開会あいさつ

中野:お待たせいたしました。ただいまより平成17年度文化庁日本語教育大会関西大会を開催いたします。
 私は,進行を務めます文化庁文化部国語課の中野と申します。よろしくお願いします。
 まず,開会に当たりまして,文化庁国語課長,平林正吉よりごあいさつを申し上げます。
平林:おはようございます。それでは,平成17年度文化庁日本語教育大会関西大会の開会に当たりまして,一言ごあいさつを申し上げます。
 本日は大勢の方に御参加いただき,まことにありがとうございます。
 また,この大会の開催に当たりまして御協力いただきました講師の先生方及び立命館大学の皆様方に対しましても厚く御礼申し上げます。
 この文化庁日本語教育大会は,多くの方々に日本語教育に対する理解を深めていただくことを目的として毎年開催しているもので,今年で11年目を迎えるところでございます。また,平成15年度からは,河合隼雄文化庁長官が提唱しております「関西元気文化圏,文化で関西から元気になろう」という関西元気文化圏構想の事業の一環として関西においても開催しており,平成15年度は神戸で,平成16年度は大阪で開催し,今年はここ京都で開催することになりました。
 また,今年は日韓国交正常化40周年を迎えることから,「日韓友情年」と位置付けて様々な行事が開催されております。この日本語教育大会におきましても,午後に韓国の短編映画の上映をいたします。言葉をテーマにした作品や韓国の民間伝承を題材にした作品でございます。どうぞお楽しみください。
 本日の文化庁日本語教育大会は,テーマを「日本語で異文化コミュニケーション」とさせていただきました。言葉はコミュニケーション手段でございますが,その言葉を母語とする人々の文化と深く結びついております。近年,多くの外国人の方々が日本で生活をするようになってまいりました。そうした外国人の方と日本語を通じてコミュニケーションを行っていくわけでございますが,そこでは言語の面だけでなく,お互いに背景に持っている文化が異なるため,行き違いや誤解が生じることが考えられます。そして,そういう行き違いなどがお互いに不幸な結果につながることもあれば,逆により一層深い理解を促進することにつながることもあると思います。文化が異なるという点は避けて通れませんが,その違いをよりよい方向に生かしていくためには,どうすればよいかを考えることは重要だと思います。
 私たち一人一人の日本人が外国人とコミュニケーションをしていく中でどのような点に配慮すればよいのか,また,日本語教育の面で純粋に言語だけでなく,コミュニケーション力をどのように身に付けさせるのか,あるいは文化が異なるということを相互理解の楽しみに変えていくためにはどうすればよいか,本日の大会がいろいろな面で皆様方が考えていただくきっかけになれば幸いでございます。
 河合文化庁長官は,よく「文化芸術を盛んにして,日本中を元気に楽しくしていきたい」,あるいは「私たち一人一人が持っている文化力を発揮すれば,日本社会は活力を取り戻せる」ともよく申しております。本日の大会が皆様方の今後の活動のヒントとなり,また皆様方が持っていらっしゃるすばらしい文化力の向上の一助となれば大変うれしく存じます。
 最後になりましたが,皆様方の今後のますますの御活躍を祈念いたしまして,簡単ではございますが,開会のごあいさつとさせていただきます。
中野:本年度の日本語教育大会関西大会のテーマは,「日本語で異文化コミュニケーション」です。
 外国人登録者数が年々ふえ続けておりますが,日本語学習者数は,文化庁の調査によると,平成16年11月1日現在で,約12万8,500人です。多くの外国人の方が一緒に日本で暮らすという社会となっておりますが,このように多文化化の進む国内社会で求められるコミュニケーション能力とは,どのような力でしょうか。
 本大会では日本で活躍する外国人,日本語話者や日本語教育学,異文化コミュニケーション学の専門家を招いて,文化的背景を異にする外国人と日本人の日本語による円滑なコミュニケーション,特に外国人に対する日本語学習のあり方について考えてまいりたいと思います。

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