事前審査を行い,政府間委員会に対して審査結果を勧告する。勧告は次の3通り。

  • (1)「記載(inscribe)」:代表一覧表に登録することがふさわしい
  • (2)「情報照会(refer)」:締約国に追加情報を求める
  • (3)「不記載(not to inscribe)」:登録にふさわしくない

この勧告を踏まえ,政府間委員会が登録の可否を決定する。

代表一覧表に登録された我が国の無形文化遺産

2018年7月現在

能楽 2008年
人形浄瑠璃文楽 2008年
歌舞伎(伝統的な演技演出様式によって上演される歌舞伎) 2008年
雅楽 2009年
小千谷縮・越後上布 2009年
甑島のトシドン 2009年
奥能登のあえのこと 2009年
早池峰神楽 2009年
秋保の田植踊 2009年
チャッキラコ 2009年
大日堂舞楽 2009年
題目立 2009年
アイヌ古式舞踊 2009年
組踊 2010年
結城紬 2010年
壬生の花田植 2011年
佐陀神能 2011年
那智の田楽 2012年
和食;日本人の伝統的な食文化
「和食」のユネスコ無形文化遺産登録について(農林水産省)
2013年
和紙:日本の手漉和紙技術
(構成/石州半紙,本美濃紙,細川紙)
2014年
山・鉾・屋台行事 2016年

代表一覧表への記載に向けて提案中の我が国の無形文化遺産

○来訪神:仮面・仮装の神々

(提案概要)(70.5KB)

これまでの経緯と今後の予定

時期 事項
2016年3月 ユネスコ事務局へ提案書を提出
2016年5月 2017年の審査見送り
2017年3月 ユネスコ事務局へ提案書を再提出
2018年10月頃 評価機関による勧告
2018年11月頃 政府間委員会で審議・決定

○伝統建築工匠(こうしょう)の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術

(提案概要)(68.4KB)

これまでの経緯と今後の予定

時期 事項
2018年3月 ユネスコ事務局へ提案書を提出
2018年5月 2019年の審査見送り
2019年3月 ユネスコ事務局へ提案書を再提出
2020年10月頃 評価機関による勧告
2020年11月頃 政府間委員会で審議・決定

審査件数の上限を超える提案があったため,条約運用指示書の規定に基づき,登録件数が世界第2位である我が国からの提案は2019年には審査されないこととなりました。

参考情報

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