所轄庁へ提出する書類とは

2 所轄庁へ提出する書類とは何ですか。

(1) 各法人が,作成し,事務所に備え付けるべき書類とそれらのうち所轄庁へ提出すべき書類は次のとおりです。

提出すべき書類 補足説明
役員名簿 役員名簿は、代表役員、責任役員について作成するのはもちろんですが、規則で定める機関で、規則の変更や、予算、財産処分など法人の管理運営に直接関与する役員についても作成する必要があります。例えば、責任役員会以外の議決機関の構成員や法人の内部にあって職務執行を監査する監事なども該当します。
名簿は、役員の分類ごとに、住所、氏名、就任・退任年月日、任期などを記載します。
財産目録 財産目録とは、一定の時点において、法人が保有するすべての資産(土地、建物、現金、預金等)とすべての負債(借入金等)について、その区分、種類ごとに一覧にし、法人の財産状況を明らかにしたものです。財産目録は、毎会計年度終了後3月以内に作成する必要があります。
財産目録中の基本財産とは、宗教活動を行っていく上に必要な財政的基礎となるもので、境内地や境内建物のほか、基本財産として設定されている一定の基金がある場合などが該当します。また、普通財産とは、法人の通常の活動に要する費用に充当すべき財産です。
財産の設定については、各法人の規則に記載されており、変更等(基本財産を普通財産にする場合など)を行う場合には、一般的に責任役員会の議決が必要となっていますので、よく規則を見て作成してください。
収支計算書 収支計算書とは、会計年度のすべての収入、支出の明細表であり、予算と対比することにより、予算の執行状況を明らかにする書類であり、法人としての一年間の宗教活動等を数字で表したものです。
なお、公益事業以外の事業を行っていない法人で,その一会計年度の収入が8千万円以内の場合は,当分の間,収支計算書を作成しないことができます。
賃借対照表(作成している場合に限る) 一定の時点における資産,負債,正味財産を一括して表示するものです。この書類の作成は任意となっています。
境内建物に関する書類(該当法人に限る、財産目録に記載されているものは不要) 境内建物は、宗教活動に不可欠なものと考えられ、その存在によって法人の活動状況や範囲が明かになるという面があります。また、平成7年の宗教法人法の改正で、所轄庁の基準が、他の都道府県内に境内建物を備えているかどうかによることとされました。
境内建物は、必ずしも法人が所有しているものだけとは限りません。法人が境内建物を賃貸借契約あるいは使用貸借契約により借りている場合などは、通常、財産目録には記載がされません。
このような境内建物がある場合に限って、「境内建物に関する書類」を作成し、事務所に備え付けることになります。
事業に関する書類(公益事業や収益事業を行っている場合のみ) 宗教法人は、本来の宗教活動のほか、教育などの公益を目的とした公益事業や、宗教活動などの目的達成に資するために収益事業などの公益事業以外の事業を行う場合には、法人規則に事業の種類や管理運営に関する事項を規定するとともに、その事業に関する書類を事務所に備えなければなりません。
「事業に関する書類」は、事業の状況、事業に関する収支その他の事業内容や経営の実情を表す書類をいいます。したがって、この書類については、各事業の種類ごとに作成して備え付けてください。

以上のほか,宗教法人法上は義務づけられていませんが,「規則の施行細則」,「登記事項証明書」,「信者名簿」等の書類,帳簿を備えておくことが望まれます。

(2)あなたの法人は,どの書類を提出することになっていますか。

類型例 役員名簿 財産目録 収支計算書 貸借対照表 内建物書類 事業に関する書類

(1)事業は行っておらず,年収が8千万円以内である。

なお,収支計算書,貸借対照表は作成していない。

       

(2)事業は行っておらず,年収が8千万円以内である。

収支計算書は作成しているが,貸借対照表は作成していない。

     

(3)年収8千万円以内であるが,収益事業を行っている。

貸借対照表は作成している。

 

(4)事業は行っていないが,年収は8千万円を超える。

貸借対照表も作成している。

   

(5)収益事業を行っており,貸借対照表も作成している。

また,境内建物で自己所有ではなく,賃貸借契約あるいは使用貸借契約によるものがある。

Q3 収支計算書の作成が免除されているのはどういう場合ですか。

A 公益事業以外の事業(収益事業)を行っていない法人であって,その一会計年度の収入の額が8千万円以内である法人については,当分の間,収支計算書の作成義務を免除することとされています。

Q4 現在,収支計算書を毎年作成していますが,年間の収入が8千万円以内なので,今後作成しなくてもよいのでしょうか。また,この場合,作成していても提出しなくてもよいのでしょうか。

A 年間収入が8千万円以内の法人について,当分の間,収支計算書の作成義務を免除することとされているのは,収入規模の小さな法人について直ちにその作成を義務づけることが,事務負担の面で困難が予想されるための経過措置にすぎず,収支計算書を作成しないことを奨励するものではありません。

また,年間の収入が8千万円以内であっても,実際に作成していれば,所轄庁に提出する必要がありますので,注意してください。

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